佐野晶のレビュー一覧
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【2024年69冊目】
息子が小学校に上がる受験に合格したと同じ時期に知らされた、「赤ん坊の取り違え事件」。出産した時の病院で、乳児の取り違えが起こっていたらしい。これまで育ててきた息子とは血が繋がっていない――衝撃的な事実に打ちのめされながらも二つの家族は対面を果たす。本当に血は水よりも濃いのだろうか……?
原作は未見でした。あらすじを読んだ時に、これは結末如何によってはめちゃくちゃに泣くな、いやでも前に読んだ是枝裕和さんの映画原作マジで酷かったからな…と思って半ば疑いを強めながら読み始めました。
途中までは、えっ?そっちの展開に行っちゃうの?あと福山雅治さんにその役を?あっ、リリー・フランキーさんはわかる、ハマり役ですね、みたいに思いながら読んでたのですが、やっぱりぼろぼろに泣いてしまいました。
子どもって本当に敏感で、掛け地なく親のことが大好きな存在なんですよね。血よりももっと大事なことってきっとたくさんある。
私的に収まるところに収まって本当に良かったなと思った話でした。映画見ても、多分泣くんだろうなぁ、ずるいですよ。 -
Posted by ブクログ
「真実」
本当の事が最後までわからないで終わる。どうにでも解釈できるようで、だけど事実として殺人はあった。
自分に置き換えて考えてみれば、事実を100%の真実としてその時の感情や行動をも人に話せるだろうか?
無理な気がする。
相手によっては理解されようがない事は伏せるだろう。
相手によっては美化するわけでもなく無かった感情や思考も付け足したりもするだろう。
相手によっては邪魔する感情が邪魔しだす。
相手によってはその時々で自分の感情を伏せ、相手に併せるように時と場合を使い分ける。
結局の処、相手によってほんの数ミリかもしれないが行動や言動は変わるだろう。
対人関係において深く追求すれば相手にもよるが主人公の重盛のようにノイローゼ気味になる。
自分としての一定のスタンスを強く持ち、なるべく思考も感情も嘘がないようにしていかないと辻褄の部分が揺らいでしまう。
そう再認識させられる作品だった。
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Posted by ブクログ
映画監督の「是枝裕和」とノベライズ作家の「佐野晶」の共著『そして父になる』を読みました。
『三度目の殺人』に続き、「是枝裕和」と「佐野晶」の共著です。
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「6年間育てた息子は、他人の子でした――。大切に育ててきた6歳の息子。彼は、出生時に病院で取り違えられた他人の子供だった」。
「是枝裕和」・監督、「福山雅治」・主演で、カンヌ映画祭・審査員賞を受賞した映画『そして父になる』。
現在、もっとも勢いのある「尾野真千子」、「真木よう子」という豪華俳優陣の競演とともに話題を呼んでいます。
本書は「是枝監督」自身による渾身のノベライズ企画です。
学歴、仕事、家庭。すべてを手に入れ、自分は人生の勝ち組だと信じて疑わない「良多」。
ある日、病院からの連絡で、6年間育てた息子は病院で取り違えられた他人の子供だったことが判明する。
血か、共に過ごした時間か。
2つの家族に突きつけられる究極の選択。
そして、妻との出会い、両親との確執、上司の嘘、かつての恋、子供との時間―。
映画の余白を埋めていく、文字で紡がれる、家族それぞれの物語。
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映画監督「是枝裕和」と俳優「福山雅治」がタッグを組んで、2013年(平成25年)に公開された映画『そして父になる(英題:Like Father, Like Son)』のノベライズ作品、、、
映画は観たことがあったのですが… 本書を読んで、映画ではわかりづらかった、登場人物の揺れ動く感情の変化が理解できましたね。
血の繋がっていない子どもと、自分の血をひく本当の子ども… うーん、簡単には選べませんよねぇ、、、
登場人物の言動に、共感したり、反感を覚えたりしながら、複雑な気持ちで読み進めましたが、ラストで「良多」が「慶多」を抱きしめて、
「そうだよな。でもな、六年間は……六年間はパパだったんだ。できそこないだけど、パパだったんだよ」
