田辺千幸のレビュー一覧
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これはシリーズものではなく上下巻で完結
この作者はどこまで女性と子供を痛めつけるんだろう?
正義を貫こうとする弁護士の家族に起こった事件から始まる
火炎瓶を投げ込まれて家が焼失した為、町から離れた一軒家に引っ越して間もなく、母親は銃で頭を撃ち抜かれ、長女は畑で撃たれて埋められ、次女は森に連れ込まれたが際どいところで逃げて隣の家に駆け込む…
といったショッキングな出だしから物語は始まる
今作に出てくる女性は皆、不器用で何かを抱えている生き辛さに支配されている
典型的な男尊女卑の世界がこの中にある
読んでいくうちにもどかしさやジレンマを感じるのは私だけではないだろう
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グラント郡シリーズ第二作
事件の凄惨さはいつもながら…読むのに力がいるしんどさ…
現在続いてる別のウィル・トレントシリーズでは、三作目からヒロインとして登場するサラ・リントンが主人公です。
あとがきでも書かれてましたが、現在の話ではサラは落ち着いた印象ですが、今作では感情で動く若々しいサラにちょっと戸惑いますね。(今の落ちつき具合は、うっすらと察してますが、この後色々とあったんでしょう…)
いや、ほんと前作で被害にあったレナの苦悩具合とか…
レナはウィルのシリーズ(現在)の方でも色々とあって…もうどう捉えたら良いのか…戸惑うことばかり
ロマンスとサスペンスで、扱う事件が重いので「コレ面白いよ!」って勧める類の本では無いのです。
複雑な関係、それぞれが抱えてる問題があってその上でぶつかり合う。
疲れる。答えがない。でも引き込まれる。現実は救いがなくて、予定調和で解決しないし当然なんだけど…どうも自分の体調と合わなかったのか中々「何読んでるんだっけ」と内容があまりにも辛すぎて、上滑りした感じで読んでしまう時があった。
どうも自分の場合、ウィル・トレントシリーズで展開される現在の視点「サラの過去にはどんなことがあったのか?」に重点を置いてしまいがちで"ジェフリーのこと"を気にして読んでしまうのが良くないのかも…
ジェフリーは陽気で軽い警察犬、ウィルは傷だらけだが賢く生きる捨てられた仔犬のような印象を受けた。
なんか、なんとなく犬。 -
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本書はグラント郡シリーズ『開かれた瞳孔』に続く第二作である。現在の人気シリーズであり今も続くウィル・トレントのシリーズに、三作目から登場しレギュラーとなっている医師サラ・リントンの過去の、それも二十年前ほども前の過去シリーズなのである。このグラント郡シリーズは、第一作『開かれた瞳孔』が先年改めて再登場したということで、過去シリーズも改めて翻訳されるようになった珍しい運命を持つシリーズなのである。
年間、二、三作品の勢いで、過去作と新しい作品が邦訳出版されている海外作家は、あまり思い当たらない。翻訳作品は、売れる見込みがなければ打ち切られることの多い現在、一作限りで過去に打ち切られたこのグラント郡シリーズが改めて見直され、商品価値を上げ、こうして市場に再登場、二作目以降も新訳されて新たにお目見えするとは、甚だ頼もしい限り。
他社が打ち切ったシリーズの翻訳権を、新たに入手しては邦訳し、文庫化してくれるハーパー・コリンズ・ジャパンという世界レベルの出版社の日本進出は幸運であった。価格も既存の出版社に比べ非常にリーズナブルである。心強い限り。
