田口ランディのレビュー一覧

  • できればムカつかずに生きたい

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    コンセントを読んで気になる著者のひとりになっていた。生きにくい時代はいつの時代も昔から生きにくくて。だからこそ自分を。そういうことをちゃんと見てきた人だと思って気にかけていた。K先生の話がいい。K先生はシリアスな映画を生徒たちに見せる。生徒たちの中には「映画を楽しめた頃にもどりたい」「知りたくないことを知った。苦しい」と感想を漏らす。K先生は「でもいいんです。ボクは若い時にはちゃんと絶望しなければ世の中のことを理解できないと思っています。だから生徒に思想によって谷に突き落とすんです。」発言コワイ。でも素晴らしい。本当のことだと思う。世の中のことを理解するまでには多少時間がかかっちゃう。でも。一

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    2011年09月15日
  • オクターヴ

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    圧倒的なバリの空気。自然というか生命がとぐろを巻いているような雰囲気を感じました。自分に知覚できない世界がある。わかった!と思うが、何がわかったのか説明できない。
    バリの旅物語のようで、主人公の女性が自分の心の奥深くに降りていく物語です。
    バリに行ってみたくなりました。

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    2009年10月04日
  • ミッドナイト・コール

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    わかるような、わからないような。ちょっとお子チャマの私には遠い大人の恋愛の、微妙な関係と心情を突いたリアルで切ない恋愛小説。
    さらさらと読みやすい。

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    2009年10月04日
  • ミッドナイト・コール

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    この本、だいすき。

    『一〇〇万年の孤独』
    泣かないかずほ、すぐ泣くしもださん。
    この役回りはなんだろう。これはきっと、必然。
    しもださんは、無意識に、かずほのために泣いてたんだ。

    しもださんは、自分はかずほを愛し、殺した一〇〇万人のうちのたった一人にすぎないって思ってるけど、
    かずほのために泣いたのはたった一人、しもださんだけだよ。

    かずほの心にはきっと刻まれてるから、大丈夫。

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    2009年10月04日
  • ミッドナイト・コール

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    不器用な女性たちの不器用な恋物語。まだ“本当”に出会っていない女性にお薦めです。要所要所でとても共感できました。
    短編で、非常に読みやすいです。

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    2009年10月04日
  • ミッドナイト・コール

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    納得してしまったり、痛いとこを突かれたなあと感じたりした。女性は読んでみるといいと思う。勿論、男性にも読んでほしい。

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    2009年10月04日
  • ミッドナイト・コール

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    20代後半。女。仕事をもっている。自分のお金も自分の生活もある。趣味がある。友達もいる。きっと未来だってあるはずなんだけど、全体に漂うのは、あきらめと倦怠感。そんな女たちの短編集。めっさ等身大ですわ。そういう年頃になったんだなあ、と妙に感心。軽妙な会話も、おしゃれなシチュエーションも、どこかうわすべりで、本気じゃない。現実でありながら実感の希薄なそれぞれの日常。

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    2009年10月04日
  • ミッドナイト・コール

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    痛い。けどその気持ちすごくよく分かる。自分にだぶるところがありすぎてちょっとびっくりしたけど、こういう女性って多いのかな。

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    2009年10月04日
  • ミッドナイト・コール

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    仮に、セックスが男女の境界を超えられる唯一の手段となるならば、性差なんてものは結構アバウトな気がしてしまう。やりきれない思いは両者関係なく存在するし異性に対する感情や相手の身体や行為に対する幻想のギャップは激しい。結局は、それを埋める若しくは曖昧にしてしまうような効果しかない関係は寂しいとしか言えない。僕らは相手とどう向き合うか再考する必要があるのかもしれない。 ただ、出てくる男がみんな上手ってのもなー。下手な男は記憶にも残らないってか…(悲

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    2009年10月04日
  • ゾーンにて

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    久しぶりに田口ランディ著を読んだ。
    そうそう、1つの土地のことを取り上げて描く人だった。好きな土地なのかな。
    原発後の土地のことを独特の角度から描いた作品。
    短編集でオムニバスなのかそれぞれ独立してるのか私は不明。長編で読んだらもっと色々考えて心に残りそう。

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    2024年09月22日
  • できればムカつかずに生きたい

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    序盤、ランディさんの生い立ちを読んでる時はエッセイなのに小説を読んでいるかと思うほどですごく引き込まれた。
    話の切り口が社会問題で、当時のことも知れるので面白かった。こんなに自分の意見をスパスパ言えて羨ましいし、清々しさを感じた。他のエッセイも読んでみたい。

