カントのレビュー一覧

  • 純粋理性批判 2

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     前巻で「感性」を扱ったので、この巻からテーマは「知性」(悟性)。
    「判断表」「カテゴリー表」なるものが出てくる。これらが「完全なもの」とはまったく思えないのだが、その後に続く思考が素晴らしい。
    「[現象において観察される]諸法則は、こうした現象そのもののうちに存在しているわけではない。たんに知性をそなえて[観察して]いる主体にたいして存在しているのであり、これらの現象はこの主体のうちに宿っているだけなのである。」(P.170)
     こうしたカントの認識論は、まっすぐ20世紀のメルロ=ポンティまでつながっていくものであり、実に重要である。
    「わたしたちは、いつかわたしたちの認識のうちに登場する可

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    2012年02月25日
  • 純粋理性批判 1

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    岩波文庫版で相当昔読んだカント、再読しようと思っていたら、岩波版の訳は誤訳だらけと誰かさん(というか、中島義道)が言っていたので、やむを得ず新訳文庫でそろえ直すことにした。
    こちらの訳者中山元さんは、私もこれまでいろんな翻訳を読んできたし、信頼している方だ。なるほど読みやすいが、「悟性」が「知性」になっていたり、昔の翻訳とはいろいろに変わっていて、ちょっと戸惑ってしまうかもしれない。
    岩波文庫では全3巻に収まっていた『純粋理性批判』が光文社古典新訳文庫ではいきなり全7巻になってしまったのは、活字が大きいのと、各巻に1冊の3分の1強くらいの分量の「解説」を入れたからだ。
    この「解説」は、きっと初

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    2012年02月17日
  • 永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編

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    『啓蒙とは何か』。フリードリヒ大王(啓蒙専制君主と言われる)時代1784年に書かれた短い論文。フリードリヒ大王は国王に服従することを条件として議論の自由を許し、啓蒙主義的改革を実行したプロイセン国王である。カントによるこの文章は、啓蒙を「人間が、みずから招いた未成年の状態から抜け出ること」と定義し時代の空気を論じた文章ではないかと、私には感じられた。

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    2011年08月14日
  • 永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編

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    カントの入門書としてはお勧めです。
    ③批判書がちょっと…という方にもこの本であればカント思想のエッセンスを味わうことが出来ると思います。

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    2012年04月15日
  • 純粋理性批判 1

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    解説が豊富。訳も定訳に拘らず、大変わかりやすくなっている。それでも難解なのは仕様だし、書中の感想は省く。

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    2011年02月08日
  • 純粋理性批判 1

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    カントは天野貞祐訳で読んでそういうものかと思っていたので、この大胆な翻訳には関心もし感動もした。毀誉褒貶はあるだろうが、翻訳に新しい時代を切り開いたのだと私は感じている。

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    2010年10月28日
  • 永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編

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    個々の人間がいかにして国際的な連帯を築くことが可能なのか。この本に治められた一連の著作を通じて、カントの政治哲学と歴史哲学を一望することができる。「啓蒙」の持つ可能性に絶対的信頼を寄せているあたりに時代の雰囲気も感じるのだが、カントが決して楽観的に「永遠平和」を唱えているのではなく、人間性がかかえる「非社交的な社交性」を冷徹に見つめ、それを与えた「自然」によって人間達が国際的な連帯へと導かれていくと考えるロジックが面白かった。中山元の解説にも大いに助けられ、カント入門には良い一冊。カントってとても真摯に人間の限界と可能性を見つめ、現実に向き合い、その改良を目指した思想家なのだと好感を持った。

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    2010年10月03日
  • 永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編

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    第一に読みやすさを意図した本になっていて看板に偽りなしといったところ。「感性」に対して「悟性」(本書では「理性」)とか、基本概念をおさえておけばすいすい読め、その整理も、訳者が訳注でしてくれているので言うことないです。より深く正確な理解は、たくさん読んでからでもいいかなと思える。

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    2010年05月11日
  • 永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編

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    「啓蒙とは何か」は、明快に理性の自律を促す。他の章も、解説が丁寧で何とか読み進めることができた。「永遠平和のために」は、決して易しくはないが、いいたいことは伝わる。なるほど理想主義的な論文だが、空疎ではない。特に「国家」とか「戦争」を考える上で多くの示唆がある。理解を深めるために、何度か再読すべし。

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    2012年06月07日
  • 永遠平和のために

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    抽象的すぎてガチでよくわかんなかったけど、文章を読んでて苦しみがない読みやすさ。なんだこれは。

    解説読んでなんとなくわかった。
    自然(全ての素質)と永遠平和実現(人間の道徳的完成)の話。
    商業や国家(権力)のせいで争いが起こる。政治は国家権力の増大を目的として、そのためには不正な手段を用いても構わない(目的は手段を正当化する)と思っており、政治家のせいで永遠平和が空想となる

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    2026年06月07日
  • 永遠平和のために

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    戦争のない世界は可能なのか。理想論として退けられがちな問いに、哲学者 イマヌエル・カント は『永遠平和のために』で真正面から向き合った。国家が利害だけで動けば、平和は束の間に終わる。だからこそ彼は、法と対話による国際秩序を構想したのである。二百年以上を経た今も、世界では争いが絶えない。だが悲観だけでは歴史は前へ進まぬ。互いを敵としてではなく、人として見る想像力こそ、平和への第一歩なのかもしれない。

