手嶋龍一のレビュー一覧
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ネタバレ【裏を見た裏のある人々】ジョン・ル・カレやキム・フィルビー,さらにはアサンジやスノーデンに至る,情報(インテリジェンス)の分野で名を残した畸人たちに焦点を当てた作品。時代の変遷と共に移り変わるスパイ像を垣間見せてくれています。著者は,『外交敗戦』や『ウルトラ・ダラー』等の作品で知られる外交ジャーナリストの手嶋龍一。
「こんな人物がいたのか!!」と楽しみながら,情報や外交に関する読み解き能力を高めてくれる一冊。それぞれのエピソードに人物紹介も挟まれるため,追体験的にもスパイの世界を満喫できるはず。ところどころに散見される手嶋氏ご自身のエピソードもどこか「芳醇」で◎。
〜あまりに精緻に近未来を -
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・チェチェン人。「血の報復の掟」により強固な民族な絆。男子が生まれると七代前までの男系男子の名前と、生まれた日と場所、死んだ日と場所と死因を教える。殺害された場合は報復、仇が死んでいる場合は男系子孫に報復
・オバマ大統領の「シリアの挫折」は、今後の東アジア情勢に「重大なツケ」となって回ってくる。特に尖閣問題へ深刻な影響
・外交官は海外との正式な折衝の場では通訳を使う
・安全保障の主戦場は2つのスペースに移りつつある。「サイバースペース」と「アウタースペース」、即ち、ネット空間と宇宙空間
・未曾有の危機に直面して必要なのは、専門家の言うことをよく聞いて余計な喧嘩はしない、これはという人に任せるこ -
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【極点化する世界で】「インテリジェンス」という言葉を巷間に広めるきっかけを作った2名が,北朝鮮やトランプ政権等,最新の国際情勢を語り尽くした作品。著者は,外交ジャーナリストとして特に米国に詳しい手嶋龍一と,元外交官の佐藤優。
国際社会が目まぐるしく動いた2017年を概観する上でオススメしたい一冊。また,幅広いテーマに関して深い対談が行われているため,知的刺激と好奇心を受けること間違いなしです。
〜「あいつらのやることは,わけが分からない」のだとしたら,我々の従来型の切り口のほうがどこかで間違っているのではないかと考えてみる必要があるのです。(佐藤)大変恐ろしいことではありますが,それくらい -
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インテリジェンスに通暁しているお二方による、最近の国際情勢や政治に対する現状分析と今後の見通しを述べた対談式の書です。
お二人の書は、毎年一冊くらいで新書化されており、いつも楽しみにしています。
一般的なメディアからは味わうことが出来ない、様々な情報を統合しての見解は、たいへん読み応えがあり、知的興奮を味わうことができます。
今回は、一国の代表者として、アメリカ オバマ大統領と、安倍総理に対する、バックグラウンドから観た、今の政策運営の考察が、たいへん勉強になりました。
我が国では、政治やビジネスの場において、インテリジェンスリテラシーに通じる人材の育成・輩出が、重要だと感じた次第です。 -
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メディア出身の手嶋さんと、外務官僚出身の佐藤優さんの、実務派インテリジェンスの両巨頭による対談形式での、時事の安全保障問題に対する論評集です。
両氏の対談書はこれで3冊目ですが、どの書を読んでも両氏の深い洞察による本質的な議論には、圧倒されます。最もインテリジェンスという性質上、まだまだ真因の部分は秘匿されているかもしれませんが。
今回も、東京オリンピック招致成功による東アジアの安全保障情勢に対する考察や、スノーデン事件の問題の本質とアメリカやロシアの考え・行動に対する考察、安部政権に対する各国の評価など、かなり参考になりました。
国家インテリジェンスに関する職業に就くことは、国家への忠誠心は -
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佐藤優さんと手嶋龍一さんの“世界を読み解く対談集”、第3弾。
相変わらずに2匹の獣がじゃれ合うかのような面白さです。
題材は、ウクライナ、イスラム国、東アジア、集団的自衛権、
そしてまっとうな意味での“愛国心”、な感じで。
興味深かったのは、いわゆる“公開情報”を分析するだけで、
国家が生き抜くための“インテリジェンス”を抽出できるとの点。
そして、右派にも左派にもそれぞれに批判を加えながら、
見失ってはいけないのは愛国心であろうとは、なるほどと。
いずれにせよ、ブレない“軸”を作っていかないとなぁ、と。
ん、「イスラム国」の傍若無人さから始まった今年、
この1年を生き抜くためのヒン -
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ネタバレ「インテリジェンス」をテーマに、外交ジャーナリスト手嶋龍一氏と元外務省主任分析官の佐藤優氏が、対談形式で進めて行く著書。正直、この手の知識には疎い私にとっては、深すぎてついていけない部分もあったが、とにかく内容が知的で面白い。ソチ五輪について、北朝鮮への飯島氏の訪問について、東京五輪招致の裏側、TPPについてなど、ニュースで何となく聞いたことのあるニュースを、様々な情報を基に知的に読み解いていく作業はとても興味深いもので、我々素人に、ニュースに対する多角的な視点を与えてくれる。日本人はとかく、外交ニュースには疎い傾向があるが、こういった著書で知識を深めていきたいと思える本である。