鎌谷悠希のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
変わってしまう様々なことにいつかは向かい合わないといけないことがある。決めなければいけないことは必ずくるものだと少し儚くも勇気をもってやらなければいけないことなんだよなぁと思わされました。
未来の自分が喜ぶだけの過程にしない。4巻でゆたかに指摘されたウラジミールの歌への喜び、今回はその部分が大きく描かれました。失ってしまった自分の大切な声、しかしその声が自分の歌う理由だったのか。自分の根源たるその時味わった始まりの音を思い出し、歌うことを決意するウラジミールに勇気を感じることができた。今の自分を未来の自分が喜ぶだけの過程にしないという言葉どおり辛くも決断することから逃げなかった彼は成長を感じられる存在になりました。酸いも甘いも噛み分けるのが大人ですが、大人が思い返すのは良い思い出ばかりです。しかしこうしてみれば子供時代の記憶は踏ん切りがつかなかったり、歯がゆかったり、苦い思い出が多いのだからしっかり覚えてないといけませんね。
自分の今を未来の自分が見たときなんて感想言うのかなと読み終わって思いましたが、なんだか少しばかり恐怖を覚えました。どうしようもない今現在を良い思い出として語るのか、それとも恥とレッテルを貼って心の奥底に封印するのかと思うと思考が宇宙の彼方に飛んでいきます。成長していく少年たちの思いをしっかり作品に記していく作品をみると自分の成長ってなんだろうといつも疑問に思いますが、少年ノートはそれがテーマであるからこそこちら側にも様々な思いを浮かび上がらせてくれます。今回の引きも今まで完全無欠のように見えた町屋さんのターンのようですし、またひとつ心の古傷をえぐられそうで怖いです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ最終巻。よかったなー。っていつも思う。
いろんな人の固定化してしまった強い願い、思いとを元の形に自然に返すことはできないけれど、森羅万象という過ぎた力をみんなでどうするか必至に考えていった感じ。
物語の中で悪者役としてしか存在できなかった人もほんとはどうにかなればよかったとも思う。
彼の目的達成のための努力が全部全部溝に捨てられたのは惜しい。
あの世界は元に戻ったようで戻っていない。誰もが痛みを抱えて再度歩きはじめた。
…でも帷先生は愛されてるな。いままでの苦労で既に対価を払っているのかな。
禁術のバランスは結構悪かったけど、萬天の秘術も素敵だったよね。これが秘術っていったのは相澤だったかな。確かの層なのかもしれない。
ある意味で忍術はもう技術に追い抜かされてしまうようなところも書いているのかなっとも。忍道部は科学部のコンテストにでざるを得なかったわけですしね。 -
Posted by ブクログ
この5巻は弱さや喪失を受け入れることはそんなに簡単な問題ではないことが描かれていました。
自分用の息継ぎ地点。今回の主役はゆたかの同級生で背が高いことに引け目を感じている鞆和也。自分自身が弱い存在であることは自分でよくわかってる。しかし、周りから色んなことを決めつけられ自分の行先を縛られてしまう。思春期マインドと言われてしまえばそうですがその解消って時が経てば忘れるだけで根本的な解決には至らないと思います。今回和也は合唱をクッションにして自分なりの息を吐き方を覚えました。家族や合唱、ゆたかとの人間関係などたくさんのことに悩まされたけど彼なりに1つの答えに行きつけたのが良かったです。ビバ青春。
アイデンティティの喪失。自分はなんのために生きているのか、だれに喜んでもらいたくて歌ったのか。このポポフの話はゆたかの兄穣とも繋がっていました。未来を恐れて今を戦えないポポフ、母すら自分を省みない今に絶望してしまった穣。ポポフが出した結論は自分なりの楽しかった思い出を反芻しながら未来への希望をゆたかの声から感じ取ったゆえの答えです。穣は歌を止め、笛を奏でるようになりましたがポポフはどうなるんでしょうか。
少年ノートはその表題作通り少年少女たちの思春期らしい一片を見せてくれています。それはとてもキレイな青春もあれば苦々しい思春期の思い出を掘り起こされる描写もあります。それでもそのバランスがとても心地良いのがこの作品の良いところだと思います。