新庄嘉章のレビュー一覧

  • 椿姫

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    オペラを観たので、原作も読んでみようと思い立ちました。

    娼婦という職業は、一般的に艶やかな欲望の果て、だらしない低俗なものとして描かれるようなイメージがあります。

    読んでみたら、娼婦なのに気高い女と、ヘタレの極致の青年が世の中に翻弄されている愛の物語という印象が、ヴェルディオペラ版よりも強く感じました。

    あまりにも好きすぎて卒論のテーマにも取り上げましたし、今なお繰り返し読んでいます。
    もちろん、ヴェルディオペラ版を聴きながら。

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    2026年05月10日
  • 女の一生

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    人生は、ままならない。

    ハッピーエンドで終わる物語が好きで、報われない物語に対して毛嫌いをしていた。けれど、人生は不平等で不公平なのが普通であり、その現実を教えてくれた作品の一つでもある『女の一生』は、お気に入りになった。ジャンヌがレ・プープルにやってきた時の夜の思い出に浸っている時、この世界に喜びも幸福もないということがありうるだろうかと訝しんでいる描写が印象的であった。どれだけ辛いことに直面していたとしても、何かしらの過去の嬉しい出来事がいつかの自分を救ってくれる、そんな気持ちにしてくれたからだ。人生にはどうしようもないことがたくさんあるけれど、過去の嬉しい出来事が生きる活力を与えてくれ

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    2026年05月09日
  • 椿姫

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    マルグリットとアルマンの愛は美しい。その美しさに触れることができた喜び。この喜びが読み終わった後の自分を包んでいる。
    「恋ってものは、ほんとに人間を善良にするものなんですねえ!」(p,165)とアルマンが言っているが、その恋に触れさせてもらった側も善良になれる気がした。
    他者に対して怒り狂うときもあるけれど、「相手を想う温かい気持ち」に溢れた小説を読むと少しでも長く生きてみたいと思える。

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    2026年05月06日
  • 椿姫

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    「あたし誓って言うけど、だれにだってあたし、あなたにほど早く身を任せたことなんかなくってよ。/あたしを心から哀れんでくだすったたったひとりの方だからよ」

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    2026年02月23日
  • 肉体の悪魔

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    この悲劇は主人公自身からよりも、四囲の状況から生れたものである。ここには、戦争が原因の放縦と無為が一人の青年をある型に入れ、一人の女性を殺しているのが見られるであろう。このささやかな恋愛小説は告白ではない。一層それらしく見えるところにおいては、とりわけそうではない。自らを責める者の誠実さしか信じないというのは、あまりにも人間的な欠陥である。
    ──レイモン・ラディゲ

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    2026年02月21日
  • 椿姫

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    あなたはアルマンを愛していてくださる。それならばそれで、その証拠を伜に見せてやっていただきたい。その証拠を見せる方法は、まだ一つだけあなたに残されている。それは伜の将来のために、あなたの恋を犠牲にすることです。今までのところべつになんの不幸も起こってはいないが、しかしいずれは起こるようなことになる。しかもそれは、わたしの予想するよりもさらに大きな不幸であるかもしれん。

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    2026年02月16日
  • 椿姫

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    なんだか、女という生き物は、本当に可愛くて可哀想だな〜わたしも女だけど
    外から覗かせてもらう分には悲恋は読み応えがあるけど、この子が最後どんな気持ちで天井見て息引き取ったかと思うと、胸がぐーっとなりますね

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    2026年01月20日
  • 女の一生

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    この作品好きすぎる…!モーパッサンの人生における現実を浮かび上がらせる残酷なまでの冷徹な観察眼と、直接そうとは表現せずとも登場人物の心情の奥底まで読者の心に突き刺してくる表現技術によって、長編とは思えないほどあっという間に引き込まれ一夜で貪るように読破してしまいました。

    はじめ完璧な男性に見えた夫ジュリヤンが、新婚旅行の最中から徐々にそのケチで小狡い性格を露呈していく描写のなんと面白いこと!それに対し、あれほど夢見がちにジュリヤンに恋していたジャンヌにその存在を「赤の他人」を言わしめるほど諦めに満ちた冷めた感情のなんとリアルなこと!

