津村記久子のレビュー一覧

  • やりたいことは二度寝だけ

    面白すぎる。低めの温度で日々のあれこれについて話している。この抑制されたユーモラス、本当に面白い。自己肯定感低そうなところ、自分と重なっていよいよ愛読書。
  • アレグリアとは仕事はできない
    仕事ができて、他の人の仕事の仕方についてもしっかり見極めて評価していそうな職場の同僚が貸してくれて読みました。
    「仕事というもの」「仕事への向き合い方」を考えさせられる物語です。”アレグリア”は事務職に就く主人公の女性(ミノベ)の職場にある複合機。ただのコピー機ではなく、データを受信してかなり大きな...続きを読む
  • 浮遊霊ブラジル
    久々に津村記久子。いや~それにしても彼女の小説はブレないなぁ。純文学系を中心に多くの賞を受賞してからも、津村節は津村節なのである。安心して読める。

    冒頭2作のような日常物はいうに及ばず、後半収録されている死後の世界とか地獄の様相とかいう非日常を描いた作品においても、津村フィルターといえばいいのか、...続きを読む
  • 浮遊霊ブラジル
    どのお話も不思議な世界観で面白かった。
    今まで読んだ津村さんの本では2番目に好きかな。

    「アイトール・ベラスコの新しい妻」で、小学生の頃のことを思い出した。
    「忽那さんと一緒に帰ってあげて」と言う先生。
    その辺のくだり。
    私も小学生のある時、恐らく今で言う発達障害の子の隣の席に、ずっとなってた。
    ...続きを読む
  • 枕元の本棚
    津村記久子さんの読書エッセイ。
    やっぱり津村さんの文章が大好き。
    津村さんって、静かに面白い話をしてくれるんです。
    大げさな感じが一切ないし、賑やかでもないのにすごく面白くて、じわじわと癖になる。
    この読書エッセイも津村さんワールド全開ですごく楽しく読めました。
  • ウエストウイング
    映画のスパイダーマンシリーズのヒロイン役の女優(キルステン・ダンストとエマ・ストーンのことと思われる)がいずれも可愛くないという意見を否定し、特にキルステン・ダンストの方を気に入っているヒロシ。ヒロインが微妙とは当時から散々言われていたが、僕もヒロシと同じくキルステン・ダンストが好きだったので、それ...続きを読む
  • まともな家の子供はいない
    なにをもって「まとも」というのか。

    誰かを「まともじゃない」と言い切る津村さんの表現力は潔くて、わたしは誰かをまともじゃないと言い切ってしまうことはその人を否定するように感じるから、思っても言わないようにしてしまうけれど、はっきりと言い切るこの潔さ。強いなと思った。
    もし自分がこの作品を出版する立...続きを読む
  • 枕元の本棚
    とても面白かったー。エッセイというか、自分の体験と絡めて書かれる本の紹介、というジャンルがけっこう好きだな、と最近気づいた。あれもこれも読みたいと自分の心が動くのも楽しいし、もし自分も読んだことのある本なら、こんなことを考えながら読めるんだ!と新鮮に感じたりもする。
    「開いたページを読んでみる」「眺...続きを読む
  • 浮遊霊ブラジル
    作者の作品評を見るにつけ、必ずこの作者の本読んでみたいと思っていた。念願の初読。そしてやはり最高に面白い。 七つの短編から成っているのだけど、どれも面白い。仕事を辞めて故郷で一人暮らしを始める男とか、ウンチクうどん親父にキレる地味で大人しい女子を見てる男とか、どこの世界にもいるマウント取りたがる面倒...続きを読む
  • 二度寝とは、遠くにありて想うもの
    津村作品大好きだ〜!脳内だだ漏れ細かいことが気になって仕方がありませんエッセイ、分かる〜〜って頷きまくり。
  • 婚礼、葬礼、その他
    「旅行より結婚式が強くて結婚式より強いのはお通夜……」
    「トレーディングカードみたいに言いなさんな。それはまあそうなんだけど」

    皮肉怒りユーモア満載だけど空腹で腹を鳴らしながら他人の葬式で自分の身内のことを回想して号泣してしまうあたり、常識ありそうにみえて天然なヨシノに好感持てる。
    タイトルの「そ...続きを読む
  • やりたいことは二度寝だけ
    初読み。『二度寝とは、遠くにありて想うもの』をレビューで知って興味を持ち、その前編となる本書を購入。芥川賞作家の力の抜けたエッセイを楽しんだ。そして、著者の友人ネタを読んで、三浦しをん嬢のエッセイと共通するように感じた。小説もエッセイも上手い。芥川賞や直木賞を受賞する実力がある作家であるからこそ、エ...続きを読む
  • これからお祈りにいきます
    角川文庫版。
    津村記久子らしく、不思議な高揚感と、どっしり地に足のついた感が楽しめるように思う。


    少し冗長だが西崎氏の解説も良かった。
  • ウエストウイング
    エブリシングフロウズのヒロシが小学生だった時をまた思い出したくての再読。

    話の筋はある程度覚えていましたが、細かな出来事はすっかり失念していました。
    あー、3人は最後に会ったんだったっけ、という感じ。

    トイレでの出産、大雨の日のボートでの渡し、椿ビルディングの解体問題、
    どれも3人を語る上では大...続きを読む
  • エヴリシング・フロウズ
    素敵なタイトルだなと思って読んでみたら中学生男子が主人公で、彼らなりには不安定だったりヤキモキモヤモヤしていたりするんだろうけど、ごく普通の日々を描いている。だから読み始めは退屈な感じ。でもそういう小説なんだと思った真ん中あたりからページを繰るのも早くなったかな。
    津村さんってあまり読んだことないけ...続きを読む
  • アレグリアとは仕事はできない
    一見、大事ではないがおかしいだろってことをまわりはわかっていて何事もないようにしているように見えるとき、自分だけが考えすぎなのかと言い出せずモヤモヤと膿がたまっていくような感覚がリアルに描かれている。

    登場人物にとっては辛いことなんだけど頭のいいユーモアを持って描かれているためおもしろく、読みやす...続きを読む
  • アレグリアとは仕事はできない
    二つとも、題名や最初の流れからドタバタ喜劇だと思っていたが、そんな事はなかった。真面目な小説。津村記久子って凄いなぁと感心せざるを得なかった。
  • 婚礼、葬礼、その他
    感覚が、特に笑いのツボがあう作品だった。真面目なのにちょっとおかしいところ、婚礼と葬式を続けざまに描くところなど、好きな作品。
  • アレグリアとは仕事はできない
    初めて読んだ津村さんの作品でした。

    大好きです。
    ひねくれてるよなあ、と思いつつ
    笑ってしまいます。

    ひねくれてる、ってネガティブイメージですが
    津村さんの場合はポジティブになります。
    文体がそうさせるのか、
    ストーリーがそうさせるのか。
  • 婚礼、葬礼、その他
    誰に腹を立てていいのやら、自分のせいではないのにめぐりめぐって最悪な状況に陥ってしまう主人公。自分だったら、早々に爆発するか投げ出してしまう間の悪さの極地のような状況でも、主人公はそのときできることを、そのとき発揮できる能力とエネルギーでもって実行していく。無意識だろうけど、誰も不幸にならないよう配...続きを読む