日本SF作家クラブのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ22人それぞれの地球のSFを堪能することが出来て良かった。
特に好きだったのが、「一万年後のお楽しみ」、「竜は災いに棲みつく」、「砂を渡る男」、「バルトアンデルスの音楽」だった。
柴田勝家先生の「一万年後のお楽しみ」はシムフューチャーというゲームを巡って起こった様々な事象を追っていくお話で、最初はゲーム内の男性を発見し観察していただけだったが、男性に言語を教えようと現実の世界に変化を与えゲーム内の物語を展開させていく。それが徐々にエスカレートしていく所が人間の恐ろしさを顕す。
春暮康一先生の「竜は災いに棲みつく」は題名のとおり災いに関わる竜が登場するのだが、その設定自体がとてもおもしろいもので -
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名著。マジでよい。今すぐよむべし。短い作品ばかりなのに、めちゃくちゃ筆が乗ってて、方向性もさまざまで、とにかく楽しい。
日本SF作家クラブ編の直近2冊の本は、コロナ禍というのもあって暗い方向でまとまってしまって感じがあったが、それがない。
個人的によかったもの。全部。だけど、印象的だったものを一言感想を付して述べる。最高なのは円城塔の地下ダンジョン魔法ファンタジーものである。マジだから。読んで。なろう系好きな人もきっと気にいるから。
高山羽根子『没友』は、仮想現実が行き渡った世界での日常を描き取るのがうますぎる。品田遊『ゴッドブレスユー』は、エンタメ小説として楽しめる。福田和代『預言者の微笑 -
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ネタバレハヤカワのSFアンソロジーなら間違いない、と読んだ本。
面白かったです!
SFももはやジャンルレス、とされながらも、バラエティ豊かな作品群でした。
SFの世界はどこまでも拡がっていくなぁ…
特に、柴田勝家「タタリ・エクスペリメント」、小田雅久仁「戦闘番号七九六三」、篠たまき「漏斗花」、飛浩隆「開廟」が好きでした。
■幽霊のゆくえ
・梨「#」:幽霊を見る機械「レトロス」に観測された幽霊のデータのアーカイブ
…このお話の世界で“幽霊”とはなんなのかがわかると切なくなりました
、柴田勝家「タタリ・エクスペリメント」:祟りの研究と実験
…“タタリ細菌”の発見というSF要素から、祟りの仕組みや概念が -
Posted by ブクログ
ネタバレAIを軸に、現代日本のSF作家が新たな奇想天外な話を創作する。
記号設置問題が解決すると、AIの意識は電脳空間に目覚め、人類の意識と融合するのかなあ・・・
竜を殺す 長谷敏司 AI下書きで小説を量産している主人公の息子が殺人事件で逮捕された。壮大なスケールのストーリーを期待したが、三文ミステリーだった。
烙印の名はヒト 第一章 ラブ:夢看る介護肢 人間六度
冒頭部だけなので、続きを読まないとなんとも・・・
I traviati 最後の女優 池澤春菜 椿姫みてないのでなんとも・・・・
生前葬と予言獣 津久井五月 対話型AI QuDNが再開発地上げを通じて現実世界を理解する記号設置問題のおはな -
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日本SF作家クラブ編集による短編集である。ポストコロナとSF(2021)、2084年のSF(2022)に続く書下ろしアンソロジー。
まだ”AI”という言葉がなく、電子頭脳あるいは電子計算機、単にコンピューターと呼ばれていた時代からそれらを題材にした小説があった。人間に造反したり、反乱を起こしたりするものが多かったような気がする。本書にはそんな単純な話はない。現在では実際に人間の能力と同等のAI(人工知能技術)が登場してきたからである。帯にある「未来をつかむのどちらか?」のとおり、未来は一体どうなるのであろうか、気になるといえば気になる。
本書の最後に収録されてる「この文章はAIが書い