手嶋龍一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日本のメディアで報じられるウクライナ戦争の進捗やロシア批判の論調だけでは足りない情報や視座を与えてくれる一冊。
ロシアのふるまいは国際法的にも許されるものとは言えないが、
ロシアが国際社会で孤立しているかというとそんなこともない。
そしてウクライナ戦争開始にはアメリカやNATOにも落ち度はあったわけだし、
アメリカとしては戦争が続くことによるメリットも享受している。
ウクライナ、ゼレンスキーにも黒い歴史があり、今にいたっている。
ウクライナの兵器、宇宙産業の存在は一つポイントになる。
プーチンが狂ったかのように日本では報じられるが、基本的にプーチンはプーチンなりの思想でしっかり動いてい -
Posted by ブクログ
元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏と、外交ジャーナリストで作家の手嶋龍一氏の対談。
流石外交経験や情報リソースが豊富な二人の会話形式の本なので、ウクライナ戦争で、あまり表には出てこない内容が詰まっていると感じた。
第1章 アメリカはウクライナ戦争の"管理人"
第2章 ロシアが侵攻に踏み切った真の理由
第3章 ウクライナという国 ゼレンスキーという人
第4章 プーチン大統領はご乱心なのか
第5章 ロシアが核を使うとき
第6章 ウクライナ戦争と連動する台湾危機
第7章 戦争終結の処方箋 日本のなすべきこと
ロシアの核心は、かつて血を流して獲得したクリミア セバストポリ。ここ -
Posted by ブクログ
読みながら、メモ書きしたくなる程、示唆に溢れる対談。今回もかなり踏み込んだ内容で、私がとりわけ興味を持ったのは核やミサイルに関する内容。オシント(公開情報諜報)を分析でき、コリント(協力諜報)を持つ二人だからこそ、他には無い著作に仕上がっている。
北朝鮮のICBM(大陸間弾道ミサイル)開発は、ウクライナからそのエンジンが流出したとの見方が主流。ウクライナは、自国の軍事を統制しきれていない。その国をツールとして活用しようとするロシアですら、しかし、北朝鮮をコントロールできていない。一方でアメリカは、自国に届くICBMの破棄さえ、北朝鮮に飲ませれば、米朝関係正常化もあり得るか、など。佐藤優の推測 -
Posted by ブクログ
「インテリジェンスオフィサーは語らず。」(p38)
これは人の身体のシステムも同じでしょうね。健康な時にお腹も歯も存在を忘れているがしっかりと機能してくれているわけで巣から。ところが、一度不調になると痛くなり気になって、不調な時ほど主張は激しくなっていき仕事が手につかない、勉強が手につかない。そんな経験は誰しもありますよね。
縁の下の力持ちほど目立たないですが、機能はしっかりしていることを私たちは意識しておかないといけません。主張がないということで良い組織でも理解のないアホな議員は人気取りのために予算を削ろうとしてしまったりします。杉を植えると助成金が出たりしますし、他に削るところはあるのに