ダヴィド ラーゲルクランツのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ作者が代わって、強烈だった3部作の世界観が無事引き継がれるのだろうか・・・?とかなり心配していたのだが、
ラーゲルクランツ氏は実に良く研究されて、且つ上手く自分の世界観も組み込んで作品を作り上げてくれていたので
テンポ良く「新ミレニアム」の世界に引きずり込んでくれた。
リスベットの過去がほぼ明らかになってくれた事や、カミラの暗躍については、なるほど・・・と思わせてくれた所は流石だな、と。
ただ正直、上巻を読んだ際に不安要素が無かったわけではない。
展開からして下巻だけに纏まり切るのか?と言う点に尽きると思う。
結果、A.I.研究の行方(フランスが消去したもの以外に本当に痕跡は無いのか?)とか、
サヴァン症候群であるアウグストとリスベットの間に芽生えた「信頼関係」、カミラの暗躍、エドvsリスベット、ミカエルvsセルネル社(結果、株式を買い戻して云々とはあるけれど・・・)、リーヌスのその後・・・等など、展開が駆け足過ぎて、少々内容が薄くなってしまっていたのが、私評・5つ星に届かなかったところでもあるのだが・・・。
あと、これは個人差がある(きっとある筈)と思うが、3部作のリスベットと今作のリスベットにはちょっと(些細だが)差がある様に思えた。
まぁ、物語の時間軸が進んだと言ってしまえばそれまで、リスベットも成長すると思えば納得なのだが・・・
今作のリスベットには「危うさ」よりも「安心感」の方が強かった様な。平たく言えば「大人びた」と言うのが当てはまるか。
何だかんだ言っても、この世界(ミレニアム)は無事引き継がれ、次なる世界が用意されていると言うのが嬉しくて堪らない。
2017の第5部、2019の第6部、いつになるか分からないが、
この第4部の映画化(決定はしているらしいが・・・)が待ち遠しい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ北欧ミステリーの大ヒット作がまさかの続編?!
あのリスベットやミカエルにまた会える~
ストーリー展開や語り口がラーソンを彷彿させるらしい(邦訳本なので私は判断つきませんが……)ですが、実に見事に三部作の内容を引き継ぎ隙間を埋めるエピソードが随所にちりばめらりているあたりは、あっぱれである。
なので、三部作を読んでいない方には、酷ですが「三部作から読め」とお勧めします(笑)
この上巻は事件しか起きません。
しかし、最近流行りの「人工知能」や「サヴァン症候群」が取り上げられ飽きさせません。
そして何故か、
私の誕生日に事件は起きます(笑)
ただ、ミレニアム買収騒動が本当に必要だったのか、そこが謎。そして、エリカの言動が個人的にあまり好きになれません……そんなところまでしっかり引き継いでいてくれている:(;゙゚'ω゚'):
……そして怒涛の下巻へ -
Posted by ブクログ
山岳ミステリも入ってきてワクワクする。
ほとんどのファンがそうかもしれないけど、ラーションのミカエル&リスベッドに魅了されて読んできたとすれば、このミカエルもリスベットもよく似た他人。ミカエルはリスベッドに「拍手、拍手」なんて返信しない。アホみたいにタバコ吸ったりエリカとの上質な会話もなくなってしまった。もう、別のストーリーとして読むべき。公式な同人誌なのかもしれない。
上述した通り、山岳ミステリが入ってDNAからホームレスのルーツを探るところは面白かった。高山の酸素量に耐えられる人種ってすごい。肺活量を必要とするスポーツ選手や他の職業では大活躍なのでは?
下巻でいよいよカミラとリスベットが対立するだろうけど、そっちよりホームレスの来し方が気になる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ今回はストーリーに意外性があまりなくて単調な印象でした。
遺伝と環境に関しても、認識の変化の歴史としては興味深いのかもしれませんが、現代の遺伝学からすると特に専門的な内容にも踏み込んでいないし当然のことを言っているだけ(遺伝要因と環境要因があることのみでその具体的な内容の言及は無し)なので特にテーマとしての深みがなかったのが残念です。
また、ファリアの話とレオの話に実質的な繋がりがないので、リスベットとミカエルが同時にピンチに陥いるのがストーリー上のご都合展開に感じました。
謎解きに関しても、新しい登場人物から順番に話を聞くという方式だったので、ロールプレイングゲームのようにミカエルがたらい回しにされているだけに思えました。実際のジャーナリズムがどのようなものなのかあまり知らないのですが……。
全体的には、特に退屈せずに読み切れました。
それでも、わざわざリスベットの過去に双子の研究の要素を入れる必要はなかった(リスベットの子供時代がごちゃごちゃするだけ)し、ホルゲル・パルムグレンを退場させたのも、単に話を盛り上げたかっただけに感じられました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ山好きなので、エベレストが舞台になるのを知って小躍りしたけど、読んでみて残念。
リズベットとミカエルが別件を追いつつもその事柄が一つに収斂していくのではなく、エベレストの件はリズベットに直接関係が無かった。二重スパイの話にもっとザラも深く関わっていて、その件でもリズベットに危機が及ぶとか、そういう関わりがほしかった。
カミラが小物で美女という以外に取り柄がなさそうだし、リズベットは頭脳を駆使して出し抜くわけでもないし、エベレストで起きたシェルパの謎も大したこと無かったし、謎っぽいワードを細かくしてぱらぱらと落とした感じ。
シェルパのDNAのくだりは興味深かった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ少し同じような繰り返しの場面と、よけいな描写が多い。マーリンとレオの下りなど、何度もミカエルが会って聞き出すことでもない。レオとダンの危機も、男二人ならいくらでも初老の女相手にねじ伏せられたろうし、なにをもたもたやっているんだろう、会話が長くて緊張感がない、と感じてしまった。
必ず上下巻程度の分量にしなければならないというがために、展開を引っ張ったように思える。
株価暴落は、事件に全く関係のない現実風のトピックを出すことで、レオのいた虚飾の世界とリンクさせる意図なのだろうか?数字だけの、駆け引きだけの脆い世界…。それとも丁寧に危険を冒して暴いた人体実験の真実よりも、センセーショナルな不確実な噂のほうが勝ってしまう様子を描いて、ミカエるの言う真実の価値の暴落に、警鐘を鳴らしたかったのだろうか。
レジストリーにいた研究者の口から語られた、環境が人格に大きく関係しない、という論理は一理ある。成長するにつれ、自分の置かれた環境がなじむ人もいれば、全くなじまずここには居場所がないと感じる人もいる。環境だけが人格を形成するなら、誰しもが生まれた場所で満足し、人生を送るはずだ。テレビでも本でもなんでもいいが、何かしら外部から刺激を受けその知識を得たい、その仕事をしたい、別の場所へ行きたい、と思うことは、何かしら好奇心が刺激されているわけだ。その好奇心の誘因は遺伝子の作用なのかもしれないが、そこにある環境が作用しているわけではなく、自分が選択しているわけだ。もちろん環境が全く作用しないわけではない。遺伝子だけでも環境だけでもない。レオとダンのように好奇心と才能が合致する人はラッキーだ。人間は面白い。
リズベットの描写だけは確立していて、相変わらず不器用でかっこいい。ホルゲルへの追悼の言葉が際だって素晴らしく、涙を誘った。