藤沢数希のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
外資系金融機関で働く著者が金融業界について赤裸々に語っている.少々言葉遣いの悪い部分もある.
大きく内容は2点.1点目はリーマンショックやギリシャ財政破綻等に触れつつ,金融機関の抱える構造的問題について.2点目は金融機関の労働環境について.主にどこだったらどんな仕事ができてどんくらい稼げるかってところ.
初出の単語は解説しつつ分かりやすい表現で書いており,金融・経済ペーペーの自分にも読める内容であった.
金融業界に就職を考えている就活生には一読の価値がありそう.
個人的には,外資系投資銀行で働くのは金稼ぐにはもってこいだしそこまで労働環境もきつくはなさそうだけど,マネーゲームは一生やり続ける程にやりがいは感じられなさそうだなぁという印象. -
Posted by ブクログ
著者の藤沢数希氏は欧米研究機関で計算科学、理論物理学の分野の博士号取得後、外資系投資銀行で経済分析をしていた方。
感想。別の方のレビューにも書いてあったが、反原発論にデータで反論している本。データに依り過ぎてる感じはするが、話はわかりやすい。
また、「原発の問題点は、経済性でも安全性でもなく、倫理性。原発の恩恵は都会の人が多く受けているのに、事故のリスクは地元住民が大きいこと。」は一番印象に残っている表現。そういうことなんだと思う。
備忘録。
•電気の出力数対比事故や公害による犠牲者数を比較すると、原子力は他の発電方法よりも安全。化石燃料は材料採掘時の事故や大気汚染で年間100万人以上が死亡byWHO。
•メディアが恐怖を煽りすぎ。かつてのHIVやBSEとか。交通事故や自殺とかの方が死亡者数という点では多いのでは。メディア受けするかしないかの違い。
•原発一基=山手線の内側相当の太陽光発電。
•筋違いかもしれないが、原発リスクの議論もいいけど、タバコや自動車のリスクは議論要らないの?との主張あり。
とかとか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレリーマンショックの真相をぶっちゃけ解説した本。面白わかりやすい。
トレーダーって悪い奴だと思う。でも、これだけ桁違いなことやってると、金融なんて実体のないことやってるからシカトすれば問題ないような気もしてくる。
政府も、トレーダーが悪いことやっててもそれを止めさせたら世界の秩序が崩れるから手を付けられないって、、、ロマンがあるな。
こういう社会の裏側まで実態が分かっているっていうのはあこがれるなぁ。
銀行には株式の評価を行って証券取引を行う部署とその評価される企業と取引を行う部署がある。なんじゃそれ!アカンやろ!! こういうこと実は知ってる人たちにあこがれる。
ユーロの統一通貨の問題はなんとなくわかっていたけど、やっぱ無理があったよね。海千山千の投資家の恰好の餌食になってしまったね。
本当にお金ってふわふわしたものだな。はっきりいって、庶民が本気出せば紙屑にもできる。本当にそう思う。
リーマンショックとかの事件でピックアップされるのはたいてい大損した人たちについて。
でも、お金の本質として、誰かが損したら、別の誰かが大儲けをしているはず。
さーて誰が大儲けしたのかな。
こういう考えが大事だよね。 -
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株式は売り手と買い手がいて売買が成立します。
ということは片側は「高い」と判断している時、もう片側は「安い」と判断していることになります。
そして、それぞれ自分の判断が「正しい」と信じております。
ではなぜ、自分の判断‘だけ’正しいと思うのか?
それは多くの人々がもつ「オーバー・コンフィデンス・バイアス」と呼ばれる「自分は平均的な人々より少しだけ有能だ」という思い込みの心理作用に因るものだそうです。
人は知らず知らずのうちに自分の考えを正当化する情報‘のみ’に目を向け、否定的な、自身にとって不利な情報は見て見ぬふりをしてしまう傾向があります。
これを繰り返すと自身の有能感がどんどん高まっていってしまいます・・・・
あー耳が痛い!