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    2026年05月10日
  • 永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編

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    ここでは、カントの哲学書について述べるのではなく、本書の構成を中心に話を進めてみたい。

    本書には5編が収められている。タイトルに含まれる『永遠平和のために』、『啓蒙とは何か』以外の「他3編」の題名は下記のとおりである。

    『世界市民という視点からみた普遍史の理念』
    『人類の歴史の臆測的起源』
    『万物の終焉』

    このなかで一番短いのは、『啓蒙とは何か』である。これはわずか17ページの論考であった。『永遠平和のために』が、一番長くて128ページ。他の3篇は30ページ前後である。ほかにはカント年譜が6ページ。訳者の中山元氏による解説が充実しており、105ページある。以上が本書の構成である。

    ここ

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    2026年03月20日
  • 純粋理性批判 2

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    1巻と違い、こちらはざっと読み飛ばした。自分の浅い理解であるものの、本書では純粋知性概念について述べている。つまり、アプリオリな知性は何かということ。

    その際、カントが拠り所としたのは、論理学の判断表。例えば、量に関しては単称判断(このAはBである)、性質に関しては肯定判断(AはBである)など。

    これらの判断表は、人間がアポステリオリに作ったわけではなく、人間のアプリオリに備わる知性であるとカントは考えた。

    その正しさについて、ひたすら論じているものの、別にその正しさに関心はないため割愛。

    アプリオリな知性は何か?という問いに対して、論理学から判断形式を持ち出し、これこそがカテゴリーで

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    2025年06月12日
  • 永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編

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    読書会の課題本。国連やEUのバックボーンにあるものとして有名な表題作を含む短い論文をまとめたもの。巻末の解説もとても詳しいもので、カント入門としてふさわしい一冊であると思った。

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    2022年07月23日
  • 永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編

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    自立(自律)、公開性、道徳、自然の導き、SDGSのような、現代の潮流の源泉であるような考えがたくさん書いてある。
    よくもそんな時代にかけたなというよりそれだけカントの影響力が大きいんだろう。

    悪が無ければ人類に進歩はないとは恐れ入りました。

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    2022年01月31日
  • 純粋理性批判 3

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    人間が世界に触れる時、人の中では何が起きているのか。人が現実だと思っているものは、本当に現実なのだろうか。人は世界をありのままに捉えているのだろうか。おそらくそうではなくて、人はそれぞれ別の見方で世界を捉えていると思う。そして同じものを見ていても、人それぞれ捉え方が違うのだ。カントのこの本は非常に難解だ。もちろん読む価値はある。だからこそ読む価値があるとも言える。時間と空間を重要な要素として、現象とは何かについて考察する。

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    2021年12月31日
  • 純粋理性批判 2

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    非常に難しい。
    理解できたことはほんのわずかだった。

    カントは時間と空間をアプリオリなものとして前提しているが、この前提がまず納得できていな。人間はうまれたときから時間と空間を認識しているのだろうか。成長過程において認識するのではなかろうか。
    今回も書籍の半分程度を中山元による解説が占めている。
    これがなければ、理解は難しい。この解説があっても、ほとんど理解できないのだから。
    人間は、連続した時間を認識して生きている。過去と現在がつながっているものだと認識している。それがなければ、音楽は理解できない。今聴いた音が、次の瞬間には過去になる。その音を記憶したうえで、その次に来る音とのつながりを理

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    2021年12月18日
  • 永遠平和のために

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    宇宙には理性が貫かれている。人間は宇宙の一部なので、人間も理性に従って生きるのが自然だ。欲望や快楽に心を乱されてはいけない。あらゆる人間には等しく理性が宿っている。なので人類はみな等しい。全ての人間は1つのコミュニティに属するべきだ。特定のポリスに閉じこもるな。私はコスモ(世界)の市民だ▼キュニコス派。制度や文化は人為的なもの。動物の生き方が理想。虚飾は捨てよ。自足せよ。ディオゲネス

    実践的な政治家は、国家の問題を考察するには経験が必要だと言い、私のような理論家をアカデミズムの世界の住人だといって見下す。しかし私が実現できそうもない理想を述べても、世間のことに通じている政治家にはなんの影響も

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    2025年04月01日
  • 純粋理性批判 6

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     「超越論的な理想」で神の存在証明の不可能性を論じる第六分冊。超越論的な神学を扱う下りで、初めはカントがID(Intelligent Design)を信奉しているのかと思ったが、よく読むと絶対存在の想定が自然科学の探究のために〈実践的な〉意義を持つ、ということが語られており納得。例え理性が構築した虚構であっても道徳的理念を実践する上での実用的な意義(統制的原理)がある、とする点には目的論と自然科学の調和の必要性を謳ったカントの先見性が垣間見え、流石と思わせる。

     本分冊の神の存在証明のポイントは、存在証明の3類型、すなわち自然神学的な証明、宇宙論的な証明、存在論的な証明のうち、前2者は結局の

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    2021年07月11日
  • 永遠平和のために

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    永遠平和のための3大要件:①常備軍をなくす、②各国における共和制採用、③国際社会における全ての人間の訪問権の確保

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    2021年01月26日