さてニ十年近く前の本書、サラ・リントンとその妹、そして前夫であるジェフリー・トリヴァーのアメリカ南部トレント郡という、アメリカの片田舎を思わせるローカルな場所で展開される、見た目には地味めの事件、ある少年に銃口を向けて引き金を絞ろうとしている少女を、ジェフリーがやむを得ず撃つ、というシーンで幕を開ける。
なのでミステリー要素は、フーダニットではなく、むしろホワイダニットに近いミステリー。しかし少女の亡骸には悲劇的な忌むべき傷痕が残されていた。ショッキングな導入部である。
本書はミステリーであると同時に、サラ・リントンや、被害者(or加害者)少年少女など、それぞれの家庭環境を描くシリアスなホームドラマであるかにも見える。いくつもの家族の物語であるかに。
同時に、前作でサイコパスに囚われの身となり、過酷な運命を強いられた女刑事レナ・アダムスは、本書では再生の物語を歩まねばならない。己れを取り戻すために傷だらけの道を歩みつつ、育ての親であもる叔父ハンクとの疑似父娘愛ともいうべき愛情を、苦しすぎる葛藤と共に徐々に取り戻してゆかねばならないゆれに、レナは本書ではもう一人の主人公なのだ。
壊れてしまうものと、繋がり続けるもの。それらのありさまを、家族というかたちで様々になぞらえて、苦しみ・信頼・裏切りといった過酷な渦に投げ込んでみると、こんなにも冷たく残酷、あるいは熱く苦しい、様々な人間模様ができるのだ、と提示されてみたかのような、見た目は地味でありながら相当な力作なのである。
冒頭で撃たれ死んだ少女が辿った悲惨な家族環境や、レナ・アダムスを襲った過酷な事件からの苦しすぎる再生、別れた夫婦であるサラ&ジェフリーの今も続くデリケートな距離感と迷い。見えない未来。おぼろげ過ぎる希望。そして壊れた家族がもたらす、あまりにも残酷な、見えざる犯罪への彼らの怒り。
家族という不透明な防壁を破壊し、白日の下に曝け出す。そんな地道で辛抱強い捜査の中での人と人のぶつかり合いを、いつも通り描き切るスローター節。ミステリーというだけでは収まらない、人間たち葛藤のぶつけ合いが本領発揮される本書。人間はここまで獣になれるのか、という残酷なまでの真相に唖然とさせられる作品。それでいてなぜかページをめくる手が止まらない。作者の怒りの叫びのような血まみれの作品。さすがの迫力、一流の語り口である。 -
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ネタバレ朝日新聞の書評で見て。正義感の弁護士ラスティ・クインの妻ガンマ、娘のサマンサとチャーリーがラスティが弁護費を滞納していたザックらに襲われる。無残にガンマは殺害され、サマンサは生き埋めになりながらも一命をとりとめる。そして、そこから月日がたち、チャーリーも弁護士となった。とあるきっかけで訪れた中学で、襲撃事件の当事者となってしまう。18歳のケリーウィルソンは犯人なのか。ケリーの弁護に立つラスティも何者かに襲撃され、サマンサとチャーリーは再会。そして下巻へ…。正直、展開が遅く冗長に感じたり、同じページの中でサマンサがサムになったりチャーリーがシャーロットになったり、読むのが疲れる感じ。だけど、下巻まで頑張って読んでみます…。
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ウィザースプーン警部補は医師の死体を前にただ困っていた。どこから捜査に手をつけるべきか。
家政婦のジェフリーズ夫人と話すといつだっていいく考えが浮かぶのに。
彼女は何と言っていた?
人の良い紳士な警部補と警部補のお屋敷の面々。
警部補に恩義を感じ、その人柄をしたう彼らは、お屋敷の主人のためにこっそりと事件の捜査を始める。
被害者の医師の近所の評判は?
彼が使用人に休暇を与えた理由とは?
