清水由貴子のレビュー一覧
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終わったー!!
パードレがついに完結んんんん!
長かったよ〜三部作長かったよ〜
ダンテくんもコロンバも相変わらずで、そして少しばかり進歩していてよかった。
少し前作から時間が空いて忘れてる部分もあったから後でギルティネも読み返そうかな。
そしてなんだかレオくんが可愛そうだったな。
『パードレ』は第一作で死んだにも関わらずこうしてラストまでその存在でダンテやコロンバだけでなく読者をも恐怖におとしいれる。その悪は、殺しても捕まえても破壊しても次から次へと形を変えて、やってくる。
それはまるで現実世界への風刺のような。
二人の物語はこれで終わりだけれど、ダンテくんとコロンバがあーだこーだ言いながらコーヒー飲んで笑う日が続きますように。
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サンドローネ・ダツィエーリ『パードレはもういない 下』ハヤカワ文庫。
第1作の『パードレはそこにいる』から始まったサイコミステリー三部作の完結編。
ダンテがギリギリの状態から生還し、コロンバと共に『パードレ』事件の全貌を明らかにするという、まさに完結編にふさわしいストーリー。ダンテもコロンバもこれ以上無いというくらい傷付きながら、事件の真相へと辿り着く。
誰も信じてはいけない……
個人的にはこの三部作はいずれもミステリーランキングの上位に入ってもおかしくないと思うのだが、前の2作がランキングに掠りもしなかったことを思うとこの完結編もランキング外になるんだろうな。しかし、泥々したサイコミステリー好きには自信を持ってお薦めしたい三部作である。
本体価格1,000円
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サンドローネ・ダツィエーリ『パードレはもういない 上』ハヤカワ文庫。
三部作の完結編。第1作の『パードレはそこにいる』の衝撃度は語り尽くせない。そして、結末がスッキリしないままに唐突に終った第2作『死の天使ギルティネ』。本作はいよいよ『パードレ』と『ギルティネ』、『レオ』、『ダンテ』の謎が明らかになり、行方不明のダンテと引退したコロンバの運命が描かれるのだろう。
第1作を凌ぐほどの面白さ。相変わらずコロンバは酷い目に会い続け、『パードレ』の一連の事件には壮大な陰謀があることを匂わせながら、いつレオが牙を剥くのかという恐怖を感じるうちにストーリーは進む。
ダンテは生きているものの未だに行方不明。引退したコロンバは自宅の敷地内で血塗れの自閉症の青年を発見し、背後に『パードレ』の陰を感じる……
本体価格1,000円
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ネタバレ上巻は、ダンテとコロンバが別行動したり、警察内の軋轢描写なども多かったのだけど、下巻に入ると二人の犯人追跡行がメイン。そこに”サボテンブラザーズ”、新たな敵・味方、そしてギルティネが絡んで物語が一気に進む。
ギルティネは、同じ監禁時代を過ごしたダンテの表裏一体の存在であり、同時に同じ陰謀の犠牲者でもあることを示唆しながら物語は過去にもおよび、ますますストーリーが膨らみ、前作ラストに現れた”弟”の存在もついに…。
これ3部作らしく、ギルティネとの攻防は片が付くものの、大きな陰謀や弟の存在は次作に続く、で終わって、これはこれで十分読み応えがあったものの、早く次を読みたい!
下巻はテンポが良いし、ダンテとコロンバのテンポの歯切れ良い会話も堪能できるし、二人の関係変化の機微も横糸として描かれ、ドラマも分厚くなる。
毛色や舞台は違うものの、話の膨らませ方や個性溢れながらも魅力あるキャラ達は、どこか「ミレニアム」3部作にも通じる。
映画化するなら、ヒロインはガル・ガドットとかが良いかな? -
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ネタバレ今回も過去と現在が並行しながら物語が進む。特に過去編は前回はトッレの悲惨な生活だったが、今回はその逆の様で、被害者ではなく犯人の過去。
その犯人が仕掛けたのが列車テロ。冒頭のテロのすさまじい描写は前作の”爆破”シーンをほうふつとさせる。
犯人を追うのがコロンバとトッレというのは同じで、今回も警察上層部からありとあらゆる横やりが入ってくる中二人の捜査が続く。
前作と違うのは、コロンバに男性の陰が見え隠れするてんと、”サボテンブラザーズ”の登場。この3人組のキャラがなかなかいい。
テンポが良く視覚的に派手な場面が続く展開はまるでサスペンス映画の様で、ローマのように絵面がいいところだけに是非映画化してほしい。
さて、下巻の展開はいかに? -
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ネタバレ色々凝った設定はあるものの、上巻を読んだ限りでは、サイコサスペンス調の展開であり、幼児連続誘拐監禁事件の犯人を追う、心に傷を負った警官と元被害者、という構図で話が展開すると思っていたら、下巻冒頭の軍隊シーンで一気に煙に巻かれてしまった。
そこからの展開はことごとく意表をついてきて、そもそも誘拐の動機が全く違っていて、まるで”Xファイル”調の動機であること、事件を追っていた二人が、今度は濡れ衣を着せられて警察から追われる立場になり、さらにはその捜査の過程でダンテ自身の出生自体が謎に覆われていると言う急転直下の展開・・・、う~ん、実に鮮やかで見事。
次々と関係者が登場して、わかりにくいイタリア姪という事もあって、ストーリーの整理?に苦労するが、ラストまで一気に楽しめた。
しかも最後の最後で次作に繋がりそうな謎が。
さて、続編にいつ出会えるか?
