平松洋子のレビュー一覧

  • いわしバターを自分で

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    この人の文章力や取材力に魅せられて、最近時々読んでいる。
    本書はコロナ禍の、特に最初の緊急事態宣言の頃に書かれた文章を多く載せる。

    鰯バターや、パセリカレーのレシピも魅力的だが。
    きゅうりが干せるということも目からうろこだが。
    やはりあの頃の閉塞感がよみがえって、ちょっとつらくなった。

    いや、自分など、失職の心配もなく、今思えばのんきな身分だったと思う。
    本書で取り上げられている生産者や町の食堂の経営者をはじめとする食に関わる職業の人たちが、その間どんな苦労をしていたか、どんな知恵を巡らせていたか。
    そのことに思い至って、改めてため息が出た。

    本書で紹介されている枝元なほみさんの「夜のパ

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    2022年11月13日
  • サンドウィッチは銀座で

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    特にそそられたのは、たんぽぽオムライス、熊の月鍋、たこ梅のおでん!

    美味しいものを表現するときの文章もすごいです
    こりり という表現が面白いと思いました

    美味しい食べ物、作る人たち、建物、場所、食べに行く人、色々な角度から食べ物だけではなく、風景も一緒に感じられる本です

    作者の方はそこを大切にしているんだろうなと、読んでいて感じました

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    2022年10月09日
  • ステーキを下町で

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    先にレビューした『サンドウィッチは銀座で』と同時購入した一冊。
    前著と同じ、『オール読物』の連載で、谷口ジローさんの漫画が入るのも同じ。

    この巻では、まず豚丼から始まる。
    鹿児島の黒豚尽くしの会席、弘前の「藩士のコーヒー」にイカメンチ。
    東向島の「駄敏丁カットステーキ」はグラス・フェッド(草で肥育した)で、「ごくごく」のどに入ってくる肉だという。
    沖縄の大衆食堂。
    餃子の王将の支店による個性の違い。
    根室のさんま祭りに津軽のアンコウ、岩手久慈駅の「ウニ弁」、東京駅のエキナカグルメ…。

    この人の本を読むと、食の世界って広いなあ、と感じる。
    私自身は食には関心はあるけれど、それほどの執着はない

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    2022年09月25日
  • かきバターを神田で

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    なまこ「干されてやってもいいぜ」笑った

    ✳︎とまとを手で裂いたやつ
    ✳︎なすそうめん
    ✳︎パセリぽてさら
    ✳︎きのこスープ
    つくりたい!!!

    ★「食べない」を食べる

    水ナスたべたことないかも、たべたい

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    2022年09月25日
  • いわしバターを自分で

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    文章が好き ◯
    作品全体の雰囲気が好き ◯
    内容結末に納得がいった ◯
    また読みたい ◯
    その他

    ふきのとうのゲップ(「待望のふきのとう」)からの、ウニ弁当のじんわり涙が出てくるお話し(「うに弁当を久慈で」)。

    この振り幅にノックアウト。

    出会えてよかった、平松洋子さん。

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    2022年09月13日
  • 洋子さんの本棚

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    2人の洋子さんが、少女時代から各年代ごとの愛読書を持ち寄って語りつくす。これが殆ど未読の本ばかりなんだ。読んだことのある本なら、そこで語られることに反応できるけど、知らない本はそうもいかない。もちろん「今度読んでみますか」ってこともあるけど、読書案内のための対談ではないのでそれも苦しいところ。

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    2022年08月09日
  • いわしバターを自分で

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    ”いわしバターを自分で“とは、まさにコロナ禍を反映したタイトルと内容でしたが、これまた素敵で大好きな一冊です。

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    2022年07月28日
  • 下着の捨てどき

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    会社の先輩が、「この人の文章が好きなの」と言っていたので読んでみた。

    エッセイは、苦手意識があった。
    でも、日常の出来事に対する心の動きに「わかるー!」ってなったり、「そんな視点があるんだ!」と発見したりできて、なんか楽しかった。
    同じ出来事でも自分はどう感じるんだろうとかを想像しながら読んだ。
    日々、自分が見逃してたことにも楽しい要素があるんじゃないかなとワクワクした。
    あとなぜか今まで興味なかった枕草子を読んでみたいと思った。(実際に枕草子出てきてたし)

    拡大鏡の話が印象的で、お風呂に入るときに自分の肌をまじまじと確認してしまった。なぜか念入りに歯も磨いたw

    3章の下着の捨てどきの章

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    2022年06月24日
  • いわしバターを自分で

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    ネタバレ

    著者は無類の食いしん坊とみた。
    向田邦子を少し彷彿とさせるような…。
    パセリカレー、今度作ってみよう。
    たぬき豆腐を出す居酒屋にも行きたい!

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    2022年05月11日
  • サンドウィッチは銀座で

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    東西のいろいろなおいしいものを食べ歩いた記録。

    所詮は言葉で、実際に食べられるわけじゃない。
    そう嘯いて読んでみたが、これがなかなか読んで楽しい文章。

    鎌倉の精進料理に春を感じる。
    社食めぐりの記事からは、空気感も感じられる気がした。
    冬の終わりにふぐやどじょうの一人鍋を楽しむ。
    上野の大衆食堂の最後の日々。
    ただ食べ物のことだけではなく、食をめぐる場を掬い取っていく。
    旅が自由にできない昨今、外に出かけた気分が味わえる。

    それから、谷口ジローさんの絵があるのはうれしい。
    写真より純度が高い、あの精緻なタッチにため息が出る。

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    2022年04月30日
  • 本の花 料理も、小説も、写真も

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    平松洋子さんの読書量、
    そして、その紹介するための
    語彙力の豊かさ、鋭さに、
    興奮したり、感心したり、
    心がザワザワと騒ぎ出す。

