雪広うたこのレビュー一覧
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大学の友人でバイト仲間の2人。受けが攻めに告白するところから
始まる。受けは攻めには何も求めない。攻めはそのことをきっかけに
意識するんだけど、やっぱり「一番大事な友達」。
「大事な友人だから、傷つけたくないから会えない」と、切ない別れを
選ぶほど、“恋”へ進んではくれない。でも、一番大切にしたくて
一番側に居たいのはわかっている、そういう2人が、結ばれていく
過程が、もの静かに進んでいくからこそ、切なくて感じる良作かと。
恋人になった後の2人の短編も入ってます。さらさらと綴られる
その上品な甘さに「ご馳走様」と言いたくなりました。お気に入り。 -
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ネタバレ一穂ミチさんは文芸で知って、あら、BLも書くのねーって感じで両方よんでるのですが、
文芸もBLもとても好きだわ〜ってこの本読んでつくづく感じた。
3年間親友だった柘植遥に夜の観覧車の中で告白された。二人とも、男。
返事が欲しいとか,そーゆうのではなくてソレからも普通に過ごす。
告白された入江暁行には真希という彼女もいるし。
ある夏休み遥と暁行のバイト先が1ヶ月お休みするらしい。そこで、遥は実家の藍農家の手伝いバイトをしないかと誘う。
遥は次男で、兄がこの藍農家を継ぐらしい。遥自身は繁忙期には手伝いに行くぐらいで,普段はこちらでフリーターのような形手を暮らすらしい。
そしたらまただ,遥にもあえ -
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ネタバレついに父親襲来!ここまで読むと正義とリチャードにだいぶ情が湧いているので、しっかり大人たちが対処してくれて本当に良かった。大学生なんて、まだ子どもだもんね...。
最初と最後が繋がってて、前半はまんまと勘違い。正義くん、しれっと公務員ではなくリチャードの助手になっている...!ここで第1部完と知らなかったのでびっくりした。続きも楽しみ。
「美しいと思えばそれは宝石」は確かになぁと思う、いい言葉。
・コンクパールはコンク貝という巻貝からできるもので、養殖は難しい。天然は1万個に1個。
・スピネルは赤がふつう。棘という意味で、八面体からきている。
・パライバトルマリンはブラジルのパライバ州が由 -
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前作で一区切りが着いたことで、今作は軽い小品が多かった印象。リチャードの過去もわかってきたが、サードニクスの話が1番謎解きっぼくて面白かった。
今回得た宝石知識
.・シトリンは就活のお守り
・水晶はキラキラ系(アメジスト、シトリン、ローズクォーツなど)のクリスタリンと、透明度が低い(カーネリアン、クリソプレーズ、ブラッドストーンなど)クリプトクリスタリンがある。固まっている石英の結晶の大きさが違い、クリスタリンの方が大きい。
・メノウはでクリプトクリスタリンの中で、シマ模様の入ったカルセドニーを言う。黒いメノウがオニキス、赤いメノウをサードオニキス(サードニクス)という。
・ペリドットはもろ -
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ネタバレ今作は長編となっており、謎要素もあって面白かったのだけど、BL色が強まってしまった感が…。ブロマンスで留めておいて欲しい。正義がうだうだしてたり、背景事情を知ってもなおリチャードを褒めまくって「やっちゃった」となっているのがイラッとしてきた。でも相変わらず宝石知識は楽しいので読んでしまう。
・ザルツブルグの小枝
恋愛論に出てくる言葉。岩塩がとれる坑道に小枝をいれると周りに塩がついてキラキラになることから、「恋をすると相手を理想化する」という比喩。
・アクロスティックリング
石のイニシャルで単語をつくった指輪。
・ウルトラマリンは「海を越えた」という意味。昔はアフガニスタンでしか取れないと思わ -
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相変わらず謎はないけれど、宝石うんちくが面白い。アクアマリンの章では宝石の話が少なく物足りなかったが、人間関係が発展し、リチャード氏はやはり…?と匂わせておいて気になるところで終わってしまった。
・インペリアルトパーズの由来は安価な水晶アメジストを加熱すると黄色いシトリンになり、「ゴールデントパーズ」として売られるようになったので差別化のため。
・白いハウライトに絵の具を塗っただけのニセトルコ石がよく売られている。海外の子供達に売られたら大体これ。
・仏手柑(ブッシュカン)とよばれる柑橘をモチーフとした翡翠は縁起物。
・アクアマリンは航海の安全を祈る石で、天使の石と呼ばれる。
・フローライト -
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ネタバレ宝石商リチャード氏の謎鑑定シリーズ14冊目、完結が近付くことを感じさせる第3部の3冊目です。
前作、硝子の仮面舞踏会のラストで登場したヨアキムは、どうやら事情があってジェフリーの元から逃亡してきたらしく、しばらく正義たちの暮らす横浜のマンションで居候をすることに。英語しか話せないヨアキムとの距離をおそるおそる探りながらの交流、中華街に現れるようになった少し変わった占い師、みのるから見た正義とリチャードの関係と、真鈴が正義に向ける気持ちについて、様々な状況が入り乱れて、みのるは自分と周りの人のことを知らず知らずにつなげたり、考えを深めたりしていく。ようやく母親とも面会を果たし、一つ自分の中 -
購入済み
やはり面白い
第3部に入ったところで、しばらく読むのをやめていた。買ったまま積読状態だったのだが、風邪で寝込んだのを期に再び読み始めたら一気に3冊読了。やはり面白い!
ここへ来て宝石との絡みは少なめだが人と人の関係(リチャードと正義のみならず)を描く方に物語がシフトしているように感じた。
もちろん今まだだってそれぞれの宝石に絡めて人々の心の綾が描かれていたのだけれど。
思春期真っ只中の子供たちの悩みはともかく、良い大人たちである2組のカップルのややこしい悩みっぷりはどうなの?と思いつつも、考えてみれば彼らですら30前後のまあ青年…?と言っても良いお年頃なので仕方ないよねと、彼らの世代をはるかに超えてしまっ -
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ネタバレ大学生の正義(せいぎ)は酔っ払いにからまれている外国人を助け、彼が宝石商だと知り、サファイアの指輪の鑑別を依頼します。その指輪にはある事情があり ―― 。
外国人の宝石商リチャードはものずこい美形で日本語も堪能です。正義は名のごとく正義感溢れる好青年ですが、少し天然気味で誤解を受けそうなキャラ。
正義がリチャードの宝石商でバイトをすることになり、宝石にまつわる様々な出来事を目にしていくというお話。
二人の出会いの指輪のお話。正義の祖母が戦後の生活苦の時に掏摸で生計を立てていて、ある日若い女性から掏った指輪が女性の未来を変えてしまったという話なのですが、ずっと後悔したままだった祖母とそんな祖