池宮彰一郎のレビュー一覧
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面白かった!
忠臣蔵ですが、どちらかというと抗争・戦闘エンターテイメント
単に仇討ちという展開ではなく、大石内蔵助Vs色部又四郎といった赤穂浪士と吉良家・上杉家との謀略・抗争劇です。
上巻では、
浅野内匠頭と吉良上野介の刃傷事件の後始末を色部がどのような経緯で行ったかが描かれています。
吉良家・上杉家をを守るため、十分な調べをせず、即日切腹、箝口令という手はずまで!
一方、その知らせを受けた内蔵助も動きます。
しかし、この時代、うちうちにお金をしっかり持っていたというのが強い(笑)
そして、これを戦ととらえて、準備を始めます
さらに諜報戦
吉良に賄賂疑惑を作り出し、金をかけて流言!面白い
この賄賂疑惑で劣勢に回った色部、吉良・上杉家を守るために上野介をお役目御免し隠居させます。
さて、どうなるどうなるといった展開です。
(とはいってももちろんストーリは決まっていますが..)
内蔵助は戦闘要員を集めます。途中に抜け出すものを考慮に入れ、最後まで戦闘に加われる信頼のおける者
このあたりの、内蔵助のリーダシップ、ものを見通せる目というが凄い!
さらには上野介の屋敷を動かすことまでを策略し、ついには、屋敷替えまで追い込みます。
まだ、実際の戦闘が行われる前までに、ここま攻める謀略がすごい!
ということで下巻に続くのですが、ここで書き留めておかなければならないことがもう一つ
本書では、内蔵助がめちゃくちゃ女好きに描かれています。これってホント?(笑) -
ネタバレ 購入済み
幕末の志士、高杉晋作の活躍
西洋列強の国々が日本の海に現れた時、長州は藩是を尊皇攘夷主義に統一した。幕府が、アメリカと通商条約を締結して鎖国から開国に政策を変更したことで、そのことを不服として長州藩の若き志士だった高杉晋作は、仲間の久坂玄瑞、桂小五郎らと倒幕を目指した。京都で「禁門の変」と呼ばれる戦さを引き起こしたが、薩摩藩と佐幕派の会津藩の同盟により失敗、敗北して長州は京から一掃されてしまった。
自ら髪を切り故郷に帰った高杉は野山獄に監禁された。この後、幕府の長州征伐が始まるのが当然予想される。
長州藩政はそれまで勤王派でまとまっていたものの、徳川幕府に従う佐幕派が優勢になり、藩内は内部分裂、内戦の状態に陥る。この二分された藩内を一つにすべく、再び高杉晋作が指名されるのあった。
高杉はわずかな同士たちと奇兵隊でこの内戦に勝利して、再び藩は尊皇攘夷主義にまとまり、幕府との戦さに備えを進める。
高杉に志を同じくするたくさんの援助者がいたが、なかでも坂本龍馬の援助と仲立ちで西洋式の最新の武器を購入したり、薩摩の西郷とも連携が計られ、幕府の征長戦に対する長州の護りが強固になった。
幕府の長州との戦さは、将軍家茂の死去により幕府軍が後退して終わる。そしてその後、更に幕府は薩摩藩などの追撃を受け、徳川の世は終焉となり、新しい時代に突き進んでいくのである。
この幕末期を生きた高杉晋作は、自ら天命を受けた革命家と自認し、自らの命も顧みず大活躍を果たした。一方で、戦さのかたわら、花街や郭に足繁く通う俗人間だった。しかし、これも又、天命を受けた人間だけが、難しい世の中を生き抜くために天が与えた特別な機能であると言うのである。血なまぐさい戦さに明け暮れる人間のささやかな息抜き、心の癒やしの時であったらしい。
彼は27歳8カ月という若さで労咳を患いその人生が終えたが、その名は今日まで聞こえている。 -
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なんとも情けないことに、日本人の年末恒例たる『忠臣蔵』を一度もまともに見たことがないのです。なので、さすがにそれではいかんだろうってことで、あちこちでオススメされている本作を手始めに。自分にとっての雛形がこれになってくるだけあって、あまりろくでもない内容だと怒り心頭なんだけど、とりあえずそれは避けられた。時代背景も大して知らずにいうことじゃないけど、それなりに大筋は外れていない内容なんじゃないか、とか思いつつ。ただひとつ、登場人物の殆どに対して、階位やら禄やらが事細かに記されているから、それがちょっとうるさく感じられることも確か。ある程度予備知識があって、更なる深みを求めている人にはもってこいなのかもしれないけど。とりあえず、今回は物語の流れそのものを楽しむのを目標にします。
