細谷雄一のレビュー一覧

  • 安保論争

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    平和のために軍事力を持つことが必要という、一見あべこべのように感じていた理論を、わかりやすく説明してくれた本。今までの世界の歴史から、今の国際情勢、日本の立場について知れたし、理想論だけでなく現実的に世界を見て日本がどのようにあるべきかを示してて、かなり勉強になった。

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    2017年04月11日
  • 安保論争

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    安保法制について踏み込んだ話はしてないけどなんで安保法制がこんだけ反対を受けてて、なんで自分はそれでも賛成なのかってのがわかりやすく書かれてていいし、日本の今後の安保政策はいかにあるべきなのかってのを考えるヒントをくれる。今度は『安保法制』みたいなテーマでそれぞれの条文がなぜ必要と思うか突っ込んだ議論して欲しいな。

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    2016年09月23日
  • 戦後史の解放I 歴史認識とは何か―日露戦争からアジア太平洋戦争まで―

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    歴史学者が書く内容は一考に値する。国際状況のインテリジェンスが必要。思考停止 無批判の9条守れ が一番あぶない。

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    2016年05月04日
  • 戦後史の解放I 歴史認識とは何か―日露戦争からアジア太平洋戦争まで―

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    日露戦争以降、特に第一次大戦以降の日本の国の誤り方やその原因がよくわかる。

    バランスの取れた合理的な記述で、左右の立場にに関係なく、納得できるのではないか。

    視野狭窄に陥り、世の中全体を見ず、希望的観測に基づいた独善的な内向きな理屈を振りかざす。

    昨今の政財界の動きを見ても、戦後70年、何の進歩もないことを実感させられる。

    陸海軍が自分等の国内的勢力拡大を最大の目的とした結果として、日米開戦に到ると本気で考えた当事者がいなかったというのは、驚きを超えて情けなくもある。

    社会人、大学生の必読書。高校の副読本とすべき。

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    2015年12月18日
  • 戦後史の解放I 歴史認識とは何か―日露戦争からアジア太平洋戦争まで―

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    教科書は現代史をやる前に時間切れそこが一番知りたいのに何でそうなっちゃうの?
    「ピースとハイライト」by桑田圭祐

    日本史の中では世界は語られず、また世界史の中に日本の記述はほとんどない。世界史と言いながら東洋史と西洋史は有ってもイスラムや中央アジア、東南アジアなんかも中心にはいない。分断された歴史で現代史を見ても認識のみぞは埋まらない。それは日本の外交の経験や理解が、圧倒的に国際社会のそれからずれていることがしばしばあるからだ。戦前の日本外交の失敗や誰も始めるつもりも勝てる予測もなかったアジア・太平洋戦に突入したのも、国際政治に対する日本人の想定と現実の世界とのずれが原因にある。

    戦後日本

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    2015年09月08日
  • 戦後史の解放I 歴史認識とは何か―日露戦争からアジア太平洋戦争まで―

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    戦後史を20世紀の全体像の中に位置付け直し、再構築を試みた意欲作。「世界史」と「日本史」を統合し、国際的な平和、国際的な秩序を構築しようとする潮流の破壊者として戦前期日本の行動を捉える。

    日露戦争までは国際的な秩序の中に自らの行動を位置付け、それなりの国際的な信義を得ていた日本が第1次大戦以後の国際秩序構築の動きをなぜ見誤り、孤立していったのか。

    例えば、第1次大戦後の国際思潮の転換を牧野伸顕はしっかりと認識していたが政府の中では少数派であり、伊東巳代治のような旧来の「帝国主義」的な思想から脱却できなかった。ベルサイユ会議に同道した若き近衛文麿も「英米本位の平和主義を排す」としたことからも

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    2015年08月05日
  • 新しい地政学

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    とてもいろいろ考えることができた。
    戦争、安全保障とか、リアリズムとか。

    2020年出版であり、ウクライナ戦争前が始まる前の本。
    扱うテーマはロシアに限らず、中国、中東とか、ニュースになるようなところは大体含まれている。

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    2025年06月27日
  • 学習まんが 世界の歴史 17 多極化する世界 アジア・ヨーロッパ・中東・アフリカ

