宮崎夏次系のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
"「何十年もここに暮らしてきたのに
地下があるなんて知らなかったのでしょう?
誰か居たらどうするんです?」
「誰か居たら…嬉しい!」
「あなたは…分かりあえないものがいることに
もっと恐怖を持つべきなのです」"
宮崎夏次系さんの本の中でもこれはダントツに好き……!
1話が短いのに話が進むごとに世界がみせる景色がぐるりぐるりと変わっていく。
あまり意味のないSF味のする奇妙なだけの設定だと思っていたものが伏線でしたと牙を剥く瞬間にときめいてしぬ。
最後のある意味大ショックなシーンがとても好き……。木下くんの表情が、場に似合わぬ優しげな表情が堪らなく好き……。この回で木下くんが着ている服が九森さんのものだと気付くのが遅れたけど気付いてなんとも言えない気持ちになった。ただ寒いだけなら半纏でも良い訳で……。
幕間の培養肉たちも良い。 -
Posted by ブクログ
帯によれば「さびしさ」がテーマの一冊。
本書を読みつつ、「なるほどそう言われるとそうかもしれない」と思いつつも、「それでいれば『僕は問題ありません』とか『変身のニュース』もそうなのではないか」などとも。
宮崎夏次系の作品ではいつも、奇っ怪な世界で奇っ怪な登場人物たちが彼らなりの「日常」を過ごしている。その登場人物たちはたがいにいつもほんの僅かな接点、すぐさま崩壊してしまいそうな前提、カタチの定まらない感情でもって互いに共感しあっている。
そういう本質的には個々バラバラで、ニュアンスでのみ、曖昧な表現/非表現でしか繋がりを持つことのできない個人とその影を、真っ白な空白や薄いトーンと入道雲で連想される強い日差しが照らし出している。
そこにはいつも一種の「さみしさ」が汲み取れる気がする。