清水由貴子のレビュー一覧

  • 三年間の陥穽 下

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    〈グレーンス警部〉シリーズ。毎回のことではあるけれど、このシリーズで描かれる犯罪やその奥にある人間の欲の重苦しさに疲れてしまう。今作は小児性愛がテーマとしてあって、そこにいる犯罪者たちの言動、行動に強い嫌悪感を感じながら読みすめることになる。小児性愛者たちのなかに潜入するピート・ホフマンの葛藤、子を奪われた親たちの絶望感と救いが見つけられない展開が続き、ラストまで一気読み。

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    2023年06月05日
  • 三年間の陥穽 下

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    小児性愛者の会合に潜入するためホフマンはアメリカへ向かう。グレーンス警部は世界8カ国の警察と共に、ホフマンからの連絡を待っていた。だが、犯罪組織リーダーの狡猾な罠にはまり素性を暴かれてしまった。ホフマンは薬をもられ、身体の自由を奪われてしまう。果たしてホフマンは、一斉逮捕の時間までに、リーダーの正体を暴くことができるのか。そして、最後にグレーンスがたどり着いた驚愕の真実とは。

    テーマがテーマなだけに、えぐい描写があるかと覚悟していたが、節度が保たれていて一安心。

    しかし、この分量で上下巻合わせて3,000円プラス消費税。10年前の2倍ぐらいか。お財布には優しくない。いろいろな要因があると思

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    2023年06月04日
  • 三年間の陥穽 上

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    子どもの人身売買を防止する団体に届いたのは、全裸で犬のリードを巻かれた少女の写真だった。グレーンス警部は、写真の手がかりを元にデンマークへ向かう。そこで明らかになったのは、ダークネットを通じた世界8カ国、21人にのぼる小児性愛者の存在だった。一斉逮捕のためには、グレーンス警部が小児性愛者を装い、ネット上でリーダーと接触する必要があった。残されたのは24時間。

    グレーンス警部シリーズ第10作。今回は身内からの支援がほぼなく、ピート・ホフマンの協力もなかなか得られないのだが。

    下巻に続く。

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    2023年06月02日
  • パードレはそこにいる 下

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    裏社会との関係性、夜の逃亡劇のくだり、場面場面の登場人物の反応など、所々でハリウッド的なステレオタイプを感じさせるものの、基本のアイデアはユニークで素晴らしく、最後まで飽きることなく読めた。
    ただ、このネタならもっと面白く書けても…という思いもあり、星5つとはしなかった。偉そうなことを言わせてもらえば、アイデアに筆力がついていってない状態ではないかと。マンガでいうなら、原作者の素晴らしいストーリーを平凡な作画・演出(下手ではない。プロとしての実力は十分)で読まされてる感じ。

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    2022年10月27日
  • 三時間の導線 下

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    グレーンズ警部のシリーズだとは知らず、パウラ(ピート・ホフマン)のシリーズだと思っていました。
    常に用意周到な男、ピート。
    必要とされることが、人生に大きな意義をもたらすものなのですね。
    善行をしていると信じていた彼も気の毒でした。
    ピートには家族でゆっくり過ごしてもらいたいものですが、まだシリーズは続くようなので申し訳ない気持ちはありますが楽しみです。

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    2022年07月26日
  • 三時間の導線 上

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    「三秒間の死角」「三分間の空隙」に続く物語。続きがあるのは嬉しい半面、せっかく家族の元に帰ったのに…という思いもある。どうか無事で…!
    下巻へ

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    2022年07月19日
  • パードレはもういない 下

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    ネタバレ

    (上巻より)

    個人的には、
    前作、前々作を読んでから時間が経ってしまい、
    細かい内容を覚えていなかったのが残念。
    これから読む人は、3作品続けて読むか、
    読み返してから読んだ方がいい。

    田舎の警察署長が、
    コロンバに呼び出され、
    世界中が死んだと思っているダンテと
    ダンテを救うために自分の鼻を殴って砕いたコロンバと同席している
    非現実性に思わずバーボンを頼んでしまった場面は面白かった。

    ダンテが「一緒に来ないか?」と勇気を出してコロンバに言ったラストも良かった。

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    2022年03月24日
  • パードレはもういない 上

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    ネタバレ

    「パードレはそこにいる」の完結編。

    ぐでたま。
    まさか、その名前を海外ミステリーの中で見るとは思わなかった。
    しかも、またもやさらわれたダンテが体の自由を奪われた時に、
    瞑想をする代わりにぐでたまが穴を通り抜ける姿をイメージするとは。
    特に好きなキャラクターではないが、
    もっと可愛い登場の仕方はないのか。

    コロンバはレオに刺され、ダンテをさらわれたことから、
    自暴自棄に近いひきこもりの生活をしていた。
    そこへ雪の中、血まみれの青年が現れ、
    両親は殺されていた。
    この青年も「パードレ」に囚われていたのか。

    ダンテが救出されるまでは、かなり重苦しい展開で、
    しかも救出後もまた大量殺人が起きて

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    2022年03月24日
  • 甘やかな陥落

    ネタバレ 購入済み

    縁組の聞き取り調査のような事を得意とするお嫁に行き遅れのヒロインが、それで破談になったヒーローに責任を感じ彼のお嫁さん探しを協力する事になります。
    代々家伝わるパワーストーンのお話しや、殺人事件のサスペンスも絡み合って、筋は変化があって面白かったです。ただ後半に出てくる親戚一同巻き込んでの犯人探しの場面はちょっと読みづらかったです。