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    鄧小平は市場経済を取り入れた。それにより格差が広がる&民主化運動へ。それを取り締まるために天安門事件になった。

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    2025年06月15日
  • ウクライナ戦争と米中対立 帝国主義に逆襲される世界

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    何年か前の本とは思うが勉強になる。最近の米露の関係性とトランプ大統領のウクライナに対する決断の意図がなんとなく想像できた気がした。ロシアは歴史的にアメリカに対する劣等感や敵対感が国全体にわたって刷り込まれていて、ウクライナ侵攻とその結果も今後の米露の関係に多大な影響を与える。アメリカ側としてはロシアとの溝を深めることは不本意で、今ここでウクライナという”小国”を見捨ててでもアメリカ国内の今後の平和のため、ウクライナに降伏を進めているのではないか。自分の認識している道理だけだと、ウクライナは侵攻されている側なので、静止するのであればロシア側だろと思うので。またロシアのウクライナ侵攻を中国は今後の

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    2025年03月06日
  • ウクライナ戦争と米中対立 帝国主義に逆襲される世界

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     ロシアによるウクライナ侵攻、また今後起こりうるといわれる台湾有事の予測など、昨今の国際情勢について、著者が複数名の専門家と対談する。本書は主にアメリカとロシア、中国の関係を中心に語っており、それによると、ロシアと中国は日本を半植民地と見なす、つまりアメリカと同盟国を結んでいることは完全な主権を確立していないと考えている。また日本のロシアに対する性善説は江戸時代末期からあり、実際に日露戦争の直前、桂太郎が英国と同盟を結ぶことに対し、伊藤博文は日露協商を唱えるという事例があった。さらに2022年のウクライナ侵攻時に、ロシアに経済制裁を実行したが、これは短期的に見ると効果は現れないが、相手のコスト

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    2024年10月02日
  • 軍事と政治 日本の選択 歴史と世界の視座から

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    p.174
    「日本の安全保障に関する国民の認識の変化
    情勢適応の為、自衛隊の国際貢献活動ぐらいは容認すべき(湾岸戦争)
    ⇒PKO (カンボジア派遣を皮切りに現在も続けられている
    「自衛隊をどう使うべきか」という議論なしに自衛隊に国際的な安全保障の貢献活動を始めさせてしまった。その後湾岸戦争、阪神・淡路大震災でも自衛隊派遣」

    情勢が変化する事は、自衛隊の役割の変化の理由になると私は思うが、確かに安全保障に対する国民レベルでの議論は不足していると思う。

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    2024年05月18日
  • ウクライナ戦争と米中対立 帝国主義に逆襲される世界

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    断片的に捉えていたウクライナ問題を体系的に理解するに有益な本だった。また、ロシア関係だけではなく、最も意識すべき中国に繋げて議論される。個人的には台湾有事とウクライナ戦争がストレートには繋がらない。その視点でも読んでみた。

    2003年のイラク戦争はアメリカが全くロシアの言うことを聞かずに開戦した。それまではロシアもG8に参加し、西側との全面戦争は無いのだからと徴兵制を廃止しろと言う主張をしていた。それと前後して2003年にジョージアでバラ革命、2004年にはウクライナのオレンジ革命。そこでウクライナがNATOに加盟すると言い出した。2005年にはキルギスでチューリップ革命。この一連のカラー革

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    2023年08月13日
  • ウクライナ戦争と米中対立 帝国主義に逆襲される世界

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    従前から意識されていた米・中ロの対立構造がウクライナ戦争で先鋭化。

    民主国家対専制国家の構図は必ずしも前者に有利ではない。
    以前は全世界の7割を超えたG7のGDPは4割程まで低下し、グローバルサウスと呼ばれる発展途上国はむしろ後者との関係を深めている。

