あらすじ
外資系投資銀行マンの著者が、お金の世界のしくみを赤裸々に語ります。人生においてお金とどう付き合っていくべきなのか、仕事、家、教育、投資をどうしたらいいのか。背後にはどんな理屈があって、どんな戦略をとるべきなのか、といったことをやさしく楽しく身もフタもなく解説。著者曰く「プロの言うことは当てにならない」。……ではどうすれば?
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藤沢数希さんの本は2冊目。すごい頭のいい人から世界や日本はこんな風に見えてるんだなあ、と思った。学術的に新しいところは無いらしいけど学術的とは無縁の私には面白い本だった。何度か繰り返し読みたい。
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投資本を色々読みましたが、個人の資産形成を考えるにはこの本だけでいいのでは。
効率的市場仮説を突き詰めることによるインデックス投資の優位性を明らかにしてくれており、他の投資本では過去を見てインデックス投資を肯定するものが多いように思うが、この本ではインデックス最強論が将来的にも続くことを示唆している。
DCFについてもいろいろと本やネットで読んでいましたが、この本が最もわかりやすかったように思う。
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株式市場・金融業界の不思議な成り立ちや本当に有効な投資方法について、タイトルにもある通り「サルでも分かる」ように丁寧に解説されている。
日夜研究を重ねているヘッジファンドの運用成績が、なぜインデックスファンドに敵わないのか?そのカラクリはとてもシンプルだ。
金融の世界は機械的なものだと思っていたが、意外にも人間味ある非合理なものであり、その非合理さ故に市場は最適化している。そのパラドックスが非常に面白いと感じた。世界を回るお金についての感覚が変わる一冊だと思う。
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藤沢数希著「なぜ投資のプロはサルに負けるのか?」ダイヤモンド社(20006)
*JRAはその馬にいくらかけられているかを見てからオッズを決める≪後出しじゃんけん≫方式であるため彼らは絶対に損をすることはありません。しかも丁半博打のテラ銭が実質5%なのに、その5倍の25%も強欲にもっていっているというのが現在のJRAです。
*一方で宝くじの還元率は、無慈悲なJRAが開催する競馬より断然悪くて40-50%です。つまり、宝くじを買う方からすれば期待値ではかけた金額の半分も戻ってこないのです。
*生命保険では、保険会社がひとの死ぬ確率を過去のデータなどから統計的に推定して、保険会社のもうけを引いたあとに、運悪く脂肪した人に一定の保険金が支払われるようになっています。よって、生命保険の商品としての良し悪しといのは、いくらのお金を集めて、そのうち保険金としていくら支払われる見込みなのか、つまり還元率がわかれば判断できます。この数字さえわかれば保険会社がどれだけ保険加入者からぶんどっているかが一目瞭然だからです。ところが、生命保険のパンフレットには、商品の良し悪しを一目で判断できるこの還元率がどこにも記載されていません。むしろ最大の努力で隠しています。真だときに保険が支払われる死亡保険のように単純な仕組みでは、毎月の保険料と脂肪した場合の保険金を保険会社各社の商品別に比較すれば、どこの会社がどれだけふんだくっているか一目瞭然になります。しかし、それでは商売ができないので、保険会社は複雑な商品設計にして簡単には他社の商品とは比較出来ないように工夫をしています。保険商品の設計では、加入者が不利な取引をしていることに気付かせないようにどうデザインするかが勝負、そんな世界が従来の一般的な生命保険業界です。
*市場原理を18世紀のアダムスミスは『神の見えざる手』と表現しました。人々が自らの利益のために自由な市場の中で競争すれば、結果的に社会全体が豊かになっていくという考え方の正しさは、今も全く変わっていません。市場原理は、全員に競争をしいる弱肉強食的な面もありますが、結果的にはひとにとって持っても優しい仕組みです。なぜならば市場元気のもとでの競争というのは『他者に必要なものを提供して、どれだけ他者を幸せにできるか』という競争だからです。
