田中康夫のレビュー一覧

  • 33年後のなんとなく、クリスタル

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    田中康夫氏が一橋大学在学中の1980年に発表した処女作『なんとなく、クリスタル』に登場した、東京に暮らす女子大生兼ファッションモデルの主人公・由利とその女友達と、『なんとなく、クリスタル』には登場しなかった田中氏本人の33年後を、一人称で描いた作品。『文藝』2013年冬号から2014年冬号に連載、2014年11月に単行本として出版され、今般文庫化されたもの。
    尚、『なんとなく、クリスタル』は、1980年の文藝賞(河出書房新社の新人賞)を受賞、1981年の芥川賞候補にもなり、発行部数100万部を超えるベストセラーとなった小説。
    本文庫版では、更に、社会学者・大澤真幸と作詞家・なかにし礼による「解

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    2018年07月16日
  • なんとなく、クリスタル

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    昔読まなかったので.読んだ.気がついたことは「買ってしまう」など「〜しいてしまう」という表現が多い.音楽やおしゃれ,食事など今風に言えば「こだわり」だらけの本だが「〜してしまう」とふわーっと流れていくところがこだわらずさすが「なんとなくクリスタル」始めの雨の目覚めのアンニュイなところが特に好き.

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    2015年09月21日
  • なんとなく、クリスタル

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    クリスタルというクールでは表現しきれない時代感覚?
    表紙を除けば今時の出版でもおかしくないのだろう
    音楽だのファッソンだのグルメだのの情報が
    今に通じるのかどうかわからないけれども
    一晩で読み切れてしまったところを見ると
    感覚としては今の娘たちに読ませても面白いのだろうと思う

    当時の私には興味がなかったけれど
    政治家以来の田中さんを知ってから読んでみると
    小説に興味のない者でもそれなりに読めてしまう

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    2015年03月08日
  • 神戸震災日記

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    東北の震災を受けてこの本と出会ったのは運命というべきだろう。阪神大震災から16年を経ての東北の震災で、何が変わったのか。未だに自然を凌駕出来るとの考えのもとに対策がなされていたのではないか。ニュースなどを見ると、そう思わされるのだ。遠く海外にいる身だからこそ、自分に何が出来るのか、との想いは大きい。

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    2011年09月24日
  • ナガノ革命638日

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    田中さん、個人的には少し気持ち悪く感じる部分もあるけど、知事としては非常に評価出来る人だと思います。
    大阪府知事やってくれないかな?

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    2009年10月04日
  • なんとなく、クリスタル

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    最初は注釈の多さに読みづらさを感じて物語に入り込めなかったけどだんだん慣れてきた。
    知らない80年代の雰囲気を味わえた。今流行りのタワマン文学〜昭和版〜のようだった。

    #ほんタメ!

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    2024年02月26日
  • なんとなく、クリスタル

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    巻末で高橋源一郎さんが激奨しているけど、80年代のアーバンでアッパークラスの若者の日常の雰囲気をそのまま描写したという意味では見事なのかもしれない。
    オスカー・ワイルドやスコット・フィッツジェラルド的アッパークラスの苦悩には近づけず、ただ淡々と80年代の都会の若者的風景とその薄い感覚を結末も無く描いただけ。
    それ故に前時代的文学のアンチテーゼとして同時代を生きた若者にとって真実なのだ、と源一郎さんも言いたいのだろうけど。
    ピチカート・ファイヴを聴いている時にロスジェネの僕たちが共有できた感覚をこの小説を通じて80年代の若者たちは感じたのだろうか、と思ったりする。
    風俗とその時代の気分のカットア

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    2023年03月26日
  • なんとなく、クリスタル

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    こどものころに評判となったという記憶があって手に取った。いぜん読もうとして途中で投げた覚えがあるのだが、今回はすんなり読めた。若い男女の話で、それ自体はどうということはないのだが、たくさんつけられた注釈を通して、執筆された80年当時の風俗というか東京の風景が見えるようで楽しめた。

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    2022年11月17日
  • なんとなく、クリスタル

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    (2017年2月のブログから2020年11月に転記)

    まず、この本を手に取ったのは、「膨大な注があることで有名(*1)」だったから。
    要するに物珍しさというか、歴史の1ページというか、そういうのを知っておきたかったから。

    で、読み始めたところ、注のほとんどは、作中で紹介されているブランド品の説明とか、お店、楽曲、洋楽シンガーの説明(*2)とか固有名詞のための注。だから思いました。

    注のための注(*3)なんだな、と。

    でも、読み進めていくと、不意に本質的なことにたどり着く。

    何のために生きているのだろうか。

    しかし、この年代の主人公は現代の私たちとは違って楽観的。

    「クリスタルな

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    2020年11月23日
  • 33年後のなんとなく、クリスタル

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    世代ではないけどオリジナルに衝撃を受けて続編を読みました。

    著者本人の過去の栄光や、政治家としての活動の正しさ、現代日本の問題点を主張するのに登場人物達が利用されてしまったような印象。

    彼女たちがどう生きてきたか、どう生きているのか、ではなく、著者本人の自伝のようでしたね。

    もう少し、クリスタルの先の女性達の生き様を読みたかったな。

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    2019年10月08日
  • 33年後のなんとなく、クリスタル