本書の結論として、同一期間において個人のパフォーマンスが日経平均のパフォーマンスを大きく乖離することはない。
(少数銘柄で乖離する場合のリスクとリターンは同じ)
よって、(買うんだったら)日経平均に連動したインデックスファンドを買うべし。
ここで重要なのは「日経平均が上がってれば、別にどの銘柄を買っていてもだいたいが上がってる」ということで、逆もまた然り。
自分‘だけ’が儲かるってのは滅多にないといことです。
トホホ。
ちなみ本日の上場TPX 781円 -
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ネタバレちょっと言葉がきつく、金融の負の側面ばかりにスポットを当てているキライはあるけど、中身はその通りの事が多いです。
外資系投資銀行の一線で活躍するトレーダーの赤裸々な実態。同じ外資系バンカーの端くれとしてどれも非常に同意できる内容であった。特に斜陽の投資銀行業界は、人事面では同様の事が起きていると思うし、自分の周りも非常に似た状況である。リーマンショックを経て、投資銀行部門から人がたくさん溢れてきている。
著者の内容の通り、大半の外資系(日系も大して変わらないが)にとっては、顧客や経済への貢献とは無縁の世界で、カネや地位のために皆色々なものを犠牲にしており、外見とは裏腹に空しく儚い世界だと思う。それは、この業界に関わる政界や大企業とのもたれ合いによっても生じている。でも金融の意義や社会的使命にもうちょっとスポットが当たれば、世の中の見方や中に居る人も変わっている気はする。
著者は科学者からの転身であるからか、この業界を一段別次元から見ているところも面白い。特に、金融工学のエクスパートや最難関大学の最優秀の人材がこの様な空しい世界に集められている点については、警鐘も鳴らしている。「彼らが癌やエイズの研究を続けていれば世界の救世主になれたかも知れない。宇宙の謎を解き明かしたかも知れない。それが、世界恐慌を生むような負の金融システムを作ってしまった。」という点は、多くの人に知ってもらいたい点であるし、今の資本主義の限界を表しているような気もする。
そして現在、それ以上の問題として「金融保護主義」を上げ、巨大金融グループの「Too big too fail」の弊害を説いているが、これもご尤もである。人類の英知が引き続き試されており、金融界にはもっともっとメスを入れるべきと思う。実際、世界中の納税者に影響を与えているので他人事では無い。 -
Posted by ブクログ
・最大の大気汚染源は自動車の排ガスだが、火力発電所の大気汚染物質の排出は全体の15%程度。WHOの推計から日本で大気汚染によって死亡する人数は3万3000~5万2000人。平均の4万2000人だとして、その内15%=6300人が火力発電による大気汚染で死んでいる。脱原発で発電に占めていた火力の割合が6から9割に増えると、年間3000人ほど死者が増える。
・放射能が漏れるようなシビアアクシデントがあると、周辺の土地に近づけなくなるが、原発1基を太陽光発電に置き換えると、山手線の内側面積とほぼ同じ土地が常時必要になる。
・ビル・ゲイツも言うように、ソーラーや風力はキュートなテクノロジーであり、国民生活を支える基幹エネルギーにはならない。発展途上国は高価すぎて手が出せない。 -
Posted by ブクログ
世の中は「脱原発で自然エネルギーへ」等というスローガンで溢れていると思っています。今度の総選挙でも、エネルギー関連が争点になるとすれば「原発賛成」ということを言える候補者は殆どいないと思います。かつて郵政選挙で反対の立場をとることが本当に難しかったように。
この本は、原子力を含めた理論物理学を究めた経歴をお持ちである藤沢士が、原子力が他の発電方法(石炭や石油火力、自然エネルギー等)と比較して、実際に比較できるデータを用いて解説しています。
特に、自動車の排ガスや石炭火力発電による大気汚染で115万にもの人が死亡している(p21)のには驚きました。
また、日下氏が以前に、現在のウラン型よりもトリウム型の原子炉を推奨していましたが、その具体的な理由(今まで普及しなかった理由も含めて)が明確になって(p197)私としては嬉しかったです。
このような考え方を本にして世に問うことができる日本は、まだ捨てたものではないと思いました。
以下は気になったポイントです。
・911事件後にテロを恐れるあまり飛行機を避けて自動車でアメリカ国内を移動した人達が、最初の1年間で1995人も路上で事故死している。(p13)
・単位エネルギー当たりの事故や公害による犠牲者の数を比べるべき、1テラ・ワット・アワー当たりの犠牲者数で比較する、原子力による発電は、化石燃料による発電より 1000倍程度安全ということになる(p14)
・1969-2000年の間に、世界で起こった莫大な数ののプラント事故を調査したら、原子力の数百倍の死亡者が出ている(p17)
・大気汚染による死亡者は年間115万人だが、半分は自動車の排ガス、発電所からの大気汚染物質は3割程度、これはWHOによる統計、中国では石炭火力で80%発電して毎年の40万人死亡、日本では3-5万人程度死亡、3割程度が火力発電所によるもの(p21、37、40)