*市場インデックスどおりのパフォーマンスをあげるにはインデックスとそっくりに証券を保有するインデックスファンドという金融商品を購入すれば誰でも簡単にできます。現代ポートフォリオ理論によれば最も効率的な投資法というのは、インデックスファンドをなるべく安い手数料と運用報酬で購入してあとは何もしないで寝ればいいということだったのです。理由は1つに、市場はかなり効率的、2つにインデックスファンドの手数料や信託報酬などのコストはアクティブファンドに比べて安い。3つに買って後はほおっておけばよいので自分の時間をつかわずにすむ。
*ファイナンスの教授はいつも学生に次のような質問をされることを極度に恐れているのです。『先生はそんなに金融や経済の「ことを良く知っているのにどうしてお金持ちでないのですか?」 お金の専門家が実は貧乏というのは、ナンパセミナーの講師が実際には小心者で女の子に声をかける事ができないようなものだからです。効率的市場仮説が正しいとするならば自分たち学者よりはるかにお金持ちになったウォール街のトレーダーは決して自分達よりより頭がよかったのではなく、たまたま運が良かったからにほかならないのです。
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投資というキーワードに対してまず読むことをオススメする本。
個人のレベルでは投資に対する姿勢、もう少し大きなくくりで言えば金融業界周辺のお金の流れ方を学べる。
日本で普通に学校で過ごしてきてもこういうお金に関する知識は誰も教えてくれないのが現実だと思うので、基礎の部分を理解するためにはとてもいい本だと思う。
この本に書かれている内容が自分の身体の一部になるまで定期的に読み返して、自分が取ってるお金に関する行動が果たして良いことなのかどうか、を振り返るといいのでは。
ざっとキーワードを抜き出してみるだけで下記のような内容が書かれている。
クレジットカードの金融的な意味
生命保険の意味
ローンで家を買うということ
リスクとリターンの意味するところ
競馬・宝くじの残酷な現実
株式・債券・投資信託の仕組み
金利の考え方
市場原理の意味するところ
現代ポートフォリオ理論
「ファイナンシャル・インテリジェンス」という言葉を用いているけれど、誰でも直面する問題に対し、どのような知識を持っている必要があるか、その考え方もわかりやすい言葉で説明してくれる。まぁ少しだけ皮肉が入っていたりする部分があるので、そういうところに鼻に触る人もいるだろうけど笑
個人的にはアクティブ型投信とインデックス型投信で、市場の効率性を維持するためには例えコストが高くてもアクティブ型投信も必要である、という部分。まだまだインデックス型投信は少数派だけどメジャーになり、やがて支配的になったらなったでアクティブ型投信の方が有利になる場合もあると述べていたところは参考になった。
様々なことに対するメリット・デメリットをきちんと裏付け込みで述べてくれているので、疑わしい部分は少ない。
それでも言及しきれてない部分にまだまだ重要なことがあったりするだろうとは思うけど、この本を出発点として徐々に知識を深めていけばいいと思う。
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個人的には橘玲氏の「お金持ちになれる黄金の羽の拾い方」以来のヒット。かぶる部分もあるけど、正解が同じなのだから仕方ない事なのかもしれない。ソフトな読み口の中に少しの毒を含み、テンポよく読み終えた。
投資はしないほうがいい、と論じつつ読み終えた後にはすっかり前向きに投資を考えさせているあたりが恐ろしいw
良い本だと思う。
Posted by ブクログ
投資銀行勤務経験があり、ファイナンス理論の研究者である著者が投資銀行のビジネスモデル、アクティブ投資がなぜ市場平均に負けるのか?、現代ポートフォリオ理論などを一般人向けに解説しています。著者のオススメの投資方法は、インデックスに投資する、国際分散投資が一番とのこと。投資のプロと競い合ってリスク資産を買うより、インデックスに投資して、自分の本業の収入を上げる方が健全のようです。
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これは非常に興味深い、学べることの多い本。
簡単なファイナンシャルリテラシーからシンプルな金融工学まで、
