手嶋龍一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ウクライナ戦争の分析をするのにこれほどの適任者はいないですよね、という2人の対談ならば読まない手はないと、書店で目にして即購入でした。
期待を裏切らない内容です。
ロシア語・ウクライナ語・ベラルーシ語に堪能な佐藤優氏は、ヴァルダイ会議でのプーチン発言を丸々翻訳したなかから貴重な知見を提示してくれますし、
英米の諜報活動に詳しい手島龍一氏は、侵攻を予告したバイデンの失策を手厳しく批判します。
ゼレンスキーの国内での立場や大統領になった経緯等にも詳しく触れられていますし、
ウクライナを利用してロシアの弱体化を目論むアメリカの戦略も生々しいです。
最後、歴史・宗教が異なるウクライナの3つの地区での分断による戦争決着の可能性等、日本から見える情報だけではなかなか思い至らない景色を見せてくれるのが、この本の素晴らしいところだと思いました。 -
Posted by ブクログ
本書内で佐藤さんと手嶋さんのどちらかが、世界は「今の日本にはなにも期待をしていないのかもしれませんが」という意味のことを話されていました。
ロシア情勢は大惨事になった3月22日の劇場テロが起こされてしまい、現在緊迫してさらに悪化していきそうな状況です。
まえがき
手嶋龍一
第1章
アメリカはウクライナ戦争の”管理人”
「在庫一掃セール」で潤うアメリカ軍産複合体
第2章
ロシアが侵攻に踏み切った真の理由
クリミア半島はなぜウクライナ領なのか
第3章
ウクライナという国 ゼレンスキーという人物
第4章
プーチン大統領はご乱心なのか
第5章
ロシアが核を使うとき
第6章
ウクライナ戦争と連動する台湾危機
第7章
戦争終結の処方箋 日本のなすべきこと
あとがき
佐藤優 -
Posted by ブクログ
ウクライナ戦争を侵略者ロシアから民主主義を守るウクライナという単純な時点で見る事への警鐘が具体的に書かれた対談本。
ウクライナとロシアとの歴史を遡って今を見れば、今の西側メディアの視野の狭さ、思慮の浅さが絶望的に見える。
この戦争はアメリカがウクライナを使ってロシアを弱体化させるというアメリカによって管理された戦争と言う。
この本の出版当時はその通りであったはずだが、イスラエルでも戦争が起こって、アメリカが今後の明確な戦略を持っているのか疑わしい。
19世紀くらいから続いた西洋普遍主義、戦後のアメリカ一極体制が今まさに変わろうとしていると感じる。
その意味でプーチンの見立ては正しい。
日本がすべき事は国際政治で基軸となる3つ、価値の体系は守りつつ、利益の体系と力の体系を見てしたたかに日本の立場を守る。台湾危機を発生させない事が一番大切。
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Posted by ブクログ
結局は、核兵器か。
珍宝島事件/ダマンスキー島事件から世界は、動いた、と。
その流れでキッシンジャーが訪中し、今に至ると。
中東戦争でも、核使用一歩手前までいったっけ。
余談、彼の師匠が、ドラッカーのライバルだったよな。
ケネディ暗殺もレベル的には、一段下の国内の利権絡み。やはり、大国の本命は、核の使用及び、恫喝力による先進国の統治。それが、揺らいでいるか。
ブリックス及びグローバルサウスの台頭。北朝鮮もこれに絡むと。たぶん、汚染水騒動もスピンの一種になる。
木原っちって、使えるやつなのかね、やはり。
それにしても、核兵器、安くなったもんだ。
世界のどこかで核兵器が使用されたら、色々な意味で、本質的に我が国も変わるのだろうな。
それ以外は、まぁ、南海トラフ地震かな、いや、核の方がより上か。
そういや、戦前か、地元に日揮の工場があったよな。
ここからかなり若い娘さん達が、嫁いだとか聞いたな。アフリカも不穏だよね。
天災よりも、そのレベルのことでも起きなければ、ジャニーズ報道のマスコミの現状から変わらないかな。権力の腐敗で済むもんな。李朝末期よりもインカ滅亡に近い気がするな、鬱?、あははは。
ああ、教皇がモンゴルに行ったな。 -
ネタバレ 購入済み
今こそ「地球儀外交」の出番!
