萩原朔太郎のレビュー一覧

  • 乙女の本棚2 猫町

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     乙女の本棚シリーズから、萩原朔太郎さんとしきみさんのコラボ作品の「猫町」です。このなんとも不思議な印象を抱かせる表紙、これもまた期待できそうっ♪

     主人公は、耳の三半規管の疾病によるものか、薬物による影響か、よく道に迷う私…。迷い込んだ先には別世界が広がる…。ある日、温泉場に逗留していた私は、猫神に支配され住民は魚しか食べない地域があるらしいという言い伝えを聞くが…気に留めることなく、迷い込んだ町は居心地のいい洗練された風情のある町並みと、温和で満ち足りたように見える住民…それが一変し、どこを見ても猫だらけの猫町に…!!思わず驚愕したが…次の瞬間そこには見慣れたいつもの町並みが…。一貫し

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    2023年07月13日
  • 乙女の本棚2 猫町

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    「猫町」という作品自体がとても好きだと感じたのだけどそれだけではなくて、巻末エッセイの最果タヒさんの言葉にも惹かれた。


    言葉を読むあいだ、遠いものと近いものとがぐるぐると回転をしながら目の前を通り過ぎていくような感覚に溺れる。

    自分の体内に消化が難しい食べ物が急に飛び込んできたような感覚。

    知っている、とすら思い、自分の「知っている」という感想に、あとでちょっと首をかしげる。

    そんな経験はないのに、そんな経験を思い出したような心地がした。
    描写された音もされない音も、私には聞こえているとどうしてか思いこんでいて…

    読書っていうのは言葉を追いかけ回すことではないのかもしれないな。

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    2023年01月16日
  • 永遠の詩07 萩原朔太郎

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    萩原朔太郎の詩集ですね。
    萩原朔太郎の詩集を見たのは久しぶりにでしたが、飄々としたイメージがあったかのように感じていたのが、一変しました。
    森鴎外も認めた才能は確かだと思います。今の時代に読んでみてもさほどの古さを感じないように思います。
    解説の高橋順子さんも「近代詩と現代の、美果がともにみられよう。」と述べられています。
    朔太郎は『詩は人間の言葉で説明することの出来ないものまでも説明する。詩は言葉以上の言葉である』と《月に吠える》の序文で語っています。
    読んでいてかなり内省が激しく、時として無力感の投げ出しのような言葉で綴られて虚無感を感じさせられます。が、美しい言葉使いもあり、詩の表現にか

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    2022年12月18日
  • 乙女の本棚2 猫町

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    不思議なイラストと共に名作を読む、乙女の本棚シリーズは気になっていましたがやっと読めた!1回でなかなか理解できなかったが、とても面白かった。

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    2022年04月09日
  • 乙女の本棚2 猫町

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    萩原朔太郎さんもっと読みたいなあ。しきみさん絵はとてもすきだけど、文章にアニメ塗りはあまりしっくりこなかった。

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    2021年04月19日
  • 悪魔 乙女の本棚作品集

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    イラストレーターのしきみさんが乙女の本棚シリーズで描いた作品を集めた画集。
    全部で6作品収録だが全文収録は芥川龍之介の「悪魔」のみ、他は抜粋して収録している。
    悪魔は初めて読んだが短い文章になんとも言えない感情を詰め込んだ作品。イラストの宣教師と悪魔との対比が良かった!

