平松洋子のレビュー一覧

  • おあげさん 油揚げ365日

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    食べ物の記憶は何処から入ってゆくのだろう。先ずはやはり味だろうか。
    「これ、美味しい!」
    そのあと名前を覚えてゆく。
    平松洋子は「ひろうす」で覚えた。
    西日本は一般的に「ひりょうず」「ひりゅうず」と呼ばれているらしい。
    東日本では「がんも」「がんもどき」と
    言われるモノとは今回初めて知った
    私は「ひろうず」で覚えていた。
    洋子さんも私も母親からの口伝えである
    洋子さんとは共に倉敷で
    家が15キロと離れていないからだろう
    元は「飛竜頭」ポルトガル語の当て字だそう
    「フィリョース」という小麦粉と卵のお菓子

    なるほど、油揚げを「おあげさん」て
    言ってたな
    なんか急に懐かしくなって味まで思い出す

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    2025年05月04日
  • いわしバターを自分で

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    平松洋子作品で初めて読んだ本。
    一つ一つが短く、電車の中で読むのに向いてる。ご飯の描写が多い。とても読みやすいが、一気読みするべきではないと思う。一気に読むと途中で飽きる。毎日少しずつ読むのが良い。

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    2025年04月28日
  • おあげさん 油揚げ365日

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    油揚げを愛する著者のエッセイ、29編。

    確かに主役としての顔はないのだが、それに匹敵するくらいの価値はあるのではないかと思える。
    味噌汁や炊き込みご飯に入れるのは定番である。
    きゅうりの酢の物にもちょっと焼いて短冊にして入れるとコクもでる。
    しかし、おせちの紅白なますに入れるというのは初めて聞いた。
    中盤にレシピとカラー写真があるのも嬉しい。

    後半は、萩原健一(ショーケン)の話や高橋由一の写実画「豆腐屋」の話、料理研究家の辰巳浜子さんの『料理歳時記』などなど盛りだくさん。

    難波「道頓堀今井」や松山「鍋焼うどん アサヒ」
    香川、まんのう町「谷川米穀店」、加茂町「讃岐うどん がもう」などのう

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    2025年04月19日
  • 父のビスコ

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    しみじみといいエッセイだった。
    著者のバッググランドが少しわかったようなファミリーヒストリーの要素のある名著。
    著者がなんとなく向田邦子の匂いを感じるのは、感性とやっぱ昭和をガッツリ生きた時代背景もあるのかな。
    サクマの缶入りドロップス。懐かしすぎる。
    ハッカでるとがっかりしてね、また戻しちゃったりして^^;
    粉末のみかんジュースもあったなぁ。なかなか溶けなくてね。
    お父さんが最期に自分の意志で食べたのがビスコ。
    いろいろ聞きたいことをもっと聞いておけばと著者は言うけれど、最期の最期にお父さんの願いを叶えてあげたのだから、ほんとに幸せなことだと思う。
    あの赤い箱、ビスコを見るたびに思い出すね、

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    2025年04月10日
  • おあげさん 油揚げ365日

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    油揚げでこんなに語れるなんて❗
    油揚げLOVEな私としては、読みながら
    『そうそう、そうなのよ❗』と同調することばかり❗
    昭和な思い出話から、今すぐできそうなレシピまで、とても懐かしくて頭の中を走馬灯のように流れていく。
    読み終わった日の夕ご飯にはしっかり栃尾の油揚げの付け焼きが登場❗
    『油揚げ2枚で三合飲める』をしっかり体感しました

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    2025年03月29日
  • おあげさん 油揚げ365日

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    平松洋子『おあげさん 油揚げ365日』文春文庫。

    油揚げを偏愛する著者による29編のエッセイと45のレシピを収録した油揚げエッセイ集。

    表紙が油揚げを抽象的に表現したイラストになっているのが面白い。

    油揚げというのは豆腐を油で揚げているので、豆腐よりもコクがあり、煮崩れしないので扱いやすく、比較的安価な食材である。オーブンで焼いてネギと七味を掛けて醤油を垂らせば一品になるし、煮ても良し、味噌汁の具にしても良し、蕎麦やうどんに載せても良し、いなり寿司にしても良しと様々なバリエーションが楽しめる。油揚げを開いて、餅や様々な具材を入れた巾着はおでんダネにもなる。

    本作のレシピには無かったが、

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    2025年03月26日
  • 下着の捨てどき

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    日常のバタバタで忘れてしまっていた事を、思い出させてくれるような素敵なエッセイだった。

    自分にとっては近い将来起こり得る話もあり、予行練習的な気持ちにもなる。

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    2025年03月11日
  • おあげさん 油揚げ365日

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    平松洋子さんの書籍は
    どれも面白く、食への愛情に
    溢れており、食べることを大切に
    楽しみながら食事と向かい合いたい、と
    思わせてくれる。


    私は食に関しては全く考えておらず
    食べられれば良い、押し込み
    詰め込むだけの食事が食事だと
    長年思い込んでいた。

    その意識を変えてくれたのが
    平松洋子さんの食のエッセイ。


    薄揚げがあれば、食の世界も
    こんなに開くのか!と、目からウロコだった

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    2025年03月11日
  • 日本のすごい味―土地の記憶を食べる―

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    どれもこれも経験してみたい味です。
    とりあえずGoogle mapで散策してみました。
    そうだ栗の街が故郷の知人がいる、お土産頼んじゃおうかな。

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    2025年02月27日
  • いわしバターを自分で

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    あ、コロナ禍ってたしかに必死だったよな
    暮らしも食も、制限されてしまい、苦しかった
    エッセイストの方々はとくに生きるを文章化して、暮らしの糧にしているだろうから辛かっただろう
    そんななかでも、あえて普段ならやらなかった長時間かかる料理をしてみていたり、こだわって取り寄せしてみたり、人生を楽しむってこういうことなんだと感服した

