平松洋子のレビュー一覧
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長い間の積読本。ホントに積んでいた本の山の間から見つけて、銘酒を味わうようにちびりちびりと読んできた本。おそらく6年は熟成させて、一年かけて読んだ。
まぁそういう本である。一章一章、時には数頁づつ読んでも、味は変わらない。少し古い話題はあるが、それも味わい深い。実際には14年前ほどの文章が載っている。「オール讀物」連載。我が倉敷が産んだ食のルポライター平松洋子は、食の最前線や話題の店は一軒たりとも取り上げない。何度も通って初めてわかるような名店の、ありふれた食材を料理したような名物を、時にはそれを食べるためだけに、北海道や沖縄や鹿児島や青森や、時には東京赤羽辺りを、取材と称して担当編集者と食 -
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平松洋子『父のビスコ』小学館文庫。
第73回読売文学賞受賞作。
父の死と家族で過ごした倉敷の時間。親子三世代の記憶を紡ぐ初めての自伝的随筆集。
平松洋子と言えば食のエッセイのイメージが強いが、このようなしっとりとしたエッセイも良いものだ。前半は面白いのだが、『「旅館くらしき」のこと』から最後までは断片的に倉敷や家族のことが描かれるだけで、ちょっとがっかりした。
『父のどんぐり』。平松洋子の昭和3年産まれの父親の食の記憶。先日、亡くなった自分の父親も昭和6年産まれであるが、戦中戦後に少年時代を過ごした人たちは食べるために毎日が必死であったと聞く。自分の父親はその頃の飢餓の記憶の反動で、 -
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下着の捨てどき…、私もよく分からないなあと思い読んでみました。エッセイ本で、日常生活を送る上で心に刺さる話ばかりでした。特に好きな話がこちらの話です。
『拡大鏡は見た』 "ひとは見たくないものは見ないらしい"、この言葉はグサッと刺さりました。シミ、シワ見えてないフリをしてる、私。
『再会タクシー』 東京はタクシーがいっぱい走ってると思うけど、同じ運転手さんのタクシーに乗るって運命だな。
『また逢えたら』 紹介されてる料理作ってみたい。レシピが載っているのはありがたい。
『夜中の腕まくり』 牛すじの醤油煮込みを夜中に手間暇かけて作る話なんだけど、平松洋子さんにとって至福の時間な -
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エッセイならではの読みやすく楽しい感じ、他人の人生を垣間見るときのへぇ、とためになる感じ。
そのどちらもありながら、「食」というほのかに共通する出来事で本としての統一感もあり、作者の人生の幹があるようであり、巻末の対談では戦争と承認まつわる会話があり。このひとの「食」はきちんと根を持っており、このエッセイの根幹がしっかりしていることに納得。ただつらつらと日常を記しただけではない話が読めたのだと謎の満足感と安心感があった。
そして、ジャムを作ったりみかん風呂にしたり…自身の暮らしを改めたいなという自戒でありながらも明るい、プラスの気持ちに。
「電気を食う」「生産と消費者のレールを外れる」とい -
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食のエッセイストが出会うのは、その土地を支える食材と人。
その土地だからこその美味しさを知り、語る、15の探訪記。
熊鍋 わさび 蒲鉾 オイルサーディン クラフト・ビール
柚子 梅干し 奈良漬 鮒ずし チーズ かごしま黒豚
栗きんとん 豆餅 五島うどん イラブー汁
・あとがき ・取り寄せ(地方発送)について
日本各地のすごい味を巡る、15の探訪記。
その土地ならではの、食材。
その土地ならではの、自然環境。
その土地ならではの、人とその土地への想い。
そして、歴史や生き方をも内在する、その土地の記録。
猟師と料理人の共通の価値観は、世界一美味しい熊の肉。
すべての工程が手作業の、缶詰。
ごっ -
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平松洋子『酔いどれ卵とワイン』文春文庫。
週刊文春連載の食と日常をテーマにした平松洋子のエッセイ。64編を収録。イラストレーターとのコラボが無くなり、少し寂しさを感じる。
京都大学准教授の藤原辰史との対話「戦争から『食』を考える」も収録。
小気味良い軽快なテンポの文章なので、リズム良くサクサクと読める。なるほどと共感したり、そんな方法があったのかと驚いたりと楽しく読めた。
パンにバターを塗る時のストレスフリーの方法は目から鱗。おにぎりの海苔は自分もしっとり派。紅白なますに干柿の身をほぐして食べるのは知っていたが、柿の白和えは知らなかった。サザエカレーはさぞや美味いことだろう。ピーマン