平松洋子のレビュー一覧

  • 父のビスコ
    著者だけでなく、祖父母、両親、それぞれの来し方に触れた著者の思いがギュッと詰まっています。とても豊かで、濃密で、渋い色彩のエッセイでした。

    「書くべきことは、発酵物の表面に浮き上がってはぷっくり膨らむ大小のあぶくに似て際限がなく、今後も向き合いながら少しずつ言葉にしていきたい。」
    と書かれているの...続きを読む
  • ひさしぶりの海苔弁
    きゅうりの古漬け似は笑った。
    海苔弁って(というかお弁当自体思い出が少ない)数えるくらいしか食べたことないけど美味しいものって記憶がすごくある。


    イラスト 安西水丸
  • サンドウィッチは銀座で
    春夏秋冬を通してさまざまな絶品料理を食すエッセイ集。軽快な語り口とこちらの空腹を煽るような描写によだれが出ること間違いなし。合間に挟まれる挿絵や漫画も文章の雰囲気にしっかり噛み合い、するすると読み進められる。食事が好きな人にもおすすめの1冊。
  • いわしバターを自分で
    この人の文章力や取材力に魅せられて、最近時々読んでいる。
    本書はコロナ禍の、特に最初の緊急事態宣言の頃に書かれた文章を多く載せる。

    鰯バターや、パセリカレーのレシピも魅力的だが。
    きゅうりが干せるということも目からうろこだが。
    やはりあの頃の閉塞感がよみがえって、ちょっとつらくなった。

    いや、自...続きを読む
  • サンドウィッチは銀座で
    特にそそられたのは、たんぽぽオムライス、熊の月鍋、たこ梅のおでん!

    美味しいものを表現するときの文章もすごいです
    こりり という表現が面白いと思いました

    美味しい食べ物、作る人たち、建物、場所、食べに行く人、色々な角度から食べ物だけではなく、風景も一緒に感じられる本です

    作者の方はそこを大切に...続きを読む
  • ステーキを下町で
    先にレビューした『サンドウィッチは銀座で』と同時購入した一冊。
    前著と同じ、『オール読物』の連載で、谷口ジローさんの漫画が入るのも同じ。

    この巻では、まず豚丼から始まる。
    鹿児島の黒豚尽くしの会席、弘前の「藩士のコーヒー」にイカメンチ。
    東向島の「駄敏丁カットステーキ」はグラス・フェッド(草で肥育...続きを読む
  • かきバターを神田で
    なまこ「干されてやってもいいぜ」笑った

    ✳︎とまとを手で裂いたやつ
    ✳︎なすそうめん
    ✳︎パセリぽてさら
    ✳︎きのこスープ
    つくりたい!!!

    ★「食べない」を食べる

    水ナスたべたことないかも、たべたい
  • いわしバターを自分で
    文章が好き ◯
    作品全体の雰囲気が好き ◯
    内容結末に納得がいった ◯
    また読みたい ◯
    その他

    ふきのとうのゲップ(「待望のふきのとう」)からの、ウニ弁当のじんわり涙が出てくるお話し(「うに弁当を久慈で」)。

    この振り幅にノックアウト。

    出会えてよかった、平松洋子さん。
  • 洋子さんの本棚
    2人の洋子さんが、少女時代から各年代ごとの愛読書を持ち寄って語りつくす。これが殆ど未読の本ばかりなんだ。読んだことのある本なら、そこで語られることに反応できるけど、知らない本はそうもいかない。もちろん「今度読んでみますか」ってこともあるけど、読書案内のための対談ではないのでそれも苦しいところ。
  • いわしバターを自分で
    ”いわしバターを自分で“とは、まさにコロナ禍を反映したタイトルと内容でしたが、これまた素敵で大好きな一冊です。
  • 下着の捨てどき
    会社の先輩が、「この人の文章が好きなの」と言っていたので読んでみた。

    エッセイは、苦手意識があった。
    でも、日常の出来事に対する心の動きに「わかるー!」ってなったり、「そんな視点があるんだ!」と発見したりできて、なんか楽しかった。
    同じ出来事でも自分はどう感じるんだろうとかを想像しながら読んだ。
    ...続きを読む
  • いわしバターを自分で
    著者は無類の食いしん坊とみた。
    向田邦子を少し彷彿とさせるような…。
    パセリカレー、今度作ってみよう。
    たぬき豆腐を出す居酒屋にも行きたい!
  • サンドウィッチは銀座で
    東西のいろいろなおいしいものを食べ歩いた記録。

    所詮は言葉で、実際に食べられるわけじゃない。
    そう嘯いて読んでみたが、これがなかなか読んで楽しい文章。

    鎌倉の精進料理に春を感じる。
    社食めぐりの記事からは、空気感も感じられる気がした。
    冬の終わりにふぐやどじょうの一人鍋を楽しむ。
    上野の大衆食堂...続きを読む
  • 本の花 料理も、小説も、写真も
    平松洋子さんの読書量、
    そして、その紹介するための
    語彙力の豊かさ、鋭さに、
    興奮したり、感心したり、
    心がザワザワと騒ぎ出す。

    どれも、とても面白そうで、
    かといって、
    平松さんのように深く鋭く読み込むことが
    自分にもできるだろうかと
    気圧される想い。

    色とりどりの本の花の
    ずっしりと重いブー...続きを読む
  • ステーキを下町で
    旅先で土地の美味しいものを食べるという贅沢が、本当に贅沢になってしまった昨今。これを食べにここに行きたい欲が高まってしまった…!
    とりあえず、実家に帰省中に下町ステーキは絶対絶対食べに行く!
    →帰省中に下町のステーキを食べに行った。
    悶絶のおいしさ!ありがとう。
  • いわしバターを自分で
    平松洋子氏の人気・食エッセイの最新刊。なに!緊急事態宣言?そんなコロナ禍の食い意地に効く!不安な日常でも、食の喜びは手放しません!!
  • 父のビスコ
     1958年倉敷生まれ、平松洋子さん「父のビスコ」、2021.10発行。家族のこと、郷里岡山のこと、食べ物や季節の花々などを綴った良質なエッセイです。92歳で亡くなった父を語る「父のビスコ」、じーんときました。
  • サンドウィッチは銀座で
    谷口ジローさんのマンガを読みたくて読んだ本。

    著者が全国各地のいろんな美味しいものを食べており、それを文章と谷口ジローさんのマンガで語るという形式となっており、夜遅い時間に読むとお腹が減って仕方が無い本でもありますね。

    現状では、コロナ禍でもあり近所においても外食をしにくいもどかしさがあります...続きを読む
  • 父のビスコ
    平松さんの家族の歴史、食の思い出、故郷の倉敷への想いなど。変わったタイトルだな。と思い読み進めて、最後にビスコが登場し「あー、ここにも歴史が」と生きていく中での縦や横のつながりを感じた。  
    「知りたいことがまだたくさんある。だから死ぬわけにはいかん」(p316)のお父さんの言葉は重みがある。 
    ...続きを読む
  • 父のビスコ
    脈々と受け継がれてきたもの。
    その豊かさが伝わってくるエッセイ集。
    『倉敷川 流れるままに』畠山繁子さんの随筆も収録されている。
    一読者として読むことができ幸せ。
    表題作『父のビスコ』ではほろりときてしまう。
    平松洋子さんの体温を感じ取ることができた。