押川剛のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
親子との関係は望む望まないに関わらず、人の人格形成に大きな影響を与えるものだと思う。
この本に出てくる親子は経済的には恵まれているのだが、どこか関係性が一方的で歪な感じが否めない。
必要以上に自分の思い通りの子育てを強いる親、長年抑圧された鬱積が爆発して暴君と化してしまう子供。
どのモデルケースの親子関係の結末も、改善の兆しも希望的観測も見えることなく終わるため、どんよりとした思いだけが残り、修復不可能な現実を思い知ることになる。
崩壊した家庭を放置し続けた結果、殺人などの大きな事件につながるケースもあると著者は述べており、わずかでも解決の糸口があればと思うが、方法を誤ると更に状況は悪 -
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他人事ではない
問題がある子供には、親が異常に厳しくしたり、無関心だったりと、育った環境が非常に重要だと、教えてくれます。結婚して子育てしていて、うちは大丈夫だろうか、とこの作品が思い出されます。
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「孫育て」をする祖母
長寿の時代を迎え、祖父母が孫の顔を見ることは珍しくなくなった。この巻では祖母による「孫育て」が出てくる。子どもを取り巻く環境は親だけではなかった。
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聖徳太子の一万円札
銀行を通していないであろう、スーツケースに入った聖徳太子の札束。カタギに見えない父親。持ちかけられる取り引き。ドラマのようなワンシーンだけれどドキュメンタリー、なんですね。
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助かる家族、助からない家族
表紙のケース。親のせい、だけではない。悲しいことではあるが、生まれながらにして社会で生きていけないパーソナリティーの人もいる、ということを知った。
大事なのはその可能性に気付いたときの対応なのだろう。このケースに限らないが、家族だけで抱え込もうとすると助からない。そう思った。 -
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主人公の眼差し
重い話しかないし、ハッピーエンドとは限らない。けれど、どんな状態でも、「問題ある人(子)」に対して向ける、主人公の人間味のある心の眼差しが救いだと思った。
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実例とその背景
人は過ちをおかす生き物だし完璧な人間なんていないと思う。けれど、過ちによっては大きすぎる代償を支払うこともある訳で。そんな家族の実例やその背景を知ることで、これから家族を持つ人にとっては防げることもあるのかなと思った。
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本質を見抜くタフな主人公
本のタイトルだけでなく「殺人事件のうち親族間によるものが55.0%」という冒頭の内容にも衝撃を受けた。家族は心の支えになれるはずだけれど、外から見えないぶん闇も抱えやすい。そんな家族に真っ向から向き合って、本質を見抜いて接する、主人公の方のタフさに畏敬の念を覚えます。
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ネタバレ
あの作品の…
いわゆる「漫画ファン」の方であれば、その多くが御存知であろう「マトリズム」の作者さんによる作品です。
毎回、あの「怒りの目」というのでしょうか。独特の、なんともいえない眼光が、毎回のように描かれます。
すべての精神疾患を抱えた人が、みな、社会的な問題を起こすわけではありません。
しかし、やはり、現実には、ほかの疾患と比較すれば、そういう人が多いのもまた…
なんらかの「外圧」により、被害者として、罹患する人、そこから、加害者になる人、さまざまです。
物語の「主人公」は、医者でもなく、役所の人でもなく、民間企業として、相談から入院まで、幅広く対応する事務所の主宰者 -
購入済み
今回も。。。
子供を育てるということはどういうことかを問いかける。
自分の子育てはどうだったのか?