というひと言にグッときましたね… この瞬間に「良多」は本当の意味で「慶多」の父親になったんでしょうね。
家族って、何なんだろうなぁ… ってことを考えさせられる作品でした、、、
「是枝裕和」って、家族のことを描かせたら右に出る者はいないな… って印象が強まりました。 -
Posted by ブクログ
映画監督の「是枝裕和」とノベライズ作家の「佐野晶」の共著『三度目の殺人』を読みました。
映画の方は観ていないのですが、予告編を観ると面白そうだったので、期待して読みました。
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『そして父になる』の「是枝裕和監督」、最新映画。
出演・「福山雅治」、「役所広司」、「広瀬すず 」他。
小説で浮かび上がる「真実」のその先――。
「本当のことを教えてくれよ」
――弁護に「真実」は必要ない。
そう信じ、裁判に勝利するための“法廷戦術"を駆使してきた弁護士「重盛」。
しかし、担当した事件の被疑者「三隅」は、会うたびに供述を二転三転させ、「重盛」を翻弄する。
そして次第に明らかになる、「三隅」と被害者の娘の関係。
なぜ殺したのか。
本当に殺したのか。
本当に裁かれるべきは、だれなのか。
心の底から「真実」を求め始める重盛の前に浮かび上がるものとは。
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映画監督「是枝裕和」と俳優「福山雅治」が再タッグを組んで、昨年9月に公開された映画『三度目の殺人(英題:The Third Murder)』のノベライズ作品です。
勝利にこだわる弁護士「重盛(福山雅治)」はやむを得ず、30年前にも殺人の前科がある「三隅(役所広司)」の弁護を担当することになる… 解雇された工場の社長「山中」を殺し、死体に火をつけた容疑で起訴された「三隅」は犯行を自供しており、このままだと死刑は免れない、、、
「重盛」は、どうにか無期懲役に持ち込もうと調査を開始するが、「三隅」は会う度に供述を変え、動機が希薄なことに「重盛」は違和感を覚える… やがて「重盛」が「三隅」と被害者の娘「咲江(広瀬すず)」の接点にたどりつくと、それまでと異なる事実が浮かび上がっていく。
「山中」を殺したのは「三隅」なのか… それとも、、、
想定できるのは、
○「三隅」が「咲江」のために殺人を犯した
○「咲江」が犯した罪を「三隅」が被った
○2人で犯行を行い「三隅」が罪を被った
なのですが、真相は藪の中なんですよね。
でも、何よりも「是枝裕和」が言いたかったのは、法廷は真実を解明する場所ではない… ということなんでしょうね、、、
裁判官、検察官、弁護人は、三者とも司法という同じ船に乗り、期限までに目的地にたどり着くことを優先し、真実の究明は二の次ぎで、真実が何かわからないまま裁きのシステムだけが維持されている… 考えてみると、恐ろしいことですね。
そして、タイトルになっている『三度目の殺人』って、司法による殺人(死刑となった「三隅」)のことを指しているんですよね… これまで、あまり理解していなかったことだけど、本書を読んで考えさせられたなぁ。
映画も観てみたいけど… 先に本書を読んでしまったので、映画の方は物足りなさを感じるかもなぁ、、、
書籍の方が、人物の背景や感情、細かな心理描写、難解な法廷論争のキーワード等が理解しやすいからなぁ… ちょっと迷いますね。 -
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毒物の取り扱いに秀でた阿久津春也とピッキング行為で捕まり保釈された利根太作が、盗聴盗撮を駆使して様々な案件を処理する物語だが、警官である阿久津、利根の職場となるレストラン ヴェレーノの小海友紀など、魅力的な人物が繰り広げる展開が楽しめた.手順は利根が対象家屋に忍び込み盗撮盗聴装置を設置し様子を確認し、状況を把握した阿久津が適切な毒物を選択する.最初の事例では父母が飲む焼酎に投入する.DVに苦しんでいた卓は父親の細木四郎の逮捕で解決.いじめの首謀者上川も毒物入り飲み物で形無しになる.難題だったのは引きこもりの上尾克俊の事例.阿久津の陽動作戦、利根の探索活動が功を奏し、克俊は閉鎖病棟に隔離されたが脱走し、阿久津と友紀の最高のイベントを混乱させる.テンポの早い決断を阿久津が出し、それを利根が上手くこなす.痛快な物語だった.