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    2025年02月08日
  • 父のビスコ

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    生まれ、育った地での思い出を抱きながら、やがてその地を離れ、一旦は新たな土地に順応する為に故郷と疎遠になりかける。
    やがて或る事をきっかけに或いは故郷に帰り、或いは新たな土地で思いを馳せる(著者にとっての或る事とは親の病と死であり、災害であり、一冊の本との出会いであった)
     
    近代の日本、特に戦後の日本で育った一定数以上の人々に流れる通奏低音は本書にも横たわっているように思えた。
     
    大垣書店イオンモールKYOTO店にて購入。

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    2025年01月27日
  • ステーキを下町で

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    長い間の積読本。ホントに積んでいた本の山の間から見つけて、銘酒を味わうようにちびりちびりと読んできた本。おそらく6年は熟成させて、一年かけて読んだ。

    まぁそういう本である。一章一章、時には数頁づつ読んでも、味は変わらない。少し古い話題はあるが、それも味わい深い。実際には14年前ほどの文章が載っている。「オール讀物」連載。我が倉敷が産んだ食のルポライター平松洋子は、食の最前線や話題の店は一軒たりとも取り上げない。何度も通って初めてわかるような名店の、ありふれた食材を料理したような名物を、時にはそれを食べるためだけに、北海道や沖縄や鹿児島や青森や、時には東京赤羽辺りを、取材と称して担当編集者と食

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    2025年01月26日
  • 父のビスコ

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    平松洋子『父のビスコ』小学館文庫。

    第73回読売文学賞受賞作。

    父の死と家族で過ごした倉敷の時間。親子三世代の記憶を紡ぐ初めての自伝的随筆集。

    平松洋子と言えば食のエッセイのイメージが強いが、このようなしっとりとしたエッセイも良いものだ。前半は面白いのだが、『「旅館くらしき」のこと』から最後までは断片的に倉敷や家族のことが描かれるだけで、ちょっとがっかりした。


    『父のどんぐり』。平松洋子の昭和3年産まれの父親の食の記憶。先日、亡くなった自分の父親も昭和6年産まれであるが、戦中戦後に少年時代を過ごした人たちは食べるために毎日が必死であったと聞く。自分の父親はその頃の飢餓の記憶の反動で、

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    2024年12月31日
  • あじフライを有楽町で

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    タイトルと表紙に惹かれて。一つ一つのエピソードのイメージと読んだら興味の唆られる感じがなんとも良い。平松さんと穂村さんの黒にんにくのエピソードは面白かった。大正軒は行ったことないので行かなきゃ。

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    2024年12月15日
  • いわしバターを自分で

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    もうすっかり忘れかけていたコロナ禍独特の空気感とか息苦しさを思い出してクッと胸の奥が痛んだ。それと同時にそんな中で楽しみをと思い、おうち居酒屋をやったりパンケーキを作ったりした細やかな日々を思い出した。

    今度、いわしバターを自分でやってみようかな。

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    2024年12月03日
  • 下着の捨てどき

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    下着の捨てどき…、私もよく分からないなあと思い読んでみました。エッセイ本で、日常生活を送る上で心に刺さる話ばかりでした。特に好きな話がこちらの話です。

    『拡大鏡は見た』 "ひとは見たくないものは見ないらしい"、この言葉はグサッと刺さりました。シミ、シワ見えてないフリをしてる、私。

    『再会タクシー』 東京はタクシーがいっぱい走ってると思うけど、同じ運転手さんのタクシーに乗るって運命だな。

    『また逢えたら』 紹介されてる料理作ってみたい。レシピが載っているのはありがたい。

    『夜中の腕まくり』 牛すじの醤油煮込みを夜中に手間暇かけて作る話なんだけど、平松洋子さんにとって至福の時間な

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    2024年09月21日
  • 下着の捨てどき

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    平松さんのエッセイはいつもこざっぱりとしていて、すぐ忘れてしまいそうなやさしい文章。
    かと思いきや生活のあらゆる場面で時折平松さんの言葉が降ってくるとき、こうして心に残っていたのだなあと気付かされる。
    こういう文章はいくらでも読みたい。

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    2024年08月24日
  • 酔いどれ卵とワイン

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    エッセイならではの読みやすく楽しい感じ、他人の人生を垣間見るときのへぇ、とためになる感じ。

    そのどちらもありながら、「食」というほのかに共通する出来事で本としての統一感もあり、作者の人生の幹があるようであり、巻末の対談では戦争と承認まつわる会話があり。このひとの「食」はきちんと根を持っており、このエッセイの根幹がしっかりしていることに納得。ただつらつらと日常を記しただけではない話が読めたのだと謎の満足感と安心感があった。
    そして、ジャムを作ったりみかん風呂にしたり…自身の暮らしを改めたいなという自戒でありながらも明るい、プラスの気持ちに。

    「電気を食う」「生産と消費者のレールを外れる」とい

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    2024年08月03日
  • かきバターを神田で

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    食への貪欲さが、これまで私が知っているレベルとは桁違いでした。こんなに食の世界は奥深く幅広いんだなーと知らされた感じです。文章が簡潔で小気味良く、読んでいて楽しかったです。

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    2024年07月20日
  • 酔いどれ卵とワイン

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    ちょっと歳上のお友だちと、喫茶店で甘いものを摘みながら楽しくお喋りしているような。
    読んでいて心地良いエッセイでした。

    実はエッセイは苦手でほとんど読まないのですが、素敵なタイトルにそそられて手に取りました。
    平松さん、存じ上げなかったのですが、素敵なお人柄なんだろうなぁ。
    他の著作も読んでみたくなりました。

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    2024年07月03日