押川剛のレビュー一覧
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以前に相談を受けた母親から息子・哲平の再依頼。入院措置から回復を目指そうとしたが、暴れた哲平によって押川が傷ついてしまう。「他人事」な父親の姿勢に呆れながら、それでも抵抗しない押川。彼には、この仕事での「覚悟」を決定的にした過去の出来事があった……。
ノンフィクションコミック第11巻。
前巻に引き続き、母ひとりで息子・哲平の世話を離れに住まわせやってきたが、母がガンになりアルコール依存症の病院に転院して回復を目指す押川氏だが、父は他人事のように手を汚そうとしない無関心ぶり事なかれ主義で息子の世話の責任を負うことを避けようとする。父は現実逃避し、母が子供の世話で疲弊する救われない現実が見える1 -
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「ひきこもり」について取材に来た記者をきっかけに、押川は、以前事務所に押しかけてきた自称“ひきこもり”青年を思い出す。面倒をみた末に青年が見せた真の顔とは!? そして、女三代、旧家の娘からのSOSや、入退院を繰り返す息子の話も…。
ノンフィクションコミック第10巻。
積極的に当事者グループに参加するなど、押川剛が知る引きこもりではない青年を警戒して、日頃の行いを観察する中で現れた恐ろしい素顔と親や精神科医が騙される狡猾さ、引きこもり支援が行き届き過ぎたことにつけ込むレアなケースだが、こういうケースかどうか見極め支援する精神保健所などの支援者の苦労が見える有意義なケース、また家庭の歪みに押川が -
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押川剛 率いる(株)トキワ精神保健事務所は、病識のない統合失調症やアルコールや薬物の依存症、精神疾患の疑いのある長期ひきこもりなど、精神科医療とのつながりを必要としながら、適切な対応がとられていない子供を抱える親からの依頼で、対象者を説得し医療につなげることを主な業務にしている。
今回は、精神疾患で入院したあとに起こった事件の顛末、財力があって子供を甘やかす祖母などを収録! 驚愕のノンフィクション第7巻!
幼女に対する性欲や暴力の原因と原因である父が息子と向き合わず現実から逃げている救えなさ、財力がある家族だが息子の病状を正しく認識出来ず世間体から息子を通院治療でお茶を濁そうとする現状認識の -
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実吉の紹介で受けた案件は、婚約者との失恋などから精神を病み引きこもりなった美佐子を、父親が決めた精神病院に移送する仕事だったが、父親から事前に聞いた事情と現実に齟齬があった。
父親は、何故か押川氏がドアを開けて気づいた異変を知っても、警察や救急の介入を嫌がり、警察や救急の介入を許した押川氏を逆恨みして料金を踏み倒そうとした。
主に弟に負担がかかっている誠一郎は、統合失調症の診断を受けているが、短期間の精神病院の入退院を繰り返し、弟や母に金をせびり周りに攻撃的な態度に出るなど反社会的な言動を取り、パーソナリティ障害を疑われ、長期入院を勧める精神科医もいたが、金銭的負担を恐れた母は入院を拒んだ。
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今回は、失恋から元カノに対する殺害欲求などの強迫観念に取り憑かれた由伸、薬物依存などの問題行動を起こしているキヨシのケース。
一見すると特殊なケースに見えるキヨシのケースだが、生活に苦労してこなかった中流家庭が陥りがちな、世間体から子供の尻拭いに走り回る両親に依存している一方で、反抗心が歪な形で親に向かう、歪んだ親子の共依存関係の闇が深い。
際限なく善意と金銭をカツアゲして骨まで、脛かじりする子供おとなに対して自立を促すのは、非常に困難。
最終的には、両親が子供に知られないように別の場所に行って、子供と縁を切るしかない。
そういう子供おとなの自立を説得するのも、精神保健所の仕事。それが3巻の -
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統合失調症がきっかけで引きこもりになった晴美と母親のケース。
音に過剰反応したり監視妄想などを患う卓也と母のケース。
娘の春美を恐れて言いなりになる中で、娘の監視妄想などに取り込まれる母親の世間体を恐れた反応、娘の支配から離れて暮らすようになると今度は娘の春美がいないように話題を避ける母の言動、躾の為に行われた母親の虐待を無理難題を押し付けて仕返しつつ母親に依存する卓也と母親の歪な関係が、リアルで恐ろしい。
歪な関係を立て直す為にも、親子が離れる必要があり、その為にも精神保健所の役割は大きい。
病院ガチャの当たり外れについても、ちゃんと描かれている第2巻。 -
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家族や周囲の教育圧力に潰れたエリートの息子、
酒に溺れて親に刃物を向ける男、母親を奴隷扱いし、ゴミに埋もれて生活する娘…。
現代社会の裏側に潜む家族の闇と病理を抉り、その先に光を当てる――!!
