河原和音のレビュー一覧
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帯と裏表紙に「クライマックス」と書かれてあって「まさかこの巻で終わりなの?」と思った。
さてさてまたこの時期がやって参りました。
高校野球です。
毎年7月に刊行されるこのシリーズも3冊目。
まだ終わらないで欲しいなぁ。
高校3年になった月谷・笛吹・小暮。
真面目過ぎてプレッシャーに押しつぶされそうになるキャッチャー・鈴江の気持ち。そこに寄り添える先輩の中村の存在。卒業したけど中村の存在は大きいな。
唯一人のマネジャー・瀬川の気持ち。
高校最後の夏が始まる。
それぞれの進路。四章目の月谷と小暮のキャッチボールのシーンは本当に高校球児の本音だな。と思った。
そう思ってそう。
須賀さんの書く野球物っ -
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青春! 青春だよ! 願わくばこの日々が、彼らのこれからの人生を支えるひとつになりますように。存在感がありながらも、最初はあくまで(物語中では)脇役でしかなかった三ツ木高校硬式野球部をこんなにがっつり書いてくれるとはおもっていなかったので、また彼らに会えてとてもうれしい。ぶつかりながら、じぶんの限界を感じながら、流されながら、それでもやっぱりじぶんの意志でやり遂げることを選べる彼ら。なんて頼もしくうつくしいのだろう。人間関係を掘り下げすぎず、野球を中心に書ききってくれたのも、高校野球の魅力が伝わりよかった。
(男性登場人物と同じように、女性登場人物を名ではなく姓で書いているのもよかった。地の文で -
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甲子園をテーマに、現在、過去、高校生の立場、取材する側、立場をかえたお話3編でした。正直、野球には興味がないのですが、プロ野球は見ないけど甲子園はと、多くの人が一生懸命になるのがなんとなくわかります。試合なのでもちろん勝ち負けは重要なんですが、やっぱりそれ以上に「このチーム」でという思いがどこの高校にもあるから、勝ったチームも負けたチームも輝いているんだと思いました。高校生活3年間あっても、「このチーム」は1年間だけですもんね。甲子園、ニュースぐらいしか見ませんが、どちらのチームも勝たせたい、といつも思います。最後の戦中の話は、こんなことは二度とあってはならないと思いました。
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ネタバレ別のお話をいくつか読んで何かが噛み合わず河原和音さんとは相性が悪いのかな…なんて思っていたのだけどこれは面白かった。
主人公・ののかも、相手役・直也も魅力的。
ののかは恋に恋して、素敵な年末イベントを彼氏と過ごすために彼氏が欲しいという恋愛初心者の女子高生。恋に対する理想が高く、彼氏彼女となるにはお互い大好きでなければと考えていて、なりゆきの恋はできないと思っている。
直也はいつもどこか余裕があるようで、テンションの上下もなく読めない男子。恋愛経験はこの歳にしては豊富で、女子に対しても気負ったり照れたりせず、自然体で接することができる。経験と性質からか恋はなりゆきと考えているところがある。
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甲子園という、特別な場所に魅せられて。
甲子園を目指す話がいくつか入っている。必ずしも主役は高校球児ではない。スポーツ新聞の記者が語りの話もある。一番惹かれたのは、表題作である『雲は湧き、光あふれて』だ。戦前、中等学校で甲子園を目指していた鈴木雄太の前に現れたのは、沢村栄治を思わせる剛速球を投げる滝山亨。不遜な滝山の態度にいら立つ雄太をよそに、彼らの普川商は甲子園出場を決めたが――。中学生の国語で「一塁手の生還」を読んで以来、戦前・戦後をまたぐ甲子園の話には、何か気になるものがある。
3作品を通じて感じたのは、甲子園という場所の特別さ。今も昔も、なぜ甲子園だけ特別なのか。なぜ高校野球にあん