池宮彰一郎のレビュー一覧

  • 平家(四)

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    ただただ素晴らしいの一言。平清盛、後白河法皇、源義経、藤原長成が大好きになりました。改めて歴史を学びなおしたいと思う小説でもあった。またこういった素晴らしい歴史小説に巡り合いたい。

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    2022年07月06日
  • 平家(二)

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    武門の頂点に立ち、官僚政治による弊害克服と日宋貿易を通じた経済の構造転換を目指す平清盛と独自の価値観で独裁を目論む後白河上皇との協働と駆け引きがしびれる。国内の窮状とこれを貿易、最終的には技術移転をもって、経済回復を見据えていた清盛の先見性が凄まじい。後白河上皇も一筋縄ではいかない人物としての描かれ方がいい。

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    2022年07月06日
  • 平家(一)

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    池宮さんの著書は初めてだったが、尊敬する人から勧められて手に取った。何となくこれまでの教養でイメージしていた平清盛に対する人物評がいい意味でガラッと変わるとともに、著者の知見と考察力に圧倒される。

    物語序盤の平治の乱から物凄い数の人名が出てきて若干話がすっと入ってこなかった面もあったけど、特に後半、清盛が直面した、藤原摂関時代に根付いた官僚政治の弊害には物凄いリアリティがあって、あっという間に引き込まれた。「何となく悪役」という印象を持っていた平清盛のイメージは、この1巻だけを通じて、腐敗政治に救国という大志を掲げて挑む一人の英雄にすっかり変わった。本著の平清盛が何を考え行動していくのかを追

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    2022年07月06日
  • 風塵

    購入済み

    戦国時代から明治維新までを扱った時代小説短編集。いずれも格調高い文体で、過去の資料や記録を丹念に
    調査した上で書かれている。最初の「九思の剣」はあまりの展開にそこまでやるのか、と息をのんだ。最後
    の「風塵」は考えさせられた。今まで栄えていた国や人が歴史の大きな流れに翻弄され、滅び去っていく
    さまはコロナ禍に振り回される今の世の中そのもの。いつの世でも諸行無常というのは共通しているようだ。

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    2020年12月20日
  • 本能寺(下)

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    小説であり、作者が解釈した本能寺の変の論文のようでもあり、とても勉強になった1冊でした。
    変にムダがなくて良かったです。

    大衆小説だと変なお色気シーンがあったりするけれど、それがないのが自分としては好印象でした。
    その分、時代の解釈や信長さんの行動や光秀さんの行動をどう作者が解釈したのか、なぜそう解釈したかのがきちんと書かれている。

    信長さん周辺の出来事ではあるけれど、この時代の流れを知りたいときに有用な本でもあります。
    また、ある程度自分なりの歴史の知識を得てから、また読んでみたいと思います。

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    2019年07月14日
  • 本能寺(上)

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    岐阜を得てからの信長さんのお話。
    とてもコンパクトに淀みなくお話が進んでいきます。
    歴史の流れもわかりやすかったです。

    このお話の信長さんは優しさと厳しさをバランスよく併せ持っており、とても懐が深く、人間味がありました。
    これは惚れちゃう!

    朝倉&浅井父子の髑髏杯も生と死を見つめ武士として己が今やっていることへの使命感と決意を忘れないためだったし、比叡山や伊勢長島の一向一揆殲滅も腐敗した既得権を徹底的に打ち壊して少しでも早く多くの人の幸せをかなえるためとされていました。

    キレイごとで社会は納まらない。
    理想を夢想するのではなく現実にするために信長さんは戦い続けていたし、謀将を持たずにすべ

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    2019年06月28日
  • 最後の忠臣蔵

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    映画は観てないけど小説をと思い。
    よくある忠臣蔵とはまた違う良さだったし、たぶん映画より小説の方がいいのでは?と思う内容。
    ちゃんと描ききれたのかしら…?って。思う。
    討入りに参加したけど参加してない人
    もしくは途中で逃げた人、お家大事でじっと堪えた人
    愛する人を待っていた人などなど
    色んな人が出てくるけどそんな寺坂吉右衛門。
    最初も途中も最後も泣けるやん…
    まぁマニアな人が横から、いや史実云々言うかもしれんが
    そんなのは百も承知。うるせぇよ!!と。
    討入りした志士ももちろん壮絶だけど
    残された家族や、参加していない300人の藩士達のこととかも含め
    今後の活計まですべてお見通しな大石内蔵助。

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    2017年03月08日
  • 四十七人の刺客(下)

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    池宮さんの赤穂浪士三部作の最初のお話です。
    コンパクトな分量で、さくさく読める楽しい本でした。

    変にベトベトした人情本過ぎないのも良かった。
    内蔵助さんが女性好きってところ以外は、あまりこの本では赤穂浪士さんたちのキャラクターが突出していません。
    そのあたりは、三部作の他の本をセットで読むと面白いよ!

