カントのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
カントの実践哲学を現実の政治に当てはめて考えるとどのようなことを論じうるかを、カント自身が示した名著。
カント自身が本書のタイトルを「風刺的」と呼んでいることに象徴されるように、永遠平和など実現不可能な絵空事と見なされがちである。
カントはただ理想を語っているのではなく、人間の本性を「利己的」とし、法的状態が構築される以前の自然状態を「戦争状態」とした上で、地に足の着いた議論を展開している。
人間が利己的で、各国家が言語と宗教によって互いに隔離されているということは一見戦争の種であるように思われるが、カントはむしろ、そのような現実があってこそ、平和は構築可能だとする。人間の利己性は社会契約 -
Posted by ブクログ
カントの晩年の著作を集めたもの。
カントの中では、短くてわかりやすい。
抽象化された一言一言は、現代の諸問題、例えばイスラム国とかトランプさんとか、イギリスのEU離脱とか、そういったものも痛烈に批判しているようにも感じる。
学ぶことがなぜ必要か?
戦争はなぜ起きるのか?
反社会的思想はなぜ必要なのか?
道徳だけではなぜ平和にならないのか?
国家とはなにか?
そんな問いに、明確に答えてくれていて、気持ちが良い。
人間は、矛盾した存在だからこそ、進歩してきた。
それをきちんと認めた上で、より高い次元に哲学的に考察することが必要なのではないか。 -
Posted by ブクログ
なにかするときにどうしてそうするのか。どのようなしくみによってそうすることを判断するのか。簡単に言えばそんなことが書いてある本です。
行動原理は経験主義に非ず道徳によるということを言っておられます。
最初何言ってんのと思うようなことも1ミリも疑問を残さず解消してくれるのがすごいです。純理を読んでいればそんなに難しさは感じないけれど、必ず純理を読んでから読みましょう。
ていうかカント読んでから「哲学」にくくられる分野の読物をカント以外読めなくなってしまった。咀嚼に時間がかかるようになっているというか、思考の道を放置しすぎてて荒れ地になっちゃってる感じがしないでもない。それが唯一の害。しかしその他 -
Posted by ブクログ
買いました。
青山ブックセンター本店
(2013年2月25日)
読み始めました。
(2013年5月9日)
やっぱり、こう、分かるというのは、偉大なことです。
こうした訳業をなさる人は、偉大です。
また、訳業を支える出版社も、偉大です。
また、それを支える読者がいるということに勇気をもらえます。
(2013年5月10日)
14歳の時に、『啓蒙とは何か』を手にしてから、
カントは常に、自分の近くに置いていました。
でも、この『啓蒙とは何か』を除くと、
常に、もやもやして、分からないのがカントでした。
分かるカントに出会えて、本当にうれしい。
(2013年5月10日)
山手線車内、原宿駅付近 -
Posted by ブクログ
1795年に公刊されたカントの小著。おそらくカントの政治論では最もよく知られている著作であり、国家連合体制の提案など今日の国際関係構想の源泉ともなる提案が多々含まれている。バーゼル講和条約を諷刺するかのように、予備条項、確定条項、秘密条項、補説という構成をとる。各々の小論のなかで、これまでカントが展開してきた道徳論に基づく義務としての平和達成を、目的論に基づく平和達成の予言によって客観的実在性を補完するという全体構成をとっている。一国での共和制実現、国家間での国際法の遵守、交際権としての世界市民法など、18世紀末に書かれたとはいえいまだに政治的に課題とされうるような提案を余すところ無く展開して