平松洋子のレビュー一覧
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シリーズ5作目。
新作が出ると必ず読みたくなる。
決して飽きないのは、食べ物に対するアプローチが360度だからだと思う。
意外に庶民的なものが好物だったりする一方で、この食品はここのものが最高、というこだわりがあったり…
懐かしい子ども時代の思い出が浮かび上がったり、馴染みの店の閉店に時代の流れを感じて切なかったり。
他の人の、食べ物に対する姿勢に興味津々、あるいは、料理に欠かせない道具への愛。
文豪の意外な好物を発見したり、後輩に対する気遣いに感動したり。
…と上げていけばキリが無い。
人間にとって、食べるということは生きること。
でも、だいたいは無意識、本能のおもむくまま。
ここまで「 -
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Posted by ブクログ
小川洋子さんは岡山市朝日高校出身、内田百閒の居た古京町の隣の森下町で生まれたらしい。夕方5時、県庁のドボルザークの「家路」放送で家に帰るのは、あの街だけの特権だった。さらには、やがてしばらくは倉敷市に住んでいる(「玉島に10年住んでいた」というのは異議がある。倉敷市鶴の浦は玉島ではない)。平松洋子さんは、なんと倉敷市中島の出身、私より2歳上だから、何処かですれ違っていたかもしれない。渡辺和子学長がいた頃のノートルダム精心高校の出身。
この本は、2人の洋子さんが、少女、大人の女性、その他人生の中で読んできた愛読書を持ち寄り、お互い読んで、お互い感想を出し合うというもの。本の世界は、ワールドワイ -
Posted by ブクログ
食べ物についてのエッセイ集。個人的に言えば、若干味の指向性が異なるところがあるようで、ほんの少しだけど「この料理なら、僕はそれほど美味しいとは思わないなあ」と感じるものがあった(実は香味野菜的なものがやや苦手である)。それでも、読んでいるうちに「だまされたと思って食べてみようかな」と思うくらい、それぞれの食べ物たちが魅力的に見えてきて、今まであまり口にしようと思わなかったことが、人生の大きな誤りのように感じてしまうあたりがすごい。だって、いちいち美味しそうなんだ。
味付けとか、素材とか、ことさらグルメぶるというよりも、旬のものを愛情いっぱいに受け止めて、最小限の手間をかけて、楽しくいただく、 -
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Posted by ブクログ
平松さんの食のエッセイは、何冊か読ませていただいている。
しかし、かぶっている、とか、デジャヴ、みたいなことが一つもない。
毎回新しい発見なのだ。
毎日、ごはんとお味噌汁の食事でも、その時のちょっとした加減や、自分の心持で、一度として同じ食事は無い…みたいなものだろうか。
この本で、アッと言わされたというか、長年生きていれば自分でも気付いていたはずなのに、初めて気付かされたと思ったのは、“鴨南蛮”
そうね~、その辺のお蕎麦屋さんで、鴨なんて入ってないけど、誰も偽装だ嘘だ、と怒ったりしませんよね。
落語の演目にちなんだ鰻料理、自分では食べられないので、お話を聞く(読む)だけでも素敵な味わい。