宮崎夏次系のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一見へんてこな世界に、ぽつんと置かれた普遍性。『変身のニュース』を読んだときも思ったけれど、奇抜さや大胆さを前面に押し出しながら、その実根っこの部分には、すごくシンプルなことが描かれている。だから、人を選びそうな見た目とは裏腹に、すごく自然に心が揺さぶられる。
今作の場合、『変身のニュース』よりもその傾向がもっと顕著だ。自己と他者。孤独と日常。別離と再生。とか、全ての短篇がだいたいそういうものでまとめられている。角度を変えながら何度も何度も同じものを描いている、と言っても過言ではないくらい。
話の内容も、テーマにとても素直なものが多い。それでも、どれも鮮烈で強烈な印象を残すのだから、すごい。絵やコマ割りなどの、漫画という媒体の持つ強みが、これ以上ないくらい詰まっている。描くものがシンプルになった分、漫画としての凄みのようなものを、より強く感じることができた。
とにかく、私はこの人の描く瞳がたまらなく好きなのだ。いろんな感情が綯い交ぜになって、「言葉にならない」感じが、この人の描く瞳にはある。登場人物の心のなかの世界が、そこに映っているみたいに。
ところで、「兄ちゃん大変だ UFOにみかん入れるとすごい旨い」ってセリフがとても印象に残っているわけだけれど、このセリフをなぜ入れたのか、それを考えるだけで、長い夜を潰せるような気がする。やってみたいとは、思わないけれど。 -
Posted by ブクログ
今年の4月に親友が白血病で亡くなった。
親友が宮崎夏次系先生が大好きだった。
親友が亡くなっても、毎日仕事をして、職場の人と普通に雑談して、3食食べて、夜は寝て、そうやって普通に過ごしている自分が嫌で嫌で、大丈夫になんかなりたくないのに、なんとか生きていけてしまう自分が本当に嫌で。それに私は親友の代わりなんてもういないし、そこまで大切な存在、もう作りたくない。だけど、まだ20前半なのに、これからひとりで生きていくのもつらい。親友は亡くなったのに、将来のことを考えてしまう自分も嫌だ。親友との記憶が日々薄れていくのも、親友がいないことに慣れてしまった自分も、たまに果てしなく苦しくて寂しくて会いたくて大泣きすることしかできないのも、全部全部もやもやして、そういう気持ち。なんか、変で、優しくて、めんどくさい感じの作品で、私のうまく言えない気持ちを、うまく言えないまま肯定してくれる。
「好きなものは世の中にいっこでいい
失くしたらおしまい
そんな感じの
だってさ
大切なものに代えがあるのはさみしいから」
「嫌だったのずっと
ばーちゃんが死んでもキヨサダが死んでも
みんな大丈夫になってくのが
ずっとそれがずっと
嫌だったから僕ずっと
うまく言えない」 -
Posted by ブクログ
待ちきれずに地下鉄の中で読み始めたけど引き込まれて、また降り過ごすところだった笑
前回もそうだけど作中の女の子が可愛くて儚げででも強くて魅力的だなあと思った。
同じページのコマの中で登場人物と別のキャラが隅っこで感情を持ってるのが面白いと思ったよ。具体的には126ページの駅にいるおっちゃんとか。やりとりの間で汗かいてて可愛い笑
町山くんが結構謎なんだよなあ。
4話の終わりで町山くんを付き合わせようとするやつ。ここがすごくひっかかった。並木くんの可能性を狭めた上で代わりに告白もしちゃう。分かっててやったのか、町山くんがごうるでん一家にとって特別な存在だって知らしめたかったのか、、
ここは考察読まないとという感じ。
最初からでてきた友達はいつもいいタイミング出てくるけど誰ーーってなってたから、最後謎が解けたのと同時に2人の掛け合い好きだったからちょっと寂しくなったなあ。
ちなみに途中でてきたボードゲームゴリドールってやつ。これコリドールっていうやつならわたし家にある。おもろくて好きなゲーム。
テーマはなんですかね。なんか一見爽やかそうな物語に見えるけど保護者とか家族とか、性質上避けられないものに押さえつけられてる描写があるからもやもやする。
とりあえずバットエンドではなくて安心。ほっとした。