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購入済み
ロマンスが足りないかな
最初は登場人物の区別が付きにくくて、いちいちキャスト紹介に戻りながら読みました。ストーリーは飽きを感じさせない設定で面白かったんですが、ロマンスがやや不足気味なのが残念でした。町の人間が全て胡散臭くて最後まで犯人が分からなかった
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身柄引受人として保護司が名乗り出てくれたおかげで、仮釈放された窃盗犯の利根。しかしそれは、警官の阿久津が自ら行う「制裁」の手札として利用する目的だった。刑事事件として立件しづらい虐待やいじめ等の加害者に、自らの趣味でもある毒を使って制裁を下していく阿久津。と言ってしまえば恐ろしく思えますが、実はとても痛快でユーモラスでもある作品です。
毒を熟知した阿久津による制裁は、絶妙かもしれません。もちろん違法ではあるけれど、決して殺してしまうことなく事態を解決するという面ではこれ以上の妙案はないでしょう。たしかにエグいといえばエグいけど。実行されなかった「根治療法」はむしろ愉快ですね、本当に。ああいう犯罪者にはことごとくやってやればいいのに。
そして恐るべき敵との対決にもどきどきさせられ、ラストのあの展開にはもうどうなることかと思ったのだけれど。たしかに事情を知った利根の目線からすると……あれは笑うところだったのか。心配して損した!(笑) -
Posted by ブクログ
ネタバレ大企業スーパーゼネコン超一流サラリーマン主人公 良太が6年間育てていた子供は他人の子供だったことを、ある日、元産婦人科の病院から呼び出され、医師からそのように告げられてしまう。嫁が子供を出産した直後、看護師によって、子供を他の子とすり替えられてしまったのだ。元産婦人科の病院で すり替えられた側の夫婦と主人公の夫婦にとって、それは驚愕の事実だった。
病院側からすると 大人になるまえに双方の子供を交換して欲しいとの事。さすがに、そんな事言われても、両夫婦はとまどった。が、病院の言う通り、週末毎に相手側の子供を交換することを両夫婦は始めた。6歳になりたての子供に、こんな事を説明してもなかなか理解されないし、そもそも大人たちでさえ、理解できない。良太は、仕事の大きなプロジェクトで なかなか 家庭問題への対処もうまくいかず、憔悴しきっていた。
子供を交換して、12週目、今度は良太夫婦は交換した子供に、自分たちを父母と呼ぶ様に躾けようとするが、なかなか元相手側の子供は納得してくれない。
仕事では、赤子入れ替えの裁判が会社で知れ渡った影響で 田舎の方に左遷される。
仕事も家庭環境もめちゃくちゃになった良太が最後に取った行動とは。 -
ネタバレ 購入済み
軍艦艦長に見初められたヒロイン
経済的に祖母の宿屋経営が大変困難で美しい髪を売ったり、残り物を貰いに行ったり大変な苦労をしている美貌のヒロイン。海軍省の戦艦の独身キャップテンに見初められます。
立派な独身艦長に常に優しく見守られ、黙って助けを差し伸べてくれたら、そりゃ恋をしてしまって愛さずにはいられなくなるでしょうに。
ヒロインは自分の立場、社会的階級が大きく違う事を踏まえ彼のために身を引こうとします。
愛しい人が出征する前日の二人のデートはとてもロマンチックで、切ない別れのシーンが美しく悲しく感情移入してしまいました。
艦長が無事帰還して結婚してからの話は、ヒロインが大胆になってきて、また政治的外交の話の展開が今ひとつで、ストーリーの流れとしての盛り上がりに欠けた印象です。
ただ前半の展開と出征前の別れのシーンまではとても良かったので、3.5でなくて、評価4星としました。