あらすじ
KADOKAWAの文芸誌「野生時代」に連載された長編小説。角川文庫化版が電子書籍に。UFOを目撃した6人の少年少女の異世界体験を描くSF的な作品。大人になったガンダム世代は何を夢見るか。
著者は本作品を執筆前に石川県羽咋市在住の僧侶でありUFOの研究家でもある高野誠鮮氏から、石川県においてUFOの目撃例が非常に多いことを聞く。高野氏はUFOで羽咋市を地域活性化したことでも有名。UFOの国際会議も開催したUFO研究の第一人者。高野氏の全面取材協力のもと、UFO遭遇者と接触。取材を始めると予想外に多いUFO遭遇者に驚くと同時に、人間の意識とUFOが関連していることを知る。
文明が侵食していない古い土地には、人間の潜在意識をひらく「夢みる力」が残っている。中学時代に遊び半分でUFOを呼んだ6人の少年少女。そのうちの一人の少女が失踪して行方不明に。遺された5人も数奇な人生を歩むことに。再びそれぞれの人生が重なったとき少女が転生しUFOが現われる……。
UFOの存在は人間の潜在意識を揺さぶる。特殊な変成意識体験は若者の心にどんな影響を与えるのか。この現実は真実なのかそれとも幻……? カント哲学から量子論へ。冥王星の発見者パーシヴァル・ローエルの意識が時空を超えて現代と繋がり合う。見えないものが見えたとき、人はその無意識の力に抗えるのか? 単行本初版発売は2011年。
「『想定外』の出来事が起きた今だからこそ、この作品は私の魂をこれほどまでに震わせたのだろう」――香山リカ(精神科医)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ランディってなんだよwwwwwランディwww
とか思いながら読んでたけど、すごい好きだこれ。なんか惜しい。ところどころ雑に見えるところはあるけど、好きだ。視点がころころ変わるから集中してないと今誰視点の話なのかよくわからなくなりそう。少し読みにくい。
なんかここでの評価は低いけど、この人の他の本も読んでみたい。
Posted by ブクログ
17年前、6人の中学生がUFOを呼び、うち1人がその後行方不明になった。誘拐か失踪かそれとも神隠しか、結局分からないまま時は過ぎた。
オカルト雑誌「マアジナル」の編集者である高木は、ひとつの投稿をきっかけに残された5人の人生をつないでいく。かつて現実と非現実の境界に立った者たちは、数奇な運命に翻弄されていた。
基本はオカルトな世界観(スピリチュアルとは違う。ここ重要)
実際見たり経験した人にとっては真実でも、そうじゃない人にとってはにわかに信じがたい眉唾もの。確認できないし、完全には暴けない。でも何だか気になるし面白い。そういうエンターテインメント性を孕んだものがオカルト。
それを実際経験した6人の中学生のその後を、偶然にもかつて同じ土地に住んでいた編集者が追うかたちで物語は進んでいく。章によって視点が変わるし、最後まで読んだ時に「あの伏線は回収されたっけ?」と思ったりもしたけど、読んでいる最中は先が気になってどんどん読み進んだ。オカルトとか苦手な人は全然ダメかもしれないけれど。
終盤に入るにつれて、色んな要素が爆発して、何の小説を読んでるのか分からなくなるという凄みが。
オカルトにプラスして、天文学、民俗学、量子論までイン。もっとたくさんの要素があったけれど、深く考え始めると進まなくなるから、ひとまずは最後まで読みきった。いちいち全てを理解しなくても、とりあえず物語を理解することは可能。量子論なんて考え始めたら何冊か専門書読まなきゃいけなくなりそう。笑
謎は解かないけれど謎解き風の雰囲気もあって、昔あったオカルト番組とか雑誌みたいなB級っぽい笑える要素もあって、不思議な読後感の小説だった。
私が小学生の時からこっくりさんとかって流行っててやってた子がいて、こっくりさんが来た!って言ってた子もいたりして、中には体調崩す子もいたりして…ああいうのって集団催眠的なものも強くあるだろうけど、全てが嘘であるとも言い切れない。
嘘なのか本当なのか分からないけれど、その経験が大人になるまで強く影響する人もいるのかも?と思ったりした。
Posted by ブクログ
結局解決したような、終わっていないような、始まってもいないような、悪くいえば後味が悪く、読み終わった後に色々と考えに耽ってしまう作品でした。
中盤から視点がコロコロと変わります。少し怖い描写もあります。
今いる世界とのあやふやな境界線。別の世界はあると思えばある、ないと思えばない。難しいです。
Posted by ブクログ
不思議だなあ、ぽやややや~ん、で、思いがけないほどあっけなく、あっさり終わってしまう。おいてきぼりをくらう。
残りのページ数あんまりないけど、回収できんの?うまくまとまるのこれ?と変にソワソワしながら読み進んでいった。
Posted by ブクログ
人は物事を特徴や性質毎に分け、名前をつける事で区別をしています。細長い形、丸い形、大きさに関わらず人が座るそれには「椅子」と名付けます。
しかし区別は人が利便性を求める為に決めた約束事であり、実際には境界線を引くことはできません。分子レベル粒子レベルになると人間でさえ陽炎のような存在です。
ましてや我々は目に見えないもの形にないものにでも境界線を引こうとします。 本小説を読んでいてそんな境界線の危うさを意識させられました。
~あらすじ~オカルト雑誌の出版社に就職した主人公、高木。記者として初めての仕事が故郷能登半島でのUFO目撃情報の取材でした。高木は取材を続ける中、17年前に中学生6人が体験したある事件に行き当たります。事件後、6人のうちの1人、江上理沙は謎の失踪を遂げ、他の者も数奇な運命に翻弄される結果となります。果たして彼らに何があったのか…
マアジナルというタイトル。縁や境という意味ですが、思いもよらずこの境が崩れた時、人にはどんな影響があるでしょうか。鳥肌がたつような感動と血管が泡立つような狂気は紙一重だと思いました。