日本SF作家クラブのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日本SF作家クラブ編集による短編集である。ポストコロナとSF(2021)、2084年のSF(2022)に続く書下ろしアンソロジー。
まだ”AI”という言葉がなく、電子頭脳あるいは電子計算機、単にコンピューターと呼ばれていた時代からそれらを題材にした小説があった。人間に造反したり、反乱を起こしたりするものが多かったような気がする。本書にはそんな単純な話はない。現在では実際に人間の能力と同等のAI(人工知能技術)が登場してきたからである。帯にある「未来をつかむのどちらか?」のとおり、未来は一体どうなるのであろうか、気になるといえば気になる。
本書の最後に収録されてる「この文章はAIが書いたものではありません」は、小説ではなく大学の先生が書いた「現在のAI」についての解説である。AIってよくわからないと感じている方は、これを最初に読んだほうがよい。 -
Posted by ブクログ
30ページ前後の短篇が22篇収録されており、1つ1つはサクサクと読める。ただ、1篇ページでも全体としては650ページ超であることとAIというテーマ故か似てるものを扱っているものがなんとなくある気がする(もちろん作家ごとに異なる味付け・切り口ではある)ため、読み終わるのに少し時間がかかってしまった。単純に実生活で本を読んでいられない期間と重なったのもあるが。
お気に入りは『準備がいつまで経っても終わらない件』『シンジツ』『愛の人』『シークレット・プロンプト』『智慧練糸』『人類はシンギュラリティをいかに迎えるべきか』『覚悟の一句』
巻末の解説も非常に面白かった。 -
Posted by ブクログ
「異形コレクション」シリーズ編纂で名を馳せる井上雅彦氏監修による、「恐怖」をテーマとした全編書き下ろしのアンソロジー。
鴨的には聞いたことのない作家さんも多くて、略歴を拝見するとホラー系メインの方や、ネット上をメインに活動されている方も多くラインナップされてるんですね。新鮮な気持ちで通読させていただきました。
不肖鴨、SFとホラーは親和性が高いと考えています。その理由は、どちらも「読者の想像力に全幅の信頼を置くことを前提とする」ジャンルであるから。作家が表現したいことを100%文章化するのではなく、何割かを読者の想像力に委ね、想像力を如何に喚起するかに心血を注ぐ、したがって読者の側にもある程度のセンスとスキルが求められる(だから決してメジャーになれないヽ( ´ー`)ノ)ジャンルだと鴨は思っています。
その持論を前提に、乱暴ながらレビューさせていただきますと・・・「文章で表現しすぎ」かな?と感じられる作品が多かったです。痛いだけ、グロいだけ、正体不明なだけ、結局滅びただけ(本当に乱暴な表現ですみません!)と思ってしまう作品が少なからずあり、鴨的に総合評価は星3つと言ったところですねー。
その中でも、SFホラーならではの美学を感じたものもありまして、飛鳥部勝則氏「我ら羆の群」はラストシーンの鮮やかなパラダイム・シフトに思わず膝を打ち、篠たまき氏「漏斗花」は切なくも残酷な”オチ”にスティーブン・キングの隠れた佳作「ジョウント」に通じるスタイリッシュ性を感じました。
なお、鴨が大好きな牧野修氏は、通常運転です(笑)行間から想起されるイメージの豊穣さ/美しさ/怖さでは、飛浩隆氏がさすがに頭ひとつ抜けている印象。
読む人の指向・志向・嗜好によって、好きな作品がかなり分かれるアンソロジーだと思います。読書仲間と読み比べてみても面白いかも。