カントのレビュー一覧

  • 純粋理性批判

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    ネタバレ

    ストーリー自体はよくある人間とロボットの恋物語なのだが、もちろんカントの時代にそのような物語が存在するはずはない。しかし、現代のテンプレストーリーに不自然なく当てはまる哲学を考えたという点でカントの凄さの証明となっている。

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    2021年06月09日
  • 純粋理性批判

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    なかなか面白かった。意外にしっかりした内容で要点が押さえられていた。このシリーズ、ほかのも読みたくなった。

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    2020年06月22日
  • 永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編

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    イマヌエル・カント(1724~1804年)は、プロイセン王国に生まれ、『純粋理性批判』、『実践理性批判』、『判断力批判』の三批判書を発表し、認識論における所謂「コペルニクス的転回」をもたらした。ヘーゲルへと続くドイツ古典主義哲学(ドイツ観念論哲学)の祖とされ、彼による超越論哲学の枠組みは、以後の西洋哲学全体に強い影響を及ぼしている。
    本書には、カントの政治哲学、歴史哲学に関連した重要な論考である、「啓蒙とは何か」、「永遠平和にために」のほか、「世界市民という視点からみた普遍史の理念」、「人類の歴史の憶測的な起源」、「万物の終焉」が収められている。
    「啓蒙とは何か」のエッセンスは、冒頭の一段落に

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    2019年12月29日
  • 永遠平和のために

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     先日防衛政策に関する本を読んだ際に引用されていたため購入した。NHKの「100分de名著」でも2016年に紹介されていたそうで、副読本として同出版社のテキストも参考にした。岩波青を自分一人で噛砕く気力が無いのが情けないが、以下の感想は多分に同副読本の解釈に依るものが大きい(副読本に引っ張られてしまうなら、一度前知識なしで読んだ方が良かったかもしれないな)。

     平和主義と聞くと、どうしても理想主義的な印象を纏っているように見える。例えば核の廃絶を唱えれば、必ずと言ってよいほど核により世界大戦が起こっていないとする、パクス・アトミカ(核による平和)が反論として帰ってくる(妥当性は私には分からな

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    2019年04月09日
  • 永遠平和のために

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    "イマヌエル・カントさんが1796年に出版した本。
    第一章 国家間の永遠平和のための予備条項を含む
    第一条 将来の戦争をひそかに保留して締結された平和条約
    第二条 独立している国家も、継承、交換、買収または贈与によって、ほかの国家がこれを取得できるということがあってはならない
    第三条 常備軍は、時と共に全廃されなければならない
    第四条 国家の対外紛争に関しては、いかなる国債も発行してはならない
    第五条 いかなる国家も、ほかの国家の体制や統治に、暴力をもって干渉してはならない
    第六条 いかなる国家も、他国との戦争において、将来の平和時における相互の信頼を不可能にしてしまうような行為をし

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    2018年10月17日
  • 永遠平和のために

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    集英社版で池内紀訳と比較してみた.原文を見ていないが,見ても上手く読めないが,宇都宮さんはある程度原文に忠実に訳しているのだろう.ただカントはユーモラスな人で難しいことをやさしく記述できる素養を持っていたはずだ.その点からすると,宇都宮訳はやや読みにくかった.

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    2018年07月25日
  • 永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編

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    「永遠平和のために」を読むにあたり、これか岩波かで迷ったが、こちらにして正解だった。さすがは後世に名を残すだけの事はある。キリスト教が支配する地域と時代ながら、一部のカソリックに対して批判するところがあったり、なかなか面白く読めた。二百数十年前も、偉大な人が考えてる事は同じだった。

    読んでいたら、安藤昌益のいう法世のことを想起した。

    昨日読んだ岩波版純粋理性批判は訳が古かったのか、或いは訳者の理解が不十分だったのかも知れない。古典新訳文庫で読み直してみるか。

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    2017年06月19日
  • 永遠平和のために