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    2025年10月08日
  • 乙女の本棚2 猫町

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    ネタバレ

    乙女の本棚シリーズ。
    萩原朔太郎は初めて読んだ気がする。小難しい言葉や言い回しが多いかなという印象。

    普段見慣れている景色でも、場所や方角や時間帯等その時の状況によっては全く未知の場所に来たように感じる不思議な感覚。
    私も子供の頃に家から割と近場で迷ったことがあるからその感覚はわからないでもない。
    でもこのお話についての猫の町は果たして実在したのか幻なのか…?
    作者が元々麻薬を常用していたり上記のような近場での迷子もよくあったといったことから考えるとまた幻覚でも見たのではと一蹴されるのがオチだろうけど、
    同じものでもみる視点を変えることで受ける印象がガラリと変わる多面性に関して言うなら、一見

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    2025年07月10日
  • 乙女の本棚2 猫町

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    乙女の本棚シリーズ。
    この作品も、作者も今回初めて知りました。

    いつもの風景が、全く違う場所のように見えるという感覚。分かるような、分からないような…。しきみさんのイラストが、作品の不思議さ、怪しさを増加させています。

    一体どういう事だったのか?不思議な気持ちが残る作品でした。

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    2025年06月30日
  • 乙女の本棚2 猫町

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    私もかなり方向オンチだ。だからいつか猫町にいきたいな。

    それらの話や会話は、耳の聴覚で聞くよりは、何かの或いは柔らかい触感で、手触りに意味を探るというような趣きだった。

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    2025年06月14日
  • 詩集『青猫』より

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    乙女の本棚シリーズの一冊。
    中原中也よりはわかる言葉が多い。が、言葉がわかっても共感できるかは別。どうやら朔太郎とはあまり合わないようだ。いや、詩というジャンルが合わないのかもしれない。
    乙女はこの本を詩集として楽しむことができるのか。画集として楽しんでいるのか。
    このシリーズ、他にも詩集があるが、読むかどうか迷うところ。

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    2025年06月08日
  • 二魂一体の友

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     萩原朔太郎、室生犀星いずれも昭和前半期のビッグネームだが、これほどまでに深い友情で結ばれていたとは知らなかった。詩はほとんど読まないので、室生犀星が詩人として出発したことすら知らなかったし、『抒情小曲集』としてまとめられる詩を読んで朔太郎が感動し、ファンレター的な手紙を出して交わりを求めたことなど、本書で初めて知った。

     本書では、犀星との交流や犀星論を語る朔太郎の文章と、犀星が朔太郎との交流や朔太郎の性格などについて語った文章、それぞれの詩集に寄せた序文などが収録されているが、お互いの性格が文章から窺われるところが読み比べていて愉しい。殊に朔太郎の犀星に寄せる文章が実に熱いのに対して、犀

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    2025年05月21日
  • 乙女の本棚2 猫町

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    乙女の本棚シリーズ。シリーズ名に乙女のとあるわけで、乙女が読めばそのよさを感じるのだろうが、残念ながら乙女でもなんでもない自分には、文章だけのほうがよかったかもと思ってしまうのであった。これは、本のせいではない。最初から「乙女の」って謳っているのだから、乙女でもないのに手に取った私の責任です。乙女がこのシリーズから日本文学に興味をもってくれたら、それでいい。教科書から文学がなくなっていく傾向にあるなか、「乙女の本棚」が果たす役割は決して小さくはないぞ。

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    2025年05月06日
  • 乙女の本棚2 猫町

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    道一つ、曲がり角一つ違うところにある異世界。そういや、昔ほんの気まぐれでいつもと一本違う道を自転車で通ってみたことがあったな。ただ遠回りしただけで終わったけれど。静かな街の描写に、ちょっと行ってみたくなったけれど、大体この手の”異界”はロクな目に合わないからなぁ…。一瞬垣間見えるだけ、くらいがいいのかも。私のような凡俗人間は。
    「私がそれを「見た」ということほど、私にとって絶対不惑の事実はない」という一節。その通りだと思う。自分で見たものくらい信じたいよな。

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    2025年03月14日
  • 乙女の本棚2 猫町

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    現実か頭の中だけの出来事か分からなくなる
    不思議で綺麗で張り詰めた危うい世界に迷い込む話だった

    しきみさんの絵も幻想的で美しくより世界が曖昧になる

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    2025年02月28日
  • 悪魔 乙女の本棚作品集

