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Posted by ブクログ
むつかしい内容なのにとてもわかりやすい本です。
日本の銀行の簡単なお仕事について語られている内容(P88)、一方では当時の欧米の銀行では金融工学を駆使してマネーゲームにいそしんでいましたが、それに追いつこうとみずほ銀行が「投資銀行宣言」をして三顧の礼でカリヨンという証券会社からヘッドハンティングしたアレクサンダーとその仲間たちは、結局みずほに6720億円の損失を出して首になったというトホホな話も面白かった。(P93)
金融機関の最大のモラルハザードは、儲かった時には多額の報酬をとり、つぶれそうになると役員は既定の退職金をがっぽりもららって政府に救済される、それも何の恩恵も受けていない大部分の国民の金で。(P97)
日本の金融コングロマリットは、中央銀行と取引できる特権を享受しながら、証券機能という自ら持つ顧客と同じビジネスの土俵で競うという利益相反の温床となっている、(P101)
好調な米国のハイテク企業がいくらでかくなっても米国人の雇用に大きく貢献することはない。(アップルの全世界の従業員は6万人、グーグル3万人、フェイスブック2千人、ツイッター200人at2012)P175
金融商品はリスクの形を変えるだけで、それ自体から富が生み出されるわけではない。では金融工学の社会的意義とはなにか?それは、リスクを世界の投資家に最適配分することだ。(P183)あくまでもリスクの配分です!
こうした金融工学の分野が、高い報酬に目がくらんで世界の理数系の頭脳を浪費し続け、もしかしたら彼らが病気や宇宙の謎を解明できたかもしれないのに、いつのまにか世界を破滅のふちに追い込んでいく。(P186)
大きすぎるコングロマリット金融機関はその影響の大きさからつぶせない、これがモラルハザードの原因であるなら、問題をおこせばつぶせるように分割化すればいい。(P213)
その分割化には、インサイダー問題が起こりやすい同じ会社でのマーケット営業と投資部門などの分社化を優先的に行うべき。(P217)
結局は、ゼロサムでしかない金融工学はある意味カジノ経営のようなもの、そうした本質的な価値を生み出さない職種の人たちに現在の高報酬は異常ですよね。
Posted by ブクログ
ストーリー
『世紀の空売り』も『ウォールストリート投資銀行残酷日記―サルになれなかった僕たち』も超える、
金融業界をテーマとした快作が日本人の手によって誕生!
身も蓋もなく、苦笑せずにはいられない人気ブロガーの筆致が冴えわたる。
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僕は海外の大学院で数理科学の分野で博士号を取得し、その後、東京で外資系投資銀行のひとつに勤めはじめた。
何度か転職しながら、いくつかの外資系投資銀行でクオンツやトレーダーなどの仕事をしてきた。
そして、会社に勤務しながら、会社には秘密で、ブログ「金融日記」をかれこれ8年以上も書き続けてきた。
ファイナンス、経済学、そしてエネルギー政策に関する本もそれぞれ出版した。
外資系投資銀行に勤めながらも、ジャーナリスト的な視点や経済学的な視点で、この激動の金融業界を内部から眺めることができる、
という世界のなかでも大変稀有なポジションに、いつの間にか僕は立っていた。
じつは、いま、世界の資本主義経済が大きな岐路に立たされている。
それはリーマン・ショック以降に左翼のおかしな連中が言い出した「強欲な市場原理主義が世界を滅ぼす」というような話とは違う。
いや、まったく反対なのだ。
このグローバル資本主義経済に欠かすことができない金融システムを担う世界の金融機関が、市場原理が働かない組織に成り果てようとしているのだ。
本書では、世界同時金融危機、リーマン・ショック、ギリシャ・ショック、そしてユーロ危機に至る最近のマクロ経済の重要なトピックの解説を縦糸に、
そして、こうした経済環境のなかで激変する金融業界の赤裸々な内幕を横糸にして、これからの世界経済、そして日本経済の未来を考えていく。
また、良くも悪くも、日本社会に入り込んだ外資系企業というものの生々しい実態をお見せしようと思う。
外資系金融機関や、外資系コンサルティング会社などに多くの日本の学生が就職し、
日本の伝統的大企業や日本の官公庁もこうした外資系企業とさかんにビジネスをしている。
外資系企業の実力、人事制度、報酬やリストラ、そこで働く人々の人となりやキャリアなど、僕の知っていることを包み隠さず書いた。
実際のところ、有名な外資系企業も、欧米のちょっといい学校を卒業しただけのふつうの外国人のサラリーマンが働いているのであり、
日本のオフィスでは多くのふつうの日本人が朝から晩まで働いているのである。
欧米の有名なファームだからといって何か特別な権威を感じる必要はまったくない。
それどころか、本書でくわしく論じるように、外資系企業の実際の業績は、日本のダメな大企業と同様にダメダメであり、
世界に多大なコストを押し付けて、世界中からひんしゅくを買っているトホホな会社なのだ。
だから気後れする必要はまったくないし、逆に日本から排除する必要ももちろんない。
それでは、世界経済を牛耳っていた外資系金融の終わりのはじまりを、本書でいっしょに見ていこう。
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