    劇的な展開に引き込まれる作品でありながら、母親に裏切られ

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    2025年02月17日
  • 肉体の悪魔

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    248P

    レーモン・ラディゲ Raymond Radiguet
    生年:1903年
    没年:1923年
    フランスの詩人・小説家。風刺画家を父として、パリ郊外に生まれる。幼少期は成績優秀な生徒だったが、長じて、文学に傾倒。14歳で『肉体の悪魔』のモデルといわれる年上の女性と恋愛関係となり、欠席が増えて退学処分となる。退学後、詩人のジャコブやコクトーと出会い、処女長編小説の本作で文壇デビュー。ベストセラーとなる。その後もコクトーと旅をしながら『ドルジェル伯の舞踏会』を執筆するが、1923年、腸チフスにより20歳の若さで死去。

    肉体の悪魔
    by ラディゲ、江口清
     ある人たちにとっては不幸なことが、

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    2024年10月29日
  • 女の一生

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    風景描写が素晴らしかった
    目の前にその光景が広がるようで、まるで見たことのある景色のように感じる。
    海がみたくなった。
    ジャンヌが夢見心地から現実を知る時が来た時はつらかった。
    結婚するような年までそういったことに全くの無知であることは、恐ろしい事だと思う。

    愛したひとからの裏切り、不信続きの人生だが、孫娘とロザリによってこの先は幸せに生きられるのか。
    叔母の最後の登場がいつか思い出せない。
    でも読み返してまでいつだったかを確認する気もおきない。 いつの間にか一読者である自分さえも叔母を軽んじている不思議

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    2024年01月15日
  • 椿姫

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    ネタバレ

    相手のために関係を諦めるストーリー。

    読んでいてもどかしくなる瞬間が何度もあった。マルグリットの愛は本当に深くて美しいし、切ないし、なんだか気高いものに感じた。

    恋愛小説を選ぶ時だけは、純粋なハッピーエンドの話よりも、うまくいかない結末の方がなぜか惹かれてしまう。不思議。

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    2022年12月22日
  • 女の一生

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    ネタバレ

     今となっては個々人が独立して自由に生きている印象が強いフランスにも、女性が自分の意志では何も決められない時代があったんだなあと、最初から最後までなかなかの衝撃を受けながら読んだ。一回では物足りなかったので読み終わってすぐ二周目に突入。さすがフランス人、事あるごとに接吻するなあと思って「接吻」というワードを最初から全部数えてみたら77回だった。言うほど多くなかったジャンヌ。
     思春期のほとんどを学校にも行かず家と修道院で過ごし、修道院を出た直後にほとんど何も知らない相手と結婚。最初感じた熱烈な恋に落ちたような感覚は所詮幻想で、度重なる夫の不貞で結婚生活は早々に破綻。一人息子は家族総出で甘やかし

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    2022年10月20日
  • 椿姫

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    背景にある社会問題と絡めて読まなくとも、十分に恋愛小説として楽しめる一冊ではないでしようか。
    もちろん、背景を探ることで深みが増すのは間違いありませんが。

    生涯遊び人であった父親の息子が書いた小説と聞くと、納得もできますね。父親が「説教が多い」と言ったのも頷けます。

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    2022年08月10日
  • 椿姫

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    アルマンの直向きなアプローチが叶ってついに街1番の美女と恋仲に。
    しだいにアルマンからの愛情によって奔放な暮らしを改め療養のためにも質素な2人の生活を望むようになるマルグリットの心の移り変わりもおもしろかった。
    後に手紙の内容で明かされることになる、堅実なアルマンの父とマルグリットの掛け合いのシーンは涙が止まらなかった。
    オペラ椿姫よりもずっと濃い内容でよりマルグリットという女性を知り、感情移入できたので原作を読めてよかった。

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    2022年06月07日
  • モンテ=クリスト伯(5)