お金に関する基礎体力、基礎鑑識眼を磨ける。
この著者のブログもおすすめ。
Posted by ブクログ
素晴らしい!目から鱗が落ちた。お金持ち目指して頑張ろう。
しかし簡単に君も大金持ちだ!みたいな夢を語らないというのは本としては致命的なのかも。
でも経済理論の簡単なとこがさらっと分かってよかった。簡単な数式が理解を助けてくれる。
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サラリーマンである限り、本業への時間投資が一番リターンが大きくなってしまう。そもそも未来が予測できないが、株式市場全体が長期的には成長していく方向の過去しかなかったから、どこの個別株とか気にせず市場全体に投資するインデックスファンドにお金を注ぎ込んで後は気にしない。という選択が最適。身も蓋もないけれどそうだなと思う昨今w
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初心者のわたしに投資をわかりやすく教えてくれた1冊。プロが血の滲む努力で市場が効率化している。少ない儲けなら自己投資して出世を目指す方が良い。将来の予測は不可能である。
まじめに働くのが一番で自己投資が最適かなと思いました。
Posted by ブクログ
古い本ではあるが、とても勉強になった。
アクティブファンドはインデックスファンドやサルが出鱈目に選んだ投資に負けるということは知っていたが、その根拠である効率的市場仮説というものを知った。
優秀なファンドマネージャーが市場の歪みを見つけて儲けようとしても、それはすぐさま知れ渡り、市場は効率化する。つまり自分で自分の首をしめている状態だそうだ。
結局、やるならインデックスファンドを買ってパッシブ運用を行うという結論は、他の一般的な投資本と変わりない。
著者の皮肉な語り口も良い。
Posted by ブクログ
ファイナンシャルインテリジェンス(お金の知識)
が低い人が世の中に溢れている為、お金が周り周り経済が回っていく。少しでも賢く生きればお金持ちになる確率は高まっていく。そして株価の変動はエリート達の血の滲む努力によって効率化されている()そこで戦うには運で勝つこともあるが、勝率は半々の為、元手がないならまずしないほうがいい。
効率化された市場の原理の中での最適解は数々の経済学者のファイナンス理論で出たインデックス投資(市場の平均)に従った分散投資だけであると。
Posted by ブクログ
個人的に藤沢数希さんのTwitterやNOTEなどを興味深く拝読していたのと、株をはじめとする資産運用を行っていたことから、ノウハウを得るために通読。当初の目的だった資産の最大化に関する話から金融や株式会社の歴史まで、幅広く勉強になった。
(1)資産の最大化のために(結論)
・資産=①収入-②支出+③金利×貯蓄
→いかに①と③を上げて、②を抑えるかがカギ。
・確実に儲かる方法は存在しない。
・プロの投資家の運用成績は、インデックスよりも悪い
→LTCMというノーベル経済学者集団のファンドでさえ、破綻している。
→市場での主なプレイヤーはプロの投資家。彼らが売買を繰り広げていることで、株価が適正に保たれ、結果的に平均的な運用成績になる。
※プロがいなくなると、適正な株価が保たれなくなる。
→ファンダメンタルズやテクニカル要因もすぐに株価に反映される。
→株価が動くのは、誰も知らない新しいニュースのときだけ。それらはどうなるかわからないから、結局ギャンブルになる。(デイトレも意味ない)
・素人は、あれこれ考えず、なるべく安い手数料と信託報酬で購入して後は何もしないのが一番。
・アンテナを張って、常に何が伸びるかを考え、波が来た時にその波に乗る。
→本屋にノウハウ本が並んでいるころにはもう儲からない商売。
→能力開発する分野を見極め、自己啓発に勤しむこと。(ここが一番難しい)
(2)クレジットカードについて
・クレカの一括支払は1カ月分借金をしている状態。利子の分だけ確実に得をしている(現在価値)
・ゴールドカードの価値はシグナリング効果(異性からもてる)
(3)住宅ローンについて
・5%利子の35年ローンだと、6,000万のうち半分近くが利子
→投資などせずに一日でも早く返済したほうがよい。
(4)債権について
-ゼロクーポン債(割引債)…途中の利払いがないもの
-利付債…毎年利払いが発生するもの
(5)金融業の歴史
