新庄嘉章のレビュー一覧

  • モンテ=クリスト伯(1)

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    中学の時に親が一巻を買って来てくれました。
    それまで日本の歴史小説が大半だった自分の読書歴に転換点をもたらした一冊です。

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    2011年10月07日
  • 椿姫

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    マルグリットがだんだんアルマンを本気で愛してしまうたびに悲恋が重なっていくのが切ない。途中アルマンがクソみたいに思えたけどマルグリットのおかげで美化された…最後の手紙のところで泣きそうになった

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    2013年07月07日
  • 肉体の悪魔

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    若さのエゴイズム、欲望、戸惑い、残酷さ、憧憬、同化し同化される恋愛の心理が余すことなく書かれている。若くなければ書けないし、十代でこんな作品を書いたラディゲはやはり天才である。読めば十代の頃に立ち戻り、願望を満たしてくれる。
    禁じられた遊び「愛のロマンス」のメロディが頭の中に鳴り響く。若き人妻との禁断の恋であるのに背徳観がないのは文体によるのだろうか。

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    2011年01月02日
  • 肉体の悪魔

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    自分の心理を(発見を?)何の常識にも定説にも預けずに描写しきってるの。作品の評価に年齢は関係ないけどやはり天才とは早熟の人をしていうのだと思うよ。ラスト数行でゴゴゴと音がしそうな程強くどうしようもなく流れる時流と諦念みたいなものに巻き込まれるのを感じた。いや「諦念」じゃないか…?うむ。 「自らを責める者の誠実さしか信じないというのは、あまりにも人間的な欠点である。」ドニーズもめちゃくちゃ面白かった。

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    2010年12月27日
  • 肉体の悪魔

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     あらすじだけを言えば、まだ十代の若い男が人妻であるマルトと不倫関係に陥り、最終的にはマルトが不倫でできたと思われる子供の出産のせいで死ぬという悲劇的なもの。この話自体で何が言いたかったのかよく分からないが、内容それ自体よりも、その過程の描き方や心情の分析が鋭く、良い作品にしている。

     この作品は筆者が若干17~18歳の時の作品であるということに驚く。内容や筆遣いがそのくらいの年齢の人物によって書かれたと思えないものである。印象的なのは、婚約し同棲する夫との寝室の家具をマルトと主人公が選ぶところである。主人公は結婚するマルトの夫に対して嫉妬を覚えるが、マルトとその夫の家具の趣味を否定し、彼ら

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    2010年09月19日
  • モンテ=クリスト伯(2)

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    デュマ愛してる!大好きだ~~~!
    と叫びたいくらいどうしようもなくおもしろい。
    特に講談社文庫の新庄訳はテンポがいいからまさにジェットコースター小説。

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    2009年11月03日
  • 女の一生

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    ネタバレ

    最初のあたりは、主人公ジャーヌの少女的な表現の連発にちょっと読むのが大変でしたが、
    そこを越えるとわかりやすい描写でするすると読むことができました。

    全体の3/4くらいまでは、主人公ジャーヌに対して気の毒に思いながらも、
    「全てに対して受身だから、どんどん悲惨な状況になっていってしまっている。幸い資産家の娘なのだし、あまりにも最悪なジュリアンには見切りをつけて、次の幸せを探すべきでは?」と、行動を起こさないジャーヌに対しての怒りもありました。

    でもよく考えてみると、この時代、離婚などは有り得ないことで、
    そもそもそれを考えのひとつに入れられるようには教育されていなかったのだろうと気づき、深

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    2012年08月31日
  • 女の一生

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    フランス文学らしいフランス文学。文字通り哀れな女の一生を描いている。面白い。登場人物も作者も違うのだが、雰囲気が「ボヴァリー夫人」と似ている。

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    2009年10月04日
  • 女の一生

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    山本有三の『女の一生』と読み比べた。どちらも素晴らしい。女の一生には儚い美しさや悲しみが伴っている。恋愛。愛した人の裏切り。出産。子どもの成長と母からの独立。女であるということは、どういうことなのだろうか。女の一生とは、女とは何かを確認していくプロセスなのかもしれない。確実に私もその道を歩いてる気がする。

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    2009年10月07日
  • モンテ=クリスト伯(1)

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    今となっては貴重な新庄嘉章訳。何人もが訳しているが、やはり新庄訳は最高ではないだろうか。現在、『復刊ドットコム』で多数得票の末、復刊交渉中とのことだが、復刊の兆しがないのが残念。

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    2009年10月04日
  • 女の一生

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    海をはじめとする美しい自然の描写と、冷静すぎるほどの人間の描写が印象的。
    この本に出てくる程では無いにせよ、男性特有の冷たさは心当たりある人も多いのでは。しかし女性においてもジャンヌの母も浮気していた様に、結局は人間ってこんなものだよね…という話をジャンヌの目を通じて語っている。
    ジャンヌもそんな風になるかなと思っていたら純粋なままで、最後は彼女の欲しがっていた女の子を抱いて物語が終わる。
    リゾン叔母さんは可哀想で、それゆえの歪んだ部分も見えてとても好き。何か問題起こすかなと思っていたら、そのまま亡くなってしまった。