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    長編だったが、どんどん先が気になり、飽きずに完読。4巻から伏線を回収していき、いよいよ復讐完了の5巻は早く先が知りたくてすぐに読んでしまった。この本の主題はキリストの教え。モンテクリスト伯という題名である理由がわかった。

    何十年も前の訳なのに、全く古臭さを感じずに読むことができる新庄訳は素晴らしい。この翻訳本がもっと現代でも広まれば、外国文学読者の裾野が広がるのではないか。

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    2020年07月19日
  • 肉体の悪魔

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    一般的な恋愛物語ではないと思わせる様な文体。16歳とは思えないほどの思慮が成熟した主人公が歳上女性を愛していく様を描いている。勿論思慮が未熟であるとも取れるが、文体のみで主人公の気持ちを想像するのであれば、常識的な世間批判からも苦しめられ、非道徳と道徳を常に真面目に考えている主人公の葛藤が描かれている。それを読者が肉体に取り憑かれてしまっていたと結論付けて了えば其れ迄であるが、愛するが故にマルトに対する姿勢や言葉が冷徹になりエゴイズム化していく様は、人間誰しもが持っている愛情の裏返しである。
     愛しているが故にマルトに自己を投影させ類似性を探っている主人公の想いが何とも可愛くなってくるのは私だ

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    2020年04月05日
  • 椿姫

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    読書会をきっかけに読んでみました。タイトルしか知らなかったし、あまり興味もなかったのですが、読んでよかった一冊です。恋愛について忘れていたものを思い出しながら読んだり、時代背景を想像しながら読むのはとても楽しかったです。後から後からじわーっとくるものがあります。
    お話の展開もすごくよいです。マルグリットの最初の登場はとても印象的でした。

    読書会では、いろんな人の感想もまた面白くて、この読書がとても充実されたものとなりました。
    また、「椿姫」のつながりで読みたい本が続々と出てきました。読んでいこうと思います。

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    2019年12月04日
  • 女の一生

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    「朝ドラ」ことNHK『連続テレビ小説』題材によくある
    「波乱万丈な女性主人公の半生」もの
    小説分野でいうなら女性が主役の教養小説
    というものの古典
    フランスの田舎の田園に生きたある女性の半生
    書かれたのは1880年くらい
    なので「女性」というものの扱いが現在とはいろいろ違うと思われる
    題名の『女の一生』は大正二年に和訳されたとき付けられたらしいが
    現在だったらこの題名にはならないのでなかろうか
    「女性の生涯とはだいたいこのようなものであるとして、作者から客観的に外からながめられている」
    というように解説には書いてある
    ほほう

    「朝ドラ」のようなものは小説の分野でいうなら何にあたるのだろうか

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    2018年12月08日
  • 椿姫

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    あなたが世間となって人を殺したりしませんように。
    そして、愛情は必ずしも綺麗な丸いかたちをしてはいないのです。
    娼婦のマルグリットと、その彼女の全てを愛したアルマン。二人はお互いで、愛を知りました。
    しかしマルグリットの快く思われない身分のために想い合う二人は引き裂かれます。しかも、彼女が全ての罪を引き受けるようにして。
    行うことに清浄も穢れもありますか?
    何かを行動するとき、そこに想像はありますか?

    そんな問いかけが静かに心に沈みます。

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    2017年11月27日
  • 女の一生

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    世間知らずのお嬢さんが、女という魔物(!)に成長していくまでを克明に美しく描いている。ジャンヌに、目も当てられない悲劇が次々降りかかって来ても、男どもがどんなに馬鹿で愚かしくっても、そんなのどうでもいいんですよ!女って強いってか底が知れないんです。泣いて打ちひしがれてそんなの抱えたまま達観しちゃってなんかうまく説明できない…。モーパッサンには身近な観察例がいたんだろうか。なんでこんなのかけたんだろう。そして最後に付け加えるのは、男と女ってどうしてこうも同じ方向見ていることが難しいんでしょう、ってことです。

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    2016年08月09日