平松洋子のレビュー一覧

  • ステーキを下町で

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     平松洋子さんと谷口ジローさんのコンビによる食のエッセイ第二弾である。今回もまた方々で様々な食を求めて食べ歩いている。
     本当に様々な種類の、様々な土地の食をめぐるエッセイである。中には餃子の王将や東京駅のエキナカなど、我々にも馴染みのある場所が選ばれていて、平松さんの視点でそれらがまた新たな見方を付与されて紹介されている。
     平松さんの食への誠実さ、そこでの出会いを大切にする様などは非常に快い。エッセイに通底するそうした真心は、読書をより楽しいものにしてくれていた。

     今回も星五つで評価している。このシリーズは今少し続いてもらいたいものである。

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    2017年01月05日
  • ひさしぶりの海苔弁

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    表紙のシンプルさに、ガツーン!
    海苔弁のシンプルさをダイレクトに伝えているわけだが、私のような素人が描こうとしたら、欲張って、どうにかして断面を見せようとか思ってしまうんだろうな…
    もちろん、平松洋子さんの食のエッセイなのだが、1編ごとに安西水丸氏のイラストが載っており、それは文章との絶妙の相性を見せている。

    一方、平松さんの文章の方といえば、この人の食べ物の描写はどこまで高みを目指すのだろうと驚く。
    あらゆる食材を描いて、(いろいろ読ませていただきましたが)かぶらない。

    そして、美味しさの描写もかぶらない。
    たとえば、さんまの描写、『ぎらりと光る蒼い刀が並ぶ』
    たしかに秋の刀の魚とは書く

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    2016年10月31日
  • ひさしぶりの海苔弁

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    食欲の秋にどんぴしゃり。あまりたくさん食べることは出来ないけれど、少しでも美味しいものを多く知りたい!食べたい!な、食いしん坊の私にうってつけ。読むだけでお腹が満たされます。食べることへの執着心が増す、食への愛が溢れたエッセイ。これからは、もっとゆっくり味わって食べよう。…できる限り。まずは、お腹を満たすためだけの食事は止めようと思います。

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    2017年06月27日
  • ひさしぶりの海苔弁

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    相変わらず平松洋子のエッセイは美味しい。しかも、このエッセイ集にはユーモアと蘊蓄もたっぷり詰まっている。安西水丸のイラストと共に綴られた食のエッセイ83編と文庫版のあとがきにかえて、平松洋子と安西水丸の対談を収録。

    どのエッセイも絶品なのだが、最も関心したのは『かまぼこ板の美学』冒頭の“ちくわは穴を食べるものだと思う。”という一文。何と哲学的で深い視点であろう。

    また、『奥州のぬか釜ごはん』で、岩手県奥州市の『農家レストランまだ来すた』が紹介されているのも嬉しい。平松洋子も胆沢区の絶品天日干しの新米の羽釜炊き御飯を味わったかと思わずニヤリ。次のエッセイ『ピーマンうどん』も同じ奥州市が舞台な

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    2016年09月07日
  • 小鳥来る日

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    平松洋子さん、立ち食いそばレポート、大好きです。さて、蕎麦はさておき、庭に小鳥が飛んで来ると嬉しく幸せな気持ちになります。「小鳥来る日」(2016.3)、生きていることの悦びを感じる・・・そんなエッセイ、ユーモアたっぷりで面白く、そして懐かしさと温もりがある72編のエッセイです!「五月の素足」「猫の隊列が通る庭」「いまどきの同棲時代」「化粧ひとり芝居」「本屋さんは町の縮図である」「落ち葉はどこまで掃くか」「旅はせっかくでできている」「端っこのおいしさ」「ストッキングで闘う」etc

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    2016年06月21日
  • ステーキを下町で

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    全編おいしいものへのあくなき熱意に満ちた本。
    食べ物への熱意、食べっぷりの小気味よさ。とりあげられる食べものは徹底して庶民の食べもの、地元の人の日常の食事。
    作っている人への敬意も気持ちがいい。

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    2016年01月13日
  • サンドウィッチは銀座で

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     様々な食にまつわるエッセイである。正確に言えば、飲食店に関するエッセイというべきかもしれない。
     本当にこの方はグルメだと感心させられるが、お値段もそれ相応の料亭から立ち飲み屋、ビアホールに社員食堂まで、ありとあらゆる飲食店を取り上げ、エッセイに描いている。食べるものも様々であり、中には熊肉のような珍しいものもあるが、ごく普通のメニューが特に目につくところだろうか。
     エッセイごとに挟まれている谷口ジローさんの掌編漫画もまた味わい深い。特に最後の「百年も、二百年も」に置かれた漫画などは本当に洒落ている。

     やや筆が踊り過ぎている嫌いもあるが、良いエッセイだった。堪能させていただいた。星五つ

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    2015年11月27日
  • ステーキを下町で

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    文庫化されたので、再読。平松洋子の食探訪記と谷口ジローの漫画の名コラボの第2弾である。北は北海道から南は沖縄まで食を巡る旅が描かれている。平松洋子の食を描いた名文を谷口ジローの素晴らしい描写の漫画が大いに盛り上げ、読めばヨダレが止まらぬこと請け合い。

    何よりも嬉しいのは、平松洋子が震災後に三陸を訪れ、うに弁当の復活を伝えてくれた『三陸の味、北リアス線に乗って』である。

    『朝の大衆酒場、夜はスナック』に描かれるまるます家は、谷口ジローの傑作『孤独のグルメ』にも登場する。

    『文庫版のためのあとがき』も追加収録。

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    2015年08月07日
  • サンドウィッチは銀座で