・化石燃料において、石炭が特に危険、次いで石油、一番安全なのが天然ガス、石炭は危ないが、最も安価で経済効率が良い(p24)
・福島第一原発のメルトダウンでは未だに放射能による死者は出ていないが、決壊したダムでは既に数人の死者が出ている(p43)
・年間3万人を超える自殺者、5000人以上の死者、7万人以上の被害者がでる自動車事故、20万人を超えるタバコによる健康被害は大きすぎてニュースにならない(p46)
・原爆の生存者に関する調査では、200ミリシーベルト以上では癌とのリスク向上が明確になったが、100ミリシーベルト以下では全く見つからなかった、更に重要なポイントはこれらは一度に浴びたもの(p52,56)
・チェルノブイリ事故では、20年間の調査結果により、4000人の甲状腺がんが見つかり、現在までに15人死亡した(p62)
・事故直後は放射性ヨウ素の内部被ばくが最も危険、放射性ヨウ素は半減期が8日と短く、数か月するとほとんど消える、日本政府がすぐ出荷停止にしたのは良い対応といえる(p65)
・世界の高放射線地域(年間10ミリシーベルト)住民に健康被害は全く見つかっていない(p67)
・一時は100ユーロを超えていたQセルズの株価は、2011.12で 0.5ユーロ、スペインは財政破綻したので、太陽エネルギープロジェクトへの補助金がカットされたため(p75)
・自然エネルギーが世界で普及しない最大の理由は、太陽光・風力のエネルギー密度(同じ体積から絞り出せる電気エネルギー)が極めて小さいから(p79)
・日本は海外から燃料を年間20兆円程度輸入している、日本の税収が30-40兆円なので巨額、GDPの4%に相当する(p94)
・原発を減らした場合、火力発電所で作られた電気で走る電気自動車の魅力は無くなる、CO2を排出しながら作られた電気が、電力ロスしながら送電線を通って、蓄電池に充電される(p103)
・アメリカと韓国の電気代は安い、石炭比率が高いことと、原発稼働率が高いことが原因(p129)
・アメリカはスリーマイル島事故以来、50基分の新規建設に匹敵するパワーアップをしてきている、また稼働率も6→9割にこの30年間程度で上げてきている(p131)
・PWR(加圧水型炉)は、核燃料に触れる水系統、タービンを回す水系統を分離するので、メンテナンスは楽になるが、設計は複雑になる、今回福島で事故を起こしたのはBWR(沸騰水型)(p149)
・日本では中間貯蔵施設の建設が遅れたので、原子炉建屋内の使用済核燃料プールで、保管してきた(p161)
・原発をやめると、電気を生まない原発の維持費を払いながら、その分の電気を確保するための化石燃料を買う必要が生じる(p161)
・日本の発電量の3分の1を担う原発が排出する核燃料廃棄物は年間1000トン、化石燃料を燃やすことにより排出されるCO2は気体で年間12億トン、環境省によれば様々な産業廃棄物を年間4億トン処理する必要があるとしている(p165)
・日本中の蛍光灯や発熱電球を全てLEDに置き換えれば、原発13基分の節電効果あり(p175)
・シリコンは不純物の種類とその濃度をコントロールすることで、P型やn型半導体にもなる(p178)
・ダライラマも、脱原発に反対した、また自然エネルギーにも懐疑的な見方をした、高価なエネルギーは世界の多くの貧しい人々には利用できないから(p183)
・日本の電力が安定供給できたのは、日本の電力会社が、夏のたった数日間のために過剰な発電設備を持っていたから(p187)
・スマートグリッドは、欧州では、主に風力発電所の電力をうまく利用するための電力系統のことを指し、アメリカでは不足する電力供給力に対して、需要をうまくコントロールするための電力系統のことを指す(p190)
・2010年12月に、中部電力の四日市火力発電所の変電所で不具合が発生し、0.07秒程度電圧が低下したば、東芝のNAND型フラッシュメモリ工場が影響を受けて、月額100億円程度の損失が出た(p192)
・最新の軽水炉(第三代軽水炉:AP1000)は、あらゆる電源を喪失しても重力により原子炉上部に貯められている冷却水が自動的に循環するもので、福島の事故は起きない(p194)
・トリウム原子炉の最大の特徴は核燃料が液状なので、メルトダウンがおきない、空気と触れるとガラス状に固まるので、ウラン原子炉よりも安全、プルトニウムをトリウム液体燃料の核分裂を引き起こす際に使うので、ウラン型原子炉の核燃料廃棄物の処理にも役立つ、これが世界で採用されなかったのは、原爆に仕えるプルトニウムが生成されないので(p197)
・世界の原子力関係者が驚いていることに、福島第一原発の1-4号機について、原子炉への冷却水の循環を確立して、ロボットを駆使して内部燃料を取り出して、正常に廃炉しようという目途がたちつつある(p201)
・911の損失は合計で2兆円(260億ドル)、2993人であったが、その復讐として戦争を開始して、2011年9月11日までに、250兆円(3.3兆ドル=日本の総税収の6-8年分)の経済負担、米兵だけで 6000人以上死亡、民間人は22万人程度が死亡(p203)
2012年11月26日作成