手嶋龍一のレビュー一覧
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前回対談の動乱のインテリジェンスから約1年、その間に起こった事件としてアメリカのシリア侵攻のちゃぶ台返し、飯島勲の訪朝、スノーデン事件から麻生太郎のナチスのワイマール憲法発言、そして東京オリンピック開催の意味などなど。そうかわずか1年の出来事なんだなあと、この対談の後になりそうなのがタイの反政府デモとクーデター、中国の防空識別圏設定、ウクライナ騒乱、台湾学生の立法院占拠など次回は何が取り上げられるのか。
こうやってみるとプーチン大統領の影響力が強い。シリアで阿部首相がシリア問題でロシア支持したことでプーチンが阿部首相を見直したとか。プーチンの「美しい誤解」とまで言うのは辛辣だが2月にはソチで -
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情報の裏を取る。世の動きの真相を探る。鳩山由紀夫を動かしたように、目的に基づき状況を操作する。インテリジェンス機能が世に無ければ、政治は独善的で、戦争は破滅型となり、外交上の衝突は頻発するだろう。水面下の根回し、対象の俯瞰的かつ正確な理解が出来なければ、全く的外れな判断が横行するからだ。近しい行為は、通常の社会生活や、ビジネスにおいても、当然存在する。勿論、国家間で生じる規模の利害得失には繋がらないのだが。この利害得失が、機密性を要し、尚、インテリジェンスは高度化する。
この機能が日本に今要求されるのは、特に、領土問題、安全保障について。この問題を、佐藤優と手嶋龍一が語るのだから面白い。正鵠 -
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佐藤優と手嶋龍一。外交面とインテリジェンスの『裏街道』を歩んできた両氏による国際情勢の『舞台裏』を語りつくすとってもディープな対談です。『あの話の裏側はこうだったのか!』と何度も驚かされました。
『外務省のラスプーチン』佐藤優氏と国際ジャーナリスト手嶋龍一氏のディープな国際社会の『裏側』をめぐる対談本の第2弾です。
佐藤氏のおっしゃるように、国際社会は『新・帝国主義』の時代を迎える中、日本は『3.11』の東日本題震災で弱体化し、それを狙って韓国が竹島(独島)を、ロシアが北方領土を。そして中国が尖閣諸島の領有権をあの手この手で主張し始めた事に関する『危機』をめぐるスリリングなやり取りに始まっ -
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まず日米同盟堅持が日本の国益に叶うという認識で話は進んでいる。領土ではなく権益の拡大と言う新帝国主義がアメリカ、EU、中国、ロシアなどを中心に進み、日本も対抗せざるを得ない。異質なものを取り込み外部とうまくやっていくには沖縄との付き合い方が非常に重要。日米同盟の最後の砦は嘉手納基地で、ここが無くなるとアメリカから見た日本の重要度が低下し、相対的に中国の影響力が増す。両氏ともナショナリストではなく、ドライな外交の力関係から話をしている。
歴史的な認識では例えば孫崎享の「日本の国境問題」を評価しながらもアメリカ陰謀論の孫崎氏とは別のスタンス。
尖閣諸島
中国の目的はまず領土問題の存在を認めさせる -
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佐藤優氏と手嶋龍一氏による対談本の第2弾。尖閣や竹島の話題はそこそこに切り上げて、中国共産党の内部闘争や、イスラエルとイランとシリアの関係など、世界における注目度の高い話題に多くのページを割いているあたり、さすがはプロのインテリジェンス・オフィサーといった感じである。国際インテリジェンスの価値観では、今年起こった一連の尖閣問題は「中国の勝ち」となるみたいだけど、あれだけ大騒ぎをしてしまったら中国海軍だって動きにくくなるし、国際世論は完全に敵に回してしまったし、日本にとってそれほど悪い結果だったとは思えない(経済的には痛み分けだけど)。それはそうと、読売新聞に「元首相がきちんと務まらなかった初め
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11/1に発行されたばかりの新刊である。本書は、尖閣国有化宣言とその後の中国の動き、中国の空母、シリア内戦長期化、TPP対応問題、などまさに今の外交課題についての著者二人による対談本である。それらは、日本では二国間の外交問題として、或いは経済問題としての報道がほとんどだが、本書では世界全体の中でどう見るか、見られているかの観点での議論が多く、視点がとても新鮮に感じる。特に佐藤優氏は外交の第一線の経験があり、その意見には説得力がある。本書を読むと、政治家も、外交官も、マスコミも勉強不足か世界を知らなさ過ぎると思えるし、自分の視野の狭さも実感してしまう。ホットな話題を扱っているので早く読んで、そし