・ベニスの商人や時代劇の越後屋(三越の前身)など、金融業は悪役の歴史
・GS等の外資系投資銀行も被差別民族だったユダヤ人が創業したもの
(6)株式会社の歴史
・15~17世紀は大航海時代。
→ヨーロッパが新大陸を発見した愛とロマンの時代。
→先住民にとっては破壊と略奪、殺戮の時代
→航海する船は多大なコストを要することから、そのリスクヘッジのために「東インド会社」が設立された。
Posted by ブクログ
一部抜粋
投資とはつまるところ、リスクと期待リターンを考えて、意志決定するプロセス
インデックスファンドに1年間投資して正規分布でリスクの形をかくと
期待リターンが5%、マイナス15%からプラス25%に約66%の確率でリターンが実現、15%以上の損失、25%以上の利益になる確率が1/6 といったイメージ。
このような実現リターンのブレをファイナンス用語でボラリティと呼ばれる。
株式の期待リターンは安全資産である国債利回りよりも3%から6%くらい高いといわれる。
株を買うということは、簡単にいうと、その会社の将来の利益の分け前をもらう権利を買うということ。株式投資のプロは、会社が将来上げる利益の総額を予測し、そこからさまざまなリスクを勘案して、理論株価を計算する。
金利というのは、今日のお金の価値と将来のお金の価値を結びつける定数。
金利は相手が信用できるほど下がり、信用できないほど上がる。
金利が10%だとすると、現在100万将来は110万でそれらは同じ価値。つまり、遠いしょうらいになるほど、お金の価値は小さくなる。(将来のほうが不確実性が高まるため)
金利を将来価値を現在価値に割り引くパラメタと考えると、このパラメタこそディスカウント・レートである。(DCFモデル)
売上高は実際に商品がどれだけ売れたか、そこから商品を作るのに要した原材料費などの原価を引くと粗利、その後従業員の給料など人件費をひいて営業利益、そこから債権者に払う利息を引いて税引き前利益、最後に国にピンハネ(税金)されて、最終的な利益(当期利益、純利益)となる。原則的には、この利益はすべて株主のもの。日本の企業では経営者が使う当てのないお金を企業内部にため込む傾向があるが、そのため込まれている現金ももちろん株主のもの。最終利益を配当として直接株主に返すか、会社のさらなる成長のために設備投資に回すか、M&Aによる他の会社の買収資金にするかは、本来株主の利益のために決定するべきこと。
外国株85日本株15外国国債50日本国債0
Posted by ブクログ
投資とかほぼ分からない人です。
数式とかは興味ないので飛ばしちゃいました(笑)
多分簡略化して書いてるとは思いますが、プロがなぜちゃんと成績残せないのか。じゃあプロっていらないのか?みたいな話は納得感ありました。
Posted by ブクログ
良くも悪くも基本的な内容というか、まあ正解を並べてるというか、ただ、正しいだけで面白くないというか。
金融系の本を1冊も読んだり調べたりしたことがない人が最初に読む分にはいいと思う。
けど、すでに色々調べてたり本も割と読んでたりしたことがある人には物足りないかなと思う。
新しい事は特にない。けどそれは悪い意味じゃなくて。
大事なことがまとまってる感じ。
Posted by ブクログ
問い 投資のプロたちがなぜ市場の成長に結果的に負けてしまうのか。
答え 市場はプロ達によって耕されており、僅かなビジネスチャンスでもすぐに均されてしまう。従って、手数料やコストの分だけ投資のプロは市場に負ける。
⇒どうしても投資したいならインデックスファンドへ。
という理論を分かりやすく教えてくれる。
最初にギャンブルの暴利を暴いてくれるが、競馬や宝くじなど、胴元丸儲けになっているので、読むとやる気が失せる(笑)もともとやらないけど。
Posted by ブクログ
1605
インデックス運用がアクティブ運用に勝る理由。
超高度化、高速化されたシステム下においては、全ての株価はあるべき姿に収斂される。だからといって投資のプロが運用を辞めると均衡が崩れるといっジレンマを抱えているため、いまの形がなくなることはない。
Posted by ブクログ
株式は売り手と買い手がいて売買が成立します。
ということは片側は「高い」と判断している時、もう片側は「安い」と判断していることになります。
そして、それぞれ自分の判断が「正しい」と信じております。
ではなぜ、自分の判断‘だけ’正しいと思うのか?
