カントのレビュー一覧

  • 純粋理性批判 1

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    なんとか入門書と本書の半分近くを占める解説を読んで、一巻を読み終えた。それでもわかってない箇所がたくさんある。

    様々な入門書を読んで思ったこととして、これは訳が悪いわけではなく、カントがあまりにも前提を省いて色々なことを書いているのが原因であると判断した。

    以下、自身のメモ。

    大まかに本書は、アプリオリな総合判断はどのようにして可能か?という問いに答える試みであることや、当時の経験論vs合理論が問いの背景にあることはわかる。

    また、人間の認識には、感性と悟性(知性)が必要であることもわかる。そして、本書では、感性を用いて直観するためには、時間と空間が前提として人間に備わっているという話

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    2025年06月15日
  • 永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編

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    自分の頭で考え、道徳的に善く進歩していくことが自分が社会に対してできることだと思いたい。
    自己の考えを他者と交わして、高めあえると尚良いと。
    現代の在り方にも通ずる提言がたくさんあった。

    カントの言う、周囲を啓蒙できる哲学者って現代にどれだけいるのだろう。
    過去の哲学者を研究して、解釈について思考を巡らすのが哲学者といえるのか。

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    2024年05月09日
  • 道徳形而上学の基礎づけ

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     とりあえず、一巡目。二巡目は(あるとしたら)、現在、長らく積読状態にある光文社古典新訳文庫版を読んだのちに、ノートを取りながらの読解解読作業(の予定)。いやはや、薄いのに初学者にとってはなんとも難解な書である。訳者解説を読んだら、少しは理解が深まるかな、と思ったが、「叙述に導かれていくことで大枠の理解は得られる」と突き放されてしまった。解説などは頼りにするなということか。頑張って勉強します。

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    2024年04月23日
  • 永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編

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    ☆「知る勇気をもて」「自分の理性を使う勇気をもて」(p10)
    ☆「自分の理性を公的に使用せよ」(p14)
    「啓蒙とは何か」におけるこの2点は、自由な言論の必要を訴えるもので、本書が公共哲学のスタート地点に位置付けられる(「齋藤純一ほか「公共哲学入門」)のもうなずける。巻末解説にあるように、カント思想はいまなお、アクチュアルである。これを楽観主義とか理想論だとかたずけるのはたやすい。そうではなく、あえて、ベタに、ここをスタート地点としたい。

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    2023年06月29日
  • 純粋理性批判 1

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    人間は事物をありのままの姿で認識できない。自分の五感を信じるな。事物の本質は分からないのに、分かると考えるから心の平静が乱される。あらゆる物事の判断を控えるように。ピュロン

    あらゆる知識は「たぶんそう」なのであり、絶対確実なものはない。自分は間違えるかもしれないという謙虚な姿勢と生活をより良いものにする改善の精神が大切。ヒュームHume『人間本性論』1739

    人間はすべてを認識できない。人間を離れた世界、経験を越えた世界(死後に霊魂は残るか・神の存在)については認識できない。これらは認識の対象ではなく、希望や信仰の対象。人間は目や耳などの感覚を使って経験できる範囲の世界(現象)のみ認識でき

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    2023年04月06日
  • 純粋理性批判 2

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    この本で強調されていた2つの事項の対比ー感性と知性、分析と総合、アプリオリとアポステリオリ、主体と客体、原因と結果だ。世の中の多くの事は2つの比較で考えられることが多いからだ。超越論的認識、形而上学、ロック、ヒューム、自己統合、カテゴリー、弁証法、実体の根拠付け、親和性、ものごとを抽象化して考えるくせを付けないといけない。

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    2023年01月21日
  • 永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編

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    本書が国際連合の理論的根拠にされているのは有名だ。
    その骨子は、永遠平和を実現するための6つの予備条項と3原則を柱としている。

    本書を手にとって把握できたのはそれくらいのもので「100分de名著」などの入門紹介本でもそれくらいのことはしっかり解説されている。
    つまり結論としては、「問い」を用意していたり、筆者や本の主張に「特別な関心」を持っていない場合においては、数十年以上前の名著については要約された入門書で十分だと思った。

