白洲梓のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレシメオンと婚姻関係を結んでいた頃は、自分以外のところが勝手に盛り上がって勝手に破滅していって、自分だけが蚊帳の外みたいな、どこまで行っても中心になれない状態だったのに、夫と国が亡くなって初めて主役になれたルクレツィア。
本人にも改善の余地はあったけれども、正直気の毒だなあという感想を抱くレベルというか。
いざ王妃という職を離れてからの方が、よほど波乱万丈だった。
大冒険でしたよ、ルクレツィア。
そして、彼女が様々な経験を積んで成長していくのに反比例して、残念度の方が上がっていくヒーロー……
父を失い、おじに謀反を企てられたにも関わらず、同情するどころか「おまえストーカーだったんか」と呆気に取ら -
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Posted by ブクログ
中華風ファンタジーというか、SF的ともいえる設定。
奴婢の少女が、過去の寵姫にタイムスリップ?転生?
尹族の少女・玉瑛。
聡明で美しいが、貴族の屋敷で下女として働き、虐げられていた。
瑞燕国では尹族は最下層。
その原因は、尹族出身だった皇帝の愛妾・柳雪媛にあった。かって権勢をほこり、あまつさえ謀反を起こそうとして倒されたのだ。
さらに、「尹族国外追放」の勅命が出て屋敷を追われた玉瑛は、騎兵に斬られてしまう。
ところが、意識を取り戻したとき、周りにかしずく女官たちに「雪媛様」と呼ばれる。
憎んでいた過去の女性に生まれ変わった玉瑛。
虐げられる様子が生々しく、それだけに過去をやり直し、未来の尹 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『威風堂々惡女』の白洲梓さんのデビュー作、評判も良いようなので読んでみました。
ルクレツィアは王妃となるべく育てられ15歳で皇太子シメオンに嫁ぎますが、シメオンには愛する女性マリーがいて見向きもされません。王が崩御し、王妃となったルクレツィアはシメオンに放っておかれ惨めな思いをしますが、王妃としての務めを果たそうと懸命に努力します。しかし、隣国に攻め込まれ、国王たるシメオンはマリーと、マリーとの間に生まれた王子を道連れに死を選び、ルクレツィアは最後の王妃として隣国の責任者と対峙することになるのです。
賢明なルクレツィアに対しシメオンの王としての無責任さが際立ちます。いくらマリーだけを愛