    アジア随一の民主国家である我が国がかかる状況に目覚め、自国防衛力を確保するとともにグローバルサウスなどとの橋渡しをすべき、との論考。

    個人的には小泉悠氏があまり他では語らない逸話を披露しているのも面白かった。

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    2023年03月31日
  • ウクライナ戦争と米中対立 帝国主義に逆襲される世界

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    とても面白く読めました。
    米中露の関係性の中にいずれも関わる日本の立場とこれからの在り方について、現実的な状況分析からのアプローチをしている。
    現実を見てしまうとこういった理論展開しかないよなと思わざるを得ないのですが、一方で理想論左派的な立場を塗り潰すのは違憲のコントロールという面でリスクが高すぎるとも感じる昨今です。
    普通にぶつかれば理論が勝ってしまうように見えるのですが、両方飼っていて良いのではないかと。
    ともあれ、現実的な検討をする上での論点について、さらには各国の文脈について多くを知れる本でした。

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    2023年01月26日
  • ウクライナ戦争と米中対立 帝国主義に逆襲される世界

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    時間かかっちゃったけど、専門家によって書かれた本で深く考えさせられる。ウクライナはまさに対岸の火事ではなく、台湾問題に飛び火しかねず、中国も虎視眈々とそれを見据える以上、日本人もいままさに防衛について、国際貢献についてアメリカ頼みでなく、主体的に考えなくてはいけない。

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    2023年01月18日
  • 世界史としての「大東亜戦争」

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    先の大戦を縦と横の様々な視点で議論している。
    日本に関する考察では避決定、縦割り、責任の所在など現在の日本的組織に当てはまる点が多く、教訓とすべきだと感じた。
    外国に関しては米英とソの一枚岩でない様子は世界史でも感じられるが、中華民国と米英ソの関係や仏とその植民地の関係、伊が世界に与えた影響など複雑な当時の世界情勢が垣間見えて興味深かった。

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    2022年09月21日
  • 世界史としての「大東亜戦争」

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    「先の大戦」と曖昧に呼ばれることの多い「大東亜戦争」をグローバルな観点から「複合戦争」として捉え、戦争の全体像を把握しようとした本書は、もともと月刊『Voice』の2022年1月号、4〜6月号に掲載された諸論考を編集したものである(第1章と13章、14章は書き下ろし)。レビュアーは『Voice』未見のため、どの論考も初見である。

    「複合戦争」という視点は、本書への寄稿はないが、内閣府アジア歴史資料センター長の波多野澄雄氏らが主張しているものであり、真珠湾攻撃に始まる日米戦争、主に東南アジアを舞台とした日英戦争、1937年に始まる日中戦争、そして終戦間際の日ソ戦争という4つの戦争の複合戦争とい

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    2022年08月05日
  • 新しい地政学

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    ロシアのドゥーギンの論考がウクライナ侵攻後に読むと、プーチンの思考様式なのではないかと思わされる。いわく、ドイツ、イランとの友好関係を築き、日本に対しては北方領土を返還することで内政上影響を与えようとする。
     またFOIPの発想として、リムランドへの影響力を高めつつ、シーパワーとして航行自由原則を維持しようとする点が紹介されている。

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    2022年07月18日
  • 安保論争

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    ネタバレ

    結果的にめちゃくちゃタイムリーなテーマとなったが、刊行年がやや古いため、現在進行中の出来事であるロシア-ウクライナの問題は当然ながら取り上げられていない。

    おそらく本書は安倍内閣時のいわゆる「周辺事態法」に触発されて書かれたのだろうけど、そのカバーする範囲はかなり広く終戦から現在までをリアリズム的な視点でカバーしている。特に面白かったのは、内閣法制局の解釈が年月を経るごとに硬直化・保守化をしていったというあたりで、官僚的世界の極地をのぞいた気になる。

    こういった内容がもう少し基礎知識として広がっていけば、もう少し安全保障の議論も冷静に出来るのだろうけど、今のSNSの反応見ていると、そういっ

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    2022年02月25日
  • 新しい地政学

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    地政学を始めて学習するために読んだが、基礎から現在の考え方と、世界的な地政学的状況まで一通り学ぶ事ができた。

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    2020年10月23日