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    2023年01月20日
  • 純粋理性批判 1

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    この本は色々な2つのことが対比して述べられている。アプリオリ(経験から独立)とアポステリオリ、分析的と総合的、空間と時間、知性と理性、必然性と普遍性、それらの違いは何かを抽象的に考えさせられる。そもそも本書は哲学書だからだ。先天的、超越論的、誤謬、デカルト、ライプニッツ、実在性とは何かを深く考えていかないといけないと感じた。

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    2022年12月25日
  • 永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編

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    ネタバレ

     人間が思考するのは、他者に考えた内容を伝達するためである。そして他者に思想を伝達するためには、他者の立場から考えることが必要なのである。完全な独語には、だれも耳を傾けようがないのである。アーレントが指摘するように「我々は他者の立場から思考することができる場合にのみ、自分の考えを伝達することができる。さもなければ、他者に出会うこともなければ、他者が理解する仕方で話すこともなであろう」。
     このことは、他者の存在こそが人間が思考するための条件を構成しているということである。他者との交わりのうちでしか、思考は形成されないし、刺激も荒れないのである。文化と文明の発達において、他者はその可能性の条件を

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    2022年07月18日
  • 永遠平和のために

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    カントの政治哲学(?)、国際法のありかた、政治と道徳(倫理)のあり方などが書かれている。

    難しいけど、完全にわからないわけではない。

    現在にも十分通じる部分が多くあるように感じた。

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    2022年04月18日
  • 純粋理性批判 6

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    純粋理性批判は、主に時間と空間を軸に、世界と人間の関係についての考察を続けてきたが、6巻ではいよいよ神の証明というデリケートな話題に切り込む。
    さまざまな方位から、神の存在を分析していくが、いずれもカントの理論によって矛盾が露呈する。要するに神という存在は虚構なのか。
    しかし、神は存在しなければならない、というのがカントの結論のようだ。ようだ、と書いたのは、小生はカントの結論が読み取れず、解説を読んでようやく理解したからだ。理解、というか、解説にそう書いてある、というのが正直なところだ。
    そういった難解さがあるとはいえ、カントの分析眼は鋭い。そして、時代的に、神はいない、という結論はありえない

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    2022年04月17日
  • 永遠平和のために

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    イマヌエルカント 永遠平和のために

    永遠平和のための9条項(予備条項6と確定条項3)を論じた本。一つの世界共和国を作るというより、それぞれの国家の独立を維持しながら、平和連合体制を作るイメージ

    ソンタグの「世界平和を信じる人間などいない」という諦めの論調より、カントの「世界平和のために9条項に着手せよ」というメッセージの方が 読む価値がある。 

    永遠平和は人間の利己的傾向から自然に導かれるとする第一補説を入れたあたりが、永遠平和が空想でなく実現可能であることを証明したいカントの哲学者としてのプライドを感じる

    9条項の中で最もハードルが高そうなのは「常備軍の全廃〜自衛軍は認めるが、段階的

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    2022年03月15日
  • 道徳形而上学の基礎づけ

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    ネタバレ

     本論でさらに詳しく考察されるが、「道徳的な法則にかなっているようにみえ」(同)る行為が、その行為者の道徳性のためではなく、たまたまその行為者にそなわっている偶然的な要因のために行われることも多いのである。たとえば友人が好きで、困っている友人を助ける人がいるとしよう。この人の行為は、友人にたいする愛情の表現であり、好意の表現であり、善いことである。しかしこの行為は、その人の友人を愛する「心の傾き」によって行われたものである。たしかに困っている人を助けると言う道徳的な法則に適っている行為ではあるが、「道徳的な法則のために」(同)、道徳的な法則に基づいて行われた行為ではないのである。
     この「道徳

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    2022年01月16日
  • 純粋理性批判 7