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    しきみさんのイラストは、シンプルだけど可愛くて、怪しさもあり、どこか不安も感じる。しきみさんのイラストを見ながら古典文学が読める「乙女の本棚」シリーズは贅沢でとても良い企画だと思います(もちろん他の方がイラストの本も素晴らしいです)。

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    2025年01月13日
  • 乙女の本棚2 猫町

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    口語自由詩の完成者(国語便覧より)
    萩原朔太郎文学忌、死因は急性肺炎。

    散文詩風小説
    幻想的で夢幻的、加えて人外の世界観
    距離と時間の移動から 異空間への移動
    猫町へのいざない
    薬物からの幻影なのか
    作家としての創作なのか
    あるいは、作者にとっての現実なのか

    村上春樹さんの1Q84で紛れ込んだ「猫町」を
    思い出します
    あちらは海外文学に着想があるらしいけれど
    いつもの街角からふと入り込む猫町
    幻想と現実の狭間 危うげな均衡
    共通点は多いと思う

    イラストはしきみさん
    彷徨える男がねずみとして表現されていて
    猫町からの対比からなのかしら
    そうすると村上春樹さんの初期作品に出てくるねずみ男も 

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    2024年05月11日
  • 詩集『青猫』より

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    萩原朔太郎文学忌、朔太郎忌
    「青猫」1923

    無数の雀は都会に集まる若者
    前半で東京-都会への憧れ
    都会の象徴は 建築・女性・高貴な生活
    後半から 現実の厳しさ 想いとのギャップ
    青い猫のかげ、幸福の青い影は 青い鳥の対義か
    影でしかない求める幸福

    様々な憂鬱の情景
    憂鬱ではあるけれど 詩自体はリズミカル
    都会は遠くにありて思うもの、だったのかな
    イラストはしきみさんです
    わかんないよね


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    2024年05月11日
  • 乙女の本棚2 猫町

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    萩原朔太郎が詩以外の小説を書いているとは知らなかったので、まず、そこに驚いた。
    旅した気分になるために、モルヒネやコカインを使ってエクスタシイを感じるという日常は、朔太郎自身もしていたものなのだろうか。
    今いる町が、左右反転しただけで、非日常にうつるというのは、私もどこかで感じたことがある。例えば、普段見ている漢字の文字が、急に知らない記号に見えてくる、そんな感じとか。
    猫だらけの町というのは、なにかのアニメ映画で数本見た記憶がある。この作品がモチーフになっていたりするのだろうか。不思議な世界観が後世の作品にもたらした影響や、作者の薬物歴などが、妙に気になった作品だった。

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    2024年02月16日
  • 乙女の本棚2 猫町

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    この作品は文字だけの方がいいな。
    なぜなら、描写がものすごく細かく、描写だけで頭の中に細部まで映像化ができてしまうので、それと合わないイラストによって逆に再現された映像が壊れてしまう。
    猫が迫り来るシーンはまるでサメがあの有名な音楽と共に迫り来るジョーズのような緊張感があるのだが、イラストとはずれる。

    イラスト自体がどーの、というよりは作品の魅力とビジュアライズということが相性があわないのかな、と思いました。

    2024.1.27
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    2024年01月27日
  • 悪魔 乙女の本棚作品集

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    乙女の本棚シリーズでお馴染み、イラストレーターのしきみさんがこれまで手掛けてきた作品の中から、ご本人が厳選したカットを一冊にまとめたイラスト集。
    ずいぶん前に読んでいたものをこうして見返すと、イラストの素敵さにまた溜め息がでるよう。
    萩原朔太郎「猫町」の、可愛いながらも妖しく奇妙な世界観。
    坂口安吾「桜の森の満開の下」の綺麗な女性と、般若の老婆の恐ろしさギャップ。
    この二作は特にお気に入りです。
    また、描き下ろしで芥川龍之介「悪魔」も収録されている。赤い瞳に赤い髪をもつ悪魔の悲しさが、普段よりも大きなページにとても美しく表れている。

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    2023年12月05日