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本書は「大東亜戦争」を、日本史や日米関係史の視座、あるいはアメリカ政府の視座である「太平洋史観」から解放し、さらには戦前の日本が戦争の肯定を試みた「大東亜戦争史観」からも解放して、国際史の視点から再検討する試みである。例えば中西寛氏は1890年を20世紀の起点に置く歴史観を提唱し、大木毅氏は当初日本よりも中国との関係を重視していたドイツが日本と手を結んだ経緯を綴る。重層的な視点から「複合戦争」の全体像を俯瞰する。 ●細谷雄一[五一年戦争史観] ●中西寛[20世紀史のなかの第二次世界大戦] ●松浦正孝[日本にとって大東亜戦争とは] ●森山優[日米開戦という選択] ●村田晃嗣[ローズヴェルトの世界戦略] ●アントニー・ベスト[イギリスの対日観] ●家近亮子[蒋介石の外交戦略] ●大木毅[ドイツの「転換」] ●花田智之[スターリンの対日戦略] ●宮下雄一郎[ド・ゴールの闘い] ●加藤聖文[戦後の東アジア] ●小谷賢[日米英のインテリジェンス] ●リチャード・オヴァリー[民主主義の「勝利」と限界] ●板橋拓己[ファシズムの浸透と競合] ●森田吉彦[知識人たちの闘い]
...続きを読むPosted by ブクログ 2022年09月21日
先の大戦を縦と横の様々な視点で議論している。
日本に関する考察では避決定、縦割り、責任の所在など現在の日本的組織に当てはまる点が多く、教訓とすべきだと感じた。
外国に関しては米英とソの一枚岩でない様子は世界史でも感じられるが、中華民国と米英ソの関係や仏とその植民地の関係、伊が世界に与えた影響など複雑...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年08月05日
「先の大戦」と曖昧に呼ばれることの多い「大東亜戦争」をグローバルな観点から「複合戦争」として捉え、戦争の全体像を把握しようとした本書は、もともと月刊『Voice』の2022年1月号、4〜6月号に掲載された諸論考を編集したものである(第1章と13章、14章は書き下ろし)。レビュアーは『Voice』未見...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年02月18日
「先の大戦」としか言いようがない。
太平洋を跨いだ日米戦争、東南アジアでは日英戦争、面倒くさい支那事変、最後のととどめ日ソ戦争。確かに、「太平洋戦争」と言ってしまうのは事実を表していない。
だからこその大東亜戦争。
まさに全世界を敵に回したんや。負けたんは、対米だけやけどな。
世界史の中で見れ...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年09月28日
今の、ロシアウクライナ戦争を考える意味でも、よい示唆を与えてくれる好著。
”「先の大戦」の起点を、その戦争の侵略性を強調することで「1931年」(=満州事変)に設定するのではなく、むしろ世界史的な意義から「1890年」に設定することで、われわれは新しい視野を手に入れることができるだろう。”
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