平松洋子のレビュー一覧

  • 日本のすごい味―土地の記憶を食べる―

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    食のエッセイストが出会うのは、その土地を支える食材と人。
    その土地だからこその美味しさを知り、語る、15の探訪記。
    熊鍋 わさび 蒲鉾 オイルサーディン クラフト・ビール
    柚子 梅干し 奈良漬 鮒ずし チーズ かごしま黒豚
    栗きんとん 豆餅 五島うどん イラブー汁
    ・あとがき ・取り寄せ(地方発送)について

    日本各地のすごい味を巡る、15の探訪記。
    その土地ならではの、食材。
    その土地ならではの、自然環境。
    その土地ならではの、人とその土地への想い。
    そして、歴史や生き方をも内在する、その土地の記録。
    猟師と料理人の共通の価値観は、世界一美味しい熊の肉。
    すべての工程が手作業の、缶詰。
    ごっ

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    2024年04月04日
  • 酔いどれ卵とワイン

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    平松洋子『酔いどれ卵とワイン』文春文庫。

    週刊文春連載の食と日常をテーマにした平松洋子のエッセイ。64編を収録。イラストレーターとのコラボが無くなり、少し寂しさを感じる。

    京都大学准教授の藤原辰史との対話「戦争から『食』を考える」も収録。

    小気味良い軽快なテンポの文章なので、リズム良くサクサクと読める。なるほどと共感したり、そんな方法があったのかと驚いたりと楽しく読めた。


    パンにバターを塗る時のストレスフリーの方法は目から鱗。おにぎりの海苔は自分もしっとり派。紅白なますに干柿の身をほぐして食べるのは知っていたが、柿の白和えは知らなかった。サザエカレーはさぞや美味いことだろう。ピーマン

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    2024年03月14日
  • 下着の捨てどき

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    難しいのに一大事な眉毛、鏡につけた拡大鏡。平松さんは、いつも見て見ぬふりしているところにちゃんと向き合っている。時折登場するレシピもいい。電車に乗って旅するお囃子や、本や映画のお話もよかった。こんなふうに日常をなんとかやりすごしている人はすごいと思う。

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    2024年03月10日
  • 下着の捨てどき

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    じっくり味わうように読んだ。
    チンチン電車の話や、本と映画とうまいもんの話が大好き。手元に置いてまた読みたい。

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    2024年02月13日
  • 本の花 料理も、小説も、写真も

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    本を読む事について、改めて深く考えさせてもらった。
    著者の本に対する愛情に裏打ちされた知識と、本を紹介する秀逸な文章に魅了されっ放しの一冊。
    読みたい本の幅が一気に広がり、楽しみを抑え切れない。
    タイトル通り、〜も、〜も、と色々なジャンルを分け隔てなく読むスタイルは、自分の好みそのもので、何度もこの本に立ち戻り、新たな本当の出会いをさせてもらうとしよう。

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    2023年11月21日
  • すき焼きを浅草で

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    サバランへの偏愛。題名より予想していた浅草今半。変わらず平松さんの生活が垣間見えて、くすくす笑えて、ときにしっとりできる。特に初めて出会ったのがあぶたま。どれも食べてみたい。

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    2023年10月28日
  • サンドウィッチは銀座で

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    うんまいモノが食べたくなる
    食欲増進エッセイ

    その中でちょっと異色?な
    「熊を食べにゆく」
    命のありがたみを感じた

    みとのブックフリマにて購入

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    2023年10月04日
  • 洋子さんの本棚

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    小説家って凄いなあ。2人の文筆家の会話、言葉のキラキラした深い深い広い広い海の中に漂わせてもらった。心地よくて、楽しくて、読んでみたくなる本も沢山。

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    2023年10月03日
  • いわしバターを自分で

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    コロナ渦前後のエッセイ。オイルサーディンを豪快にコッペパンに挟むあの人が忘れられない...。暑い日の台所事情や、日本各地の美味しそうなものなど、家にも外にもわくわくするエッセイが詰まっている。

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    2023年10月01日
  • ステーキを下町で

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    ひたすらお肉が食べたくなる。500gはすごい。ぱんちょうの豚丼、沖縄のすば、京都のうどん、東京のきらびやかな駅弁たち。どれも読みながら悶絶するくらい美味しそう。

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    2023年10月01日
  • あじフライを有楽町で

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    一編2.3ページ、スイスイ読める連載集。有楽町という文字には、"楽"しいが"有"り。近隣のおいしいお店が参考になるし、お家での料理にも手が出る。煮物は温度が下がる時に味が入る。全国各地でも平松さんの食い意地エピソードが面白い。血眼になりながら旬の食材を追いかける様子がありありと浮かぶので、クスリと笑いながらも触発される始末。まずはあのお店に行ってみよう。

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    2023年08月19日
  • 肉とすっぽん 日本ソウルミート紀行

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    牛、馬、猪、鹿、鴨、鳩、鯨、羊、鼈、内臓。人はなぜ肉を食べるのだろう、土地に根差した知恵と工夫、長い歴史を通じて人と獣の間に培われてきた親密な関係性に光を当てた傑作ノンフィクション。

