田中康夫のレビュー一覧

  • なんとなく、クリスタル

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    80年代を喉から手が出るほど吸収したいと思ってる私にとってはまさにバイブル的本になりそう。確かにクリスタルですねぇ、、こんな洒落た生き方したいわぁ

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    2024年03月08日
  • なんとなく、クリスタル

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    自分が生まれていない1980年代前半の空気感が伝わってきて、貴重な体験ができたと感じる本だった。
    物語自体に抑揚はなくて、当時の日常そのものが切り取られているような内容は、興味深かった。

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    2023年04月11日
  • なんとなく、クリスタル

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    意外とインスタ世代に通じるものを感じる。
    年代的な話は、注釈読んでもわからん。
    でも、一番衝撃なのは、最後のページの、
    高齢化に関する統計データ。
    このクリスタルな世代で日本のいい時代が終わることを予言しているのか。

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    2022年12月17日
  • 33年後のなんとなく、クリスタル

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    読み出したら、しっくりくる、作者は僕の5歳年上、尊敬していたな、僕は若い頃から田中康夫を。共感できるし、でも、作者みたいにクリスタルでなかったけど、今の若者よりも楽しいことがたくさんあって、森博嗣じゃないが、いい時代だったのですね。

    74ページ。引用。
    ”目を開けていても閉じていても、哀しいときも苦しい時も、そして嬉しい時も愉しいときも、一分一秒、時は常に変わらず過ぎていくのだ。ならば、どんなにか辛くとも目を背けず真正面から向き合い、自分で考え、自分で動くしかないじゃないか。弁解したところで、愚痴ったところで詮方ない。”
     
    ありきたりなフレーズのようだが、僕はとても沁みた。結局、そうなんだ

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    2020年08月15日
  • なんとなく、クリスタル

    購入済み

    素直に読む

    女子大学生であるうちにこの作品に出会えてよかったと思う。気分の良い方を選んでると言いつつ、社会的に恥じないように心掛けているのが垣間見える由利のような華々しい生活を送っているわけではない。ただ、自身の認識の中で気分の良い方を選んでいるのは私と同じだった。現代ではそのように生きている人が多い

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    2020年07月22日
  • なんとなく、クリスタル

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    人生で一番読み返している本。
    ある時は脚注を丁寧に参照しながら。ある時は脚注は無視して物語だけに集中して。

    平成5年生まれの私にとってバブル期の大学生の輝きは「なんとなく」なんかではないと思っていた。しかし、この作品を通してどんな時代でもキラキラだけでなくもやもやしたものがどこかに絶対に存在しているということを知った。

    18まで長野県にいた私は、こんな人が知事をやっていたんだなあ、と本の内容からやっと著者の内面を見た気がした。

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    2017年03月18日
  • なんとなく、クリスタル

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    「軽薄な作家が、軽薄な学生のことを書いた小説。何でこんな小説が『芥川賞』の候補になったのか、訳がわからない」それがこの本を読み終えた第一印象だった。一流大学に通う、セレブな階層に所属する女子大生が、誰もがうらやむような生活を送る様子を描く小説。格差社会の現代で、こんな小説を発表する作家がいたら、周囲から総スカンを食らうことは確実である。ところが、作者のあとがきを読んだとたん、その印象は一変した。彼によれば、自分で読みたい青春小説を書きたかったのだという。今まで彼が読んできた「青春小説」は、現代の大学生の実態とはあまりにもかけ離れていた。そのことに違和感を覚えた彼は、それだったら自分で、今の大学

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    2016年05月14日
  • なんとなく、クリスタル

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    光源からの光を受けて輝く「クリスタル」のように派手な生活を送る学生たちのストーリーと、著者のユーモアと皮肉が盛り込まれた注というストーリーが並行して進み、最後に日本の将来を(まだ甘いながら)悲観的に予測する政府の統計が示される。
    注には今では聞かないブランドやショップの名が並ぶ。1980年の大学生はいま50歳前後。
    高橋源一郎さんの解説も冴えています。
    続編の『33年後のなんとなく、クリスタル』も読んでみたい。

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    2014年01月19日
  • なんとなく、クリスタル

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    新装版が出たので、再読。今でこそ、日本文学のマッチョな教訓的なものとは違う軟派な欧米化された小説は村上春樹や片岡義男などにより見慣れたものとなったが、当時は賛否あったのだろう。業界用語の連続のように横文字が並び、それぞれに細かい注釈が本文に溶け込んだ補足のように不思議に書いてある。現代人の、都会人の小説。

    あと、高橋源一郎の解説レベル低すぎ。この人もう『さようなら、ギャングたち』と『ジョン・レノン対火星人』ぐらいで終わってるからそろそろ静かにして欲しい。

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    2013年12月28日
  • 昔みたい

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    20数年前、雑誌25ansの連載で知り康夫ファンになった作品。あの時代を描いた作品としては私的には最高峰。何度も読み返し、そのたびに鼻の奥にツンと痛みを感じるある意味パンドラの箱的な作品でもあります。ユーミンはあの時代を見事に歌にしていたけど、その小説版ともいえると思う。わかる人にだけわかる世界だと思うけど。しみじみと良いのです、とても。

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    2012年09月21日
  • なんとなく、クリスタル

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    バブル世代の感覚がよくわかる歴史資料として。
    軽快な文章とウィットの効いた注釈。読みやすくて滑稽で3周回ってオシャレ。
    この時代の若者に比べると、今の若い世代は成熟してるなー….ただそれもこの本の登場人物たちのような昔の世代が、痛々しくても滑稽でも背伸びをし続けてくれたからなんだろうな。
    そういう意味で感謝してるし、全然馬鹿にできないな。ありがとうって思うし、1980年の東京はちゃんと若くて、素敵だね。

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    2025年06月18日
  • なんとなく、クリスタル

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    もうちょっとタイトな音楽が流れていた方がハップになれる←はい????

