田辺千幸のレビュー一覧
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カリン・スローター『忘れられた少女 下』ハーパーBOOKS。
『彼女のかけら』の続編。
意外な真相。意外な犯人。しかし、全てが明かされる過程が今一つ面白くない。大風呂敷を広げるだけ広げて、そういう回収の仕方かとモヤモヤ感だけが残る。そして、誰もが不幸のままの小説ほどつまらないものはない。
そもそも新人保安官補がいきなり38年前の殺人事件の真相を突き止めるなど有り得ないことなのだ。それでも小説にするなら、それなりの仕掛けを用意すべきである。
判事脅迫事件を捜査するアンドレアはレナード・バイブルと共に自殺が相次ぐ不審な農場に目を付ける。そんな時、農場で新たな女性の自殺死体が見付かり、農場に -
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ウェールズの伝統的な合唱コンテストに出演するため、村の人たちが歌の練習を始める。そこへ、休暇中のオペラ歌手がボランティア出演するってところからいろいろと物語が進んでいくんですが。
このコンテストかなり面白そう。男性合唱団の合唱だけでなく、詩吟コンテストやちびっこダンス大会もあるみたいで、屋台や簡易パブも出ててお祭り騒ぎ。
解説的な描写はあまりないんやけど、3日続くらしいし、ウェールズの各地で行われてるみたい。
普段は仕事してるおじさんたちが、仕事終わりに集まって、歌を歌ってるなんて日本ではちょっと驚かれそうな文化!
この話でエヴァンの過去の女性関係も匂わせてきてるので、そこにもっと興味を持つべ -
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アンジー回
アンジーが苦手なのでところどころ読むのが退屈だった。それでもしつこくしつこくアンジーの内面の描写を見ているとだんだん同情してきてしまう。
カリンスローターの著書をいくつも読んでいるけれど好きな女性の登場人物が1人もいない。みんな性格がひねくれていて、かといって個性的でもない。基本的な女性の弱さと強さをもっているだけ。好きになれるひとがいない。男性は興味深いひとが多いのになー。
今作は文字を突然太くしている部分がある。引用やなんらかの記述の描写ではなくて、ほんと突然。なんの意図かわからないけど、子供向けのホラー本っぽくなって冷めるからやめてほしい。
とりあえず読み終えられてよかった。 -
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裏カバーを先に読む習慣だもので・・が、実際の筋は首をかしげる~法廷劇か家族問題か・・はたまた
冒頭の「住居の焼失~母親の惨劇」はくっきりと姿を現すのだが、そこから妹が陽になったり陰になったり。その立ち位置関係はともすると姉が入れ替わる。
弁護士の父親は善悪が判別せぬが、街中の嫌われ者(被疑者、被告人を除き)
姉妹にとっても父親の立場がよく見えぬが、はっきりしているのは、亡くなった母親の影が巨大である事。精神世界を相当に支配していた感があり、そこから敷衍して行くメンタルの問題も絡んでいく。
英国ミステリーと大きく異なり、米のミステリーはとにかく「警察の在り様」が暴力的。ともすると似たテーマの -
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これはシリーズものではなく上下巻で完結
この作者はどこまで女性と子供を痛めつけるんだろう?
正義を貫こうとする弁護士の家族に起こった事件から始まる
火炎瓶を投げ込まれて家が焼失した為、町から離れた一軒家に引っ越して間もなく、母親は銃で頭を撃ち抜かれ、長女は畑で撃たれて埋められ、次女は森に連れ込まれたが際どいところで逃げて隣の家に駆け込む…
といったショッキングな出だしから物語は始まる
今作に出てくる女性は皆、不器用で何かを抱えている生き辛さに支配されている
典型的な男尊女卑の世界がこの中にある
読んでいくうちにもどかしさやジレンマを感じるのは私だけではないだろう
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グラント郡シリーズ第二作
事件の凄惨さはいつもながら…読むのに力がいるしんどさ…
現在続いてる別のウィル・トレントシリーズでは、三作目からヒロインとして登場するサラ・リントンが主人公です。
あとがきでも書かれてましたが、現在の話ではサラは落ち着いた印象ですが、今作では感情で動く若々しいサラにちょっと戸惑いますね。(今の落ちつき具合は、うっすらと察してますが、この後色々とあったんでしょう…)
いや、ほんと前作で被害にあったレナの苦悩具合とか…
レナはウィルのシリーズ(現在)の方でも色々とあって…もうどう捉えたら良いのか…戸惑うことばかり
ロマンスとサスペンスで、扱う事件が重いので「コレ面 -
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本書はグラント郡シリーズ『開かれた瞳孔』に続く第二作である。現在の人気シリーズであり今も続くウィル・トレントのシリーズに、三作目から登場しレギュラーとなっている医師サラ・リントンの過去の、それも二十年前ほども前の過去シリーズなのである。このグラント郡シリーズは、第一作『開かれた瞳孔』が先年改めて再登場したということで、過去シリーズも改めて翻訳されるようになった珍しい運命を持つシリーズなのである。
年間、二、三作品の勢いで、過去作と新しい作品が邦訳出版されている海外作家は、あまり思い当たらない。翻訳作品は、売れる見込みがなければ打ち切られることの多い現在、一作限りで過去に打ち切られたこのグ