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「本能寺」というタイトルだが、上巻は「信長一代記」で信長の天才的な戦い方や合理的な考え方に圧倒される。下巻に入り急転回で、本能寺の変への流れと変わるが、やや竜頭蛇尾の感があるものの全体としては、楽しく読むことが出来た。
この著者の文体は相変わらず古風で難解さはあるものの、それが返って重厚感をもたらしている。
我々は歴史の結果から判断して、信長の評価は藤吉郎>明智光秀という先入観で見ているが、この本を読んで信長の配下での「城持ち大名」の第1号が明智光秀で、木下藤吉郎はこれに2年遅れるという事実には驚かされた。宿老第1の柴田勝家に至っては3番目。しかも領地は与えるのではなく、貸し置くという信長の考えで、現代のサラリーマンと同じで転勤もありという考え方を持っていたというのには正直驚いた。そういう意味でも信長という人物は異能なのだろう。よくもこういう人物が日本の歴史上に現れたという事実に驚愕する反面、その歴史と対話?出来る楽しさは至福の時間でもある。 -
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吉良家討ち入り四十七士のうちの1人で足軽身分だった寺坂吉右衛門さんが、大石内蔵助さんの指示で捨てたはずの命を死ぬより過酷な生き証人として生きていくお話。
みんなから誤解されて、本当につらかったと思う。
同じように討ち入り前に内蔵助さんの指示で「抜けた」形になっているおじさんのお話も良かったよ。
らじが好きな浅田次郎さんと同じで、本当に悪い人はいないってスタンスのお話が良かったです。
現実には本当に悪い屑みたいな人間もいるからさ。
せめて物語のなかでは、環境とかタイミングが悪かっただけで、本当の悪人がいない世界を楽しみたいじゃない?
良いお話でした♪ -
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舞台は元禄15年12月14日、大石内蔵助率いる47人の赤穂浪士が元藩主浅野内匠頭の仇を討たんと吉良上野介の屋敷へ討ち入りした後の話である。
主人公である足軽、寺坂吉右衛門に大石内蔵助から極秘の命令が下る。それは討ち入りに入ったものの親族にその顛末を伝える生き証人となる事、そして生活を苦にしている者がいれば助ける事。「侍の本文は美しく生き美しく死ぬ事」と言っていた内蔵助からの生きろという命令だった。
まだ赤穂浪士に幕府の目が光っていた当時である。吉右衛門は決して恥じて隠れるような事はしなかったが訪れた屋敷では全てがあたたかい対応をしてくれたところだけではなかった。
それでもその役目を果たした時吉右衛門は落ち着く場所を見つけていた。とある女性のところである。しかしそれも無いものになってしまった。侍の本文を貫いたゆえの事ではあったがどうしてこうも報われないのか。やるせなくなる。
吉右衛門は討ち入り直後に浪士と離れたが討ち入り直前に脱盟した男がいる。吉右衛門と同じく足軽であった瀬尾孫左衛門という男である。吉右衛門は討ち入りの六年後京都で偶然孫左衛門と再開するのだが、孫左衛門には密かに内蔵助から託された使命があった。
これから先はネタバレになるので言えないがここから最後までのクライマックスが感動する。目が潤んでしまった。
作者についてはよく知らないがあとがきを読むとシナリオライターとして活躍していた方のようで情景を伝えるのがたくみだった。映像が目に浮かぶような細かい描写を無駄の無い文章で書かれていたという印象を受けた。
こちらの勉強不足でまことに恥ずかしいのだが、作者の学が深すぎるせいか読めない漢字、意味の分からない故事が多かった。
それと時代小説はそういうものなのかもしれないが、前準備として出来事のあらすじと登場人物を知っていないとしっかり楽しめないような気がした。他の忠臣蔵関連の話と比較するくらいになればまた楽しみ方も変わるだろう。
この作品は『四十七人目の浪士』が映画、ドラマになった際に改題されたものである。 -
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・他人の意見を鵜呑みにして、従う、それが「愚直」であり、実直でもある。だが、「素直」とは、まず他人の意見に耳を傾け、判断はおのれがする。おのれの確乎たる意志を持ち、他人の意見を聞く度量を持つ・・・それを「素直」というのだ。
・人は稲穂と同様、実り重きを為す程、頭を下げ、腰を低くするもの。
・日本史に金襴と輝く源義経の戦法は、常に一貫していた。「速度」である。敵の想像を超える速度で攻める。対応する隙を与えず、卓越した速度で攻め破る。
・義経の知略は、『彼の身に我が身を置く』という唐土の兵書「六韜」に依る。つまり敵将知盛の身になって思考を巡らすことに尽きる。
