平松洋子のレビュー一覧
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食べもののエッセイは平松洋子さんや森下典子さん、旅やお散歩のエッセイは菊池亜希子さんや杉浦さやかさん、暮らしのエッセイは森茉莉さんや松浦弥太郎さんや川上弘美さん…とか、信頼しているエッセイストさんが何人かいます。開拓もしたいけど。
こちらもとてもお腹が空きました。
食べるならやっぱり美味しいものがいいな、と思うので、これも食べたい、あ、これも食べたい…となりました。
平松さんの食に対する好奇心と行動力の高さを感じました。
食べたいものがたくさんあったので、これからも健康に長生きしようという気持ちに更になりました。
谷口ジローさんの漫画とイラストも良かった…食事が美味しそうで楽しそうでした。
シリーズ読みます。 -
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平松洋子『あじフライを有楽町で』文春文庫。
様々な食をユーモアと蘊蓄と共に描くエッセイ集。安西水丸のイラストと共に綴られた食のエッセイ78編。安西水丸との饗宴はこれが最後らしい。
平松洋子が描くリズミカルな文章からは食の大切さと面白さと共に美味しさまでもが伝わってくる。鹿タン、熊タン、ちくわカレー、塩豆腐、霜柱など食べたことのない美味そうな食のオンパレード。
谷口ジローのファンだったことからシリーズ最初の『サンドウィッチは銀座で』を読み、平松洋子のエッセイの面白さを知った。以来、『ステーキを下町で』『ひさしぶりの海苔弁』とシリーズを読んできたのだが、本作もまた間違いなく美味しい。 -
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ネタバレ伊藤肇さんが「人間的魅力の研究」で、人間に大切なのは「懐かしさ」と仰ってますが、確かに、思い浮かべて懐かしく感じる人たちはみんな魅力のある人ばかりですw。一方、平松洋子さんの「なつかしいひと」(2012.2)は、なつかしいひと、季節のあわい、なじむということ の3章で仕切られた珠玉のエッセイ集です。あわいは「間」、季節の合間とても解せましょうか・・・。どれも心に響くエッセイですが、特に、「猫の音」「23歳の猫の夢」の愛猫に対する著者の思いに心を強く動かされました!
緑萌ゆる若木の季節があった。今は老衰して脚は弱り、排泄場所もいろいろ・・・。持ち上げれば張り子ではないかと思うほど軽い。ガラス戸越しに野良猫、母猫仔猫5匹の隊列が1m近くを通っても、朝の日溜りの中で、目を閉じて惰眠をむさぼる。そんな風に泰然自若している23歳の愛猫へのまなざしがとことん優しい! 平松洋子「なつかしいひと」、2012.2発行、再読。 -
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平松洋子さんと谷口ジローさんのコンビによる食のエッセイ第二弾である。今回もまた方々で様々な食を求めて食べ歩いている。
本当に様々な種類の、様々な土地の食をめぐるエッセイである。中には餃子の王将や東京駅のエキナカなど、我々にも馴染みのある場所が選ばれていて、平松さんの視点でそれらがまた新たな見方を付与されて紹介されている。
平松さんの食への誠実さ、そこでの出会いを大切にする様などは非常に快い。エッセイに通底するそうした真心は、読書をより楽しいものにしてくれていた。
今回も星五つで評価している。このシリーズは今少し続いてもらいたいものである。 -
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表紙のシンプルさに、ガツーン!
海苔弁のシンプルさをダイレクトに伝えているわけだが、私のような素人が描こうとしたら、欲張って、どうにかして断面を見せようとか思ってしまうんだろうな…
もちろん、平松洋子さんの食のエッセイなのだが、1編ごとに安西水丸氏のイラストが載っており、それは文章との絶妙の相性を見せている。
一方、平松さんの文章の方といえば、この人の食べ物の描写はどこまで高みを目指すのだろうと驚く。
あらゆる食材を描いて、(いろいろ読ませていただきましたが)かぶらない。
そして、美味しさの描写もかぶらない。
たとえば、さんまの描写、『ぎらりと光る蒼い刀が並ぶ』
たしかに秋の刀の魚とは書くが、新鮮さがぴちぴちと伝わる。
とんかつの衣を剥がして食べるダイエット中らしき女性の行為…『全裸のとんかつ』と、脱ぎ捨てられた衣の積み上がる様…これにそえた安西氏のイラストがまた…!
グリンピースなどの超脇役、ちょっと乗っけるだけの使い道しかない(しかも子供たちには割と嫌われている)それも話のネタに。
そして、「とん」と「ぶた」の呼び方についても疑問が解けた気がするし、「ニッキ」は「シナモン」の、日本の昭和の呼び方だと思っていたら、違う植物だったこともはじめて知った。
知識とネタの宝庫だ。
美味しい物の描写がすばらしいのと対をなして、「ドリアン」の描写がものすごい!
