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牛、馬、猪、鹿、鴨、鳩、鯨、羊、すっぽん、内臓……
「人はなぜ肉を食べるのか」
問いを掲げた平松さんは、日本全国十か所をめぐり、
十種の「肉」と人とのかかわりを徹底取材。
ひとつの文化として肉をめぐる諸相をとらえ、
動物とその肉について、見て、聞いて、食べて、
深くその根源を考えた前代未聞のルポルタージュ。
胸骨の端にそっと指を入れて横隔膜といっしょに引き上げると、
紫色に光る かたまりがぽろんと現れた。 (中略)
ぷりっぷりのレバーの一片をそっと口の なかに入れた。(本文「4章 鳩」より)
「生きもの」が「食べもの」になるまでの間には実に様々な工夫や技術が介在し、
「うまい肉はつくられる」ことがわかる。
信念を貫き、魅力的な多くの日本人の「仕事」の
歴史にも光を当てたエキサイティングな傑作ノンフィクション。
解説=角幡唯介
※この電子書籍は2020年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
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