田辺千幸のレビュー一覧
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カリン・スローター『サイレント 下』ハーパーBOOKS。
本当に人気作家なのだろうか…明らかにアリスン・ブレナンやコーディ・マクファディンといった同じ系統の女流作家の作品より劣ると思う。
帯に書いてあるような「一気読み。読み始めたとたん、話の渦に巻き込まれる。」こともなかったし、「『羊たちの沈黙』を彷彿させる恐怖。』もなかったし、『こんなに胸躍る作品に出合えたのは久しぶり。続きが気になって眠れない。』ことなど全くなかった。
やっと、主人公のウィル・トレントが本格的に動き出し、少しずつ明らかになる事件の真実。留置場で自殺したトミー・ブラハムは真犯人なのか…
取って付けたような事件の真相、 -
Posted by ブクログ
カリン・スローター『サイレント 上』ハーパーBOOKS。
ウィル・トレント・シリーズなのだが、誰が主人公なのかはっきりしない。ストーリーは半ば殺人事件そっちのけで、サラ・リントンとレナ・アダムズを中心に展開しているようにも思う。また、肝心の展開場面の描写が希薄で、まるで原稿の欠落があったのではないかと首を傾げる場面も…『プリティ・ガール』を読んだ時も思ったのだが、翻訳に問題があるような気がする。
アメリカの田舎街で起きた女子大学生の殺人事件。犯人はナイフで刑事を刺した上で逃走を図るが、直ぐに逮捕され、犯行を自供する。しかし、犯人は留置場内で自殺し、留置場の壁に無実を訴えるメッセージを残して -
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英国ヴィクトリア朝、スコットランドヤードの敏腕警部さんは、実はただのお人好しで捜査能力ゼロ。
彼のお屋敷に仕えるハウスキーパーをはじめとする使用人達がこっそり捜査をして、さりげなく旦那様を正しい方向に誘導して事件解決へ導いている…というかわいいコージーミステリ。
思ったほどヴィクトリア朝っぽくない、上下関係ゆるめで現代的なファミリーっぽい使用人だし、和気あいあいと捜査をしてるので、私の期待した「クールで統率の取れた忠義の使用人軍団」ではないほのぼの系でしたが、
『親切なご主人様が大好きで恩返ししたいし、なにより退屈な仕事よりワクワクするし!』という理由で一致団結する使用人たちが素直でよいで -
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Posted by ブクログ
・ケヴィン・ハーン「鉄の魔道僧1 神々の秘剣」(ハヤカワ文庫)、 「鉄」はくろがねと読む。最近よくある、いかにもそれらしいタイトルと物語である。さうして次の一文がその雰囲気をよく表してゐる。「わお。短縮ダイアルにグールを登録している。おれの弁護士は実にクールだ。」(181頁)グールは一般的に食屍鬼とか屍食鬼と書かれる。HPLなどのお得意とする存在である。ただし、この物語ではグールの活躍はない。かうして現れるだけである。もちろん食屍はするが、さういふ場面はない。問題はこの弁護士にもある。彼はヴァンパイアなのである。吸血鬼であるから夜間担当、昼間の弁護士は、何と、人狼である。この2人が主人公の弁護
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