ブレーンのジェフリーズ夫人の指揮の元、彼らは動き始めて。
何度もこの警部補大丈夫?と思い、ジェフリーズ夫人の強かさが怖いくらい。
ハングマンも真っ青ですよ。
ラストの警部補に、ようやく彼を想う使用人達の気持ちがわかるような気がした。 -
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ネタバレ表紙の愛らしさに惹かれて手に取る。3巻から読んでしまったけど、なんとかなった。
ウエールズ地方の味がふんだんに出ていて嬉しくなる。
たまに登場するウエールズ語の挨拶も興味深い。本当にウエールズ語は英語とは違う。
作中で村の人が英語がわからない、とか、外から来た人たちがウエールズ語がわからない、というのも納得。
ケルト、ドルイドの色濃く残るウエールズが興味深く、特にアーサー王好きの自分には肉屋の『ガレス』氏にいちいち反応してしまう。(本当に端役だけど、苗字はみんなエヴァンズだけど)
のどかの田舎村+殺人で、まさにセントメアリーミード村のようなスランフェア村。噂話ばかりで住むのは大変そう。
謎解きは、まあまあなんですが、ラスト50ページほどの怪しいやつ→やっぱり違うの連続は、読んでいてとてもスリルがあって面白かった。二回くらいならともかく、こんなに怪しい人物が次々と表に出てはその予想が覆されるのは、いい意味で裏切られるかんじが続くので小気味いい。
最後に若干ネタバレで書きますが、登場人物一覧に、被害者の息子や娘やクリスティンやほかの怪しい人物がないのは勿体ないと思った。
名前が先に出て、正体があとでわかるキャラだから、読者へのネタバレを警戒しているんだろうけど、登場人物一覧にない人間が犯人ではないのを読者はわかっているわけで、ある意味、犯人ではないことが早くにわかってしまって残念だった。
例えば、クリスティン…エヴァンが湖で助けた人物
ジャスティン…クリスティンと繋がりのある謎の人物
くらいに書いておいたらいいのに、と思った。 -
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リース・ボウエンの【英国王妃の事件ファイル】シリーズ第6弾!
今回はタイトル通りクリスマスシーズンの物語。
主人公のジョージーは、スコットランドにある実家のラノク城での悲惨なクリスマスから逃れ、仕事をゲットします。
その仕事とは、デボン州ダートムーアのはずれの村にある、ゴーズリー・ホールというお屋敷で、クリスマス・パーティーのホステス役を務めるというもの。
しかし穏やかな村には、何やら不穏な空気が流れていて、またもやジョージーは事件に巻き込まれていきます。
ミステリ部分について、謎のカギとなる設定はひねりが効いていておもしろいと思いましたが、トリックの部分ももう少し詰めてほしいかなというところでした。
今回については動機もやや弱いように感じました。
物語全体としては、古き良きイギリスのクリスマスの雰囲気が感じられてとても素敵です。
クリスマスということで、「家族」の温かみが感じられるお話でした。
ジョージーの大好きな母方の祖父はもちろん、いつもはまったく一緒に過ごせない母のクレアとの時間もたっぷりあり、クレアのジョージーへの思いやりも感じられる場面がありました。
つかず離れずの関係であるダーシーも登場し、ジョージーの恋の進展からも目が離せません。
相変わらずお金がなく、少ないドレスの中からなんとかコーディネイトを成立させるという、ジョージーの努力は変わりませんが、豪勢な食事やキツネ狩り、仮装舞踏会など、古き良き貴族の暮らしぶりが垣間見えるクリスマスの描写は、読んでいてワクワクします。
◇おすすめポイント
・古き良きイギリスのクリスマスの雰囲気を楽しめる
・ジョージーが家族と過ごせる幸せな時間が多い
・ジョージーとダーシーの恋の進展
◇こんな方におすすめ!
・クリスマスが大好き
・イギリスのクリスマス文化に興味がある
・貴族の暮らしに興味がある -
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リース・ボウエンの【英国ひつじの村】シリーズの第三弾!