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    どうもカントはお堅いイメージがまとわりついて離れないが、一哲学者として、かなりこの平和というものに思うところがあったに違いない。自身の築き上げてきた学問を土台にして緻密に、そして熱情をもって書き上げていると感じた。
    真の平和とは何か。平和のために争う、その皮肉に対して、彼は命ずる。そんなものは平和ではない、汝の普遍的な格率に従え。そのための法だ。
    道徳とは、平和とは、法律が与えるものではない。よく巷では、憲法改正だとか、なんだとかでデモをしているが非常にばからしい。そんなものが平和を守っているのではない。戦争したくないからしないだけなのだ。それは憲法でも法律でもなんでもなく、ひとりの人間の気持

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    2016年08月10日
  • 永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編

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    ネタバレ

    哲学は、文章が文字化けしてるぜ!
    と感じる人にお勧めの本。

    ただし、結構言い換えている部分も
    あったりするので、
    これらの作品を完全に汲み取りたい場合は
    堅めの訳のを読まないと難しいかも。

    生きていくうえで、
    大命題になるであろう
    「平穏に暮らすには」という命題に
    答えたもの。

    ただし、これは答えを知らないほうが
    ある意味、幸せと言えましょうか。
    そう、そうなった場合を考えると。

    私はいまだに、未成年のままですな。

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    2014年07月26日
  • 実践理性批判2

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    道徳的である(この表現は正確さが足りない)ことは予想以上に困難であることが判明。私の考える道徳というものはカントでいうところの適法性の道徳でしかなかった(振る舞いとしては倫理的と言えると思うけど)。
    教会の悪いところは、悪がそこにあるからではなく善の代用品があるからだ、というヴェイユの言葉を思い出す。
    最高善という概念は魅力的であるけれど、逆接的に神はいないと言っているように聞こえる。別にいいんだけど。都合の問題なのかとふと思ったり。

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    2014年05月14日
  • 永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編

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    カントの論文『永遠の平和のために』『啓蒙とはなにか』などの論文をまとめた文庫本。

    啓蒙とはなにか、またなぜ啓蒙が必要なのか。

    平和のためになにがなされるべきなのか。

    人類にとって大きなテーマであるこれらの問いに様々な意見を加えてゆく。

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    2013年12月09日
  • 永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編

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    深い。
    啓蒙とは自らがまねいた未成年の状態から抜け出ること。

    いったいどの位の人が啓蒙されてることになるのだろう。
    啓蒙も正しいものと正しくないものとあるのではないか。

    永遠平和のために
    常備軍を放棄、と言ってみたり、互いに競わせて連合を作って均衡を保てと言ってみたり矛盾をはらみながらも、第一時対戦も起こる前からこのようなことを論じてるなんて。

    200年以上経って、進歩したところもあれば前より複雑化したこともあるし変わらないこともある。

    永遠平和が実現されるためには、牧歌的生活に戻るしかないのか、それとも相互牽制による表面的なものなのか。

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    2013年10月23日
  • 永遠平和のために

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    「哲学者が政治について何かを語ってもそんなものは机上の空論であり何をも意味しない」と言う政治家がいるが、そう思うのであれば、私が述べることにとやっかく言わないで欲しいという序文に惚れた。確かに「永遠平和のために」が書かれた当時、その意見が採用され直接的な影響があったわけではない。しかし、第二次世界大戦後、理念的には永遠平和を目指してヨーロッパ連合が設立されたことを考えれば、この書物が少なからず影響したのであろう。思想、あるいは政治哲学の存在意義を実感させられる。

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    2012年08月16日
  • 永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編

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    表題作2作含む5編入り。「啓蒙とは何か」は最近読んだオルテガの大衆の定義を思い出す。教えられたことを覚えてそれに囲まれているだけじゃなく、ちゃんと考えろってことなんだけど。学ぶのは哲学ではなく哲学的に考えることが哲学です、みたいなこと。

    「永遠平和のために」は平和条約は単なる休戦に過ぎない、真に平和な世界になるために、「国際法」「世界市民法」「公法」の成立する条件などを道徳的な政治と政治的な道徳を軸に掘り下げた論文。