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    2022年12月27日
  • 水俣 天地への祈り

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    ネタバレ

    自身の水俣への興味のきっかけから、水俣へと関わった記録。杉本栄子氏緒方正人氏へのインタビューやユージンスミスについて紹介している。
    最後の章、日本の精神を自然との関わりの中で見つめ直して水俣へと立ちかえって考察しているのが興味深いです。

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    2022年02月15日
  • オクターヴ

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    田口ランディさんの小説は久しぶりに読んだけれど、シャーマンだとか幽体離脱だとかのスピリチュアル要素は変わらずで(とは言え10年以上前の小説ではあるのだけど)とても読み手を選ぶと感じるのが正直なところ。
    私はそういうのは嫌いではないから読むのだけど、この作品は精神世界的な要素がとりわけ強めで、読み終えたときには程よくぐったりしていた。

    ドレミと始まって、シは有限の極み。そしてその上のドは神の世界。上のドの世界には、ほんの一部の人間しか到り着けない。
    物語の基本にあるのは上記のようなもので、主人公のマホは、行方不明になった大事な友人であるミツコを探してバリに向かい、そこでたくさんの不思議な体験を

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    2021年04月27日
  • ゾーンにて

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    これまでの作品でもそうだが、作者も明確な答えを出すというより、迷いの中で書いたんじゃないかなと思った。東日本震災の復興も、福島の原発事故の未だに終わっていない。その中でさまざまな迷いを抱きながら今日まで人生を歩んできた人々が登場する。明確な答えは見つからないまま、時間は進んでいく。世の中は矛盾に満ちている。それぞれが持つこれでいいんじゃないかな、こうなんじゃないにかなという自分なりの答え、妥協点を信じながら、疑いながら、受け入れている。他人が何と言おうと本人が決めること。人と人のゾーンというものも存在する。そこを尊敬の念を持って跨がせていただいたとき、分かり合える小さな小さな一歩となるのかなと

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    2021年02月22日
  • できればムカつかずに生きたい

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    音楽や文学に関して優れた感受性を持ち、様々な分野で秀でた才能を持ちながら、構成力に欠け、子供の頃は格好のいじめの対象となってしまう。ようやく社会人になって就職するも長続きしない。家を出ては仕事を辞め、舞い戻るを繰り返す。ちょっとした挫折が無気力を招き仕事にも就けなくさせる。ついには雨戸を締め切り自室に閉じこもり、家庭内暴力を繰り返す昼夜逆転の生活が始まることに。刺激の少ない単調な生活は、脳に影響を及ぼし正常な判断力を失わせていく。脳神経は一つの回路だけが太く強くなり、あらゆる思考は親が悪いに結びついていく。心の底にある母親に愛されたいという強い願望は暴力としてしか表れず、一人苦しむ。歪んだ思い

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    2019年07月06日
  • ドリームタイム

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    死の世界と生の世界の境界、夢と現実の境界線を滲ませるような、不思議な13の物語。

    複雑な気持ちになる。

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    2017年09月20日
  • ドリームタイム

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    私小説風の短編集。田口ランディらしいオカルティックなテーマも交えた切なさを感じる13編を収録。田口ランディのエッセイとかで読んだことのあるようなテーマが多く、可もなく不可もなしで、普通かな。

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    2014年07月22日
  • できればムカつかずに生きたい

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    心当たりが、そこかしこにあり、私の現状に光が見えた気がする。
    愛で編集。私も疑い深いので、そのあたり向き合ってみようと思った。

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    2014年04月07日
  • ドリームタイム

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    嘘か真か 真か嘘か・・・
    語り手は中年の小説家「私」
    短編集ですが 主人公はずっと「私」です。

    「私」はランディさん自身なのか まったく別人なのかは 深く考えずに、入り込めます。
    現実にありそうでない不思議な体験。
    描写や心理のたとえが、吸い込まれちゃうのよね。
    やっぱりランディ先生は短編が面白い。

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    2014年03月01日
  • マアジナル

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    結局解決したような、終わっていないような、始まってもいないような、悪くいえば後味が悪く、読み終わった後に色々と考えに耽ってしまう作品でした。
    中盤から視点がコロコロと変わります。少し怖い描写もあります。
    今いる世界とのあやふやな境界線。別の世界はあると思えばある、ないと思えばない。難しいです。

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    2014年01月06日