    読みにくすぎる!うるさい!ルー大柴???
    カタカナが全体の7割くらいを占めている

    ディスコって今で言うクラブみたいなものかしら?クラブ行ったことないな〜

    レイ•ブラッドベリー
    レコード
    シティポップ

    なんとも不安定で儚く、だからこそ美しい「クリスタルな生き方」。現代日本ではアイドルのような扱いを受けて賞賛され、女子高校生たちがこぞって憧れる職業に成り上がったキャバクラ嬢にも同様の不安定さが見出せる気がする。

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    2024年10月11日
  • なんとなく、クリスタル

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    連休を利用して祖母宅に遊びに行った際に、今年で還暦を迎える叔父の本棚から引っ張り出して読んだ。新装版ではなく河出文庫版の第三版(1983年)、やや黄ばんだ裏表紙にはバーコードは無く、刻印された価格は実に320円であった。

    『なんとなく、クリスタル』は、1980年当時の「感覚で生きる世代」の生活を独自の視点と文体で描いた小説である。小説とは言っても、大半が地名やブランド名といった固有名詞とそれを説明する註釈で埋め尽くされたこの文章には、意外な展開や起承転結はこれといって用意されていない。描かれるのは当時の日本にもたらされていた暴力的なまでの物質的豊かさと、それを安穏と享受する裕福な若者たちの心

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    2023年05月05日
  • なんとなく、クリスタル

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    80年代初頭の若者文化を描いた作品。
    左頁に連なる膨大な注釈が、記号的消費に耽る当時の若者に対する皮肉の様で面白かった!
    ただ、主人公の恋愛美学はともかく、生活観や消費行動には少し共感してしまう。

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    2023年01月04日
  • 33年後のなんとなく、クリスタル

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    「なんとなく、クリスタル」を読んで、へー、田中さんってこんな文章書くんだ、面白い!と思った。
    続き?なのかはわからないけど、本人(ヤスオさん)が出てくると、急にエッセイのような感じがしてヤボく感じた。小説としてはイマイチ。

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    2022年12月24日
  • なんとなく、クリスタル

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    とにかく「注」が多く、ページ数の半分を占める。
    その注がまったく意味をなさない。だけど、それが
    時代を表していて、バブル前の社会を思い出させる。
    「なんとなくクリスタル」何十年ぶりに読み直しても、
    薄っぺらだけど心に残る不思議な作品。

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    2021年06月06日
  • なんとなく、クリスタル

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    『なんとなく、クリスタル』は大衆消費社会の勃興と、バブル経済前の日本、そして日本に忍び寄る衰退の影を描いたポストモダン小説だ。作者は長野県知事を務めたこともある田中康夫だ。
    この『なんとなく、クリスタル』の特徴は、時代を象徴する固有名詞の多用と、それに対する膨大な量の注釈だ。文学作品では普遍性を持たせるために固有名詞を多用することを避けたりするのだが、『なんとなく、クリスタル』は女子大生兼ファッションモデルの由利の生活を中心に若者にしか理解できない様なブランドや固有名詞が散りばめられている。そして、それぞれの固有名詞に田中の視点を基にした442個の注釈と分析が加えられている。
    ブランド名と言っ

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    2020年12月16日
  • なんとなく、クリスタル

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    当時のリア充たちの記録的な青春小説

    ページの左側に占領する脚注が斬新で、どう読めばよいのか最初は戸惑う。右側の本文と交互に読むことで、脚注が語り手の役目をしているのがわかる。当時のなんとなくな空気感が味わえる。

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    2019年05月02日
  • 神戸震災日記

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    阪神大地震発生時、現地に駆け付けバイクにまたがり、水、下着、化粧品など直接手渡した作家のボランティアの日記。マスコミや偉い人、企業に対してのかみつき具合がいっそ気持ち良い。テレビを通してしか見てこなかったあの震災。コメンテーターなどの言葉をうのみにしてきた自分には、知らなかったことがたくさんで、そんな自分に呆れてしまう。そしてその後の震災にも、この警鐘は活かされていないような。ちょいちょい自分に酔った文章が挟まれるのがキツイ。

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    2019年02月10日
  • 昔みたい

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    雑誌『25ans』に連載されたショート・ストーリーをまとめた短編集です。

    いずれも、すでにいくつかの恋を経験して、いまはそれぞれの記憶を胸に秘めつつ、落ち着いた暮らしをしている女性の姿をえがいています。といっても、なにも不自由はなく、それでいてどこか心に満たされなさを抱えている……というありがちなストーリーではなく、むしろどこまでもアッパーミドルの多少スノビッシュな暮らしを肯定的にえがこうとする意図がはっきりと本作をつらぬいていることが見て取れます。

    本書を読んでいて感じたのは、現代の多くの人びとの思い描く、いわゆる「セレブ」な生活が、本書の示す枠組みを超え出ることがないということです。た

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    2018年08月06日