カントのレビュー一覧
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純粋理性批判は、主に時間と空間を軸に、世界と人間の関係についての考察を続けてきたが、6巻ではいよいよ神の証明というデリケートな話題に切り込む。
さまざまな方位から、神の存在を分析していくが、いずれもカントの理論によって矛盾が露呈する。要するに神という存在は虚構なのか。
しかし、神は存在しなければならない、というのがカントの結論のようだ。ようだ、と書いたのは、小生はカントの結論が読み取れず、解説を読んでようやく理解したからだ。理解、というか、解説にそう書いてある、というのが正直なところだ。
そういった難解さがあるとはいえ、カントの分析眼は鋭い。そして、時代的に、神はいない、という結論はありえない -
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イマヌエルカント 永遠平和のために
永遠平和のための9条項(予備条項6と確定条項3)を論じた本。一つの世界共和国を作るというより、それぞれの国家の独立を維持しながら、平和連合体制を作るイメージ
ソンタグの「世界平和を信じる人間などいない」という諦めの論調より、カントの「世界平和のために9条項に着手せよ」というメッセージの方が 読む価値がある。
永遠平和は人間の利己的傾向から自然に導かれるとする第一補説を入れたあたりが、永遠平和が空想でなく実現可能であることを証明したいカントの哲学者としてのプライドを感じる
9条項の中で最もハードルが高そうなのは「常備軍の全廃〜自衛軍は認めるが、段階的 -
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ネタバレ本論でさらに詳しく考察されるが、「道徳的な法則にかなっているようにみえ」(同)る行為が、その行為者の道徳性のためではなく、たまたまその行為者にそなわっている偶然的な要因のために行われることも多いのである。たとえば友人が好きで、困っている友人を助ける人がいるとしよう。この人の行為は、友人にたいする愛情の表現であり、好意の表現であり、善いことである。しかしこの行為は、その人の友人を愛する「心の傾き」によって行われたものである。たしかに困っている人を助けると言う道徳的な法則に適っている行為ではあるが、「道徳的な法則のために」(同)、道徳的な法則に基づいて行われた行為ではないのである。
この「道徳 -
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長い解説のおかげでなんとなく理解できた。
アプリオリとアポステリオリ。
アプリオリとは、その事象を経験する前から、他の経験や知識を通じて、その経験を理解していること。アポステリオリは、経験しないとわからないこと。
時間と空間についてはアプリオリなものとして挙げられる。しかし、時間や空間は生まれたときから認識しているのだろうか。これには疑問を覚えた。
また、神の概念は避けがたいらしく、カントも持ち出してくる。神の概念を述べなければ、哲学というものは大きく違ったのではないだろうか。
それにしても面白い本だ。理解できたとはとうてい言えないが。思考の訓練に役立つ。 -
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永遠平和のための6つ条件:(第1章)予備条項
殲滅戦に突入するのを防ぎ、永遠平和の展望を開くための条項
1. 将来戦争の種が保留された平和条約は平和条約とみなされない
2. 独立国家の相互不可侵性
3. 常備軍の撤廃
4. 戦争国債の禁止
5. 他国への不干渉
6. 国家間における信頼を損ないうる行為の禁止
3の常備軍の撤廃は最も有名な条文。常備軍の存在が先制攻撃の原因となり、かつ国家が人を殺したり、殺されたりするために人を雇うのは、人間性の権利に反する。後者はカントの定言命法からも帰結する条項。ただし現在のスイスの国民皆兵のような自衛措置は認められる。
予備条項を実現するための3つの条 -
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感性が受け取る直感すなわち経験的対象に、カテゴリーがいかに適用されるかを論じる「図式論」とその各論となる「原則論」。この図式を用いて理性の定める原則との適合性をジャッジする「判断力」と、前分冊で出てきた知性が個別の直感をまとめ上げる際に用いられる「想像力」との関係がよくわからず混乱したが、どうやらそれぞれの「根拠づけ」の対象が異なるようだ(前者は理性、後者は知性に権限がある)。