    「万物の終焉」が私にはとてもおもしろく感じた。

    どこを切ってもカントだなあという感じ。

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    2012年08月08日
  • 永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編

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    ・啓蒙とは何か
    ・世界市民という視点からみた普遍史の理念
    ・人類の歴史の憶測的な起源
    ・万物の終焉
    ・永遠平和のために
    本書には、これら5つの論文が収録されています。そして巻末には、カント年譜や訳者中山元氏による100ページにもおよぶ解説が収められています。

    訳文は読みやすく、丁寧な解説も付いていますので、なんとなく難しそうだからという理由でカントの著書を敬遠していた人は、ぜひ本書を手にとってみてほしいです。

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    2012年07月18日
  • 純粋理性批判 1

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    読みにくい部分に訳者が、元の文を損なわないレベルで補足を加えているお陰でとても読みやすかった。また、解説もわかりやすい部分が多かったように思う。

    強いて言えば、1巻1巻がそれなりに厚い上に全7巻という量はあまりに圧巻で読むのには根気がいるというのが問題か。

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    2012年06月16日
  • 永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編

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    「啓蒙とは、みずから招いた未成年の状態から抜け出ること」

    「未成年の状態とは、他人の指示を仰がなければ自分の理性を使うことができないということ」

    本書で印象に残った言葉。

    近年、自分の頭で考えろという類の本が多く出てる中、そのことは何百年も前から言われてたことなんだなと認識した。

    自分の理性を使う勇気がない人は未成年か。

    なんか納得した。

    自分はまだまだ「成年」になりきれてないな。

    そう気づかせてくれた本。

    あとは難しくてあまり理解できなかった。

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    2012年05月20日
  • 永遠平和のために

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    18世紀末、フランス革命を経た国際社会を背景に、「永遠平和の実現」についてのイマヌエル・カントが真面目に考察した国際平和理論と実践方法。以下、概略。
    【予備条項】
    1、将来の戦争の種がひそむ平和条約は単なる休戦
    2、独立している国家は互いに侵すことはできない
    3、常備軍は廃止。但し、防衛手段としてはOK
    4、戦争遂行を気安くさせるので戦争国債は禁止
    5、他国への不干渉
    6、戦争時の卑劣な戦略は和平時の信頼性を損なわせる
    【確定条項】
    1、各国の政治体制は共和制がベスト
    2、統一世界国家より諸国家の連合スタイルにすべき
    3、世界市民法は各国市民が友好である権利を保障
    【第1補説】
    自然の摂理によ

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    2012年04月25日
  • 純粋理性批判 7

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    この巻は、理性をいかに鍛錬するかとか、「道徳」の構築に向けた思考の動きとか、本書の「応用編」的な部分となっている。つまりカントは既に、次の「実践理性批判」へ向けて、カントは動き出しているのである。
    やっと光文社新訳文庫版『純粋理性批判』全7巻を読み終えたわけだが、カントのこの著作とは、結局何だったか。
    それまでの経験主義としてくくられる著作家たちを「独断論」として批判し、緻密な思考を展開して見せたこの書物は、18世紀「近代」を切り開いた、やはり革命的だったと思われるし、現在読んでみてもその思想はじゅうぶんに刺激的で、挑発的である。
    しかしカントの思考の枠組みが、せいぜい18世紀までの範疇に限定

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    2012年03月18日
  • 純粋理性批判 6

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    この巻では「神」について扱われる。
    ヨーロッパにおける既存の「神の存在証明」は批判され、カントオリジナルな物として、「道徳的な神学」が提起される。
    これは神が最初に存在し、その認識(信仰)から人間的な様々の思考が生まれてくるのではなく、その逆に、道徳的思考の果てに、人間みずからが「神の存在」を「要請」するのである。(P.128-132付近)
    この驚愕すべき倒錯により、神学は人間の「理性」に服従するものとなり、ここに西洋的な「近代」が出現するのだ。
    これは歴史的にきわめて画期的な飛躍であるが、この新たな神学については、この本ではそれ以上深く追究されない。

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    2012年03月15日