    どれも、とても面白そうで、
    かといって、
    平松さんのように深く鋭く読み込むことが
    自分にもできるだろうかと
    気圧される想い。

    色とりどりの本の花の
    ずっしりと重いブーケのような一冊。

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    2022年04月29日
  • ステーキを下町で

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    旅先で土地の美味しいものを食べるという贅沢が、本当に贅沢になってしまった昨今。これを食べにここに行きたい欲が高まってしまった…!
    とりあえず、実家に帰省中に下町ステーキは絶対絶対食べに行く!
    →帰省中に下町のステーキを食べに行った。
    悶絶のおいしさ!ありがとう。

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    2022年04月24日
  • いわしバターを自分で

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    平松洋子氏の人気・食エッセイの最新刊。なに!緊急事態宣言?そんなコロナ禍の食い意地に効く!不安な日常でも、食の喜びは手放しません!!

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    2022年04月12日
  • サンドウィッチは銀座で

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    谷口ジローさんのマンガを読みたくて読んだ本。

    著者が全国各地のいろんな美味しいものを食べており、それを文章と谷口ジローさんのマンガで語るという形式となっており、夜遅い時間に読むとお腹が減って仕方が無い本でもありますね。

    現状では、コロナ禍でもあり近所においても外食をしにくいもどかしさがありますし、ましてや全国に旅行に行ったり会話をしながら食事を楽しむというのも中々難しいところです。

    ただ、そういう旅行や外食を躊躇していると、どんどんと失われていく店ってあるんだろうな、とそんな事を考えたりもした1冊でありました。

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    2022年03月22日
  • いわしバターを自分で

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    平松洋子『いわしバターを自分で』文春文庫。

    『週刊文春』連載エッセイの最新刊。連載は2019年12月から2021年9月。いつもと趣が違うことに驚きを隠せない。コロナ禍による巣籠もり生活のためか、いつものような外の店で仲間や友人、知人とワイガヤの食事場面が殆ど無いのだ。

    『いわしバターを自分で』というタイトルからして巣籠もり生活を象徴しているようだ。気になるいわしバターとはそういうことか。

    それでも平松洋子のエッセイは美味い。コロナなど何するものぞと言わんばかりに様々な食材を使いこなし、新たなレシピにも挑戦。ほや飯とパセリカレーは一度食べてみたいものだ。

    本体価格670円
    ★★★★

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    2022年03月10日
  • 洋子さんの本棚

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    ネタバレ

    作家が好きな本について話すというのが好きだし、すごく気になる本も何冊も出てきたけれど、そんなことより何より母と娘の関係や子育てのはなしが印象的。

    「死なないと手渡してあげられないものがある。死ぬことで、遺された人たちは新たな地平に行くことができる。だとすれば、自分にも生きて死ぬ意味がある。」

    「息子の可愛らしさの記憶なら、私も五つくらい保存があって、それをつらいことがあると繰り返し思い出して、またしまっておけば、いつでも再生可能。だから百個も、二百個も要らないんですね。五つでも多いくらい、三つぐらいあれば十分(笑)。」

    「きっと、うちの両親だって、何かすごく馬鹿げた、本人が忘れているよう

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    2022年01月23日
  • あじフライを有楽町で

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    平松洋子の食べ物読み物に間違いはないけれど、この確固さたるや。
    解説にあるが「食うという行為は、味うんぬん以前に、楽しい行為なのだということを知る。つまらなさそうに食べたら、すべてが台無し、楽しく食うことが一番なのだ」とあるが、それに尽きる。

    どんな些細な料理や材料にもストーリーがある。それを丁寧に掬い上げてこの本は出来ている。簡単そうでなかなか奥が深い。だって通常はそんな些細なこと、人は記憶していないから。

    丁寧に向き合う。生けるものを食すからにはそれが礼儀。なんてムズカシイことを言っているわけではない。それが自然なのだ、彼女にとっては。

    そのお裾分けを少々いただく我らは襟を正して食事

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    2021年11月04日
  • 下着の捨てどき

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    私は、平松ようこさんより、少しだけ若い中年女だ。日々、身体の劣化を感じながらも、楽しく可笑しく暮らしている。 そうそう!と共感できるお話しもたくさんあった。 塩豆腐、明日作ろうとワクワクしている。 一番心にささったのは、文庫版あとがきだ。実家の売却は、施設にいる父が亡くなってからと先送りにしている私だが、精神的にもしんどい事を決断して実行した、平松さん。良いなあって思ってます。

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    2021年06月14日
  • 野蛮な読書

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    10年前のエッセイだけど、とても共感出き、引用されている本や写真集などにも興味津々。古い映画などは見るのが難しそうですが。
    特に池部良さんのエッセイは私も昔から大好きで嬉しかった。佐野洋子さん、山田風太郎さんに触れた「すがれる」の章、我が意を得たりという感じでした。

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    2021年06月02日
  • 下着の捨てどき

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    ネタバレ

    私も50代に入り、こんなはずじゃなかった、と思うことが多くなってきた。
    若い頃は目を背けて済ませられたことも、中年ともなると否応なしに前面に出てきて、啞然とさせられることしばしば。
    平松洋子さんの所謂”しょっぱい現実”を読みながら、自分の”しょっぱい現実”と比べてみる。私から見れば平松さんには気持ちの余裕が感じられるけれど、この気持ちの余裕がこの先を生きていく上できっと大事なんだろうな。
    オススメの塩豆腐はぜひ作ってみたい。

    自分の目前に立ちはだかるのは、自分自身の老いの現実。老眼、白髪、皺、しみ、たるみ…書き出すと止まらない老いのオンパレードに、もはやため息しか出ない。
    そして老親の介護、

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    2021年05月23日