しかしこの「図式論」も厄介な代物だ。現象とカテゴリーを媒介する純粋な形式としての図式即ち〈時間〉が多様な私的経験のうちに含まれているからこそ、客観性を担保するカテゴリーが感性のうちに与えられて自己の追加的な判断 -
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感性を扱った第1分冊に続く本書では、主に人間の認識における知性の役割に焦点が当てられる。ちなみにこの中山訳では「悟性」ではなく一貫して「知性」が使用されている。
哲学というものは往々にしてそうなのだろうが、用語の使用が一般のそれと全く乖離しているために用語を見ただけではそれが意味するところを把握しづらいところがあるが、本分冊では特にこれが目白押し。何度読んでも「判断力」と「想像力」の違いや、「総合」とか「統覚」の関係性が頭に定着せず、その度に定義を確認する羽目になる。
極め付けは頻発する「根拠づけ」という言葉。流石にわかりづらいと考えたのか、訳者も解説に多くの紙面を割いているがそれでもピ -
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イマヌエル・カント(1724~1804年)は、プロイセン王国に生まれ、『純粋理性批判』、『実践理性批判』、『判断力批判』の三批判書を発表し、認識論における所謂「コペルニクス的転回」をもたらした。ヘーゲルへと続くドイツ古典主義哲学(ドイツ観念論哲学)の祖とされ、彼による超越論哲学の枠組みは、以後の西洋哲学全体に強い影響を及ぼしている。
本書には、カントの政治哲学、歴史哲学に関連した重要な論考である、「啓蒙とは何か」、「永遠平和にために」のほか、「世界市民という視点からみた普遍史の理念」、「人類の歴史の憶測的な起源」、「万物の終焉」が収められている。
「啓蒙とは何か」のエッセンスは、冒頭の一段落に -
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先日防衛政策に関する本を読んだ際に引用されていたため購入した。NHKの「100分de名著」でも2016年に紹介されていたそうで、副読本として同出版社のテキストも参考にした。岩波青を自分一人で噛砕く気力が無いのが情けないが、以下の感想は多分に同副読本の解釈に依るものが大きい(副読本に引っ張られてしまうなら、一度前知識なしで読んだ方が良かったかもしれないな)。
平和主義と聞くと、どうしても理想主義的な印象を纏っているように見える。例えば核の廃絶を唱えれば、必ずと言ってよいほど核により世界大戦が起こっていないとする、パクス・アトミカ(核による平和)が反論として帰ってくる(妥当性は私には分からな -
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"イマヌエル・カントさんが1796年に出版した本。
第一章 国家間の永遠平和のための予備条項を含む
第一条 将来の戦争をひそかに保留して締結された平和条約
第二条 独立している国家も、継承、交換、買収または贈与によって、ほかの国家がこれを取得できるということがあってはならない
第三条 常備軍は、時と共に全廃されなければならない
第四条 国家の対外紛争に関しては、いかなる国債も発行してはならない
第五条 いかなる国家も、ほかの国家の体制や統治に、暴力をもって干渉してはならない
第六条 いかなる国家も、他国との戦争において、将来の平和時における相互の信頼を不可能にしてしまうような行為をし -
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どうもカントはお堅いイメージがまとわりついて離れないが、一哲学者として、かなりこの平和というものに思うところがあったに違いない。自身の築き上げてきた学問を土台にして緻密に、そして熱情をもって書き上げていると感じた。
真の平和とは何か。平和のために争う、その皮肉に対して、彼は命ずる。そんなものは平和ではない、汝の普遍的な格率に従え。そのための法だ。
道徳とは、平和とは、法律が与えるものではない。よく巷では、憲法改正だとか、なんだとかでデモをしているが非常にばからしい。そんなものが平和を守っているのではない。戦争したくないからしないだけなのだ。それは憲法でも法律でもなんでもなく、ひとりの人間の気持