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    あ、文庫本になったんだー。
    と気軽な気持ちで読みはじめたのだけど、ついつい引き込まれて一気読み。
    平松さんの文章はリズムがあって、一緒にお店に言っている気分にさせてくれる。
    どれも好きだけど、特に印象に残ったのは、池袋、オムライス、サンドウィッチ、昭和の大衆食堂、百年も二百年も。
    さらに共感をおぼえたのは、おわりに の風景の一部になりにゆく。
    国籍、人種、年齢の何物をも超越した、平松さんの包容力に魅力をおぼえる。食ってすごいな。
    やっぱり、平松さんの本にハズレなし。

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    2015年07月26日
  • 野蛮な読書

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    ネタバレ

    どちらかというと食にまつわるエッセイで知られた平松洋子さんのジャンルにとらわれない書評集『のようなもの』。
    のようなもの、というのは正統な書評集とはいいにくいからだ。
    普通、主題の本を決めたらそれにまつわる感想やエピソードなどで構成するのが、普通の書評ならこの本は一冊から五冊十冊と広がっていく連想ゲームのようなエッセイなのだ。
    たとえば冒頭、向笠千恵子さん(この人も有名なフードライター)が『日本の朝ごはん』で紹介されているさかもとという民宿に宿泊し、そのすばらしい経験を書きながら読んでいる本の内容にふれていくのだけれど、無理が無い。
    これはかなり難しいテクニックの書評…というより読書日記だ。

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    2015年07月04日
  • 野蛮な読書

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    武田百合子、池澤夏樹、森茉莉、沢村貞子、宇能鴻一郎、小山清、開高健、獅子文六、室生犀星、古屋誠一などなど、気になる本がたくさん。メモしながら読んだため時間がかかった。平松さんの生活に本が溶け込んでいて、とてもうらやましく思った。特に好きなのは沢村貞子についての章。

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    2014年12月14日
  • 野蛮な読書

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    第28回講談社エッセイ賞受賞作。

    最初のエッセイ『能登とハンバーガーと風呂上がり』の冒頭、京都土産のカステイラを箸で食べるくだりで、平松洋子流の野蛮の定義を披露し、そこからのサラサラと流れる小川のように読者を読書の世界に誘う手腕は見事である。衣食住や日常に絡めながら、紹介される本は103冊。この103冊のジャンルは様々であるが、いずれも旧作であり、実にお洒落な本ばかりである。相変わらず、食べ物の描写もお見事であるが、今回は平松洋子の知の世界というのも味わうことが出来た。

    平松洋子作品を最初に読んだのは、谷口ジローとの共著『サンドウィッチは銀座で』であり、この一冊で、平松洋子の美味しい文章の

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    2014年11月02日
  • サンドウィッチは銀座で

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    平松洋子さんの文章を初めて読みましたが料理を楽しく思い浮かべることができて本当に食べに行きたくなりました。挿絵の谷口ジローさんの絵がまたいいです♡

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    2014年03月15日
  • なつかしいひと

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    平松さんの文章は、情景が詩的に頭に浮かぶからすごい。それも静かな凛とした雰囲気のものが多い。
    この本も同様、場面場面が現実味をおびて浮かびあがってくる。
    街で会った見知らぬ人から、恋人であろう人、家族など、色々な人、場所が登場する。余韻を残す終わり方が、1話1話、続きを想像させる、いい本だと思う。

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    2012年03月21日
  • 筋肉と脂肪 身体の声をきく(新潮文庫)

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    ネタバレ

    エストロゲンは明らかに身体機能の一部として重要な役割を果たしている可能性がある。エストロゲンが女性における筋力維持や運動能力レベルにおいて生物学的役割を果たすことを示唆している。骨量や筋肉量・筋力の維持作用があると言われている。

    スポーツに関する本は今まで縁がなかったけれど、食事の重要性やアスリートの食事や精神面など、自分に参考になることは多かった。筆者のアスリートの心情などの表現力が富んでいる。

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    2025年10月29日
  • 父のビスコ

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    食エッセイの名手による家族と郷里・倉敷の話。中でも表題作が白眉。だいぶ状況は違うけど、自分が家族を亡くして間がなかったというタイミングだったから、ということもあるかもしれないけれど、「ビスコが食べたい」に笑いながら目頭が熱くなった。

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    2025年08月31日
  • おあげさん 油揚げ365日

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    ひたすら油揚げの話(笑)

    うちのこどもは
    小さい時に
    あげだいだい、って言ってたこと
    思い出した。

    油揚げレシピ、
    参考になります♪

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    2025年08月30日
  • 酔いどれ卵とワイン

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    食にまつわるエッセイ、良い。

    昔からの感性も大切にしつつ、若さもあって、今昔どちらも大切にしている様子に憧れる。

    何十年と経ったときに、あれにハマったときがあったなあ、とか、これだけはずっと譲れない!とか、自分だけの好みを探していきたいな。

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    2025年08月22日
  • 父のビスコ

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    どうしてか心が和む文章。
    ここの生活には目新しいものがないほうがいいと思うとる。
    知りたいことがまだたくさんある。だから死ぬわけにはいかん。自分もこうなりたい。
    柔らかい宝石を食べているようだ。

    無名の人の言葉にも胸を打たれる

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    2025年05月28日
  • おあげさん 油揚げ365日

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    私も大好きお揚げさん。
    そう思わず”さん”を付けたくなってしまうよね。
    地味だけどいい仕事するのよね。
    お揚げさんを使ったレシピもいっぱい載ってて全部簡単で美味しそう。
    順番に作っていきたいな。

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    2025年05月16日