田口ランディのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
田口ランディ『逆さに吊るされた男』河出文庫。
地下鉄サリン事件の実行犯・林泰男死刑囚との交流をもとに描いたノンフィクション小説。
バブル経済が終焉を迎え、世間が再び経済的な混乱に喘いでいた暗い時代。1995年3月20日の朝のラッシュアワー時に発生した地下鉄サリン事件は死亡者14人、負傷者約6,300人と多くの犠牲者を出した世界でも類を見ないカルト宗教団体による無差別テロ事件。当時は同年1月に発生した阪神淡路大震災と共に非常な衝撃を受けた。そんな事件の実行犯の語る事件の裏側と実行犯の思考が生々しく描かれる。未だに犠牲者の多くが後遺症に苦しみ、オウム真理教の残党は細々と活動を続け、公安がそれを -
Posted by ブクログ
久しぶりに本が自分の心にものすごく響いた。
今までで響いた本て本田健さん、斎藤孝、河野善紀 とそうゆう感じで、ほとんどが一つのテーマを持って書かれた本だった。でも今回の田口ランディの本は本当に『エッセイ!』って感じで、内容はいじめの問題とか写真家についてとか屋久島についてだったりもういろんな方向に飛んで行くわけ。そりゃエッセイってそうゆうもんだから当たり前なんだけど。
例えばその中には題名からしてあんまり興味のないものとかもあって、適当に読み飛ばしたいなとか少し重いから避けたいって思うようなものが多いんだけど、その文章の中に予想外に響いてくるものがポツポツと落ちてて、それが本当に予想外なも -
Posted by ブクログ
立場が変われば物の見方も変わる。
辛い事だったり楽しい事があったからこそ持てる視点というものがあると思う。
勝ったから、負けたから、出来たから、出来なかったから、それぞれの視点が持てて、
自分の視野が広がっていく。
人と話す事で、その人の人生や価値観を知り、刺激を受ける。
本を読む事で、その人が経験した事を想像し、その視点や考え方を知る。
でも、それに心をとらわれすぎず、自分に戻る。
影響はされるけど、流されない。
動じても、すぐに自分に戻る。
感動しても、落ち込んでも、笑っても、怒っても、自分の真ん中へ戻る。
それが我を捨てるという事らしい、
動じないのではなく、動じて