それは多くの人々がもつ「オーバー・コンフィデンス・バイアス」と呼ばれる「自分は平均的な人々より少しだけ有能だ」という思い込みの心理作用に因るものだそうです。
人は知らず知らずのうちに自分の考えを正当化する情報‘のみ’に目を向け、否定的な、自身にとって不利な情報は見て見ぬふりをしてしまう傾向があります。
これを繰り返すと自身の有能感がどんどん高まっていってしまいます・・・・
あー耳が痛い!
本書の結論として、同一期間において個人のパフォーマンスが日経平均のパフォーマンスを大きく乖離することはない。
(少数銘柄で乖離する場合のリスクとリターンは同じ)
よって、(買うんだったら)日経平均に連動したインデックスファンドを買うべし。
ここで重要なのは「日経平均が上がってれば、別にどの銘柄を買っていてもだいたいが上がってる」ということで、逆もまた然り。
自分‘だけ’が儲かるってのは滅多にないといことです。
トホホ。
ちなみ本日の上場TPX 781円
Posted by ブクログ
投資について専門家が本当に身もフタもなく解説してくれています。
専業トレーダーにとっては余り聞きたくない話が雄弁に語られている(とは言え、著者の主張は特に目新しいものではないのですが)ので、(少なくとも僕は)非常に耳が痛かったです。
殆ど数式はできていませんし、出ている数式も必ず理解する必要はないらしい(と著者が書かれてましたので、僕はすっ飛ばして読みました)ので、割合とスラスラと読み進める事ができると思います。
本書はどちらかと言えば投資の初心者向けなのかなと思いますが、既に投資をされている方が読んでも得るところはあるのではないかと思います。(たぶん)
この手の本にしては珍しくかなりの毒舌調&上から目線スタイルで、そこが一番新鮮に感じました。
Posted by ブクログ
世界中と繋がったグローバルな社会を生きていく人に是非読んで欲しい一冊。
日本には
「いいものを作れば必ず売れる」
「汗を流さずに得るお金はあぶく銭だ」
といった神話とも言える古い考えが未だに美化される傾向にあります。
本著では、著者が経済的に成熟した資本主義社会の日本で生きていくには金融のリテラシーがいかに必要かを説いています。
その中で、著者による効率的市場仮説について面白い解説がされていたので、紹介したいと思います。
経済学者は皆、効率的市場仮説を信じている。
一方で、株式などをトレードする市場の人達は
「自分だけはどうにか儲けることができるんじゃないか」
と信じている。
効率的市場仮説はこのようにして効率的市場仮説を信じない人達によって肯定されており、もし市場の人達が効率的市場仮説を真に信じてしまえば、この仮説は崩壊してしまうパラドックスの上に成り立っているのだ。
僕は学部で経済学を学んでいますが、このような話は教授からなかなか聞くことはできません。著者ならではの面白い着眼点から、経済学の理論を身近な事柄(恋愛、不動産、保険)に応用した話も登場するので、これからの資本主義の社会を賢く生きていきたい人には欠かせない一冊でしょう。
Posted by ブクログ
・文章が橘玲っぽいので好きな人にはお勧め
・ファイナンス理論の解説が分かり易い(雰囲気を掴むのに良い)
・投資と投機に区別はない(区別しても、しなくてもどちらでも良い)
→投資と投機の区別を必死に説明するのは、主に金融機関の関係者
金融商品を一般人に売る為に、「投機=ギャンブル、危険」、「投資=社会的に立派、安全」と区別して、投資の素晴しさをアピールする
※投資家が投資を主張する場合、自己欺瞞(自己正当化、損失回避)の要素もあると思う ←偽悪趣味の人はあえて投機を主張するかもw
・投資、投機、ギャンブル、お勧めは「投資」、理由はコスト(長期投資は、手数料、税金の面から有利=買う時と売る時に1回払うだけ)
