あらすじ
凍える夜、慈悲を乞い村を歩く少女に訪れた温かな幸せ――ヒストリカル・ロマンス界の至宝カーラ・ケリーの名作!
英国の小さな港町の片隅で、エレノアはひもじさに耐えていた。子爵の非嫡出子であるばかりに世間から見放され、宿屋を営む祖母と暮らしているが、この半年はひとりの客さえ来ない。ついには長い髪を切って売り払ったとき、港に停泊した船の艦長オリヴァーが宿泊に訪れる。到着するなり体調を崩したオリヴァーをエレノアは懸命に看病した。オリヴァーは厳めしいが、彼女たちの窮状を察すると温かい食事を与え、心地よく暮らせるように取り計らってくれる。エレノアは淡い思いを募らせるが、人並みの幸せなど望めるはずもなくて……。
感情タグBEST3
軍艦艦長に見初められたヒロイン
経済的に祖母の宿屋経営が大変困難で美しい髪を売ったり、残り物を貰いに行ったり大変な苦労をしている美貌のヒロイン。海軍省の戦艦の独身キャップテンに見初められます。
立派な独身艦長に常に優しく見守られ、黙って助けを差し伸べてくれたら、そりゃ恋をしてしまって愛さずにはいられなくなるでしょうに。
ヒロインは自分の立場、社会的階級が大きく違う事を踏まえ彼のために身を引こうとします。
愛しい人が出征する前日の二人のデートはとてもロマンチックで、切ない別れのシーンが美しく悲しく感情移入してしまいました。
艦長が無事帰還して結婚してからの話は、ヒロインが大胆になってきて、また政治的外交の話の展開が今ひとつで、ストーリーの流れとしての盛り上がりに欠けた印象です。
ただ前半の展開と出征前の別れのシーンまではとても良かったので、3.5でなくて、評価4星としました。
さすがカーラ ケリー
海上封鎖とフランス軍、スパイの伏線の使い方等々、後半の展開に、さすがカーラと愉しめる作品です。異母姉妹の続編は、あるのでしょうか?出版を期待させる終わり方も気になる作品でした。前半は、ややもたつくので🌟1つマイナスとしました。我慢して読み進めることをおすすめします。