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    2013年09月25日
  • 四十七人の刺客(上)

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    池宮さんの赤穂浪士三部作の最初のお話です。
    これ1冊で、かなり詳しい吉良家討ち入りテキストにもなる本でした。
    面白かったし、変に俗説ばかりじゃないし、文章も良かったです。
    貯蓄は大事だな…って思いました(笑)

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    2013年09月25日
  • 平家(四)

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    ネタバレ

    木曽義仲の入洛から、平家滅亡、義経の死まで怒涛の展開はさすがにあくることはありません。本来ならありえない話のようにも考えられるが、後白河法皇、藤原長成、、金売り吉次のやりとりがおもしろい。
    平清盛のおかげで、鎌倉から室町時代に日本の工芸文化が発展したという結論は妙に的を得ていて面白い。

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    2011年12月22日
  • 天下騒乱 鍵屋ノ辻 下

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    仇討ちを「幕府の国家経営をゆるがすレジスタンス」と 捉える構図は、「四十七人の刺客」と全く一緒。そういう意味では革新性はないけど、物語としては十分面白い。

    池宮はどの本を読んでも抜群に面白い。盗作騒動で晩節を汚してしまった感はあるが、 やっぱりその構想力と筆力は出色。もっと評価されていいねぇ。

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    2011年10月02日
  • 最後の忠臣蔵

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    2年くらい前に金曜時代劇でやっていたので、 ストーリーは知っていたが、これはやはり傑作だ。 とにかく物語の見せ場の作り方が抜群に巧い。 四十七士の赦免だとか大石の娘の嫁入り行列だとか、 はっきり言って出来過ぎである。 しかもこれが史実でなく作者の独創なのだから恐れ入る。

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    2011年10月02日
  • 本能寺(下)

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    説教くさいのを抜いたら満足いく作品。
    色んな解釈がある事件だけど、この本は光秀をただの謀反者として書いてないところに惹かれた。

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    2011年09月28日
  • 事変リットン報告書ヲ奪取セヨ

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     友人に勧められて一読。

     本当に面白かった。虚実とりまぜた究極のエンターテインメント。歴史が疎い人であればノンフィクションとフィクションの境目も分からないでしょう。

     なんといっても松岡洋右。史実上の松岡といえば国際連盟脱退から始まり、日独伊三国同盟・日ソ中立条約の締結、アメリカ国務長官コーデル・ハルとの日米交渉。よくも悪くも評価の別れる、日本外交の重要な局面に関与した外交官、外務大臣だ。

     小説は、松岡の業績に於ける初期、満州事変から国際連盟脱退に至るまでの間を書いている。

     国連退場を決意した時の松岡の心境を考えると胸がアツくなる。戦前の日本には、国際外交の謀略を理解し、大国相手

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    2011年09月25日
  • 事変リットン報告書ヲ奪取セヨ

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    最高に面白かった。満州事変の後戦争回避するため軍部と外交官の暗躍する戦い。歴史ものではあるが冒険ものとしても読める。佐々木譲の”ストックフォルムからの密使”以来の楽しいひと時であった。作者自身が鍵を握る人間と戦時中に接点があったところから話がスタートしているので内容に深みもある。

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    2011年09月04日
  • 最後の忠臣蔵

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    よかった!

    事実にかなり脚色されたところはあるとは思うけど、これぞ、武士!!JAPANESE!! って熱くなる!!

    今の時代が忘れてたものを思い出させてくれる。

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    2011年03月04日
  • 最後の忠臣蔵

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    最後の可女の嫁入りの行列のシーン
    暗い闇夜から星が、一つ一つでてきて暗い夜空に天の川が出現する映像がでてきました。
    また、一筋の涙が…
    二人の足軽が貫く忠義。
    一人の足軽が大事を終えて、主人のもとへと旅立つ。
    武士の一分。重い。

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    2020年05月23日
  • 四十七人の刺客(下)

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    面白かった
    忠臣蔵ですが、どちらかというと抗争・戦闘エンターテイメント

    単に仇討ちという展開ではなく、大石内蔵助Vs色部又四郎といった赤穂浪士と吉良家・上杉家との謀略・抗争劇です。

    いよいよ下巻です
    戦に先立ち、武器・食料の調達。さらに鎖帷子を装備することから、決行日は最も寒い冬の夜半から明け方と決めます
    この智略がほんとすごい
    一方の色部も内蔵助の動きを諜報
    そして、二人は屋形船で対峙することに!
    ここ緊張感あります。

    決行日に向けて、いよいよ刺客たちが選りすぐられていきます。
    一方吉良の新屋敷構築で守りを固めようとする色部
    さらにその新屋敷構築の材料・構築様を探査・探索させる内蔵助。

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    2020年04月26日
  • 四十七人の刺客(上)

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    面白かった!
    忠臣蔵ですが、どちらかというと抗争・戦闘エンターテイメント

    単に仇討ちという展開ではなく、大石内蔵助Vs色部又四郎といった赤穂浪士と吉良家・上杉家との謀略・抗争劇です。

    上巻では、
    浅野内匠頭と吉良上野介の刃傷事件の後始末を色部がどのような経緯で行ったかが描かれています。
    吉良家・上杉家をを守るため、十分な調べをせず、即日切腹、箝口令という手はずまで!
    一方、その知らせを受けた内蔵助も動きます。
    しかし、この時代、うちうちにお金をしっかり持っていたというのが強い(笑)
    そして、これを戦ととらえて、準備を始めます
    さらに諜報戦
    吉良に賄賂疑惑を作り出し、金をかけて流言!面白い

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    2020年04月26日
  • レジェンド歴史時代小説 高杉晋作(下)

    ネタバレ 購入済み

    幕末の志士、高杉晋作の活躍

    西洋列強の国々が日本の海に現れた時、長州は藩是を尊皇攘夷主義に統一した。幕府が、アメリカと通商条約を締結して鎖国から開国に政策を変更したことで、そのことを不服として長州藩の若き志士だった高杉晋作は、仲間の久坂玄瑞、桂小五郎らと倒幕を目指した。京都で「禁門の変」と呼ばれる戦さを引き起こしたが、薩摩藩と佐幕派の会津藩の同盟により失敗、敗北して長州は京から一掃されてしまった。
    自ら髪を切り故郷に帰った高杉は野山獄に監禁された。この後、幕府の長州征伐が始まるのが当然予想される。
    長州藩政はそれまで勤王派でまとまっていたものの、徳川幕府に従う佐幕派が優勢になり、藩内は内部分裂、内戦の状態に陥る。この

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    2020年03月13日