それまで他の作品も出版してくれたらいいのに。 -
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ネタバレ先日までドイツ物を読んでいたが、今度はイタリア。
ということで相変わらず名前が覚えずらいが、ドイツよりはましかな?
しかし、内容は面白い。とてつもないトラウマを持った女刑事と失踪人を探すプロ。二人が連続児童誘拐犯を追うというストーリー展開だが、何より二人のキャラが良くできているうえ、会話もユーモアをまぶしながらも歯切れが良い。トラウマ描写もスパイスになる程度で物語の足を引っ張っておらず、誘拐犯との知恵比べが次々に展開されて、テンポも良い。
凝った構成にも引き込まれるし、作者の描写力も視覚的にも迫力があって、”爆破シーン”の描写なんてすさまじい。
いよいよ犯人像が浮かび上がって情感は終わるが、下巻はまだヒネリがあるんだろうなぁ。
楽しみ! -
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正直なところ余り期待していなかったのだが、上巻を一気読みした程のものすごく面白いイタリアン・ミステリーだった。
ある出来事をきっかけに休職に追い込まれた女性捜査官コロンバと、少年時代に誘拐犯に監禁され続けた過去を持つ失踪人捜索コンサルタントのダンテの二人が、ローマで起きた女性の惨殺と彼女の六歳の息子の失踪事件を追う。
早々にダンテの壮絶な過去は明らかになるのだが、コロンバが休職に追い込まれた理由はなかなか明かされない。その理由も気になるのだが、次々と驚きの展開を見せる女性の惨殺と六歳の男子の失踪事件からも全く目が離せない。
これは絶対にお勧めの海外ミステリーだ。 -
Posted by ブクログ
無国籍のエンターテインメント大作『六人目の少女』で凄まじいデビューを飾ったイタリア人作家カッリージの長編第二作である。のっけからあれほどのアイディアを詰め込んでしまった彼が、第二作をどのくらいの意欲と自負とで書き始めたのか想像もつかないが、大抵の作家であればあのデビュー作を超える二作目というだけで、恐怖に震えそうだ。
そうした周囲の期待を背負って作り上げねばならなかった本書は、作者がそうした期待にしっかりと応えるこれまた印象的な作品であり、さらに作者があとがきで書いているように、二つの大きな興味深い題材を何としても小説化したかったという確かな動機に支えられて生まれたものであろう。
二つの題材の一方は探偵や諜報員のように動くバチカン内部の捜査官たちの存在である。法に縛られず、時には処刑さえも行う内赦院所属の<闇の狩人>たち。さらにデータベースとして実在するらしい罪の記録保管所で分析される悪の記録。こうしたものが小説の中では教会の送り出す追跡者たちという存在として浮き彫りにされる。
もうひとつの題材は、生物変異型の連続殺人犯、というまるで映画『遊星からの物体X』のように、殺人の獲物になりすまして生き続ける存在である。映画と違うのは、捕食者がエイリアンではなく、あくまでも人間であるということのみである。その存在はとてもわかりにくいものだが、小説内のあまりにも目立つ伏線によってじわじわとにじみ出てくる恐怖や悪寒そのものと言ってよさそうな嫌悪すべき存在である。
善と悪の代表型のような以上二つの存在の対立が、物語中で大きくツイストをすることで、ものごとは見たままのものではなくなり、より深い部分を見つめなければ真実が見えない構造として作品全体の迷宮性はさらに強烈に読者の眼をくらまそうとする。
この作家は小説構造を最初に建築学的に設計するところから始めるタイプの人なのかもしれない。そのくらい精密な計算された物語のパズルで全体が見え難くなっているために、一作目も二作目もスリリングで謎に満ちているのだ。
この凄腕のストーリーテリングは、巻末最後の一行まで続いてゆく。続編があってもおかしくはないほどだが、やはり続編はいやだなあと鳥肌が立つあたりで、本書の存在感が改めてぞわりと感じられるほど。犯罪小説の好きな方、犯罪という人間のある断面を見つめて、新たな物語の地平に驚きを発見して頂きたいものである。