田口ランディのレビュー一覧
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中篇集。放射性物質で汚染された警戒区域・ゾーンを舞台にして繰り広げられる四つの物語。あの日から忘れてはいけない気持ちを思い出させてくれる。『ゾーンにて』『海辺にて』『牛の楽園』『モルモット』の四編を収録。
表題作の『ゾーンにて』は、作家の羽鳥よう子が警戒区域に足を踏み入れ、生と死に向き合う。
『海辺にて』は、『ゾーンにて』の続編であり、羽鳥よう子が警戒区域の津波被災地を訪れ、被災地の現実と向き合う。当初は『ゾーンにてⅡ』というタイトルで文庫化にあたり、改題し、『ゾーンにて』と併せて大幅改稿したようだ。
『牛の楽園』では、癌で片肺を切除された男が主人公となる。主人公は原発事故の放射能による被曝と癌の放射線治療の被曝に怯え、やがて、過ぎ去る希望と迫り来る死に向き合う。
『モルモット』は、再び、女性が主人公に代わる。都会の生活に疲れた主人公はゾーンに暮らす舞踏家の老女を訪ね、一緒に暮らすのだが… -
Posted by ブクログ
17年前、6人の中学生がUFOを呼び、うち1人がその後行方不明になった。誘拐か失踪かそれとも神隠しか、結局分からないまま時は過ぎた。
オカルト雑誌「マアジナル」の編集者である高木は、ひとつの投稿をきっかけに残された5人の人生をつないでいく。かつて現実と非現実の境界に立った者たちは、数奇な運命に翻弄されていた。
基本はオカルトな世界観(スピリチュアルとは違う。ここ重要)
実際見たり経験した人にとっては真実でも、そうじゃない人にとってはにわかに信じがたい眉唾もの。確認できないし、完全には暴けない。でも何だか気になるし面白い。そういうエンターテインメント性を孕んだものがオカルト。
それを実際経験した6人の中学生のその後を、偶然にもかつて同じ土地に住んでいた編集者が追うかたちで物語は進んでいく。章によって視点が変わるし、最後まで読んだ時に「あの伏線は回収されたっけ?」と思ったりもしたけど、読んでいる最中は先が気になってどんどん読み進んだ。オカルトとか苦手な人は全然ダメかもしれないけれど。
終盤に入るにつれて、色んな要素が爆発して、何の小説を読んでるのか分からなくなるという凄みが。
オカルトにプラスして、天文学、民俗学、量子論までイン。もっとたくさんの要素があったけれど、深く考え始めると進まなくなるから、ひとまずは最後まで読みきった。いちいち全てを理解しなくても、とりあえず物語を理解することは可能。量子論なんて考え始めたら何冊か専門書読まなきゃいけなくなりそう。笑
謎は解かないけれど謎解き風の雰囲気もあって、昔あったオカルト番組とか雑誌みたいなB級っぽい笑える要素もあって、不思議な読後感の小説だった。
私が小学生の時からこっくりさんとかって流行っててやってた子がいて、こっくりさんが来た!って言ってた子もいたりして、中には体調崩す子もいたりして…ああいうのって集団催眠的なものも強くあるだろうけど、全てが嘘であるとも言い切れない。
嘘なのか本当なのか分からないけれど、その経験が大人になるまで強く影響する人もいるのかも?と思ったりした。 -
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ネタバレ私はイライラしていた。10代にしろ、今でもそうかもしれない。タイトルを見てはっとした。そうだよ。できればムカつかずに生きたい!作中では寧ろ著者のお兄さんに共感していて。いじめを受けていつも居場所がなく感じていたお兄さんと、私の引きこもり体験は何処かだぶっている。
皆、できればムカつかずに生きよう。人にある程度は迷惑かけてもいいから、わあわあ泣いちゃって醜態曝してもいいから、自分の居場所を探したり大切な人を見つけたりしながら生きよう。亡くなってしまったお兄さんは社会の穴にはまってしまったのだな、と思って私はとても気の毒に感じた。私は今はそういった人を助ける仕事を目標として頑張りたいと再確認した。
何故いじめはおこりますか?裏切りは避けられないけれど、知っていれば傷は小さくて済むかもしれない。あ、これが俗に言う裏切りと言うやつか、ふふん、私は経験済み!なんてね!
ナイーブになる必要はない。他者に対して鈍感にもなってはいけない!
頑張って生きていこうと思いました。 -
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ネタバレタイトルに共感して本屋さんで手に取りましたが作者さんが
ものすごく正直で赤裸々に自分を語る素敵な人だなあという印象を受けました。
周りの人に悪く思われないようによく見せるための虚勢みたいなものが全くといっていいほどない。
自分の家族と折り合いが悪くて悩みを抱いている人がこの本に出合えたらずいぶんと抱えている荷物を軽く出来るのではないかなあと思う素敵な本です。
印象深い文面
p139
それで、わたしは思った。なんだそうか「こだわりを捨てる」とか「欲を捨てる」とかいうけど、それは「こだわらない」「欲をもたない」ということでは決してなくて、「一度こだわってすぐ捨てる」「一度欲しがって、でもその思いからすぐ離れる」ってことだったんだ。それならわかる。私は22歳の頃「こだわらない」「欲しがらない」のが自我を捨てることだと思ってた。だからそんなのつまんないって思ってた。そうじゃなくて、あらゆる刺激に反応しながら、でもそこにとどまらない・・・・ってことならこんな素晴らしい生き方ってないって初めて思えた。反応するけどこだわらない。影響されるけど流されない。自分に戻る。こんな簡単なことが私はアホなので15年もわからなかった。
p229からp230
人を呪わない言葉を話す、そのためにはまず、自分が呪いから解かれる必要がある。自分の中の怨念と決着をつけないと言葉の癖はなかなか治らない。言葉のゆがみ、機嫌な態度はたいがい癖になっている。癖になってしまっているから自分で気づかないのだ。でも癖だからこそ治せる。