・別冊『本能寺』は信長を苛烈極まりない美意識の追求者として設定し、その目指したものは、乱世に存在するあらゆる「既得権益」の破壊にあったとした。
・『島津奔る』から。‐『なにもしないのは「悪」である』。
・今東光「悪名よ栄光あれ、事を為すに当たり十二分にやった者は、すべて悪人として人々の中に残るものなのだ」。 -
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・「戦法」というのは、文書では教えられない。文書で伝え、百万言を費やしても、応用が利かない。最も適切な教育方法は、実地に臨んでの失敗の経験と、咄嗟の機転である。
・かつて日露戦役で勝利をおさめたのは、戊辰・西南・日清の各戦役の戦場体験を持つ指揮官・参謀が、まだ生き残っていた所為だという。
・その生き残りが絶えたとき、作戦と指揮は拙劣と化した。勝者は戦史を飾る悪弊を持つ。飾りたてた戦史は有害でしかない。
・米軍評言「日本の将は教科書通りに戦い負けた」。
・この地はこの時代の前、摂津・播磨の国境、須磨関を守る兵器庫が存在したことから、「兵庫」と呼ばれていた。
・人はその本質よりも行装で判断する。その第一印象が大事だ。
・「一所懸命」‐賜った一ヵ所の領地を命懸けで守ることを意味する。
・女性の悋気は家を傾けるが、男の妬みは国を滅ぼす。
・「恩を売る」言い得て妙、である。受けた側はその恩に報いたく思うのは人情である。その人情にかまけて・・・。
・そうした人情の機微に乗ずることが、要諦である。 -
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・人は、高きに昇るほど、恭謙であらねばならぬ。
それが清盛の処世訓である。
・今日一日をなんの苦もなく送る。明日も同じように過ごせるだろう。明後日も、一年先も、十年先も・・・。そういう保証のあることを感じる日が、仕合せというのかもしれない。同時に、その一念が改革という変化を嫌うのだ。
・人が万物の霊長たる所以は、常に絶え間ない進歩発展を約束されたことにある。人は人たる代償として、安逸は許されない。
・人は居なくなると値打ちが増す。
・武士たる本分は「常在戦場」。常に戦場に在るの心掛けを持つことに尽きる。
・おのれが語る秘事は、人もまた語る。
・改革、という大事は反対者が多い。総論に賛成しても各論におのれの利害が関わると人は豹変する。改革の具体的な手順や、改革後の未来像を示せ、というが、それを明らかにすることは敵を作るに等しい。
・改革・開放。国を開き、異国の優れた文化を採り入れ、国力増進に資する。それは合理である。だが、合理というのは知性あって理解を得るものであって、爆発的な活力を持たない。
・反対に、偏狭な国粋主義というのは、殆どが感情論であって、理論を持たない。厭だ、嫌い、穢らわしいという感性は、瞬間的な爆発力を生む。
・英雄、色を好む。という。
・万人に優越することは、孤独を意味する。 -
Posted by ブクログ
○良書
○清盛がおこなった国政改革や事業運営及び、藤原官僚との戦いはそのまま現代の我々に対して多くのことを示唆している。さすがは池宮氏というところ。
・戦というのは、敵味方が互いに戦意を燃やし、互角に戦っている間の死傷者は意外と少ない。それが、形勢傾き、非勢の方が浮き足立つと急に損害が増す。敵と渡り合うより避退に心奪われ、腰が引ける所為である。優勢の方は、身の危険が減少するから嵩にかかり、相手方を圧倒する。
・清盛「勝ちというものは、十のうち十まで我が手におさめぬものだ」。
・華麗な貴族文化の陰に、大多数の庶民の飢餓がある。
・彼は瀬波に浮かぶ孤舟の如く、運命の流れに棹さして、巧みにおのれと平家一門を操った。その結果が、平治以後の平家の栄達を招いた。必死に孤舟を操って、なんとか岸辺に達したらそういう結果になっていたのが真相であろう。人というのは、大概そういう生き方をするものである。
・権限を得た者の最も慎む事は、前言の撤回である。撤回は。おのれの言の信を失うことである。男子ひとたび言を発すれば、たとえその後始末にどれほどの苦があろうとも、断行すべきである。よんどころなき始末となっても、時が解決する。世の中とはそういうものである。
・人の世は時々刻々に移り変わる。今日常識としたことは明日には通用し難い。改革は常に心がけねばならない。だが、言うは易く、行うは難い。人は変革を好まず旧来の慣習を重んじ、それを固守しようと努める。冒険を避けるのは人情である。
・「権力は必然的に腐敗する。絶対的権力は絶対的に腐敗する」。