本から悪臭がわき上がる気がした。
ドリアンとアルコールが合わないのは、何か成分がケンカするアレルギー症状を起こすのかと思ったら、発酵が急激に進んで(特にビールなどと合わせると)ガスが大量発生するんですって!
胃が爆発しますよ、すごいこと聞いた(読んだ)
そして…美味しくも不味くも無い残念なものも、1点だけ書かれている。
この、ぼんやり残念感…
そんなものも律儀に取り上げているのが、もう神である。 -
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相変わらず平松洋子のエッセイは美味しい。しかも、このエッセイ集にはユーモアと蘊蓄もたっぷり詰まっている。安西水丸のイラストと共に綴られた食のエッセイ83編と文庫版のあとがきにかえて、平松洋子と安西水丸の対談を収録。
どのエッセイも絶品なのだが、最も関心したのは『かまぼこ板の美学』冒頭の“ちくわは穴を食べるものだと思う。”という一文。何と哲学的で深い視点であろう。
また、『奥州のぬか釜ごはん』で、岩手県奥州市の『農家レストランまだ来すた』が紹介されているのも嬉しい。平松洋子も胆沢区の絶品天日干しの新米の羽釜炊き御飯を味わったかと思わずニヤリ。次のエッセイ『ピーマンうどん』も同じ奥州市が舞台なのだが、ピーマンまんじゅうを誉めているのに、ピーマンうどんは…というのは残念。
表題作の『ひさしぶりの海苔弁』からの『きょうも海苔弁』、そして止めの『おさしまいにー海苔弁の味』の3つのエッセイも面白い。 -
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様々な食にまつわるエッセイである。正確に言えば、飲食店に関するエッセイというべきかもしれない。
本当にこの方はグルメだと感心させられるが、お値段もそれ相応の料亭から立ち飲み屋、ビアホールに社員食堂まで、ありとあらゆる飲食店を取り上げ、エッセイに描いている。食べるものも様々であり、中には熊肉のような珍しいものもあるが、ごく普通のメニューが特に目につくところだろうか。
エッセイごとに挟まれている谷口ジローさんの掌編漫画もまた味わい深い。特に最後の「百年も、二百年も」に置かれた漫画などは本当に洒落ている。
やや筆が踊り過ぎている嫌いもあるが、良いエッセイだった。堪能させていただいた。星五つで評価したい。 -
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ネタバレどちらかというと食にまつわるエッセイで知られた平松洋子さんのジャンルにとらわれない書評集『のようなもの』。
のようなもの、というのは正統な書評集とはいいにくいからだ。
普通、主題の本を決めたらそれにまつわる感想やエピソードなどで構成するのが、普通の書評ならこの本は一冊から五冊十冊と広がっていく連想ゲームのようなエッセイなのだ。
たとえば冒頭、向笠千恵子さん(この人も有名なフードライター)が『日本の朝ごはん』で紹介されているさかもとという民宿に宿泊し、そのすばらしい経験を書きながら読んでいる本の内容にふれていくのだけれど、無理が無い。
これはかなり難しいテクニックの書評…というより読書日記だ。
一冊の本を読みながら十の本を思い出し、それを織り込みなおかつ日常のスケッチをいれ、なおかつ芯にしている本に最後は帰結していく。
だんだん読みたい本が増えてきてしまうのは、それぞれを的確においしいところを引っ張り出しているから。
俗物の極みと評されそうな叶野恭子お姉さまの著作と山下清の本の内容を同じ章につづる強引さ、しかもそれがしっくりくるという。
一冊読んで、別の本のことを思い出して取りに行くタイプの本読みならこの本はわかるわかるのかたまりだと思う。 -
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第28回講談社エッセイ賞受賞作。
最初のエッセイ『能登とハンバーガーと風呂上がり』の冒頭、京都土産のカステイラを箸で食べるくだりで、平松洋子流の野蛮の定義を披露し、そこからのサラサラと流れる小川のように読者を読書の世界に誘う手腕は見事である。衣食住や日常に絡めながら、紹介される本は103冊。この103冊のジャンルは様々であるが、いずれも旧作であり、実にお洒落な本ばかりである。相変わらず、食べ物の描写もお見事であるが、今回は平松洋子の知の世界というのも味わうことが出来た。
平松洋子作品を最初に読んだのは、谷口ジローとの共著『サンドウィッチは銀座で』であり、この一冊で、平松洋子の美味しい文章の虜になった。もちろん、同じコンビの『ステーキを下町で』も読み、さらに平松洋子への興味が強くなったのである。