今回も身につまされる思いで読みました。
期待を裏切らない作品です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ精神障害を抱えたまま長年引きこもりを続けると、症状が悪化し、やがて固定化してせん妄、薬物・アルコール依存などから抜けられなくなる。男の場合は特に暴力・威嚇によって家族をコントロール下においてしまう。家族はそれを恥として隠そうとしたり、社会も本人の意思を尊重するというのが大原則なので、問題はますます悪化する。パーソナリティ障害のような、認知も治療法も進んでいない病を医療につなげるために尽力してきた著者が、現状を豊富な実例と共に伝える。
後半には2013年の精神保健福祉法の法改正について触れている。精神病者を家族ではなく社会で広く受け入れる体制へ変更されたが、現場の態勢が脆弱なまま、家族という堤 -
親になる事が怖くなります。
どの事例も親は良かれと思って育てはずなのに悲惨な現実・・子供も親も周りも苦しんでいる・・だのに何もできない・・このままなら殺人事件を起こしそうな子供・・タイトルにあるように「子供を殺してください」と願う親・・しかし、その親も問題を抱えている・・救いのない現実は胸を締め付けられます。
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Posted by ブクログ
これは表紙がずるい。ミスリードさせようとしている。こんな幼い子供の丸まった小さな背中を見たら、「子どもを殺したいとはなんて非情だ!鬼!悪魔!」という怒りが瞬時に湧いてくるに決まっている。想像するのはネグレクトとか児童虐待とか、暴力に抑圧されている非力な存在の子どもの姿だ。
でも読み始めると内容が全く違う。成長した子どもの暴力と殺意に怯える親や兄弟の姿がそこにはあった。
不謹慎にも、殺してあげられるなら殺して差し上げたい、という気持ちすら芽生えてくる。もちろんそんな犯罪行為は許されるわけはないのだが、我が子や肉親に命を狙われるという救いがたい状況下におかれたことがない者には、彼らの切迫感 -
Posted by ブクログ
借りたもの。
病識のない精神疾患患者を、医療機関に繋げる支援をしている著者が見た、当事者家族の姿と現在の精神医療の問題点を垣間見る本。
子が精神疾患を患う患者の原因は親にあると明言する。何故なら親子関係――それは人間関係の根本である――が原因だからだ。
しかし、親にその自覚などあるわけが(そして認めるわけも)無いし、親が原因であっても、それを自覚した上で改善しようとする本人の努力が大事でもある。
とはいえ、この本に挙げられる家庭は往々にしてそれを妨げる傾向がある気がする。
大抵は世間体を気にしたり、肉体的・精神的暴力などで辟易して関わりたくない(←この気持ちはわかるけど…)という理由から。
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ネタバレ
実話ですね。
わが家も、一昔前までは、ここに出てくる家族と同じような生活でした。
境界性人格障害とされた家族が、他の家族に暴力をふるう。私には、直接暴力はありませんでしたが、枕元に護身用のナイフを置いて寝てました。
家族みんなで(本人も含めて)、精神科やカウンセラー、警察などとも相談しながら治療を進めていましたが、結局、彼は自殺することを選びました。
話の中で、「つながってない」患者の話がでてきますが、うちは、けしてつながってない家族でも、患者でもありませんでした。
精神疾患や人格障害者は、知らない人からすれば、恐ろしく感じるかもしれませんが、この本を読むことで、その存在を恐れることなく知って欲しい -
Posted by ブクログ
ネタバレ【鈴木マサカズさん】
最初はのんびり読める「町田ほろ酔いめし浪漫」で知って興味を持ち、
「銀座からまる百貨店」でそういう漫画家さんですか!
と、
認知し、
今回の「子供を殺してください」という親たちで追っていくことを決めた漫画家さんです!
【分割】
1巻は#1から#4までありますが、
#1は1話完結、
#2と#3で2話完結、
#4は2巻に続くので今回は感想は書かなく2巻でまとめます。
【占い師「神楽」的感想】
基本設定
「精神障害者移送サービス」っていうのね。
例えば、
親が手に負えない病的な子供を病院に連れていく。
でも、
暴れてできない!
と、
いったケースなんかに間に入って病院に -
Posted by ブクログ
1巻はまだ話の途中だから
ストーリー的なことは何とも言えんのんだけど。
「虐待は連鎖する」
辛いなぁ。
虐待された子が親になって虐待する。
でも、でもね、その虐待してる親が子供の頃、
虐待されてても親のこと好きだったはずなのに。
自分が親になるとそのことを忘れちゃって
虐待しちゃうのかな?
当時は子供ができたら、自分は親とは違い可愛がろう!って思ってたと信じてるんだけどな。
された様にしか育てられないってことなん?
その鎖を、柵を振り切って我が子を可愛がっておられる人達もたくさんいると思う。
しかし、少数でも。
虐待はゼロにしていく方法を考えていかんといけんと思う。