様々なメディアで取り上げられた押川剛氏の衝撃のノンフィクションを鬼才・鈴木マサカズ氏の力で完全漫画化!
統合失調症など精神病院のケアが必要なのに繋がっていない青少年を、精神病院に説得して入院させるなど医療機関のケアに繋げる仕事している押川剛氏が所長している精神保健所の奮闘を、弁護士の両親の息子で学業のつまづきが原因で統合失調症になり家族に暴力を振るうなどしている慎介、アルコール中毒による事故や事件を -
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こういう父親、いるわ
こんな父親、いる。
ムダに偉そうにするヤツ。
男に多い。ってか、男だけ。
女に対して威圧的で、自分オンリーなヤツ。
母親は黙って後ろを付いていくだけ。
時代は変わりつつあるが、高齢男性はこのまんま。
女性に対して威圧的。
子供のことは母親任せだから、何も出来無いし、する気もない。
読んでて、腹立たしい。 -
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毎回考えさせられる
リアリティーがありすぎて読むたび怖いけども定期的に読み返してしまうマンガです。
こういう状態になった子供がいる家庭は本当にどうするのがいいんだろう。確かに親からしてダメでそのせいでそうなってしまった場合もあるだろうし、それはとても可哀想なんだけど、こういうすごい病状までいってしまうと…。
今のところ答えは出ないです。 -
家族の闇を映す作品
家族は安心安全みたいなのが長年刷り込まれているけど、そうではない家庭もたくさんある。
家庭内暴力、引きこもり、虐待、病気(先天、後天性含む)に貧困
その安心安全で守られ近隣も当事者もそうは思っていない。
自分もネグレクトを受けた側で近隣は知ってて目をつぶってました見て見ぬふりをしていました
子供のSOSにですら大人はこれです。
悲鳴や泣き声が聞こえてても自分の保身に走ったのです。
家族って何なんでしょうね経験上疑問でしかなりません
それにメスを入れ、真正面からぶつかってていく主人公かっこいいです。
家族って誰もが知らず知らずのうちに信仰してるカルトだと思ってます -
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精神疾患は遺伝する。
内容にあった通り、患者の親も「ヤバい」ことがよくある。
兄弟姉妹で統合失調症や、一族全員閉鎖病棟入院などなど。
兄弟が統合失調症というだけで、カルテに統合失調症かも?と書かれたりする。
脳が壊れているので、完治は無い。
優勢保護法は必要悪だと思う。
人権?
周りの人達の人権は?
病気だからって無罪?
こっちはヤられ損?
押川さんの話しは素晴らしい。
でも、言葉で伝わらない患者もいる。
壊れているとしか思えない。 -
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おもしろい
実際に精神疾患を持つ患者さんと携わってきた人ならでは視点で描かれていて面白い!
医療の裏側も知れてよかった。
これをきっかけに精神疾患を持つ患者さんや家族への理解が深まればいいと思う。
重い話だが、読みやすかった。