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    2023年07月03日
  • 下着の捨てどき

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    子育て中は目の前のことで必死で、このイバラを抜けたら自分の前に立ちはだかっているのは、自分自身だった。

    っていう。著者の言葉。

    こわっ。自分の前に立ちはだかる自分自身。
    ただ、薄々感じてはいる。20代の頃のようにはいかない体と、写真に写れば写るほど老いる自分。笑
    わかってはいるけどここまでか!!!!って思うのは毎年更新記録達成。笑笑
    そんなふうに思いつつ読むと、あーなんかわかる時がきそうだし、すでにわかる気もするものも。

    そして、この方の描き方がなんだかスッキリとしいて、困ったことや、立ち止まったこと、ちょっぴりだけ寂しくなったり、悲しかったことが、ラムネの瓶越しに見てるような、薄いブル

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    2023年05月21日
  • 肉まんを新大阪で

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    最近、平松さんのエッセイにはまっている。

    週刊誌の連載だとのことで、一つ一つは短い。
    そのため、取り上げる食材、料理、食文化の幅が広く、読み進めてもちっとも退屈しない。

    京都の炒り番茶。
    ほうじ茶とは違う。
    独特の「煙臭い」お茶だとのこと。
    山形の冷たい肉そば。
    鶏肉が入った日本そばで、見た目は非常に地味。
    でも美味。
    名古屋めし、帯広の豚丼、中津川の栗おこげ、根室のさんま…各地のおいしいもの、気になる食材の話は、とにかく読んで楽しい。

    まねして作ってみたいレシピもある。
    肉団子。
    合鴨と鶏肉の合挽は手に入らないけれど、トライしてみたい。
    それから、トマト寒天。
    もっとも、これは「あさイ

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    2023年04月16日
  • 肉とすっぽん 日本ソウルミート紀行

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    「サンドイッチは銀座で」のシリーズでも熊を食べに行く話があったので、そんなには愕きはしない。だけど、普段の軽妙さは影を潜め、文章にずっしりした重さがある。

    羊、猪、鹿、鳩、鴨、牛、内臓、馬、すっぽん、鯨の10章。
    ルポだけど、着飾った奇麗ごとの無い文章。育てて、その命をいただく生業への共感が身に迫ってくる。
    だから、その後の文がより際立ってくる。
    (引用)
    気が逸るのを抑えながら、透明な黄金色の熱いスープをれんげに満たし、啜った。すーっと口のなかに滑り込む清澄な汁。醤油のひのかな香ばしさ。焼きねぎの甘み、つつましやかなふりをして、しかし、奥まったところから、あの﨟長たけたうまみが頭をもたげて

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    2023年04月14日
  • いわしバターを自分で

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    ネタバレ

    あの時期がひしひしと追い出される。息苦しさも、小さな連帯も、良かれと思ってうまくいかなかったことも。

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    2023年04月08日
  • 肉とすっぽん 日本ソウルミート紀行

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    平松洋子『肉とすっぽん 日本ソウルミート紀行』文春文庫。

    『人はなぜ肉を食べるのか』をテーマに平松洋子が日本全国を巡り、10種類の肉と人との関わりを取材したルポルタージュ。

    何時もは食の割合が多いが、本作では取り分け食肉の文化や歴史、食肉に関わる人の仕事が多く描かれている。

    『第1章 羊』。北海道白糠町の羊牧場で羊の飼育、羊肉についての話。羊料理の代表格はジンギスカンで、勿論のことながら北海道が有名なのだが、東北地方、岩手県遠野市、福島県平田村など山間の地域でもよく食べられている。また、福島県ではアサヒビールの直営のジンギスカン店もあり、手軽にジンギスカンが楽しめる。遠野市では美味しいジ

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    2023年03月21日
  • いわしバターを自分で

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    「サンドウィッチは銀座で」など、これを食べにあそこへ、というタイトルでずっときたシリーズ。新刊は「いわしバターを自分で」。このタイトルだけで、コロナ禍の日々のことだ、と気付く。
    あのなんとも息苦しかった日々、毎日怯えたように、萎縮して暮らすしかなかった期間。
    2020年5月半ばだったろうか、スーパーでカゴを持ったまま、売り場に立ち尽くしたことがあった。なんにも思い浮かばない。何を食べたいのかわからない。何を作ればいいのか、何を買えばいいのか、皆目見当がつかない。外食がほぼ不可能で、ちょっとした息抜きもできないから心に余裕が生まれない。
    あの絶望感は忘れられない。

    平松さんも同じように迫り来る

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    2023年03月06日
  • ひさしぶりの海苔弁

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    きゅうりの古漬け似は笑った。
    海苔弁って(というかお弁当自体思い出が少ない)数えるくらいしか食べたことないけど美味しいものって記憶がすごくある。


    イラスト 安西水丸

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    2022年11月30日
  • サンドウィッチは銀座で

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    春夏秋冬を通してさまざまな絶品料理を食すエッセイ集。軽快な語り口とこちらの空腹を煽るような描写によだれが出ること間違いなし。合間に挟まれる挿絵や漫画も文章の雰囲気にしっかり噛み合い、するすると読み進められる。食事が好きな人にもおすすめの1冊。

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    2022年11月14日