2023年8月読了。
この御二人は、予々様々なメディアで恐ろしく冷静且つ正確な「インテリジェンス」を教えてくれる、日本でも貴重な存在だと思っている。
今回の戦争にあたっても、新聞,テレビ,その他メディアからの情報について「本当にそうなのか…?」と云う疑問点が少なくなく、隔靴掻痒の感が有ったのだが、正にドンピシャリ!生々しい国際状勢の深淵を覗かせて頂いた。
このぐらいの「情報収集能力」「情報分析力」が、今の岸田政権内でグリップされているのか甚だ疑問であり、それだけ将来への不安感が増大している。
文中にもあったが、先入観やそれまでの「常識」に囚われず、虚心坦懐に情報を集め、分析する力が、今現在ほど喫緊の課題として求められている時代は無い。
NHKでも何処でも、のほほんとBBCやABCのニュースを転送するだけでなく、もっと深い洞察力をもって分析する能力を高めて欲しいと切に願う。
そして「自称ロシア研究家」や「自称国際事情通」の類が、山の頂上から見下ろす如きにノンビリと語っている「全面核戦争の可能性もある現状」を、本当に〝理解〟している様には見えない口振りで解説しているのを見るにつけ、「日本人のお花畑的平和主義」を助長させていることに腹立たしさすら感じる。
岸田総理、「安倍さんからの宿題」を一刻も早く進めてください!!! -
Posted by ブクログ
ネタバレ魑魅魍魎が跋扈する世界を、杉原千畝の「命のビザ」によって生き抜いた人々の物語…というか、主人公達もその魑魅魍魎の一分で、歴史の一部なのだと思いますけども、誰も悪人では無かったので良かったです。ちなみにスティーブンとマイケルは、今回は狂言廻しに徹してます。
前作『ウルトラ・ダラー』とは違って、誰かが謀略に嵌められる怖さはなく、人生を美しく生きる人々の背中を見せてくださったと思いました。
モデルとなったレオ・メラメド氏の著作は、(個人的には)名前に縁も感じますので原文で読んでみようと思います。『諜報の天才─杉原千畝』はさっそく注文しました。 -
Posted by ブクログ
「想像を絶するような事態を覚悟して備えておけ」
911同時テロや、福島原発事故を予測して対応する組織、それが、公安調査庁である。
公安調査庁は、国際的にも認知された第一級のインテリジェンス機関であること、公安調査庁でつよいのは、ヒューミント(人によるインテリジェンス)、とオシント(公開情報諜報)である。が結論です。
・インテリジェンスとは、国家が生き残るための選り抜かれた情報である。国家の舵取りを委ねられた政治リーダーは、彫琢し抜かれ、分析し抜かれたインテリジェンスを拠り所に、国家の針路を決める。
・米ソ両陣営は国際条約で生物化学兵器の製造使用が禁止されても、細菌・ウィルス兵器で襲われる事態に備えて、感染症の専門家を養成し、防護策を研究することをやめなかった。
・公安調査庁は、かつてオウム真理教が起こしたサリン事件を手掛けた経験を持ち、生物化学兵器に対する豊富な情報を蓄積している。世界の感染症とウィルスの専門家から貴重なヒューミント(人的情報収集)を集めて収集分析し政治の意思決定に貢献できる潜在力を秘めている。
・金正男身柄拘束事件は外交カードとして横田めぐみさん拉致被害者を取り戻せる可能性があった。
・サード・パーティー・ルール:情報機関というのは、基本的に自前でとってきた情報しか、横には流せない。
・相手国が嫌がる、出したがらない情報を入手するのが、インテリジェンス・オフィサーの仕事である。
・公安調査庁の職員すべてが、基本的に調査官。このためかなりフラットな組織である。
・公安調査庁には逮捕権がない。それは、警備公安警察とバッティングしてしまうから。第二警察となってしまう恐れがあったから。
・公安調査庁は、法務省の下部組織であり、そのトップは検事で、幹部クラスには、警察官もいる。
・国家のインテリジェンス活動におけるクライアントはただ一人。日本では、内閣総理大臣であり、アメリカでは大統領である。
・外国情勢も公安調査庁の対象となっている。もはや、外務省の選管事項という時代ではない。
・日本で問題を起こすかもしれない危険人物を、監視対象とみるだけでなく、逆に情報提供者として協力してもらえる存在と認識することが大切
・やがて母国に帰った時には、地道に情報の収集活動をしてもらえ、何らかの形で連絡してもらえれば、貴重な情報が入手できる。
・調査官は記憶力と再現力の訓練を徹底的にやっている。聞いた話を正確に記憶する訓練を徹底してやる。
・インテリジェンス・オフィサーに必要な言語力は、日本語である。語学力は、新聞を正確に読むことができニュース番組を聞いて理解できる。
・高度な言語力をもつ専門官をつくるためには、3000万から5000万が必要となる。
・AI全盛時代になっても、ひとの心の襞に分けて入っていく質の高いヒューミントは欠かせない。
・公安調査庁発足当初は、右翼が対象だったが、共産党、左翼が対象になっていく。
・日本の暗号技術が各段に進歩したのは、ポーランドの協力のおかげ。ソ連を仇敵にしてきたポーランドは親日。
・日本共産党と朝鮮労働党は、実は一体。日本国内をかく乱して、朝鮮半島を丸ごと共産化する意図。
・警察権をもっていないからこそ、人間関係を大切にして情報活動をやらざる得ない。こうした諜報技術、経験を軍から公安調査庁が引き継いだことは大きな意味があった。
目次は次の通りです。
まえがき
第1章 金正男暗殺事件の伏線を演じた「最弱の情報機関」
第2章 コロナ禍で「知られざる官庁」が担ったもの
第3章 あらためて、インテリジェンスとは何か?
第4章 「イスラム国」日本人戦闘員の誕生を阻止
第5章 そのDNAには、特高も陸軍中野学校もGHQも刻まれる
第6章 日本に必要な「情報機関」とは
あとがき