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    2025年08月30日
  • 椿姫

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    さすが名作と言われる作品である。

    これを単に精神世界と物質世界を対立としてしてしまってはいけない。
    実際には、あくどいお金儲けをする人間が、美しい心を持っていることもあるし、あさましい人間が素晴らしい芸術を生み出すことさえある。
    それでいい。誰か(神?)が良識や道徳で天秤にはかることなんて、できやしない。
    そこに人間の弱さと愚かさと親しみと尊さがあるんだ。

    汚い路地裏の匂い立つ腐臭の中に捨てられた一片の詩に、金満家の心中に潜む良心に、道徳者が抱える歪んだ快楽の中に、そういうことの中に我々は人生の真髄を見出さなければいけない。

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    2025年02月28日
  • 椿姫

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    マノン・レスコーを下敷きにした、娼婦との恋愛話。世間体とか、思ったより古く感じない。
    子のデュマの作品。

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    2024年12月22日
  • 椿姫

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    恋に夢中になる気持ち
    周りの助言から耳が遠くなっていく気持ち
    嫉妬で気が狂いそうになる気持ち
    夜中相手の考えを想像して眠れない気持ち
    プライドを守って相手を傷つけて満足しようとする気持ち
    相手のために苦しみを受け入れる気持ち

    恋にまつわるあらゆる感情をこんなに事細かに描いている小説は初めてでダイレクトに心に届いてくる感じだった。

    頭で考えて固く誓ったつもりでも相手の前に立つと全部吹っ飛んじゃうような感覚、それこそが愛だと信じる感覚、めっちゃ共感

    こんな昔の話なのに今も共感しちゃうって、恋をした人間の行動は昔から変わらないものなんだな。

    また何年後かに読み返したい。


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    2024年02月01日
  • 肉体の悪魔

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    戦時の最中における、少年と若い人妻の性愛

    時代背景や不倫関係などから来る罪深さが、より愛の強さを浮き彫りにする。
    これほどまでに感情の起伏や揺れが赤裸々であるが、生々しい描写が一切ないのに素晴らしさを感じる。

    欲求に純粋であればあるほど、人は非道であり、そこに文学と美しさがある。

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    2023年12月03日
  • 肉体の悪魔

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    これを18の時に書いたというラディゲは天才だ。自分が当時17歳頃に本作を読んだのだがその時は著者の才能に激しく嫉妬した。今読むとまた違う印象を受けるのだろうか?一人暮らしする際に持っていた本を売ってしまったがまたいつか再読したい

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    2023年04月27日
  • 女の一生

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    順風満帆な貴族の娘のジャンヌ。彼女の幸せな少女時代とそこから転落していく人生がひたすら悲惨だった。だからこそ、物語を締めくくる最後のセリフは悲しみを乗り越えていくジャンヌと読者の胸に希望を灯す美しいものだった。

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    2023年04月22日
  • 女の一生

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    これ結構あるあるだったのかな…とおもうとガーンとなるが、
    まあこのくらいてんこ盛りじゃなくても、要素要素はいまでも見聞きするか…

    結婚した女の一生に起こる最悪のあるある詰め放題パック300ページどん!!!!

    逆にこれの反対をいけばめちゃくちゃ幸せになれそうとさえ思える

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    2022年11月11日
  • 肉体の悪魔

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    大学のフランス文学講義の予習で読みました。

    フランス文学は人間の内面を緻密に表象していくのが特徴的ですが、「肉体の悪魔」では感情をどこか俯瞰したような機械的な描写で内容が濃かったです。

    マルトと僕のお互いのバランスの駆け引きが一文で記されたりしますが、何倍も時間をかけてじっくり読みました。

    主人公「僕」もそんな語り方の癖を自覚しているかのように、このように語っているのが面白いです。

    『父の首尾一貫しない行動の理由を知りたいという人のために、僕が3行で要約してあげよう。最初は僕を好き勝手に行動させておいた。次にそのことを恥じて、僕よりむしろ自分に腹が立ち、僕を脅した。だが結局、怒りに流さ

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    2021年04月19日
  • 女の一生

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    思っていたよりは読みやすかった。
    良妻賢母がよしとされる時代の女性の人生について、非常にリアルに感じることができた。
    「夫に恵まれなかった」という考え方はイスラムの物語でも見かけたことがあるけれど、そんなことを理由に自分の人生を振り回されたくないよね。
    フェミニズムの議論の題材にも使えそう。
    読んでそのまま、ではなく誰かと議論したくなる作品。

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    2021年03月10日