ウェールズの伝統行事「アイズテズヴォッド」で行われる合唱コンテストに、なし崩し的に出場することになった主人公のエヴァン。
そんな中、村には有名なオペラ歌手が滞在することになります。
彼を中心にさまざまな事件が起こり、エヴァン自身の生活や人間関係にも影響することに。。。
今回もウェールズ色が濃く、ウェールズ文化を感じられるストーリーになっています。
三作目ともなると、村人たちにも愛着がわいてきて、元気で結束の強いウェールズの人々の描写に、なんとなく安心感を覚えました。
ミステリ部分では、さまざまな容疑者が登場する中、犯人を予測しやすい面もありましたが、物語中の伏線がうまく効いています。
一方、主人公エヴァンの恋にも徐々にですが動きが。。。
そうした部分はメインの物語の邪魔になるという感じもなく、物語全体の中で、ミステリ、恋、日常描写のバランスがとれていると思います。
エヴァンの過去を匂わせる描写もあり、シリーズの今後の展開も楽しみです。
◇おすすめポイント
・ウェールズ文化に触れられる
・主人公エヴァンの恋模様
・ミステリ部分も読み応えあり
◇こんな方におすすめ!
・ウェールズ地方が好き
・ウェールズ文化について知りたい
・リース・ボウエンのシリーズが好き -
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リース・ボウエンの【英国王妃の事件ファイル】シリーズ第5弾!
主人公のジョージーが、イギリスを飛び出してフランスのリゾート地へ!
しかしただのバカンスではなく、親戚である英国王妃の密命を帯びた旅です。
この物語の舞台は1930年代。大恐慌の影響が色濃く、物語にも人々が苦しい生活をしていることがわかる描写が登場します。
ジョージー自身も王家の親戚筋でありながら、もともと実家は貧しく、恐慌の影響で仕事も見つかりません。
この物語で特徴的なのが、お金についての描写が多いこと。
そのあたりの世知辛さが物語をリアルなものにしています。
今回ジョージーがバカンスに出かけるための旅費についても、背景がしっかり描かれていて興味深いです。
もう一つ、今回のお話のポイントは実在の有名デザイナーが登場するところです!
著者のリースさんが、「この時代のこの時期にこの場所にいそうな著名人」を想定して書いたのだそう。
物語の時代をよりリアルに感じられる演出でした。
ミステリの面では、容疑者も多く、読者に推理させる余地がある設定ですが、うーんというところ。
わりと早い段階から登場する伏線も、後半にバタバタっと雑に回収される感じです。
舞台設定や謎の多さが魅力的なだけに、ミステリ部分の結末もがんばってほしいと感じました。
◇おすすめポイント
・1930年代のバカンスの雰囲気を楽しめる
・「お金はどうするの?」という部分までしっかり描かれている
・実在の有名デザイナーが登場
◇こんな方におすすめ!
・自立したいと考えている女性
・バカンス気分を楽しみたい
・1930年代の暮らしに興味がある -
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リース・ボウエンの【英国ひつじの村】シリーズの第一弾!
【英国王妃の事件ファイル】シリーズで有名な著者が、そのシリーズよりも前に、初めて書いたミステリシリーズです。
主人公が巡査ということで、ややコージーミステリの定義から外れるような気がしますが、主人公の暮らす町や日常の描写が豊富で、物語の世界観をたっぷり楽しめるのはコージーミステリ的。
英国ミステリではおなじみのパブのシーンも登場します。
男性でしかも警察関係者が主人公ということで、女性が主役の物語よりも、全体的に危なっかしさがないですね。
主人公が冷静なキャラクターなので、周囲の女性キャラの個性が際立って、主人公を取り巻く人間模様の面白さが目立っています。
ミステリの謎解き部分はやや物足りないですが、読者に頭を使わせる展開にしていると思います。
イギリスの中のウェールズの人々の気持ちや、山歩きなどのアウトドアの要素もあって、イギリスを舞台にしたミステリの中でも異彩を放っていると感じました。
◇おすすめポイント
・主人公を取り巻く女性たちのキャラクター
・山歩きなどのアウトドアの描写
・イギリスの中のウェールズについて学べる
◇こんな方におすすめ!
・ウェールズ地方が好き
・山歩きが好き
・リース・ボウエンのシリーズが好き