鎌谷悠希のレビュー一覧
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最も印象的なのは雷鳴と虹一のエピソード。遂に、離別する展開になってから待望だった思いをぶつけ合う展開に。どこまでも真っ直ぐな気持ちでぶつかり続ける雷鳴と、その思いに心打たれ、雷鳴に惹かれながらもどうしても不死から逃れたい虹一の会話・描写全てが切なく、愛しく思える。台詞回しや構図も素晴らしい。
存在が消滅した後も宵風の影が色々な所・色々な人に残っていることの演出が切ない。この演出を丁寧に重ねることの効果は今でも十分だが、その真価は結末が出てからかと思うので期待したい。
ただ、小太郎に関しては正直読者的にも怪しいことはわかりきっていたので、そこを劇的に描くよりも白澤組のスタンスをもっと驚けるように -
Posted by ブクログ
完結!!旭の願いで壬晴を甦らせ。宵手の死の哀しみから壬晴を救った森羅万象---それは誰かの願いを叶えることで愛されたいと願った少女のたどり着いた場所だったよう。
けれど彼女が選んだ器たちは皆、彼女(力)を拒んだ-
ソレは何かが「それ」では愛は得られないのだと・・
彼女に教えていたのかもしれません。
森羅から離れることを選んだ彼女を母と慕いよりそう猫(しじま)と鳥(虹一)永遠の命をもつ3人。
でも一緒なら孤独ではないのかもしれない。
森羅万象は消滅----。壬晴には 自分の死。母の死 そして宵手の死。総ての記憶が戻った。
生きるということはその哀しみを忘れることではない・・
乗り越えてなをその人 -
Posted by ブクログ
この巻でいったん一区切りだと思うので。
6巻あたりから、ぐんぐんと加速度が増していって、今巻でサクレツした感じ。
出てくる登場人物、浮いている人がほとんどいない(私は雷鳴が素直で大好きだ)。みな、作品の世界で役割を果たす。
ただ、時折画が微妙になる(足の細さのバランスとか)とか、ストーリー的にも、宵風の過去は核心については語られなかったし、壬晴の気持ちのありようも、個人的には腑に落ちなかったんだけど、それを薙ぎ倒すパワーと、心の揺れ、そんなエネルギーがあふれている。
自分の心の中に、「孤独」を飼っている人なら、揺れると思う。きっと。
中にぐわーんときたら、最後のピンナップは泣けるだろ