→逆に言うと、3つは確立のゲームとしては同じで、違いは「コスト」だけ
・投資とは「期待リターンとリスクの形(どんな正規分布?それとも?)を考えて賭けるのかどうか、そして賭けるとすればいくら賭けるのか」を決定するプロセス
・債権投資とは将来の金利を当てるゲーム
・株式投資とは将来の利益を当てるゲーム
・物理学では実用的なモデル「例)A=B+C(B、Cは既に明らか)」とを使う ファイナンスの場合、非実用的なモデル「例)A=B+C(B、CはAを直接指定するより難しい変数)」を使う
・ランダムウォーク仮説=ファンダメンタルやテクニカルな要因と無関係に動くという意味ではない 実際はその逆で、株価はファンダメンタルやテクニカルな要因を速やかに反映するので、株価を大きく動かすのは「まだ誰も知らない新しいニュース」が起きたときだけ、しかし「まだ誰も知らない新しいニュース」を前もって知ることは不可能なので結果的に株価はランダムウォークする
・市場参加者が自分の利益するからこそ、市場で資金配分が最適化される
→良い企業(=国民が必要とする)は高く評価され、事業に必要な資金を集め易くなる
→ダメな企業は低く評価され、最悪、資金調達がままならなくなり、市場から退場させられる(=JAL)
→活発なマネーゲームのおかげで、正しい企業に正しく資金が供給され、社会全体が正しく発展する
・効率的市場仮説=プロ同士が競争しているからこそ、リスクに対して適切なリスク・プレミアムが載った丁度良い期待リターンとなる株価に落ち着く
→その結果、素人とプロの成績はほとんど変わらなくなる(成績を左右するのは運だけ)→素人も安心して参加できる
・効率的市場仮説を信じるなら、全ての株価は適正で割安・割高が存在せず、いくら分析しても無意味となる →コストの安いインデックスファンドが有利
→しかし、市場参加者全員が効率的市場仮説を信じたら、誰も財務諸表やニュースの分析をしなくなり、市場は新しい情報を織り込まなくなり、効率的ではなくなる
→効率的市場仮説は、みんなが信じないときより正しくなる、みんなが信じると正しくなくなる(パラドックス)
・実際、市場参加者の多くは効率的市場仮説を信じていない為、必死にミスプライスされた株を探している →結果的に市場はほぼ効率的(適正な株価)になる
・自己帰属バイアス=うまくいったときは自分の実力(原因を自分に帰属)、損したときは運が悪かった(原因を自分以外に帰属)
・オーバーコンフィデンス・バイアス=自信過剰 アメリカ人の90%は自分は平均より賢いと信じている 専門家の方が強い(大学教授、ファンドマネージャー、投資家)
→インデックスファンドの方が有利なのに、アクティブファンドの方が人気が高い理由
Posted by ブクログ
・宝くじは最高のビジネスモデル ローリスクハイリターン
・貯金が1000万ないなら自分が最も高い資産(自己投資すべき)、数千万の貯金があるならインデックスファンドで放置
・何にどれだけ投資するかを決めるアセット・アロケーションで9割決まる(個人の状況で変わる)→株式市場の影響を受ける株式会社に勤めるなら株式を買うのはリスク分散にならない?日本株と外国株は時価総額比で組み合わせる(15vs85)
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今となっては常識となった投資に関する話をまとめた本
お金が無い人には、投資なんて考えず働くことを、お金がある人にはインデックスファンドへの投資を勧めている
Posted by ブクログ
日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門と比べると、こっちは密度低い。
まずは借金返済、相当な貯金があるならインデックス、という事実が長々と説明されてる。