ダヴィド ラーゲルクランツのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
スティーグ・ラーソンがミレニアムの3部作を発表後、亡くなってしまったので後のミレニアムを引き継いだダヴィド・ラーゲルクランツの三作目
比べるのも何だが、スティーグ・ラーソンの描くミレニアムが息をつく暇もなく主人公たちをおいつめるのに対してダヴィド・ラーゲルクランツの展開は緩慢に感じる
主人公の一人、リスベット・サランデルの心情を多く描いているからかもしれない
そして今作のリスベットは決断しない、なかなか決断しない
物語は変死した浮浪者がミカエルの電話番号を持っていたことから始まる
浮浪者はなぜミカエルの連絡先を持っていたのか、そしてなぜ亡くなったのか、指などが損傷している浮浪者は何者なのか?
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Posted by ブクログ
作者がかわって2巻目、前巻はやや遠慮もあったそうですが、今回は現作者の特徴が色濃くなったようです
前作者はスピード感のある展開で、勢いで読ませる感じがありましたが、現作者は練り込まれた展開をじっくり読ませるタイプのように感じます
どちらが面白いかというと、好みもありむずかしいところです
同じ要素を使って書かれていて、表現は寄せてあっても違うものですね
上巻では複数の出来事が描かれ、何がどのように関連していくのか期待させられます
書体の違うパートが何を意味するのか予想しながら下巻へ
登場人物が多く、イニシャルなどもあってややてこずりました
現在の経済の話や、宗教問題、人が形作られる要因の話 -
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Posted by ブクログ
可もなく不可もない、そんなミステリーになってしまった感がある。
解説にもあったが、見事にリスベットという難しいキャラクターを前作の作者から引き継いでいるという点は、お見事。ただ、扱うテーマが、少し安易で、結末が予想されてしまった。特に下巻は、上巻に比べ種明かしをしていくはずなのに、読むスピードが上がらなかった。それはきっとストーリーの絡みが薄かったからであろう。冒頭のイスラムのファリアの悲哀の話と、ダンとレイの話の絡みが、順序を絡ませ描いている割には、最後まで平行。その点がスピードが進まない理由でもあり、それぞれの話の落としどころもなんとなくわかってしまう、そんなちょっとしたところでスピード -
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Posted by ブクログ
ネタバレ『ミレニアム』シリーズの第4弾。故スティーグ・ラーソンに代わり、別作家、ダヴィド・ラーゲルクランツが執筆している。
やはりこれまでの3部作との違いが気になる。文体はまだしも、登場人物の造形、事件の展開と叙述については、大きな差を感じる。3部作の最後で、リスベットは暴力を振るって自分の人生を台無しにすることの愚に気づいたのではなかったのか、本作は単一の事件を追っているが、全く関係のないように見える複数の事件が絡み合い、それを解きほぐすのが本シリーズの醍醐味ではないのか、社会構造の中で虐げられる弱者(3部作ではそれが女性たちだった)を描くことで物語は深みを増したが、本作はその志を継いでいるのか―。 -
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