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    『なんとなくクリスタル』(「なんクリ」改め「もとクリ」だそう)後編のこの本『33年後のなんとなくクリスタル』(いまクリ」)は1950年後半生まれの人たちの20代前半から50代前半への軌跡。

    わたしは1988年、46歳の時に「もとクリ」を読みました。1980年~81年にかけての沸騰した話題から少々遅れて。

    登場人物みたいに若くはなかったけれど、それでもまだバブル期、ちょっと軽薄だけどそんな雰囲気わかると思いましたよ。なんにも考えていなかったわけでもないけど、肩パット入り大きめの洋服、ふわふわの髪型、アクセサリーをごちゃごちゃつけて、いい中年なのに派手。

    さて「いまクリ」の感想。
    50代に

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    2018年12月21日
  • 神戸震災日記

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    1995年の阪神淡路大震災の被害を知って、50ccバイク一台で現地に飛び、物資を運びつづけた著者が、肌で感じた避難生活の実態や、行政の対応の不手際などについて語っている本です。

    ヴォランティアに参加する側と受け入れる側の双方が直面することになる問題を、著者個人の視点からではありますが、鋭く指摘しています。

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    2018年08月08日
  • なんとなく、クリスタル

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    留年した学生時代に一気に書き上げたというこの作品、見開きの左半分は注釈という特異な形式もさることながら、それ以上に今までにはなかった、感覚で生きる自分たちの世代の青春小説を描きたかったという。

    主人公は、青学とおぼしき大学に通う女子大生。モデルの仕事もこなし、同居するミュージシャンの恋人がいながら複数の男友達もいる。経済的にも恵まれ、ファッションも音楽も生き方も、すべてを自分のセンスで選び、何ひとつ不自由することなく、なんとなくクリスタルな毎日を楽しんでいるが、その視線は常にどこか冷めている。

    1980年といえば、バブルにはまだ間があるものの、物質的には豊かになる一方の日本だった。ブランド

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    2015年02月19日
  • なんとなく、クリスタル

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    33年後から読んだが、そちらがあまりにも酷かったので、期待していなかったが…
    当時の文化を残すと言う意味で価値のある本だとは思う。しかし、内容は薄い。そう感じるのは自分の読み方が薄っぺらいだけか…

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    2015年02月13日
  • なんとなく、クリスタル

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    舞台は1980年代前半。なんとなくブランド物を身につけて、なんとなく美味しいものを食べて、なんとなく楽しいところで遊んで…というお気楽な大学生たちの物語。
    悩みもなく、金銭的な心配もなく、未来を憂うこともない。本当にそういう時代だったらしい。
    ちょうどその年代に生まれた私からすると、羨ましいの一言だけど、たった30数年で日本の国力が随分と落ちてしまったってことでもあるのだと思う。

    かるく読めるから何も考えたくないときにはぴったり。
    たぶんこの小説はタイトル通り“なんとなく”読むのが正解だと思う。
    物語は右半分だけで、左半分は脚注みたいになってる変わったつくりの小説だから、あっという間に読め

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    2014年06月05日
  • ファディッシュ考現学

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    「ファディッシュ考現学」は1985,86年に朝日ジャーナルに連載された文章をまとめたものだ。
    偏狭なアカであったsatoboも当時同誌を読んでいたのだけど、田中康夫の書くこの連載や噂の真相での「ペログリ日記」を偏見を持って「なんだよ田中康夫ってチャラチャラしやがってよぅ」となかば飛ばし読みをしていた。
    ところが今あらためて読んでみると、大変面白い。
    実に的確で嫌みが効いて冷静に時代を観察している。
    むしろ田中康夫を嫌っていた方が、チャラチャラして浮ついた考え方で世の中を浮遊していた事が、今となってはわかる。
    85年といえばバブルが始まる時である。
    田中康夫は29歳。
    今の感覚だと、田中の文章は

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    2014年01月23日
  • なんとなく、クリスタル

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    若く美しく、経済的にも恵まれたエピキュリアンたちの生活
    これこそが戦後日本のハッピーエンドであり
    ここに添えられた大量の註釈は、いわば戦果の目録である
    終わったはずの物語のなかで
    人々は、快楽に浸りながら、それが永遠に続くものと信じている

    新装版の表紙はセピア色の写真をイメージしたのかもしれないが
    あんまりいい趣味とは思えなかった

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    2013年12月05日
  • なんとなく、クリスタル

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    酷評が常、一方で、ある時代を象徴する小説として、決して表舞台から消えることなく、ついには新装版が発売される作品に興味を覚えて。

    バブル期の人たちって、何にも考えずにふわふわしてたの?理解不能って思っていたけれど、作中の大学生のちょっと冷めた、でも軽い感覚はリアルで納得できた。巻末に、明るい未来を予感してないのもすごい感性。クリスタルだもの。壊れるんだよね。想像してたより、ずっと面白かったですよ!

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    2013年11月30日
  • 神戸震災日記

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    作家のイメージと政治家としてのイメージが混ざり合った。なかなか読み応えあり。
    日記は良いが、手紙は少し感情過多。

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    2012年01月14日