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    ようやく、読み終わったが、いよいよこれからが本番である。わかりやすいという評判の本訳であるが、いわゆる定番の訳語を当てはめていないことによって、かえってわかりづらい部分も多い。また、丁寧に訳者が解説していることは、細かすぎて全体が見えづらく、巻数も多くなっていることも含めて、やや「おなか一杯」という感じである。他の解説書や他の訳本も読んでみたい。どちらにしても難解である。なんとなくわかった部分はまだ多くないので、再読しながら、理解できる部分を増やしていきたい。

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    2021年11月21日
  • 純粋理性批判 1

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    長い解説のおかげでなんとなく理解できた。
    アプリオリとアポステリオリ。
    アプリオリとは、その事象を経験する前から、他の経験や知識を通じて、その経験を理解していること。アポステリオリは、経験しないとわからないこと。
    時間と空間についてはアプリオリなものとして挙げられる。しかし、時間や空間は生まれたときから認識しているのだろうか。これには疑問を覚えた。
    また、神の概念は避けがたいらしく、カントも持ち出してくる。神の概念を述べなければ、哲学というものは大きく違ったのではないだろうか。
    それにしても面白い本だ。理解できたとはとうてい言えないが。思考の訓練に役立つ。

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    2021年10月16日
  • 永遠平和のために

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    永遠平和のための6つ条件:(第1章)予備条項
    殲滅戦に突入するのを防ぎ、永遠平和の展望を開くための条項

    1. 将来戦争の種が保留された平和条約は平和条約とみなされない
    2. 独立国家の相互不可侵性
    3. 常備軍の撤廃
    4. 戦争国債の禁止
    5. 他国への不干渉
    6. 国家間における信頼を損ないうる行為の禁止

    3の常備軍の撤廃は最も有名な条文。常備軍の存在が先制攻撃の原因となり、かつ国家が人を殺したり、殺されたりするために人を雇うのは、人間性の権利に反する。後者はカントの定言命法からも帰結する条項。ただし現在のスイスの国民皆兵のような自衛措置は認められる。

    予備条項を実現するための3つの条

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    2021年10月02日
  • 純粋理性批判 4

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    いよいよ本筋のデカルト批判に入る。やはり難解で、本書以外の他の解説も必要だ。本書は解説が細分化されすぎていて、全体の位置づけが分かりにくい。

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    2021年08月25日
  • 純粋理性批判 3

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    全巻の中でも、かなり難解な巻で、通読するのに時間がかかった。まだまだ消化不足であるが、先を急いでいくことにしよう。

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    2021年07月22日
  • 純粋理性批判 3

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     感性が受け取る直感すなわち経験的対象に、カテゴリーがいかに適用されるかを論じる「図式論」とその各論となる「原則論」。この図式を用いて理性の定める原則との適合性をジャッジする「判断力」と、前分冊で出てきた知性が個別の直感をまとめ上げる際に用いられる「想像力」との関係がよくわからず混乱したが、どうやらそれぞれの「根拠づけ」の対象が異なるようだ(前者は理性、後者は知性に権限がある)。
     
     しかしこの「図式論」も厄介な代物だ。現象とカテゴリーを媒介する純粋な形式としての図式即ち〈時間〉が多様な私的経験のうちに含まれているからこそ、客観性を担保するカテゴリーが感性のうちに与えられて自己の追加的な判断

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    2021年07月11日
  • 純粋理性批判 2

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     感性を扱った第1分冊に続く本書では、主に人間の認識における知性の役割に焦点が当てられる。ちなみにこの中山訳では「悟性」ではなく一貫して「知性」が使用されている。
     哲学というものは往々にしてそうなのだろうが、用語の使用が一般のそれと全く乖離しているために用語を見ただけではそれが意味するところを把握しづらいところがあるが、本分冊では特にこれが目白押し。何度読んでも「判断力」と「想像力」の違いや、「総合」とか「統覚」の関係性が頭に定着せず、その度に定義を確認する羽目になる。
     極め付けは頻発する「根拠づけ」という言葉。流石にわかりづらいと考えたのか、訳者も解説に多くの紙面を割いているがそれでもピ

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    2021年07月11日