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    2022年03月18日
  • 見捨てられた者たち

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    犯罪組織の一員の父を持つレオと銀行員の父を持つマルチェッロ。この二人の数年間の交流とその後の長い年月。育った環境が違う二人が過ごした数年の時間がとても良くて犯罪に手を出したり恋をしたり。その二人がその後どうなっていくのか。二人の父親の生き方が後々まで子どもたちに影響を与えていく。淡々と語られている物語だけれどそれが味わい深いものを与えてもいてとても好みな空気がある。アメリカや北欧などに比べればまだまだイタリアの小説は少ないけれどもっと読んでみたい気にさせてくれる。

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    2022年02月01日
  • 三時間の導線 上

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    スウェーデンのミステリー。
    遺体安置所に収容していないはずの遺体が増えていた。
    難民受け入れビジネスとの繋がりか。
    アクション色あるが、社会派の一面もある作品。
    北欧特有の暗さがあまりないのも特徴

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    2021年11月25日
  • パードレはそこにいる 上

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    3部作の1作目。
    珍しいイタリア発のミステリ、迫力あります。

    コロンバ・カセッリは機動隊副隊長の有能な女性だが、休職中。
    子供が失踪した事件の捜査に呼び出されます。
    ダンテ・トッレは、失踪人捜索専門のコンサルタント。
    自身が幼い頃に拉致され、監禁されていた過去がありました。
    現場で、ダンテは戦慄を覚えます。
    そこには、かって自分を誘拐した「パードレ」の影が…

    コロンバは32歳、彫りが深い顔立ちで筋肉質のたくましい女性。
    ダンテは長身で、「デヴィッド・ボウイにちょっと似ていて、もっと痩せている」って、どんだけ痩せてるの~?
    つまり肉体的に頼りになるのは、コロンバの方。
    最初はぎくしゃくするが

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    2021年11月11日
  • 三時間の導線 上

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    『三秒間の死角』『三分間の空隙』に続く作品。

    いやぁ、あっという間に引き込まれますね。一気に読んでしまいました。

    定年間近なはずなのですが、グレーンスがパワフルに動き回ります。

    そして、ピート・ホフマン。もう、堅気の生活を送っていたんですが、グレーンスに頼まれ、またも・・・

    上巻は、まだ話のとっかかり。下巻で、どういう風に話が進むんでしょう?

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    2021年08月18日
  • 三時間の導線 下

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    読み進めるうちに、ハラハラドキドキ感が高まった。昨日、グレーンス警部を老害と書いてごめんなさい。結果はどうであれ命を張ってホフマンとの約束を全うしようとする姿勢に再びファンになった。初の単独著書になったが読み続けると思う。

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    2021年07月26日
  • 三時間の導線 下

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    西アフリカ。現在は民間警備会社に所属している「その男」のもとに、グレーンス警部が来訪する。ストックホルムの奇怪な大量殺人事件の闇を暴くことは彼にしかできない。真相究明を託された男はまたも危険な組織の懐へと身を投じる。自らに課した使命を達成するまでの刻限は、たった三時間。その導線に今、火が点けられた!

    その男、ピート・ホフマンはともかくとして、グレーンス警部がここまで大活躍するとは思いませんでした。

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    2021年05月03日
  • 七つの墓碑

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    ただでさえ馴染みの薄いイタリア人名に加え通称が入り乱れて出てくるので、読み進めるのにちょっと苦労したが、楽しめた。過去の事件についての落とし前のつけかた #ナポリ・ミラノ・ジェノヴァ・リンツ

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    2021年02月21日
  • パードレはそこにいる 下

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    二転三転する展開が王道サスペンスだった。そして、最後の最後にまた1つ謎を残すのも憎らしい。続編がある事を知らなかったら、すごくモヤモヤしたと思う。面白かった。

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    2021年02月02日
  • 七つの墓碑

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     ミステリとは新人としても小学校教師である婦人との共著で何作もジュニア向け小説を出し、そこそこの評価を受けている現役の刑務部主任警察官という経歴は、気にならないではいられない。本書は、刑務所で始まり、凄惨な犯罪現場に舞台を移す。連続殺人事件の予告とも見える七つの生きている人間の墓碑。マフィアの抗争とも見られる墓碑銘のメンバーたち。

     その中の一人が長い獄中生活にピリオドを打つ直前に火ぶたを切ったこの連続殺人事件。出獄者であるミケーレが語る現在と暗い過去の交錯。もう一方では連続殺人事件に臨むベテラン刑事だが孤独な中年男でもあるロブレスティの屈折した視点で進む捜査状況。

     イタリアならではのマ

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    2020年05月09日
  • パードレはそこにいる 下

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    変転する”パードレ”とせめぎあい。
    身を潜めていた"パードレ”が姿を現す。
    最後の最後まで、変わっていくストーリーに翻弄される。

    読み直すとさらに面白くなるような気がする。

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    2020年02月09日
  • パードレはそこにいる 上

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    細い細い糸をたぐり、途切れても、細い細い糸を手繰り続ける。それにつれて、事件も広がる。
    過去の事件が原因で心に傷を抱える二人が、衝突を繰り返しながら、協力して真相に迫る。

    ダンテのキャラクタは、これまでにない感じ。

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    2020年02月09日